国会通信 No.567

  【論戦風景】

2003/2/10 (マンデーレポート567の要旨)


〔主な内容〕 【1】 角田VS 小泉 【2】 「それで もつんですか」とは? 【3】 公選法199条は大ザル 【4】 国会体験プログラム 【5】 先週の主な日程 【参考】民主党の予算案 【1】 角田 VS 小泉 ●2月4日(火)参議院本会議場で、民主党議員会長角田義一  氏と小泉首相との間で論戦が行なわれた ●政府4演説に対する代表質問 初日。所要は2時間強。  民主党・新緑風会は開会冒頭角田義一会長が40分間質問。  角田義一議員会長のあだ名は「ホワイト・タイガー」  白髪を振り乱しての厳しい追及型質問は勇名をとどろ  かせている。この日に備えて散髪してきた模様。したがって  髪振り乱すまではいかなかったが、小泉不況を厳しく  断罪した。 ●それにしても小泉首相の答弁は昨年と様変わり。失言を  恐れてか、小さな小声しかも早口で原稿を読み飛ばすのみ。  迫力のないことといったらない。 ●昨年の通常国会では、興奮・激高、答弁漏れがあっても  かまうもんかと言わんばかりの答弁態度であった。議運として  再三議場に駆け上がり、小泉首相に迫り、そのとき首相を  見下ろして指を突きつけた私の写真が朝日新聞に載った  こともあった。 ●しかし、今日の本会議では、そんなことは起きそうも  なかった。質問にはもれなく触れてはいるものの、全く  中身がない。空疎な答弁。消極的にして、保身と延命を  はかる普通の総理がそこに立っているだけだった。 【2】 「それで もつんですか」とは? ●2月6日(木)衆議院予算委員会で菅代表が質問に立った。  菅VS小泉の第二ラウンド。しかし、参議院の本会議同様、小泉さんの  消極姿勢が目立った。第一ラウンドで「菅勝」されたのが、よほど  こたえたのだろう。 ●やり取りで一番面白かったのは、民主党予算案についての小泉首相の  感想。民主党の予算案は公共事業を大幅に削減したものだが、  小泉首相は「それで、もつんですかね。」と発言。私だったら、この発言を  徹底追求、そして小泉首相の欺瞞の仮面をはぎとろうとした。 ●なぜかと言えば、この小泉発言こそ、どっぷりと自民党体質に染まっ  ている、首相の本質をさらけ出した言葉だからである。 ●公共事業こそ自民党の生命線。金も票も、公共事業からひねり出す。  それが長年政権にあった自民党のごく当たり前の感覚なのだ。  そんな利権の構造を守ろうとする輩(やから)を「抵抗勢力」と呼び捨てに  したのは小泉さん自身である。 ●しかし、それを大幅にカットする民主党の予算案について聞かれれば、  「それでもつんですかね」と言う。 ●口では、「自民党をぶっ壊す」と言いながら、「ぶっ壊す」ための  もっとも効果的な手段=公共事業の大胆な削減については賛成しない。  それが、小泉さんの本音である。小泉さんは自民党をぶっ壊す気持ちなど  さらさらない。にもかかわらず、演説の勢いで、調子の良い言葉を  撒き散らし平然としている。それが小泉さんである。 【3】 公選法199条は大ザル法 ●菅VS小泉のもう一つのポイントは公共授業の受注業者からの献金問題。  質問の中で、菅代表は、小泉総理の選挙区支部が公共事業関連の業者から  政治献金を受けていることを取り上げた。しかし、小泉さんは、  献金は公職選挙では禁止されていない、適正に届けている、と言って  反論した。 ●ちなみに公職選挙法199条は「特定の寄付の禁止」を規定している。  これは国から公共事業を受託している者が「国会議員の選挙に関して、  、、、、、、当該選挙に関し、寄付をしてはならない」と定めている。 ●この法律の趣旨は、言うまでもない。巨額な国民の税金を費消する  公共事業の決定と執行の適正を確保するためである。公共事業を  予算化するのは、国会議員の仕事。業者からの寄付を認めたら、  ワイロ政治が横行するに決まっている。それを防止するのがこの  法律の趣旨である。 ●しかし、本当にこの法律の目的は達成されているだろうか。  どうも公選法199条はかなりな「ザル」である。  というのも、同条が禁止しているのは「選挙」に関する寄付。  この「選挙に関し」というところが曲者なのである。 ●「選挙」に限定したことによって、様々な抜け道が生まれてくる。  たとえば、「選挙」とは時期をずらして寄付したり、また議員個人  ではない政党へ寄付したりすれば、199条の禁止の対象ではない  ことになる。総理の答弁は、このことを述べているのだ。   ●しかし、政党の支部といっても、小選挙区になってますます個人的な  色彩を強くしている。支部長が国会議員の支部では、個人後援会も  政党支部も、その実体は一体である場合が多い。 ●また選挙は、通常の政治活動の延長線上にある。したがって、  寄付の禁止を「選挙」関係に限定し、陣中見舞いならダメだが、  毎年の政治献金ならOK、、、などと分けるのも実態に合わない。 ●公共事業を受けている業者の寄付禁止を「選挙に関する」もの  に限定するのは、その反面で、選挙の時期とは異なる通常の寄付は  よろしいとしているのであって、公選法199条は、公共事業を  受けている業者の政治献金を容認している、きわめておかしな  法律である。   ●この結果、どこの地方でも公共事業を受けている業者は、わざわざ  選挙の時期をずらして寄付をする。陣中見舞いとはせず、個人ではなく、  政党への献金として処理する。公選法199条の(特定寄付の禁止)の  趣旨はまったく機能していない。 ●ここは民主党の提案のように、公共事業を受けている企業  からの寄付のすべてを禁止しなければ徹底できない。 ●この点を菅代表が迫っても総理は賛成しなかった。  小泉さんは、やはり自民党の利権構造を壊す気持ちはないのである。 【4】国会体験プログラム ●2月7日(金)小山市立梁小学校6年生の子どもたちが  国会見学にやってきた。そして参議院別館5階の参議院  特別体験プログラムを経験した。私も、45分間のフルコースを  子どもたちの後ろで一緒にお付き合いした。 ●この日は都内から二つの別の小学校の児童も参加。3つの  小学校の子どもたちが一緒に体験。知らない子どもたち同士で  議長役、委員長役、労働大臣役、そして労働委員役をその場で  選び出し審議入りしたのだから、子どもたちの緊張は相当な  もののようであった。 ●テーマは男女雇用共同参画法案。シナリオも、現実の議事録  からの抜粋であるからかなり難解。しかし、答弁役の労働大臣も  委員長も、どうどうと落ち着いており、とても流暢に間違い  なくシナリオを読んでおり、すばらしかった。 ●すでに1万人以上の子どもたちがこのプログラムを体験している。  現在その内容をサラに良いものにするために議運で検討中。  検討内容だが、たとえば、  現在はテーマが男女雇用均等法のみだが、それをもっと様々な  法案に拡大したらどうかとか、  決まったシナリオを読み上げる方法よりもフリートーキングに  したらどうか、など様々な意見がある。 ●多くの子どもたちが見ている前で、大臣や委員長の役をこなすのは  子どもたちにとってかなりなプレッシャーなのかなとか、  会場の人数が300人弱なので、数校が合同で実施することが一般的と  なっているなど、いろいろと考えさせられる点があった。  今後の検討課題としたい。 ●この体験プログラムの目的は何かといえば、国会見学と言う効果的な  タイミングをとらえて、子どもたちに主権者としての自覚を味わって  もらうことだと思う。そのためのプログラムのさらなる改良を願っている。   【先週の主な活動】 ■2月3日(月) 08:00 第566回マンデーレポート 13:00 平出雷電神社節分祭 14:30 第83回宇都宮二荒山神社節分祭 16:00 八坂神社節分祭 ■2月4日(火) 09:00 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 09:30 議運理事会 09:40 議運委員会 10:00 本会議(上記【1】) 12:00 常任役員会 13:15 農水省農産振興課 コメの臨時特例法案レク 13:30 防衛庁管理局長 予算レク 13:45 国土交通省 峰久総括審議官 提出法案レク 14:00 文部科学省、経済産業省 TLOレク 14:30 経済産業省 産業再生機構法案レク 15:00 厚生労働省 労働基準法レク 15:30 共同通信・平野記者 来訪 ■2月5日(水) 08:00 経済産業部門会議 09:00 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 09:30 議運理事会 09:40 議運委員会 10:00 本会議 ★2日目の代表質問。 民主党・新緑風会は午後2番手で朝日俊弘政審会長が20分間の質疑。 12:00 国対・理事合同会議 15:20 民主党・新緑風会、参議院比例区選挙対策方針説明会 17:00 文化芸術振興基本法推進フォーラム交流会 ■2月6日(木) 14:00 衆議院予算委員会 菅代表の質問をテレビから応援。 (上記【2】 【3】) 18:30 連合栃木宇河地協2003年新春賀詞交歓会 ■2月7日(金) 10:00 小山市立梁小学校6年生 参議院特別体験プログラム                  (上記【4】)  12:30 公正取引委員会 法案レク 14:00 議運理事会 14:35 ノーベル賞受賞者(小柴昌俊氏、田中耕一氏)に対する祝賀表明行事 ★議長サロンにて、小柴、田中のご夫妻と歓談。参議院側は、正副議長、 議運委院長。議運理事が参加。持参された、ノーベル賞のメダルをみんなに 披露してくれた。私も、初めて手にすることができ感激。 裏面には受賞者の名前が刻んであり、2センチほどの分厚さ。宮崎議運委員長 曰く「22か23金のかなりな純度の金らしいよ」。この日は、総理官邸、衆議院、 参議院と回られたようで、授賞式の時よりもお疲れになったようにお見受けした。 ■2月8日(土) 16:00 栃木県武術太極拳連盟指導者講習会 18:00 やなせ進後援会河内支部新春のつどい ■2月9日(日) 09:00 (財)栃木県体育協会 栃の葉国対記念第20回マラソン大会 10:30 ライオンズクラブ 宇都宮酒蔵蔵元見学会 11:00 連合栃木大衆増税反対街頭行動 13:00 第37回日盲関東ブロック協議会栃木大会 ★「私には夢があります。健常者と障害者の二元的な考え方を 乗り越える日が来ることを。バリアフリーという言葉が古くなり、 ユニバーサル社会が当たり前になる日が来ることを」 そんな歓迎の挨拶をしました。 14:00 栃木県交響楽団定期演奏会を激励。 16:00 石井万吉後援会事務所開き ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【参考】民主党の平成15年度予算案  2月5日の民主党『次の内閣』(ネクスト・キャビネット)において 「民主党平成15年度予算案」を決定した。以下その内容を紹介する。 ■予算案作り基本指針 「従来型の公共事業を減らして、中小企業の支援や社会保障の充実を目指し、 地方が自由に使える予算を編成する。」 ■民主党予算案の3つのポイント 1 100万人分の仕事を作る、 2 次世代への責任を果たす 3 自由に使えるお金を地域に渡す ■民主党としての税制改正のポイント 消費拡大による経済活性化の観点から、ローン利子控除制度や 不動産業登録免許税定額手数料化などを含む3.3兆円の減税。 環境税の創設、 自動車関連租税の減税、 道路特定財源の一般財源化 ■歳出 公共事業費、地方への補助金の一括交付金化に伴う削減、特殊法人等向け支出等 を合わせ、政府案よりも8.8兆円の削減を行う。 【民主党予算案概要】 (1)予算規模  歳入歳出の規模は、政府案と同じ81.8兆、 一般歳出も同様の47.6兆 (2)税収 ○政府の税制改正は行わないこととし、先行減税分1.5兆は見込まない。 ○民主党の税制改正案に則り、「ローン利子控除制度」の創設、 1.3兆規模の政策減税など約3.3兆の減税を行う。 (3)環境税創設 ○上記の税制改革の他、約9000億円規模の環境税を創設する。 同時に自動車関連諸税の減税を行うことにより、税収中立とする。 ○環境税収の使途は、地方の道路整備財源及び新エネルギー開発普及等 温暖化防止に有用な分野に優先的に配分する。 ○国、地方における道路特定財源制度は廃止する。 (4)歳出の見直し ○公共事業の大幅見直し、民主党「特殊法人改革案」に則った特殊法人・ 独立行政法人等向けの支出の見直し等で8.8兆円の歳出を削減する。 (5)雇用と安心を生む分野への重点配分(総額8.8兆・雇用創出100万人) ○上記歳出によって生まれた財源を雇用と安心を生む分野に重点配分する。 これによって100万人の仕事を生み出す。 ○グループホーム(高齢者・障害者向け)1万戸増設、 居住空間倍増・住まいの質向上、 「30人学級」の推進など、 現在のニーズに合ったサービスを提供し、潜在需要を掘り起こす (配分額=4.9兆・雇用創出=69万人) ○医療費3割負担凍結、介護保険国庫負担拡大、障害者ホームヘルプ事業拡大などに 重点配分し、不安を解消する (配分額=0.9兆・雇用創出1万人) ○国民負担増なき雇用保険の財政基盤強化で不安を解消し、 職業訓練に重点を置き人材を育成し、 働く場としての新たな産業を起こす。 若者の無業対策に全力で取り組む (配分額=2.2兆・雇用創出26万人) ○中小企業が、新しいニーズに迅速に取り組めるよう、 必要な資金が円滑に調達できる環境を創る。 (配分額=0.8兆円) (6)「一括交付金」の創設 ○民主党の従来の政策に則り、「一括交付金」を創設する。 15兆円規模の裁量可能な資金を地方に渡すことによって、 地域の活力を高める。