国会通信 No.538

 【権力の二重構造】

2002/6/24 (マンデーレポート538の要旨)


【鈴木宗男の犯罪の本質】 ●鈴木宗男衆議院議員がついに逮捕された。  支援委員会、ODAなど、いままで利権官庁と目されてはいなかった  外務省を舞台にした多くの疑惑、、、。氏の逮捕の直接の容疑は  林野庁を舞台としたあっせん収賄行為だが、捜査の手が疑惑の本丸の  外務省関連にまで及ばねば、犯罪の本質的解明にはつながらない。 ●そもそも鈴木宗男の犯罪の本質とはなにか。  それは日本の権力の構造問題と直結している。  この点を見落としてはならないし、司直の最終的な断罪の  ターゲットは「日本権力の構造問題」そのものでなければ  意味はないと考える。 ●日本の権力の本質的な構造問題とは何か。  結論から言えば、それは議院内閣制を隠れみのにした  「権力の二重構造」ということである。 ●権力の二重構造の実例はそこらに転がっている。  最近の目立った例をあげれば一つは外務省、もう一つは防衛庁である。  いづれも官僚たちは、現職大臣の言うことに従わず、場外の族議員の  ボスの指示に従った。大臣は、族議員のボスの前では子ども扱い。  本当の実力者は他にいるのである。これが端的な「権力の二重構造」の  実例である。 ●例えば、外務省を権力の二重構造の観点からケーススタディーして  みるとどうなるか。鈴木宗男氏の逮捕のプレリュード(前奏曲)は、  田中元外相との場外乱闘であったことは周知の通りである。一連の  バトルを通じて言えることは、どちらが本当の外務大臣なのか  はっきりとしないということだ。  むしろ外務省の高級官僚たちは平然と外相に反抗し、外相の足を引っ  張り、鈴木氏には追従たっぷりに従おうとした。直接的な権限の  ないはずの鈴木氏が様々な注文をつけ、入札で便宜をはからせ、  そして業者に政治献金をさせた。  官僚たちは、権限のない鈴木氏の指示を当然のごとく受け入れ、  違法行為すれすれのことまでやってのけてしまう。  このような明示的な権限のない鈴木氏が、大臣をはるかに越える  権力をもっていたということが、権力の二重構造の明白な証明である。   ●二つ目のケーススタディーは防衛庁である。  情報開示請求者のリストアップ問題について一旦作成された  40ページの報告書が4ページの「概要」に変更されて大きな  問題になった。これを「権力の二重構造」の観点で見直して見ると  問題の深刻かつ重大なことがさらに認識されてくる。  40ページの報告書は、前日に総理官邸で官房長官に報告されたうえ  了承を受けたものである。しかし、総理官邸の「了承」は、翌日の  与党3党の幹事長によって、いとも簡単に覆される。  3幹事長の中心には、自民党の防衛族のボス 山崎拓衆議院議員が  いる。彼のアドバイスによって、総理官邸の了承した38ページの  報告書は4ページに縮小、さらに「組織的な行為と疑われてもやむを  得ない」等の防衛庁の表現は、「誤解をされるから」等の理由で  削除されてしまう。  ここでも、官房長官・防衛庁長官が了承した報告案件が、勝手に  改変されるということが行われている。これもまた、二重権力構造  の明らかな実例である。 ●このような二重権力構造は、権力の中枢にある高級官僚も認める  ところだ。かって大蔵省の財務官として海外にまで有名な榊原英資氏は  自らの論文で、日本の権力構造をParty-Bureaucracy-Complexと指適した。    これは直訳すれば「政官混合政体」である。すなわち政党幹部が、行政  権限を越えて権限をふるえる権力のニ重構造を卒直に認めたものである。 ●権力の二重構造の問題点は、政治や行政の透明性を奪い、責任の  所在を不明確にする。  具体的に言えば     1 政策形成プロセスの歪曲    (政治の決定力の低下。官僚による大臣操縦)  2 政策評価の不徹底  3 不正の隠蔽化    等の数々の弊害をもたらす。 ●刑法第25章「汚職の罪」は、193条の公務員職権濫用罪にはじまり、  今回の受託収賄、事後収賄、あっせん収賄など10条からなっているが、  この章の名前はかつて「瀆職(トクショク)」の罪であった。  「瀆」とは「けがす」ことであり、したがってこの刑罰によって  守ろうとしているもの(これを犯罪の保護法益という)は、  職務の公正に対する国民の信頼である。  しかし、今まで述べてきたような権力の二重構造の場合、  この刑罰の実効性はかなり怪しくなってくる。なぜなら  収賄罪は公職にある人に対する罰則なのであって、  公職についていない影の実力者は刑罰の対象から除外されてしまう  からである。 ●収賄罪の成立のポイントは、金品をもらった者が、  「職務権限」を持っていたかどうかが最大のポイントである。  しかし、二重権力の場合、大臣を影で操る実力者は、直接の権限を  もっていない場合がむしろ普通である。そうなったときには、  刑法の汚職に関する刑罰規定は、いっさい無力になってしまうのである。 ●この限界をのりこえて、二重権力構造にメスをいれられるかどうか、  それが今回の検察の取り組むべき最大のポイントである。 ●また会期延長後、参議院では衆議院から送付されてきた、  あったん利得処罰法案の審議が行われることになるが、  この権力の二重構造を利用して不正を働く行為をどのように  処罰の対象にしうるかが大きな論点として浮上してくるであろう。 【国会コーラス 感動の公演】  6月19日 午後6時19分開演の超党派国会コーラス愛好会  主催のチャリティーリサイタルは、日比谷公会堂に1800名をこえる  観客を集め、感動の公演を行なった。  ゲストの皆さんの熱演、それを受けて60名の国会議員・家族も  大奮闘。感動のエスカレーションが相次いだ。  楽譜の読めない議員も参加し第一部の終局となった  超難関のハレルヤをノーミスで歌い切った瞬間は  参加者全員が興奮の渦に包まれたといっても過言ではない。  おかげさまで収益金は予想の100万円をはるかに越えそうな気配。  これは全額、国連難民高等弁務官事務所に寄付する予定。  当日は東京事務所の代表の方のご挨拶もいただいた。  音楽監督・指揮の岡村喬生さん、  合唱指導・アレンジの西脇久夫さん、  素晴らしい演奏をしていただいた  タイムファイブ、  ダカーポ、  サーカス、  ジパングコンソート、  ボニージャックスのみなさん、  そしていっこく堂さんに  心から感謝申し上げます。 【先週の主な活動】 ■6月17日(月) 8:00AM 第537回マンデーレポート 3:00PM 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 3:30PM 議運理事会 5:00PM 国会コーラスリサイタル練習会 ■6月18日(火) 10:00AM 東電労組栃木総支部第47回定時総会 0:00PM 常任役員会 0:30PM 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 1:00PM 議運理事会 5:00PM 国会コーラスリサイタル練習会 6:30PM 第3回電機連合四顧問・改革フォーラム協力議員会議 ■6月19日(水) 10:00AM 両院議員総会 11:30AM 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 0:00PM 議運理事会 0:40PM 議員総会 2:30PM 国会コーラスリサイタル ゲネプロ 6:19PM 国会コーラスリサイタル ■6月20日(木) 3:00PM 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 3:30PM 議運理事会 ■6月21日(金) 1:00PM 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 1:30PM 議運理事会 2:00PM 常任役員会 7:00PM 飛翔会定例会 ■6月22日(土) 10:00AM やなせ進・水島広子ミニ集会 2:00PM 県連安佐支部結成大会 3:00PM 県連佐野地域ミーティング ■6月23日(日) 9:00AM 関東オープンディスクゴルフトーナメント開会式 1:30PM 全逓栃木地区退職者組合第31回定期総会 3:00PM 馬場家・菊池家披露宴