国会通信 No.532

 【前議長の議員辞職】

2002/5/13 (マンデーレポート532の要旨)


●5月7日(火)に行われた民主党の常任役員会の焦点は、  5月2日付けで提出された井上前議長の辞職問題だった。 ●衆議院では、鈴木宗男議員の辞職勧告決議案の取り扱いが  焦点になっているが、こちら参議院では、宗男議員と違って  井上氏は一足飛びに議員辞職願いを出してきた。  辞職願いを否決し同氏を引き止める理由はないが、  さりとてすんなりと辞職を認めるだけでは、かえって同氏の  疑惑隠しにつながってしまう。 ●役員会は論議の結果、「不退転の決意」で同氏の疑惑追及に  取り組むことにし、予算委員会で同氏の証人喚問を要求する  方向で意思統一した。 ●7日午後5時に予定されていた議運は、この井上議長の  辞職願いの対応をめぐって紛糾した。 ●理事会は午後5時の予定が延期され、午後6時10分、  そして午後7時25分の2度にわたって開催されることとなった。   焦点は、5月2日に参議院議長あてに提出された井上前議長の  議員辞職願いの取り扱いであった。 ●井上参議院議員は先に秘書の口利き疑惑によって審議を混乱  させたことを理由に議長を辞任していた。そして、当の秘書は  連休中に入札妨害容疑で関連の業者や市役所助役らとともに逮捕。  そして、逮捕という新たな事態の推移を受けて、井上参議院議員  は新議長あてに議員の辞職願いを提出することになった。 ●議長辞任後、さらに議員まで辞職するという急展開の事態。  この日の議運は、明日の本会議で、この議員辞職願いを、その  まま採決して良いかどうかが焦点となった。 ●ところで憲法は国会を国権の最高機関であると位置づけると  ともに、主権者が選出した国会議員の地位を尊重して様々な  特権を認めた。例えば不逮捕特権、免責特権などである。  そして議員の意思に反してその地位を奪う場合は、  「議員の議席を失わせる(=除名)ためには出席議員の  3分の2以上の多数の議決を必要とする。」(憲法55条)と  規定したのである。 ●鈴木宗男氏に対する辞職勧告決議案の上程に反対する与党は、  ときおりこの憲法55条を反対の論拠にする。 すなわち 辞職勧告決議案は、通常通りの議決要件ですんでしまう。 すなわち「出席議員の過半数」(56条2項)で可決成立するが、 可決されたからといって、55条の「3分の2」に到達して いななら議員辞職の法的効果は認められない。 いわば政治的な思惑で、議員の地位に「出席議員の3分の2以上」 という重い意義を認めた憲法55条の趣旨を損なうことになる。 それは妥当ではない、、、、これが鈴木宗男議員の辞職勧告決議案に 反対する与党の表向きの理屈である。 ●一方、参議院議員の井上氏の場合は、鈴木宗男氏と異なり、  率先垂範「議員の辞職願い」を先手を打って議長に提出して  きたのである。 ●この場合問題になるのは国会法107条である。  憲法は、議員の意思に反してその身分を奪う場合についての  規定を置いた。しかし、逆に議員自ら辞職を望んだ場合については  憲法上の規定を置いてはいない。それを定めているのが国会法107条  なのである ●同条は「(会期中は)各議院は、その議員の辞職を許可する  ことができる」と定め、また「閉会中は、議長において許可  することができる」とした。議員の身分は主権者である国民の  意思に基づく重要性をもつ。したがって自らの意思にもとづいて  その地位を放棄する場合であって、「3分の2」までは必要ではないが  「議院の許可」が必要であるとした。これは、議員の地位は  自分のものであって自分のものではない、有権者からお預かり  しているものだとの考えである。 ●鈴木宗男議員と違って、井上参議院議員の場合は、自らの疑惑  について国会の正式な機関においての追及の機会に曝されては  いない。与党の代表者を含む各会派の代表者会議での釈明が  あったがこれは公開の場ではないし、また口頭での説明が  行われたのみである。 ●もし、今後の疑惑追及の場の設定なしで議員辞職を認めてしまえば、  辞職によってすべてが「藪の中」では、辞職=疑惑隠しになってしまう。  しかし、すでに辞職を申し出ているものを、その採決に反対し、  議員の地位に留めておく理由もない。 ●結果として、疑惑追求のための予算委員会での証人喚問を、  不退転の決意で求めることとし、その旨の申しいれを議長に  行った上で、辞職については認めることにした。 ●しかし、辞職によって一切を「藪の中」とするわけには行かない。  鈴木宗男氏の問題と井上前議長の問題を比較しながら、  私が議運の理事会で展開した議論を整理すると以下の通りである。 1 三権の長である議長の疑惑と、一議員の疑惑では、その   重さは比較にならならないほど前者が重い。議長の疑惑の   解明はまさに院全体の問題である。 2 鈴木問題は、まがりなりにも衆議院予算委員会で公開の場   で取り上げられているが、井上問題は、権威は最高にあるが   非公開かつ議院の正式な機関ではない「代表者懇談会」という   場で釈明が行われたに過ぎない。 3 確かに議運は本会議立てを主任務とする。重要な法案を   しっかりと審議する段取りをするのが議運ではあるが、   井上問題は、与党を含む各会派の代表者に対して実施された   釈明自体が虚偽であったのでは、という重大な問題である。   個々の法案を審議する参議院の存立自体が問われている。   したがってすべての法案審議に優先する問題である。 4 与党も、自らの代表者に対して行われた釈明自体が虚偽で   あったとしたら、与党自体も前議長の詐術の犠牲者として、   疑惑解明には積極的に取り組むべきである。 ●井上議長の政策秘書が行った口利き疑惑は、千葉県内の  複数の自治体を巻き込む、公共事業に絡んだかなり手の込んだ  疑惑である。このような癒着の構造がはびこっていては、  何の改革も意味がない。予算委員会でのきちんとした追求が  ぜひとも必要である。 【先週の活動記録】 ■5月7日(火) 8:00AM 531回マンデーレポート 0:00PM 常任役員会 ★5月2日に提出された井上前議長の辞職願いについての 会派の対応を協議。 2:00PM 総務省郵政管理企画次長 郵政公社法案レク 3:00PM 下野新聞取材 4:30PM 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 5:00PM 議運理事会 ★午後5時開催予定であった議運は開催時間をずらすことに。 その理由は、午後4時15分から始まった、前議長議員辞職 問題についての、新議長と野党核は代表者会談が続行中であり その推移を見てから議運を開くことになった。 6:10PM 議運理事会 7:25PM 議運理事会 ■5月10日(水) 9:30AM 常任役員会 10:30AM 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 11:00AM 議運理事会 11:10AM 議運委員会 11:30AM 本会議 ★参議院新潟補選で当選した黒岩議員の紹介 ★井上議員辞職許可 ★平成11年・平成12年度決算の趣旨説明、質疑 質疑者(民主党・新緑風会 辻泰弘議員 15分)ほか ★日本・シンガポール協定(外交防衛)の採決。 0:30PM 国対・理事合同会議 ■5月9日(木) 0:00PM 自治労国保労組協議会 陳情 0:30PM 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 1:00PM 議運理事会 5:00PM 議運理事会 5:45PM 議運理事会    ★午前中 予算委員会の野党側理事は 井上前参議院議員の 証人喚問を委員長に対して要求。 これを受けて、議運理事会では、予算委員会の証人喚問の結論が でるまでは本会議の開催要求には応じられない旨主張。 疑惑解明と本会議立ては別とする与党側、 前議長の疑惑は参議院の信頼全体にかかわる問題であり、 個々の法案審議に優先する重大な問題であるとする野党側、 主張は折り合わず平行線をたどる。 最後は山崎委員長が明日の本会議は困難と判断。 ■5月10日(金) 8:00AM 第14回民主党・日弁連朝食会 11:00AM 議員総会 0:30PM 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 1:00PM 議運理事会 2:00PM 議運理事会 本日13時、14時より参議院議運理事会が開会。 与野党双方いままでの議論を繰り返す。 平行線次回の参議院本会議は未定です。 次回の議運理事会は来週の13日月曜日の13時より公報掲載。 実際の開会時間は夕刻の見込みです。 来週13日月曜日の参議院本会議は事実上開催困難となった。 ■5月11日(土) 10:00AM 法律相談一件。 11:30AM 山本家・鈴木家披露宴 2:30PM 県連幹事長の渡辺県議とともに     連合栃木・森田会長、板橋事務局長と懇談。 ★来年の統一地方選挙を控え、連合栃木と民主党県連の 連携をさらに密接にするよう意思一致しました。 4:00PM 県連幹事会 7:00PM 長島後援会長、中山青年部長と懇談 ■5月12日(日) 7:30AM 第35回西部学童軟式野球大会開会式 ★心配した天気も好天に恵まれました。子どもたちの はつらつとした姿を見るのはとても良いものです。 9:00AM 栃木県明るい社会づくりの会クリーン作戦 ★なんでこんなに危険物やごみを捨てるのか。 鬼怒川河川敷の道場宿付近のごみ拾いを行いました。 10:00AM 栃木県オストミー協会第17回通常総会 ★県内にもストーマー(人口臓器利用者)対応の トイレが3ヶ所できました。交通バリアフリー法 も施行後約3年。少しずつ成果が見えてきているようです。 しかし、バリアフリーからユニバーサルデザインに。 みんな同じ、だれでも障害者になるのです。 障害者仕様を原則的に考える時代を作るべきです、、 顧問としてそんな挨拶をしました。 11:00AM 栃木県看護協会第16回栃木県看護大会 1:00PM 栃木県バトミントン協会創立50周年記念式典