国会通信 No.551
【知的財産権基本法案の骨格固まる】
2002/10/15 (マンデーレポート551の要旨)
【画期的な知財基本法案】
●先週の金曜日、内閣官房に置かれた、知的財産基本法準備室、
から知的財産基本法案(以下知財と略)についてレクを受けた。
●2年前の2000年6月、民主党は「羽ばたけ知的冒険者たち」
=民主党の21世紀知的財産戦略=を発表した。私は、座長として
このレポートをまとめた。その骨子は
1 21世紀の日本の国家的戦略の柱を知財に置くべし。
2 日本のIT政策の欠陥は、コンピューターの作り出す
あらたな経済に対応する基本的な視点を欠如していたことに
ある。
3 その基本的戦略こそ、知財戦略である。
4 知財の創造、権利化、活用の全般にわたって総合的な
国家的戦略を樹立する緊急の必要性がある。
5 また知財戦略は、行政、司法、立法のすべてに横断的に
またがるものでなければならない。
等々の内容であった。
●このレポートは、政党として知財の問題を包括的かつ
根底的に取り上げた最初のものであり、各方面から
高く評価されたと自賛している。
●私自身も、国会で再三知財戦略の重要性について
取り上げてきた。小渕政権、森政権、小泉政権の
それぞれに対し、予算委員会や経済産業委員会で
この問題の重要性について提言した。
知財戦略本部の設置、常設機関化、知財基本法の整備など
について質問を続けてきた。
●例えば、小渕総理への予算委員会の質問では、冒頭
カミオカンデをとりあげ、日本の科学技術の世界的な成果に
対して政治や行政の取り上げ方が低すぎることについて警告
した。この度、ニュートリノ理論で小柴先生がノーベル賞を
受賞したが、このことをいち早く国会でとりあげたのは
私である。
●このような活動がこの度の知財基本法案に生かされた事を
ほんとうにうれしく思う。私が持論として言ってきたことの
多くも取り上げられている。
●しかし若干の不満もあるので、担当者には提言した。
まず、
1、この法案を絶対に後ろ向きにしてもらいたくない。
中国を始めとするアジアの新興工業国に追い上げられてきている
わが国の既得権を守るため等々の「守りの姿勢」でこの
法案を作るのではないこと。21世紀も知財を中心にした
経済で世界のリーダーシップを取っていく決意の
みなぎった「攻めの姿勢」を明らかにしてほしい。
2、法案のなかで、権利の「創造」についての書きこみが
少ないとの印象を受ける。知財の創造、保護、活用のそれぞれの
ウエートを見ると、保護、活用は充実しているが「創造」の
取り上げ方が若干軽い印象である。これでは先行者の優越
を守るだけの消極的な印象となる。むしろもっとも
重要なのは、新たな創造力の強化である。新たな知財が
誕生してこその、保護と活用である。知財の創造力を
全力をあげて高めていくという大きな国家目標の
設定を行うべきである。
3 「創造」のなかで触れているのは主に大学等の高等
教育機関についてである。しかし、もっと重要なのは、
日本人の知的創造力を高めていくために、
小学校から、中学、高校そして大学へと結ぶ連携を
どうするかである。初頭から高等に結ぶ知的創造力
の活性化プロセスをどう描くかなのである。この
点で法案は不充分である。
●さて以下は内閣官房がまとめつつある「知財基本法案」の
あらましである。簡単に紹介したい。
なお、閣議決定前なので、最終決定までに若干の変更はありうる。
【知的財産基本法(案)のポイント】
■知的財産の定義
●今までの日本の法制では、知的財産に関連する権利は
特許、意匠、商標、種苗、著作権などと所管の省庁も
多岐にわたり分断されてきた。これをまとめて
「知的財産」と包括したことは画期的である。
●法案が包括概念としての知財に位置付ける主なものは
1 発明、著作物等人間の創造的活動により生み出されるもの
2 商標等商品や役務を表示するもの
3 営業秘密等事業活動に有用な技術上又は営業上の情報
■知財基本法の目的
1 知的財産の活用等による付加価値の創出を基軸とする活力ある経済社会を実現
2 知的財産の創造保護、活用を促進する施策を集中的計画的に推進
■国等の責務
国、地方公共団体、大学、事業者が相互に連携して知的財産戦略の推進に
必要な施策を講じること
特に、大学・事業者は、発明者等の適正な処遇の確保に努めること
■基本的施策
●(知的財産の創造)
大学の研究開発の促進及び大学から事業者への知的財産の移転の円滑化
●(知的財産の保護)
1 特許などの知的財産権の権利付与の手続迅速化
2 裁判などの知的財産紛争処理の迅速化
3 国内、国境及び海外におけるわが国の知的財産に対する侵害取り締まり
4 新分野における知的財産(ポストゲノム、再生医療)の保護
● (知的財産の活用)
1 事業者が知的財産を戦略的に活用するための事業指針の策定
2 個人の創業や意欲ある中小企業者の対する支援における特別の配慮
●(人材育成)
1 知的財産に関する専門家の育成
■知的財産推進計画
1 知的財産の創造、保護、活用及び人材の確保に関し、政府が集中的かつ
計画的に講ずべき施策を定める。
2 推進計画に定める施策は、具体的な目標と達成時期を定める。
3 推進計画の達成状況を調査し、その結果を公表、必要な見直しを行う。
■知的財産戦略本部の設置
1 知的財産戦略を集中的・計画的に推進するため、内閣に知的財産戦略本部を設置。
2 本部は、総理以下全閣僚及び民間有識者から構成。
3 本部は、知的財産推進計画を速やかに策定。
以上
【先週の主な活動】
■10月7日(月)
08:00 第550回マンデーレポート
09:15 NHKからの取材
09:45 法律相談
★ 地域経済の厳しい現状を再認識。そのなかで
懸命にがんばっている経営者の苦悩を聞かされた。
心を鬼にしてアドバイスをした。
13:00 民主党・新緑風会研修会 軽井沢
★ テレビ朝日の今村氏の講演。
参議院改革についての歴史。
鳩山代表の講演。
■10月9日(水)
13:30 議運委員部と打合せ
14:00 議運理事会
★臨時国会を目前にして、しばらくぶりの開催。
各会派の理事の数名が交代、その初顔合わせの意味もあり。
自民党は三の理事中 二名が交代。公明党も新任。
民主は郡司氏が谷林氏に。
■10月10日(木)
10:30 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ
11:00 議運理事会
★冒頭 、福田官房長官から、第155臨時国会を、18日に召集する旨の
正式な通告を受けた。
★また、先に逝去した今井澄議員の追悼演説については、今井議員の
ご遺族の要望もあり、また今井議員と仕事上の関係が深かった
自民党阿部正俊議員にお願いした旨 私のほうから申し入れ。
18日に行うことに決定した。
★当日の日程は、
10時 第一ラウンドの本会議を開会。
議席指定、新議員の紹介(信田邦雄議員)、
今井澄議員逝去につき追悼演説(自民党・阿部正俊議員)、
特別委員会の設置を行う見こみ。 (所要25分)
13時 開会式。
午後3時頃 第二ラウンドの本会議。
会期の決定と小泉総理大臣の所信表明演説。(所要30分)の見こみ。
00:00 役員室・アドバイザー会議
★代表・幹事長を補佐する役割をになって新設された役員室に対して
自由に意見を具申するアドバイザーを置くことになった。私もその
一員に。これから二週間に一度くらいのペースで議論を行い、
鳩山執行部にさまざまな提言を行っていくことに。
出席者からはさまざまな意見が出されたが、とにかく
「現場主義」に徹することが民主党と代表にとってもっともプラス
という結論に。とにかく経済危機の現場に代表自ら足を運び、
現場の情報を直接とらえて政策提言に結び付けていくことが
重要であると集約。
18:00 民主党栃木県連三役会議
19:00 民主党栃木県連幹事会
★選対委員長として新たに谷参議院議員を選任。佐藤信県議は
同代行にまわり谷さんを補佐することに。
県議会芳賀選挙区に出馬予定の茂木町議田崎さんの推薦を
正式に決定。この選挙区では自由党も同氏を推薦。
■10月11日(金)
08:00 日米欧総合安全保障議員協議会
★北朝鮮問題について慶応大学教授小此木さんの講演を聞く。
(上記)
09:30 知的財産基本法準備室、内閣参事官・甲野様来訪
知的財産基本法案についてレク
★三年前に座長としてまとめた「羽ばたけ知的冒険者たち」
=民主党の知的財産戦略=が、この法案誕生の原動力に
なっていることは間違いない。与党として自分が中心に
なって提出したかったのが残念。しかし、21世紀の日本の
重要な戦略については与野党なし。さらに良い法案に
しあがるよう私なりの考え方を強力にインプットした。
(上記)
13:00 田崎県議予定候補者の推薦決定の記者会見を、自由党の
山岡賢治代議士とともに行う。田崎さんは32歳。自民党が二議席
を独占してきた芳賀選挙区に風穴を開けたいと立候補を決意。
民主、自由両党の県連が、ともに推薦。全力をあげてご支援したい。
なお当選後は、県議会内の民主・県民連合に所属することも
明らかにした。