国会通信 No.558

  【鳩山代表の真意】【ノーベル賞小柴先生の話】

2002/12/2 (マンデーレポート558の要旨)


index 1「鳩山代表の真意」(民主党の行方について私の考え) 2「珠玉のような小柴語録」(ノーベル賞受賞の小柴先生が  参考人として陳述。その全文+私の質問への回答。) 〜二流の理論屋が多く出ている委員会でいろいろな 計画を査定しますと、要するに常識で分かるようなこと しか通らない〜等々、小柴先生の感動的な話を紹介。 3「今週の主な活動」 cf 小柴先生の話は全文紹介ゆえ長文です。 //////////////////////////////////////////////////// 【鳩山代表の真意は】 ●29日(土)午後6時45分、鳩山代表は記者会見をし、 1 野党結集に全力を尽くす。 2 自らの出処進退を今国会中に明らかにする。 の2点を明らかにしました。 また、その日の午後10時過ぎに自由党本部を訪れ、小沢 代表に面会し、野党結集についての協力を要請したとの報道が 流れました。 ●鳩山代表の真意については、直接本人から説明される機会も あると思いますが、現在の民主党支持率の低迷について、 代表としての重大な責任を感じながら、局面打開の大きな 手を打ったものであろうと思います。 ●しかし、今回の鳩山代表の行動については党内の大方の議論を 経たものではなく、突出したものであることは間違いありません。 かなり大きな混乱を党内に呼ぶことは間違いありません。 ●いづれにしても、混乱にあって大切なのは政治の「優先課題」 を間違えないことです。 ●それは何かといえば 1 二大政党制日本に定着させるために全力を上げる。 2 対自民党の大きな政治勢力を結集すること。 3 自民党の政治とのおおまかな政策的対抗軸を作ること。 だと思います。 ●そのために96年に民主党を作り、また98年に民主党を拡大 させてきました。 ●98年の民主党は分裂した新進党からの参加者を受け入れた ものでした。その人たちを大まかに言うと最大時の新進党から 公明党を小沢グループを除いたものでした。 ●これらの動きを大雑把に図式化すると以下のようになります。 ■96年民主党 =(新党さきがけ−武村系)+(社民党−土井系) ※(武村系の過半は自民党に復帰。土井系は現在の社民党) ■98年民主党 =民主党+(新進党−公明系−小沢系) ※(公明系は自民党連立。小沢系は自由党) ●私自身は現在の民主党は、外交・安全保障・経済政策の 大きな政策面で、それなりの対抗軸を自民党と作り出すことに 成功してきたと評価してきました。ここで、再び、小沢自由党や 社民党と統一会派を組むにしても、96年や98年の歴史を 再び逆戻りさせるような違和感は覚えています。 ●しかし、この違和感は、前述の優先課題の第3順位の問題。 もっと大切なのは、第1と第2です。後先を間違えるのは 自ら戒めるべきです。ここは虚心坦懐。この混乱のなかで もっとも大切なことは自民党に対する対抗勢力を大きくまと めていくことであると自覚すべきです。そしてそのために 何が必要なことかを間違えないことです。また民主党を いたずらに分裂させることは断じて避けるべきであると 言うことです。そのために全力を尽くします。 【珠玉のような小柴語録】 ●先週参議院で知的財産基本法案が可決され、同法案は成立 しました。知財戦略こそ21世紀の国家戦略であると訴えてきた 私の主張が法律になりました。心から喜びたいと思います。 ●ただすでに指摘したとおり、法案にしても、その取り組みに 対しても、今の小泉政権の本気が感じられません。このままでは 国家戦略と言う言葉が泣きます。キャッチフレーズだけの中味の ないいいかげんな政策にしてはなりません。 ●先日行なわれた参考人の質疑でも、ノーベル物理学賞を受賞 した小柴先生が、微妙な言い回しで警鐘を鳴らしています。 委員一同おおいに感服した小柴参考人の陳述と私の質疑内容を 以下に全文紹介します。 ●特に「世界人類に共通する知的財産」を、という先生の言葉や 頭脳流出を恐れるな、むしろ外国の優秀な頭脳を導入すればよい、 という言葉には深い感動を覚えました。議事録の調整がすみ次第 やがて全部を紹介したいともいますのでご期待ください。 ■■■■■■■■小柴参考人の珠玉の言葉■■■■■■■■■ 155-参-経済産業委員会-8号 2002年11月26日(未定稿) ○委員長(田浦直君) ただいまから経済産業委員会を開会します。  知的財産基本法案を議題とし、参考人の皆様から御意見を伺います。 〜それでは、まず小柴参考人にお願いをしたいと思います。小柴参考人。 ○ 参考人(小柴昌俊君) 私、この会に呼ばれて大変光栄に存じて ○ おります。ただ、気になりますのは、ほかの二人の参考人の方々 ○ はこの法案の内容にいろいろと詳しい御意見をお持ちだと思われ ○ ますけれども、私、実はここにある内容に果たして関連のある意 ○ 見を述べられるかどうか、大変自分で心もとなく思っておる次第 ○ でございます。  といいますのは、私、ほとんど全生涯にわたって特許とかそうい うこととは全然関係のない仕事をしてまいりましたもので、余り考 えたことがございません。ただ、この渡していただいた文献をちら ちらと拝見しまして、少し感じたことを述べさせていただきます。 それで、もし何か後で御質問がございましたらお答えできるだけの ことをしたいと思います。  まず申し上げたいことは、ここでまず冒頭に書かれてある日本の 経済の停滞ということでございますけれども、私の素人考えかもし れませんけれども、数年前、もう十年ぐらい前になりますか、日本 でMBAでしたか、そういう経営学修士というのが非常にもてはや されて、それでアメリカでももちろんそうだったわけですけれども、 その人たちの願いはやはり自分が責任者になった企業の業績を任期 中に高めて、そしてその利益率の増大で自分も十分な収入を得ると いうようなことで、一時的にはブームになるんですけれども、どん なことでも同じだと思いますけれども、二、三年先にどうなるかと いう見通しと、それが終わった後で十年先、二十年先にどういうふ うになるだろうかという見通しとは違う場合が多々あると思うんで す。その点をはっきりと認識していただけば、日本の企業が十年先、 二十年先というのを見据えてさてどうするかということを考えてい ただくことが大事ではないかと私は思います。  その理由は、すぐ研究成果が産業的な利益とか特許に結び付くか どうかという種類の研究ももちろん大事ですけれども、私どものや っている基礎科学というのは、腰を据えて十年、二十年と努力を続 けなくては結果が得られないというようなものでございます。そう いうことをたゆみなく続けていくということが、その事の性質上企 業からの応援を得られない分野としては、国家の支援というものが どうしても必要になる。  問題は、そういうふうにして得られた結果というのは、先ほども 申し上げましたように、産業界の利益に直接結び付くものではなくて、 ただ人類の共通な知的財産に何らかのプラスをしたという国民的な 喜びといいますか、それだけで終わるものです。そういうものをど れだけ評価するかというのが、やはりその国の国民の文明の程度だ と、そういうふうに私は理解しております。  話が少し横にずれていったのではないかと思いますので、元に戻 そうと思うんですが、ここにも書いてありますとおり、日本の大学 の特許の申請件数というのはアメリカの同じ程度の大学に比べて随 分低いようです。これは一つには、私の考えでは、日本で特許を出 すということは相当難しい面倒くさいことだという感覚が研究者や 学生の間にあるんだと思います。それが事実かどうかは別として、 そういう感じというのがあって、それを、何か大学の中に適当な部 門を配置して、それで特許というものを取りやすい手助けをしてや るようなことをやってやると、目に見えて増えてくるんじゃないか と思います。  もう一つその点に関連して私が感じますことは、日本の大学は、 国立大学特にそうですけれども、閉鎖的であったということを反省 しなきゃならないと思います。というのは、例えば国立大学は教育 公務員であるから日本国民でなくてはならないと。非常にもっとも らしいようですけれども、大学がやっぱりフルに発展していくため には、国籍を問わずやはり立派な人を教員に迎え、大学院学生にも どんどん外国の優秀な人材をそろえていく、こういうことがどうし ても必要だと思われます。そういう点で、少しずつ事情は改善され ているとは思いますけれども、なお一層の努力をこの面で必要とす るのではないかと考えております。  時間が与えられたのが十五分で、今十分になりました。そこで、 私は一応ここで私の述べることを終わらせていただいて、もし御質 問がありましたら、それにお答えしたいと思います。  どうもありがとうございました。 【質問部分】 ○ 簗瀬進君〜 私は、三年前、神岡にございますカミオカンデに行っ てまいりまして、チェレンコフ光が反応をする純水を間近に見させて いただきました。そして、予算委員会でそのことを当時の小渕総理に 質問をさせていただきまして、そういう過程でずっと知財の重要性と いうのが皆さんに認識され、このたび知財基本法あるいは内閣府に知 財戦略本部が常設のものとして置かれると。大変そういう意味では、 私のこの分野でのきっかけを作ってくれたのは神岡にあるスーパーカ ミオカンデでございました。  その研究成果で小柴先生がノーベル賞を御受賞なさると、大変私と して本当にうれしく思っております。また、こうして知財基本法の審 議の中で参考人として御参加いただいているということは、本当にう れしく思っておる次第であります。 〜私は、小柴参考人、非常にこの知財基本法について大変重要な示唆 といいますか、ある意味では一種の警鐘を私たちに与えてくれているん ではないのかなと。言うならば、知財は銭になるとかあるいは知財は 金になるとか、そういうふうなある意味での近視眼的な取組をしてし まいますと、結果としては本当にこの法律の意味が大変低いものにな ってしまうと。正にそういう意味では、この人類の共通の知的財産に 我が国が貢献をするんだと、そういう大きな目標を持ってやるべきだ と、小柴先生のおっしゃられるとおりだと私も思っております。  そういう中で、日本の知的創造力を高めていくためには何をしたら いいのか。私は、いろんな創造、保護、活用のプロセスがありますけ れども、その中で一番大切なのはやっぱり知財の創造だろうと思いま す。その創造力を高めていく一番の拠点として大学があるであろうと 思いますけれども、先ほど先生御自身のお言葉の中にも閉鎖的という ような言葉がありましたし、また野間口参考人からももっともっと人 事交流をと、こういうふうなお話もあったところであります。私は、 組織とやっぱり研究資金の問題なんだろうかと思います。  現在は随分力が入っておりますので、大学を始めとしていろいろな 研究の助成が講じられておりますけれども、特に組織の問題とそれか らお金の問題で、先ほど言った閉鎖性というようなものが更に今後開 かれたものになっていくのかということを、正に研究体制といいます か、研究の組織をどうするんだろうかということと、研究資金という ようなもの、いろんな助成が来る。それをどういうふうな形で流して いくんだろうかということに非常な意味があると思います。  そういう意味では、大学の創造力を高めていくポイントとして、こ の組織の問題とそれから研究費の配分の問題等について先生の御意見 があれば聞かせていただいて、私の質問とさせていただきたいと思い ます。 ○参考人(小柴昌俊君) 私、申し上げたいことは、次のようなことです。  最近特にそうなんですが、いろいろな研究をしたいという資金の要請 とか、そういうのが出てきたときに、いろんな委員会を作ってそれを 審査する。これは当然やられることなんです。  ただ、一つ気を付けなきゃならないことは、学問の世界、特にこれか ら進歩していくような新しい分野の場合、どうやればいいかということ をだれも知らないわけなんですね。  往々にしてあることは何かというと、例えば、資金を出す関係省庁が その分野のいわゆるお偉いさんを指名して委員会を作って、その委員会 で審査していただくということをやるんですけれども、一番こういうふ うに民主的なやり方をやっているように見えるんですけれども、実はそ こに落とし穴があると私は思っています。  それはどういうことかといいますと、これは当然のことなんですけれ ども、その委員会に呼ばれるのは大概理論屋さんが呼ばれるんですね。 どこの国でもそうなんですけれども、理論屋にもピンからキリまであり まして、一流と二流の理論屋というのは、一流の理論屋の数は二流の理 論屋の数の五十分の一ぐらいですよ、大体。だから、二流の理論屋がそ ういう委員会にたくさん呼ばれるということは、もうこれは当然あるこ となんです。  困ったことは何かというと、二流の理論屋は、みんな大学でいい成績を 取って論文も幾つも書いた先生ですよ、そういう先生は、自分の理論で みんな分かっちゃったと思っているんです。もっと立派な一流の理論屋 はどう考えるかというと、私は理論でこれこれのことは理解できた、だ けれども、どんな理論でも適用のできる限界があるんだ、私の知ってい る理論の適用限界のその外ではどういうことが起きるか分からぬと、そ ういうことをちゃんと自分で認識しているのが一流の理論屋なんです。 残念なことに、そういう人は数少ないんですね。ですから、そういう二流の 理論屋が多く出ている委員会でいろいろな計画を査定しますと、要するに 常識で分かるようなことしか通らない。科学の世界では、百人中九十二人 がこうだと、一人が、いや、そうじゃない、こうだと言ってこっちの方が 正しいこともあるんですよ。  そういった意味で、私は、どういう研究をサポートしていくべきかと かいうときには、本当に難しい評価、査定を必要とするんで、それにつ いてどうしたらいいかというのは、これは本気で考えなきゃならない 問題だと思います。  ただ、国としては、特に基礎科学の方、これは本当にいい結果が出るの か出ないのかというのは分かりませんから、だからある程度の要するに 失敗は見越した上で援助していくんだという覚悟を決めていただかな きゃならないだろうと、そういうふうに思っております。 ○簗瀬進君 正にそのとおりだと思います。  ありがとうございました。終わります。 【先週の主な活動】 ■11月25日(月) 08:00 第577回マンデーレポート 13:00 予算委員会 ★与党が逃げていた予算委員会がようやく実現。 議運理事として応援傍聴。 国債発行30兆円の枠を取り外し、景気対策に 重点を移そうとしているのは、公約の明らかな変更。 明らかに政策変更しているのにそうではないと言い張る 小泉首相の鉄面皮には恐れ入る。その結果として 政策変更の国民への動機付けや、経済へのアナウンスメント 効果は明らかに減殺される。国民経済よりも、自分の面子 を守ることを優先している小泉首相の態度には怒りを覚える。 ■11月26日(火) 10:00 経済産業委員会 知的財産基本法・参考人質疑。 午後1時再開して質疑ののちに採決。 ★ノーベル賞物理学賞受賞者の小柴先生、 三菱電機社長・エンジニアの野間口さん、 弁理士でもある弁護士の松尾さんの3名の参考人の 意見を聞きその後質疑。大変充実した審議だった。 特に小柴先生のお話は、素晴らしかった。 (本日のテーマ)  12:00 常任役員会 13:15 牧野聖修代議士 訪問 ■11月27日(水) 09:00 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 09:30 議運理事会 09:40 議運委員会 10:00 本会議 ★憲仁親王殿下弔詞朗読。 ★議了案件の採決 ・ 独・国民生活センター、 ・ 郵便、税関手続特例、 ・ 独立法人日本万国博覧会記念機構 ・ 同農畜産業振興機構 ・ 同農業者年金基金 ・ 同農林業業信用基金・農業技術研究機構、 ・ 同緑資源機構、 ・ 同水産総合研究センター、 ・ 知的財産基本法 10:45 内閣総務官室・阪本様 同意人事レク 10:50 日本損害保険協会 税制の陳情 11:00 読売新聞 鶴岡記者 知財基本法について取材 12:00 国対・理事合同会議 13:00 内閣府政策統括官・大隈様来訪 13:15 参議院庶務部長・会計課長来訪     高木義明代議士 来訪 15:00 大畠章宏代議士 来訪 ■11月28日(木) 10:00 経済産業委員会 独立行政法人関係5法案 趣旨説明 11:00 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 11:30 議運理事会 11:30 民主党役員室アドバイザー会議 12:35 特許庁長官来訪 ■11月29日(金) 13:00 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 13:30 議運理事会 13:40 議運委員会 14:00 本会議 ★電気事業法と原子力安全機構を一括して趣旨説明・質疑。 質疑者は木俣佳武議員。 ★議了案件の採決 ・独立法人北方領土協会 ・ 同国際協力機構、 ・ 同国際交流基金、 ・ 同平和祈念基金、 ・同通信総合研究所、地方公務員災害補償 18:00 2002年秋の政策・制度実現に向けた連合全国一斉街宣 20:00 飛翔会忘年会 21:00 上京 ★鳩山代表の記者会見後の党内情報収集。 ■11月30日(土) 14:00 栃木県交運労協第10回定期大会 18:00 やなせ進後援会河内支部役員会 ■12月1日(日) 14:00 民主党栃木県連・鹿沼支部大会 14:30 民主党栃木県連・鹿沼地域ミーティング