国会通信 No.553
【哀悼 石井議員】
2002/10/28 (マンデーレポート553の要旨)
(要約)
1 哀悼 石井紘基議員
2 イラク攻撃と米国世論
10/16シカゴ外交評議会タウンミーティングの紹介。
「先制攻撃」と「予防攻撃」は区別できるか。
イラク攻撃は国連憲章違反。
【石井紘基議員の死を悼む】
●石井衆議院議員が凶刃に倒れた。
この国の再生を信じ、この国の根深い病根と戦い続けた
彼の生命は瞬時に奪われた。暴力に対する激しい怒り、
無念さへの共感、ある種の喪失感が渦巻いている。
本当に残念で悲しい。
●彼と初めて会ったのは今から9年前の93年、衆議院
総選挙の直後であった。
●彼は社会党出身、私は自民党出身。しかし、それぞれが
離党し、私はさきがけ、そして彼は日本新党の公認候補者
として選挙に臨み当選した。そんな共通点から
私を訪ねてきたようであった。自民党、社会党という二つの
古い政党をのりこえた新しい二大政党制を作らねばならない、
そして政権交代が機能する新しい政治を作らねばならない
、、、そんな思いを共有していた。
●石井さんは、大声でまくし立てたり、華麗な弁論を展開する
ような人ではない。しかし、政治的信念はどこまでも確固
としていた。また、政治家としての着眼点も卓抜であった。
さらに、有権者の目線にたって分かりやすく論点を伝え、
結論を納得させる手法は誰にも真似の出来ないものであった。
●彼の著作はことごとく話題を呼んだ。
「官僚天国・日本破産」(96年)はこの国にメスを入れる
基本的な視点と手法を提起した。それどころか、96年に
誕生した民主党の基本的な存在意義まで規定したと言って
よいだろう。
告発マンガ「利権列島」(99年)は「国民会計検査院」を
創立した彼の面目躍如。しかも「マンガ」という表現手段を
駆使するなどきわめて斬新であった。
今年出版した「日本が自滅する日」は都内の書店でも
ベストセラーになった。そのお祝いのパーティーを目前
にしての非業の死。本当に残念である。
●彼のホームページのトップページには彼の政治家の信念が
分かりやすく端的に掲げてある。彼の遺志を引き継ぐため
その全文を以下に引用する。
★ 国をダメにした利権政治と闘っています。
★ 社会的に弱い者の立場に立つ庶民の政治家です。
★ ムダな公共事業(利権に蝕まれた)による自然破壊は 許しません。
★ 「すべての世代にとって生きがいある社会」実現のための
再構築をおこないます。
★ 軍拡に反対し、平和と文化を守る国づくりのために
日々努力しています。
★ "実行"と"実現"の政治家です。
彼の考え方が本当によく伝わってくる。
そして彼はこの言葉どおり生き、そして逝った。
心から御冥福をお祈りしたい。
石井さん。さようなら。
【イラク攻撃と米国世論】
●SNETの会員の一人で米国在住のWさんからメールが届き、
先週水曜日(10月16日)に行なわれたシカゴ外交評議会・
タウンミーティングの模様を伝えてきた。
テーマは「イラク、我々はどう対応すべきか」であった。
400名の聴衆を前にして4名のゲストの見解表明そして
聴衆との質疑応答が行なわれた。
●イラク攻撃の予想が強まる中、4名のパネリストの話は、
大変参考になるので、Wさんのレポートを要約しつつ、
私見を述べてみたい。もちろん私個人は、米のイラク
攻撃には大反対である。
●まず4名のパネリストの意見を紹介しよう。
■マーク・ギンズバーグ氏(前モロッコ駐在米国大使)
@ ブッシュ政権の対イラク議論は、脅威が増強しつづけ
ているという、当事者でないとよくわからない、
一種の証明不可能な仮説に基づいている。
A 戦争をするにしても、それは我々の選択肢の最後に
来るべきで、最初に持ってくるべきではない。
B とはいっても、抑止姿勢一本槍は危険である。
その点では、フセインが核をもてば悲惨なことになる、
とのタカ派の主張は賛成できるが。
■シエリフ・バスーニ氏
(デュポール大学法学部教授)(世界人権法研究所所長)
@ 先日のブッシュ大統領の国連演説は、イラクの脅威への憶測、
推測、主観的見解に基づく、極めて疑り深い性格のもの。
A それ故、イラクに武力を使う前に、もっと合法的な理由が必要。
人は、偽の、憶測を交えた情報やプロパガンに基づくべきではない。
B 火急の危機や、攻撃を受ける脅威が、目前にあって、
初めて武力は使われるべき。
C 国連憲章は、明らかに先制攻撃を許容していない。
D 米国憲法を見ても、戦争に入るには議会の戦争宣言が必要で、
単なる決議だけでは不十分。
■ダイアン・スォンク氏
(バンク・ワン銀行・チーフ・エコノミスト)
@ 9・11直後、一気に盛り上がった、米国を団結させた愛国心は、
今や消え去った。世論を見ても、対イラク姿勢については、
意見が分かれている。
A アフガンの事例を見ても、米軍がイラクを仮に占拠し、
占領行政を敷いて、国家再建にのめり込まざるをえなくなれば、
そのコストは巨額に上る。戦費に加え、こうした経費が発生すれば、
米国の連邦財政にとっては大きな負担。
■ジョン・メルシエイマ氏
(シカゴ大学教授、国際安全保障プログラム・ディレクター)
米国がイラクに侵攻すべきでない、と考える3つの理由がある。
第1は、フセインとアルカイダを結びつける直接の証拠が無い。
第2は、フセインは悪い奴だが、なお封じ込めうる。
第3は、攻撃を仕掛ければ多大のコストがかかる。仮に、
米国がイラクに侵攻し、イラク原油で利権を確保しようとすれば、
そうした行為はアラブの人々の気持ちを決定的に反米にするだろう。
そうなれば、テロに勝利する道はもっと遠くなる。
では、米国はどうすべきか。方向ははっきりしている。
まず、アルカイダを追い詰める。
第2に、フセインを攻撃するのではなく、封じ込める。
第3は、アラブ・イスレエル紛争を解決する。
●4名とも慎重な論議を展開しており、アメリカの国内でも冷静な
議論が存在するのがよく分かる。しかし、若干気になるのは
ギンズバーグ氏がミーティングの中で言及した「先制攻撃」と
「予防攻撃」の考え方である。
●元大使の説は、
1自国が攻撃される危機にある場合に明瞭な証拠がある場合と
ない場合がある。
2項劇の危険に着いての明瞭な証拠がないのに、相手国を攻撃
することは国際法上禁止されている。
これがいわゆる「先制攻撃(preventive war)」である。
3攻撃される危機の証拠がある場合は必ずしも、攻撃が
禁止されているわけではない。この場合を先制攻撃と区別して
「予防攻撃(pre-emptive war)」と言うべきである。
4ブッシュ政権は、証拠を強弁し、基本的には「先制攻撃」
であるのに、これを「予防攻撃」であると強調している。
●しかし、証拠の有無で線引きするのはそもそも困難である。
したがって予防攻撃という考え方自体が扶養であると考える。
●さて、最後の私の考え方を明らかにしておきたい。
私は、米の攻撃は明らかに先制攻撃であり、国連憲章上
認められないと考える。
もし米国のイラク攻撃を容認すると大変なことになる。
なぜなら、第2次大戦後に国連を中心にようやく形成
された世界の安全保障の基本的枠組み(=先制攻撃の禁止)を
崩壊に導くことになるからである。世界の平和のシステムを
19世紀の帝国主義の時代にもどしてはならない。
●参考に国連憲章の関連規定を3つあげたい。
1 憲章2条(行動の原則)第3項
「すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって
、、、、、解決しなければならない。」
2 同条4項
「すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇
または武力の行使を、いかなる国の政治的独立に対する
ものも、、、、、慎まなければならない。」
3 51条(自衛権)
「この憲章のいかなる規定も、加盟国に対して、武力攻撃が
発生した場合には、、、、、、、、個別的または集団的自衛の
固有の権利を害するものではない。」
●この3つを総合すると、国連憲章上、国連加盟国は
「武力攻撃が発生した場合」に限って武力行使を許す(51条)が、
それ以外は平和的手段をとるべきであり(2条3項)、
また武力による威嚇や武力の行使は「慎まなければならない」
(2条4項)とされているのである。
【先週の主な活動】
■10月21日(月)
08:00 第522回マンデーレポート
■10月22日(火)
09:00 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ
09:30 議運理事会
09:40 議運委員会
10:00 本会議
★先週行なわれた総理の所信表明に対する代表質問
民主党・新緑風会40分(千葉景子副会長)、
自民党20分(青木幹事長)。
総理の答弁には誠意も熱意も感じられない。答弁時間が
短くて見込みよりもかなり早く終了した。
一方、自民党の青木幹事長の質問は、与党と総理の間の
溝を実感させる痛烈なものだった。野党席のほうの拍手
が大きかった。
12:00 常任役員会
13:30 NTT労組東日本本部 吉澤委員長訪問
17:00 民主党の赤松選対委員長を訪問。
19:00 高校時代の友人の木村君と情報交換。
■10月23日(水)
09:00 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ
09:30 議運理事会
09:40 議運委員会
10:00 本会議
12:00 国対・理事合同会議
13:00 本会議
★前日に引き続き総理の所信に対する質疑。
議運として、答弁漏れには細心の注意を払う。
質問と答弁を神経を使いながらチエックするのは
かなり神経を使う。午後にはわが党の朝日政審会長が
質問。急きょ、前日の夜の竹中報告をめぐる自民党の
混乱を質問冒頭にとりいれることに。慌てて各会派の
了承を得るため場内をかけ回ったろした。
■10月25日(金)
09:00 予算委員会
★民主党の峰崎、佐藤両議員が質問。傍聴席で応援。
11:00 文部科学省より今国会提出の法案についてレク。
★レクを受けているときに石井議員が刺殺されたとの連絡。
愕然とする。
11:30 経済産業省・大臣官房審議官石田様 法案レク。
12:00 国土交通省・伊藤総括審議官 法案レク。
12:30 内閣官房知的財産基本法準備室・平井副室長来訪
★知的財産の「創造」プロセスに重点を置くべきであるとの
私の提案をかなり参考にしてくれたようである。
■10月26日(土)
11:00 連合栃木 愛のカンパ街頭行動。
★連合が毎年行なっているカンパに協力。東武駅前で、
連合栃木の森田会長、板橋事務局長、民主党議員団の
みなさんと共にカンパご協力のお願いをした。
18:00 2002年日産労連栃木地協新旧地協委員会