国会通信 No.544

 【議長不信任演説】

2002/8/5 (マンデーレポート544の要旨)


●192日間の通常国会が7月31日閉会した。  この最終日、参議院本会議場において、野党4会派を代表して  議長不信任案の趣旨説明演説を敢行した。 ●久しぶりの本会議登壇、そして議長不信任の趣旨説明演説は  私にとっては初めての経験である。 ●30日の日程を終え、部屋にもどって事務局作成の原稿を  チエックしたのが午前1時過ぎ。優秀な事務局を全面的に  信頼しノーチエックだったのが甘かった。論旨の混乱、  繰り返しの多さ、不適当な表現などが案外多い。これは  かなり手を入れねばと思ったが、時計は午前1時を回っ  ている。これはもう寝てしまえと布団にもぐり、午前5時40分  に起床。髭もそらず、議員会館に向かう。 ●午前6時前から修正作業開始。終ったのが午前9時15分。  本会議開催のための議運理事会が開かれる15分前。  大慌てで、石鹸なしで髭をそり上げプリントアウトした  原稿を手に、議運理事会、同委員会、議員総会、そして本会議  へと臨んだ。 ●10時の本会議はまず私の議長不信任決議の趣旨説明から始まり  それについての与野党の討論、採決。引き続き、総理大臣の  問責決議案の趣旨説明を角田義一議員会長が行い、それに  ついての与野党の討論、採決が行なわれた。 ●私の趣旨説明については、与党席からかなり激しい野次。  本会議壇上からだと、大きな野次を飛ばしている議員は  すぐ目に入ってくる。おもにその辺に視線を集中しながら、  負けずに、辻立ちと合唱で鍛えた声を張り上げる。 ●「くだらない」とか「馬鹿なことを言うな」とか、そんな  野次が飛んでくる。実はこの程度の野次はあまり応えない。  なぜなら、内容がないからである。応える野次というのは  内容の矛盾を簡潔に指摘してくる野次である。そういう野次  だと、時には次の言葉を飲み込んでしまったりということも  ある。しかし、無内容の感情的な反発だけの野次だと、逆に  なにくそと思う。演説の閉めくくりのラストスパートは、  さらに腹筋をギュットしめて、ボリュームのある声を出した。 ●議長不信任、総理問責とも、130対100程度で否決された。  残念であるが、これが与野党の議席差の結果なのだから、  致し方ない。与野党の議席差を少しでも詰め、逆転する日の  ために全力を注ぎ続けるしかない。 ●それにしても自民党の支持率が下がっているのに、民主党の  支持率が上がらない。その理由を、真剣に、冷静に分析  すべきである。 ●支持率アップのために代表選挙が重要であるとの論がある。  どうも私はそう思えない。遠心力しか働かない民主党の実態、  そこに多くの有権者が歯がゆさを感じているのではないか。  実績のある、したたかで、多士済々の自民党と対決できる  パワーを感じられないから、民主党への支持率が上がら  ないのではないか。このように考えると、代表選挙が  プラスになるとは思えないのである。 ●私個人としては、代表選挙などよりも挙党一致体制を  作るためにどうしたらよいのかを先に考えたほうがよいのでは  、、、などと思ったりする。しかし、もはや代表選挙は不可避。  としたら、党勢拡大のために代表選挙を最大限有効活用  すべきである。 ●議長不信任案 趣旨説明全文 添付ファイル参照 【先週の主な活動】 ■7月29日(月) 08:00 第543回マンデーレポート 09:15 来客 10:00 来客 13:00 日弁連 倫理研修 ★私の本業は弁護士である。もっともずいぶん錆び付いてはいる。 国会日程の不安定さから、依頼者・裁判所の双方に迷惑をかける ことになるので、個別の事件の受任は困難な状況にあるので 相談や法的アドバイスが主要な仕事である。 そんな私も、気づかぬうちに栃木県弁護士会に登録してから 21年経過。もうそんなに立ってしまったのかと正直驚いている。 ところで、日弁連では、登録5年ごとの弁護士倫理研修制度を 行なっている。本当は昨年受けるべきだったが行かずじまい。 とうとう日弁連からの督促の文書が来た。そこで、この日は 日弁連に出頭?することとなった。 日弁連の会館は霞ヶ関にある。そこの2階の大ホールで 研修を受けた。民事案件と刑事案件のケーススタディー。 パネリストには、一期後輩の白井弁護士など顔なじみの方も 居て、興味深く2時間の研修を終えた。 民事は、定期借地権の契約の立会人になった弁護士の職務 倫理。刑事は、被疑者から身代わりであったとの告白を受けた 場合の刑事弁護のあり方。それぞれ会場も交えて白熱の論議。 面白かった。 それにしても、開業当初にはこのような研修制度はなかった。 いろいろ問題を起こす弁護士が増え、日弁連としても内部努力 を迫られた結果のことなのだろう。しかし、弁護士は基本的には 「一匹狼」的性格の個性あふれる御仁が多い。研修制度は 「日弁連としても努力してます」とのイクスキューズ(=言い訳) の意味が強いのだろうなと勝手に想像した。 16:00 議運理事会 ★先週金曜日の本会議、委員会強行採決、さらには本会議 強行開催のダブル強行に反発して野党全会派がボイコット。 不正常な状況をどう打開していくのか論議。この日は、 衆議院の内閣不信任提出の状況を見極めてから、再協議 しようということで終った。  よく議運は「戦場の赤十字」などと言われる。表舞台での 激突は激突として、与野党冷静に客観的な立場から国会運営を 論議する責務を持っている。そんなわけで善後策協議がこの日の 主題であったが、話は簡単にまとまらない。  私個人としては、野党の国会戦術としては、健保法改正案の 強行採決の不当性を強く訴えるためには、法案採決を欠席せず、 法案の採決にからめて、議長不信任案、総理の問責決議案、 厚生労働委員長の解任決議案などを連発すべきであると考 えていた。  しかし衆議院の内閣不信任案の提出のタイミングについて 野党の認識が一致できず、また法案採決の不当性をより強固に 主張するためには「欠席」すべきであるとの一部野党の強い 主張もあって、結果として「欠席」戦術ということになった。  自民党は、夜食やバナナ300本を用意して深夜国会も 覚悟していた、等々の報道があったが、結局それもとり越し 苦労に終った。野党欠席で一番喜んだのは自民党であろう。  今国会は終ったが、野党の議運筆頭理事として強く思うのは 欠席戦術の空しさである。強く抗議するための「審議拒否」や、 「採決ボイコット」といった戦術が有効だった時代は終ったの ではないか。  野党として悔しいのは、せいせい堂々の論陣をはろうとしても、 先例からくる様々な制約が付きまとう。 例えば、 1 議会運営のすべては、最終的には多数決原理。  野党が質問時間をどんなに要求しても与党が認める限度内に  とどめられる。 2 審議時間の大枠の決定について必ず持ち出されるのが 「先例」である。 例 PKO法案でも100時間弱だった。したがって、 それよりも軽い法案だから80時間くらいでどうか、、、、。 3 衆参の比較の中で審議時間が決まってくる。  例 参議院は衆議院の7掛け。多めに見ても8掛けくらい。  衆議院の委員会で60時間審議しているのなら、参議院は  40時間かければよい、、、。 4 大枠で決まった審議時間の会派配分原理も結局は  ドント式で決まる。野党の希望通りの時間が来るわけで はない。よくある「ひどい例」は、全体枠の中で与党に 配分した質問時間を、時間短縮のため質問放棄する ことが行なわれたりする。もちろん、放棄した時間を 野党に再配分することなどは絶対にしてくれない。     与党は審議は充分に行なわれたと必ず主張する。 野党は審議不充分だと必ず主張する。この溝は選挙によって 与野党逆転しない限りなくならないのである。 したがって野党の国会戦術のもっとも重要な判断基準は 有権者にどうアピールするかである。そして次の選挙での 議席差解消に有効につなげて行くしかないのである。  さて健保法改正の際の「欠席戦術」は有効だったか? どおも私にはそう思えない。このあと30日(火)に 衆議院で内閣不信任を提出し、31日(水)の通常国会 最終日になって参議院は、議長不信任と内閣総理大臣 問責決議案を提出するのだが、出し遅れの古証文、 野党のアリバイ証明のように感じられてならない。 内閣不信任案は衆議院しかだせない(憲法69条)。 そして衆議院の野党は、参議院の健保法審議と連動して これを出すとの決定が出来なかった。衆議院野党は 「週明け」にこれを提出することとなった瞬間、 参議院野党にもタガがはめられた。 結果として参議院野党が議長不信任や総理個人の 問責決議の最後の切り札を切ったのは、文字通り 国会最終日の31日。最後の切り札を最終日に切っても たいした効果はない。しかも、本会議ので強行採決が 行なわれた26日からは5日も過ぎている。切り札を 切るにしては遅すぎた。  議運としては国会対策委員長を補佐しつつ、 精一杯やったつもりだし、参議院の執行部も がんばった。しかし、最後は数なのである。 選挙がすべて。選挙に勝利するしかない。   18:00 国会コーラス愛好会練習 ■7月30日(火) 11:45 東北大学現総長・元総長と東北大学出身国会議員の会 12:00 常任役員会 12:00 音楽議員連盟第27回臨時総会 16:00 議員総会 17:50 議運理事会 19:00 2002年W杯推進国会議員連盟主催「2006ドイツへの旅立ち」     国会コーラス愛好会 ゲスト出演 ★6/19日比谷コンサートに成功を収めた国会コーラスに早速 出演依頼。東京プリンスホテル、2000名をこえる参加者の前で 2曲(「上を向いて」「翼を下さい」)。ただコンサートと違い 立ち席の会場はざわついていた。元気よく大きな声は出ていた ものの、多少荒っぽくなってきているのがとても気になった。 国会コーラスは、10月以降、臨時国会開催と同時に再開 することになろうが、「荒さ」を「繊細」に変えられるだろうか。 大きな課題が出来た。 19:00 常任役員会懇親会 ■7月31日(水) 09:00 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 09:30 議運理事会 09:40 議運委員会 10:00 本会議  ★参議院議長不信任決議案・趣旨説明  13:05 経済産業委員会 理事補選・会期末処理 13:35 倫理選挙特別委員会 閉会中審査 14:30 議運理事会 14:40 議運委員会 15:00 本会議 ★最終日に議長不信任案が出されたため、この日の 本会議は午前午後の2ラウンドになった。異例である。 15:30 議運海外派遣 外務省レク ★議運理事は26日から、9月3日までの日程で、 ベトナム、インドネシア、東チモールを視察する。 その事前説明。 16:00 両院議員総会 16:30 両院議員懇親会 ■8月1日(木) 17:15 栃木県税理士政治連盟定期総会懇親会 ■8月2日(金) 09:30 下野新聞・河又記者 民主党代表選について取材 10:30 日本弁護士連合会 知的財産政策推進本部 第1回会合 ★議員としてではなく弁護士として推進本部委員の委嘱を受けた。 任期2年。知財の問題について日弁連もようやく本腰を入れて きたようだ。 ■8月3日(土) 17:00 平成14年「ふるさと宮まつり」オープニングセレモニー 18:15 第20回高砂荘納涼盆踊り大会 19:00 「ふるさと宮まつり」宇都宮中央卸市場神輿 ■8月4日(日) 10:00 第40回全逓宇都宮地方支部定期大会