国会通信 No.542
【権力犯罪の防止システムの構築を】
2002/7/22 (マンデーレポート542の要旨)
●先週 参議院の倫理選挙特別委員会であっせん利得処罰法案の改正案が
成立しました。しかし、その中味を見ると、犯罪の主体として
今までの国会議員の公設秘書に加えて、新たに「私設秘書」を
加えたのみの修正のみ。政治と金の問題の解決策としては
またしても極めて不充分なもので終ってしまいました。
●野党は、政治と金の問題が二度と起こることのないよう、
徹底した8項目に及ぶ修正案をだしました。そして、与党が
8項目のうち一点でも良いから野党案を取り入れるよう
強力に働きかけましたが、結果はゼロ回答。やはり、
政権交代をしない限り、徹底した対応策など作れないのです。
●簡単に言えば、与党案は、議員や秘書の行政に対する口利きが
犯罪となることについて、以下の二つの大きな絞りをかけています。
1 あっせん行為が「その権限の影響力の行使」でなければならない。
2 あっせんの目的は「契約の締結」か「何らかの行政処分」で
なければならない。
●与党は、このような大きなハードルを設けているために、
例えば、直接的な権限を持たない政党の大物については
犯罪が成立しないし、また予算の箇所付けなどについての
口利きも犯罪にはなりません。このような権力犯罪を狭めている
要件はすべて削除せよというのが野党の主張でした。
●しかし、与党は、削除すると犯罪成立が無限に広がり、
政治活動の自由が奪われるなどと主張、野党の主張を一切
とり入れませんでした。
●よくよく考えてみると、この与党の考え方は、
口利きによる政治資金確保の道をできるだけ狭くしたくない
との本音に基づいたものにほかなりません。
「政治活動の自由」とは、むしろ「政治献金の自由」、
「口利き政治の温存」に言い換えたほうがよさそうです。
●そもそも重要なことはわが国の権力犯罪防止システムが
機能していないということなのではないでしょうか。
●とくに議院内閣制度のもとにあって、特定の政党が
長期政権にいつづけると、大臣よりも発言権の強い
元大臣等の実力者が族議員として猛威を振るうに
なってきます。
●例えば自民党の出世パターンを分析すると、政党の役職と
内閣のポストを交互に就任しながら徐々に偉くなって行きます。
そして部会や調査会の幹部には、大臣経験者がゴロゴロいます。
そして大臣経験者は族議員のボスとして君臨し、新米大臣を
将棋の駒程度にしか認識しません。
●しかし、このような実力者は、もちろん行政の直接的な
権限は持っていませんから、刑法の収賄罪は成立しません。
なぜなら、刑法第25章の収賄罪は職務権限がある者だけに
しか成立しないからです。
●こんかいの「あっせん利得罪」でも、前述の通り、
「権限の影響力の行使」という縛りがかかっているから
やはり大物政治家は逃げられるようになってしまいます。
●野党案は、この点を強く意識していました。二度と
わが国の国会で金銭スキャンダルが起こらないようにするためには
法律の中にある逃げ道をすべて立ち切らねばなりません。
与党の今回の改正は、まさに「ざるの目」を大きなまま
残すことと変わりありませんね。
●17日の水曜日、私は民主党を代表して、参議院倫理選挙特別委員会で
質疑を行った。与党側との議論は予想していたとおり平行線であった。
ただ与党側の町村議員が、政党の支部に現金が入金された場合に、
実質的な判断のなかで、政党支部が個人と同じように見うる場合が
あることを認めたのは、法適用の際の解釈指針として意味があると
言えよう。以下に未定稿の議事録であるがこの点についてのやりとりを
添付する。
○(簗瀬)いわゆる政党支部の関係でございます。
第三者に対する利益の供与ということについては今回の法律には
入っていないわけでありますけれども、実際、政党支部というよう
なことで、新しく選挙制度が変わりまして、例えば小選挙区の政党
支部は、事実上はその小選挙区候補者の後援会事務所としての機能
を持っているという実態があるんじゃないのか。そういうところに
やっぱり政治資金として財産上の利益を供与した場合には正にこれ
に当たるんじゃないのかなと、こういうふうに考えるわけでありま
すけれども、その実態、あるいはそれに対する供与と、これについ
ての御見解を聞かせていただきたいと思います。
○衆議院議員(町村信孝君) 政党支部の実態は、委員御指摘のよ
うに、かなりそれぞれによって違いがあるということだと思います。
これは政党によってもまた、自由民主党の政党支部、多分、民主
党の政党支部あるいは共産党の支部、それぞれまた党によっても中
身が相当違うんだろうと思いますので、一概に政党支部がどうかと、
それは本人のダミーではないかとか、後援会のダミーではないかと
いうことはなかなか言えないんだろうと思いますが、基本的には政
党支部にせよ、あるいは個人後援会にしても、本人とは別個のもの
というか、別個の人格を有する第三者であるというのが原則論だろ
うと私は思っております。したがって、政党支部への利益供与は本
人への供与とは認められないというのが原則論だろうと思います。
ただ、そこは事実認定の問題でありまして、公職にある者、本人
との結び付きが大変強い政党支部、そして実質的な処分権を本人が
持っていると、こう認められる場合には、政党支部に対する資金供
与であっても、これは本人が収受したものとみなして本人に本法の
罪が適用されるというケースもあるんだろうと、このように私ども
は考えております。
■ ●参考 あっせん利得処罰法案についての質問要旨
7月17日(水) 参議院倫理選挙特別委員会で行った際のもの
1 政治と金の問題が尽きないのはなぜか。 (与党)
2 族議員という二重権力構造が日本の腐敗の温床ではないか。(与野党)
3 パーティー・ビューロクラシー・コンプレックスとの指摘をどう考えるか。
(与党)
4 今回の法改正によって、このような構造問題は解消される (与野党)
5 刑法の汚職の罪と本法の関係をどう捉えるか。 (与党)
6 本法の犯罪は、刑法の汚職の罪よりも刑罰が軽くなっている。
土本参考人はこれを根拠にして、本法の犯罪を形式犯として理解す
べきだと述べた。そうならば、構成要件としても、刑法の汚職の罪
よりももっと軽微かつ広汎にすべきではないか。 (与野党)
7 「権限」とは何か。「影響力の行使」とはなにか。 (与党)
8 鈴木宗男問題の本質はなにか。 (与党)
9 防衛庁秘密リスト問題についての報告書問題をどう理解しているのか。(与党)
10 「政治活動の自由」とはなにか。 (与党)
11 第三者供与も含めるべきではないか。政党支部と個人後援会の
一体化の実体があるのではないか。 (与党)
12 与党案はむしろ族議員の活躍を温存し助長する事につながるのではないか。
(与党)
あっせん利得処罰法案についての質問要旨(追加分)
1.修正協議の結果について (与野党)
2 権力犯罪を防止する全体的なシステム構築の必要性について
(与野党)
3 議院内閣制度における権力犯罪の有り様について
(与野党)
4 議員が合法的に取得できる「報酬」とはなにか。
(与野党)
【先週の主な活動】
■7月15日(月)
08:00 第541回マンデーレポート
18:00 県連三役会議
19:00 県連幹事会
■7月16日(火)
10:00 経済産業委員会
総務省・政策統括官面会
管理部長・高山様、議員課長・藤川様レク
00:00 常任役員会
00:30 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ
13:00 議運理事会
14:00 議運理事会
17:00 両院議員懇談会 代表選挙に関する承認事項について
■7月17日(水)
10:00 倫理選挙特別委員会 質疑
★ 質問要旨については前記
00:30 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ
13:00 議運理事会
18:00 情報労連、NTT労組栃木県支部第5回定期大会懇親会
18:30 六本木男性合唱団定期練習会
■7月18日(木)
10:00 財政金融委員会
13:00 経済産業委員会
18:10 車と社会を考える政策フォーラム
20:30 懇談会
★鳩山代表、海江田、大畠衆議院議員と懇談。
4人は民主党の96年結成当時の中核メンバー、
時々会っては意見交換している。今年になってこの日が3回目。
率直な意見交換を行った。私からは、ケネディー大統領の演説集、
そして塩野七生氏の「マキャベリ語録」を進呈した。
特にケネディーの演説のテープは是非聞いてもらいたいと進言。
大統領指名受諾の時の挑戦者としての気迫のほとばしる演説、
大統領就任演説の格調の高さ、キューバ危機の時の緊張感など、
政治家として数々の教訓があふれている。
■7月19日(金)
09:00 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ
09:30 議運理事会
09:40 議運委員会
10:00 本会議
★ 国会図書館長の同意人事案件、平成12年度予備費、平成13年度予備費、
あっせん利得処罰法改正案の採決、石油公団関連、東南海・南海地震防災の
採決(採決法案は予定)と国民生活調査会の中間報告。
10:30 倫理選挙特別委員会
★ 衆議院定数の「5増5減」案についての趣旨説明を聴取しました。
■7月20日(土)
山梨県の勝山村で行われた、東京JSバッハ合唱団夏季合宿に参加しました。
■ 7月21日(日)
13:00 陽南柔道クラブのバーベキュー大会に参加。
18:00 渡邊文雄氏 勲一等瑞宝章受章祝賀会に参加。
19:00 佐野市ミニ集会。