国会通信 No.570
【NATO情報 日銀人事】
2003/3/3 (マンデーレポート570の要旨)
〔主な内容〕
【1】NATO事務次長の話
【2】日銀総裁人事と国会の関与
【3】文京大学菊池教授からのファックス
【4】 WHAT IS 「日銀総裁」? (参考資料)
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【1】 NATO事務次長の話
●2月25日(火)
08:00 日米欧総合安全保障議員協議会勉強会
「NATOの現状及び対イラク問題及びにその展望」
NATOのナンバー2のリッゾ氏から上記テーマでの話を聞く。
●日米欧総合安全保障議員協議会は会長がNATO側の視点から
世界の安全保障を検討する超党派の勉強会。元外相の高村正彦氏
が伊藤宗一郎議員の後を受けて会長を務めている。
●私自身は、衆議院に初当選以来この評議会の会員を務めており、
現在は民主党側の幹事を務めている。なかなか面白い情報が
入ってくるのだが、今回はナンバー2の訪日。イラク問題での
NATO加盟国トルコからの支援要請について、仏・独・ベルギー
とその他の加盟国の対応が違って紛糾したばかり。そんな状況も
あってか、この日の参加者は通常の議員数を越えて盛況だった。
●話の内容は、大方は新聞で報道されたものと大差なく、また
イラク問題についての国連安保理の動向についての高村会長の
質問に対しても、どっちにも取れるような優等生的な模範解答。
参加者の大きな期待にこたえるには程遠いものだったが、別の
視点から言えば、それだけ予測が困難なのだろう。
●リッゾ氏の話は50分に及ぶものだったが、NATOの近況報告
の部分はのぞき、イラク関係についての部分だけ抜粋すると以下の
通りである。
NATO事務次長
アレッサンドロ・ミヌート・リッゾ氏講演のうちイラク関連部分
1)トルコの支援要請
NATO加盟国のトルコはNATO本部に対して
隣接国イラクからの攻撃が予測される状況にあり、以下の
4点についての支援要請を正式にしてきた。
@AWAXの投入
Aパトリオットの配備
B化学生物兵器対応部隊の投入
C民政面 イラクからトルコに入ってくる大量難民の対策
2)対応についてのNATO内部で深刻な論議。
論議のポイントはワシントン条約4条の適用問題。
NATOはワシントン条約によって設立されているが、
同条約の4条は、加盟国に攻撃が予測される場合に
支援要請に対する事前協議の規定を置いている。
その適用問題が論議の焦点となった。
すなわち事前協議のスタートの要件をどうするかで
深刻な議論対立のフレームワークが出来てしまった。
3)フレームワーク
大部分は即座に対応すべきとした。
3カ国(フランス・ドイツ・ベルギー◎)はそのタイミング
について異論を述べた。
4)3国の異論の根拠は
NATOへの誤解への懸念
NATOが対イラクの第一歩の布陣ととらえられてしまう。
国連中心の対応であるべきだ。
等であった。
5)2週間の議論でこのことは以下のようにまとまった。
@トルコの要請はすべてうける
AこれはNATOの「内部問題」であることを明確化する。
6)結果としては、国連で行われているイラク問題についての
別のプロセスへの介入をNATOとしては避けつつ、トルコが要請した
4点の支援措置はすべてとられることになったのである。
7)今後のイラク問題へのNATOの対応は
湾岸戦争の時もNATOは間接的関与に止まった。
すなわち後方支援と輸送業務に関与したに止まる。
したがって、イラクとの戦争に直接関与することは
予想できない。
8)高村会長が代表して質問。その内容は
国連安全保障理事会の決議について以下の3点を質問。
@決議成立のみこみ
A決議内容はどんなものになる見通しか
Bリッゾ氏自身は決議はどうあるべきと考えるか。
9)リッゾ氏の回答
もしでるとするなら、各国が動きやすくなるような決議がでる
状況の中で最大限活用できるような決議になる可能性が高い
決議1441で充分とする国もあるが、多くはそれでは足りない
と考えているので新しい決議が必要と思っている。
そして新たな決議がでるとしたら
@武装解除の証拠をださせるためある程度の時間をあたえる
A査察官の数強化
B新しいものがでなければ武力行使が行われる可能性がある
それを国連としても容認する
等の内容になるだろう。
●私自身は、現段階での攻撃にはもちろん反対である。
査察を継続すべきだし、再び経済制裁を強化する余地も
残されている。とにかく、ギリギリまでサダム・フセインを
追い込むべきだと考える。
●もし現段階で武力攻撃を容認すると、国連が安全保障の
最低のルールとして築いてきたはずの「先制攻撃の禁止」すら
崩壊してしまう。これは絶対避けるべきであると考える。
●またアメリカもイラク制裁の根拠をご都合主義で変えてきているの
も多いに問題だ。変節漢ブッシュと言われてもやむをえないだろう。
当初はテロとの戦いを理由にした。
しかし、アルカイーダとの関係を証明するような資料が出てこない。
いまでは「テロとの戦い」はお蔵入り、そして「民主主義の戦い」
「自由の戦い」などと言い出している。
戦争目的自体を自分に都合の良い様に変えてしまう。まさに必然性の
欠如した戦いであることが明らかではないか。
●さらに「民主主義」「自由」といってもそれは「アメリカのそれ」
でしかないし、もっと正確に言えば「ブッシュの正義」でしかない。
多様性を認めず、自らの価値観を強制することでは国際間の平和は
必ず破綻する。それぞれの歴史や、宗教、風俗の価値を尊重しあう
ことが平和の基本的な前提である。ブッシュ大統領のアメリカが
偏狭な独りよがりのアメリカ的正義を政界に強要するなら、それは
民主主義の仮面をかぶった独善主義以外のなにものでもない。
●与党の中には、北朝鮮問題でお世話になるのだから、アメリカに
反対することは事実上困難だと言い出す議員が急増している。しかし、
外交の基本は、それぞれの国や国民が持っている主権を尊重することであり
それに尽きる。この原点に立つならば、両者をリンクさせるのは
おかしな話である。
●力なき正義は無力、しかし正義なき力は暴力でしかない。
この言葉は名言であり、かつては小泉総理自身この言葉をブッシュ
大統領に直言したはずである。いつのまにか小泉首相も変節漢に
なってしまったようだ。
【2】 日銀総裁人事と国会の関与
●2月28日(金)11:00 議運理事会で上野官房副長官が出席し、
日銀総裁及び、同副総裁の人事について内示が行なわれた。
●日銀の正副総裁はいづれも内閣が任命し、その任命については
両院の同意を得なければならない。
●なお、両院の同意の効力については衆参の優越はない。したがって、
例えば衆が同意しても参が不同意ならば、任命の効力は発生しない。
法律・予算・首班指名・条約の承認この4つについては憲法上衆議院が
優越することになっている。しかし、人事案件は衆参の決議に優越関係は
ない。
●私はかねがね、同意案件の議決の価値が衆参同一であることを
突破口にして、参議院の独自性を発揮すべきであるとせよと主張してきた。
そしてこれは参議院改革協議会の重要な論点の一つになっている。
●人事案件についての通常の議事の流れは
1)議運の理事会で内閣官房副長官が内示
2)各会派持ち帰りのうえ会派としての賛否を決定
3)議運理事会で各会派の賛否を集約し、本会議を設定
4)本会議で賛否のみの採決
といった流れになっている。
●すなわち手続きの中で、人事対象者の信条や理念、考え方などを
本人から直接聴取する機会が全くないのである。日銀の総裁のみならず
国家公安委員や公労委など、重要な人事だから国会の同意を必要としながら
就任前に本人を直接チエックする機会がないのだ。全部とは言わないが
重要なものに限定して、委員会で聴取するなど、賛否を決する以前の
各院のチエックの機会を設ける必要がある。
●さて今回の日銀正副総裁の任命同意である。
上の官房副長官の内容は、以下の通りであった。
総裁 福井 俊彦 67歳
元日本銀行副総裁、(株)富士通総研理事長、経済同友会副代表幹事
金融審議会委員
副総裁 岩田 一政 56歳
東京大学大学院総合文化研究科教授、内閣府政策統括官
副総裁 武藤 俊郎 59歳
財務省顧問、元財務事務次官
●理事会では、まず自民党理事の岩永議員が口火を切った。
「事前に新聞等に漏れているのははなはだおかしい。
しっかりと議運で論議すべきである。」との苦言。
しかし、論議の仕方は従来どおり一旦各会派に持ち帰って検討し、
その後本会議で採否を決すると言う従来のやり方を変えるまでの
発言ではない。これでは全く不充分である。私は、すかさず発言を
求めた。
●私は以下の主張を行なった。
1)日銀総裁は言うまでもなくわが国の金融政策の総責任者。
しかも任期は5年と言う長期間。この間に国会がチエックできる
機会というのは、最初の任命同意の時だけしかない。
2)改正日銀法は日銀の独立性を高める重要な改正を行なった。
今回は改正後はじめての総裁任命にあたる。人選の当不当について
いままでよりもさらに突っ込んだ国会の論議が必要となるのは
当然である。
3)デフレ対策としてのインフレターゲット論など金融政策の
あり方について国民の関心は高まっている。いままでのような
本会議で賛成反対の採決だけというのはあまりにも形式的すぎる。
以上のような重要な人事であるので、「従来の人事案件」とは
あまりにも重みが違う。通常の案件処理と同様というわけには行かない。
従来の持ち帰り処理というわけにはいかない」と強硬に発言した。
●私の発言に続き、共産党理事からは、当事者の意見聴取の機会を
作ってほしい、また国会改革連絡会理事からは、事前協議の仕組みを
作るべきだとの発言が相次いだ。
●最後は委員長がひきとって「本日のところは持ち帰り検討願いたい」
と発言。各会派は持ち帰って検討することになった
【3】 文京大学菊池教授からのファックス
●日銀の総裁人事については、先週金融問題についてお話を聞かせて
頂いた文京大学教授の菊池英博先生からのファックスを頂きました。
大変分かりやすいご指摘なので参考のために全文掲載させていただ
きます。
*「日銀総裁と副総裁の件」
極めて問題含みの悪い人事!国会で否決できないか。
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
日銀総裁・副総裁人事に関して、2月24日発表されました。
しかし、次の理由から、もっとも悪い人事ではないでしょうか。
海外では酷評です。
(1)福井氏は、日銀OBで日銀の不祥事の責任者でもある。
日銀は98年4月に政府から独立して以来、失政続けである。
その総括が出来ていない。
00年4月12日の速水総裁の発言(ゼロ金利の解除=金利引上げ)と
その後の融引締め。再度ゼロ金利へ戻してからも、日銀にある銀行の
当座預金に預金を増やすだけで、市場の資金を増やす努力をしていない。
その継続の上に立った人事は、失政の総括がなされていない(日銀の
責任を明確にすべきである)。また、政府との関係も、アコード(デフレ
解消策に関する金融・財政にかんする約定)の申し合わせなど、
具体的には何もない。
(2)副総裁に大蔵省=財務省OB(直前までの事務次官)が就任するのは、
政府から独立した日銀法違反ではないか。かっての悪習(日銀と大蔵省が
交互に総裁に就任する)の復活である。これを許すべきではない。
(3)民間人が排除された。現在の副総裁は、元時事通信社の記者。
今度の人事で、民間人がいなくなったことは、金融政策は実体経済から遊離
することになりかねない。小泉総理の「民間重視」は、結局、全くのテレビ
向けポーズに過ぎない。
今回の人事は、前例のない「官僚人事」です。この点、是非とも、
糾弾すべきです。日銀総裁と副総裁の人事は、国会の承認事項です。
こうした、将来に悪例を残す人事は、否決すべきではないでしょうか。
ぜひとも、ご検討のうえ、国会で否決して頂きたい。
ここに、1月24日に、読売新聞に寄稿しました拙稿を同封します。
日銀の失政を継続するような人事は、絶対に回避すべきです。
国会で審議してください。
敬具
【4】 WHAT IS 「日銀総裁」? (参考資料)
● 日本銀行総裁・副総裁の役割
1)日本銀行は我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の
調節を行うほか、銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図
り、もって信用秩序の維持に資することを目的とする。
2)総裁は、日本銀行を代表し、日本銀行政策委員会の定めるところに従い、日本銀行
の業務を総理する。
3)副総裁は、総裁の定めるところにより、日本銀行を代表し、総裁を補佐して日本銀
行の業務を掌理し、総裁に事故があるときはその職務を代理し、総裁が欠員のとき
はその職務を行う。
4)総裁及び副総裁は、政策委員会委員の一人として、それぞれ独立して委員の職務を
執行する。政策委員会は、@通貨及び金融の調節に関する事項、Aその他の業務・
組織に関する重要事項等について審議し、決議するとともに、B日本銀行の役員の
職務の執行を監督することを任務としている。
● 現総裁・副総裁(内閣任命 任期5年)
総裁 速水 優 77歳 1期(10.3.20〜)任期満了(15.3.19)
元日本銀行理事、元日商岩井(株)取締役社長、元経済同友会代表幹事
副総裁 藤原 作彌 66歳 1期(10.3.20〜)任期満了(15.3.19)
元時事通信社(株)解説委員長
副総裁 山口 泰 62歳 1期(10.4.1〜)任期満了(15.3.19)
元日本銀行理事
● 今回の新人事 省略 前記参照
● 活動状況
○週5日終日勤務
○会議等
・金融政策決定会合 原則、毎月2回(内1回は2日間)
・金融政策決定会合以外の政策委員会 原則、毎週火・金(午前)
上記以外に必要に応じて政策委員会を臨時に開催
・執行部からの諸報告等の会合 随時
・G7財務相・中央銀行総裁会議、BIS総裁会議等に出席
(副総裁は総裁の代理として出席)
○海外の政策担当者、金融機関、企業、マスコミ等との面談
○地方での講演(年数回)
● 給与
総裁 (月額)210.4万円 (14年度年額)3,745万円
副総裁 (月額)166.4万円 (14年度年額)2,959万円
【先週の主な活動】
■2月24日(月)
08:00 第569回マンデーレポート
09:30 法律相談
10:00 故沼子宏様 弔問
11:00 県議候補記者発表
★民主党公認・推薦で立候補する足利の野村稔彦氏、
日光今市の加藤優氏が、自由党県連から推薦を頂けることになり
両氏及び同県連代表の山岡代議士とともに県庁記者クラブで記者
発表した。これにより県議レベルでの民主党・自由党との共闘
選挙区は、以下の4選挙区となった。
1 芳賀選挙区 田崎博之 (無所属・両党推薦)
2 真岡二宮選挙区 一木弘司 (同上)
3 足利選挙区 野村稔彦 (民主公認 自由推薦)
4 今市日光選挙区 加藤優 (無所属両党推薦)
(発表順)
14:30 お見舞い
★福田浩二さん(宇都宮市議会副議長)の奥様
その後3月1日の午後に退院できたとのこと。良かった。
■2月25日(火)
08:00 日米欧総合安全保障議員協議会勉強会
「NATOの現状及び対イラク問題及びにその展望」
★NATOのナンバー2のリッゾ氏から話を聞く。(上記【1】参照)
12:00 常任役員会
18:00 3野党・連合ILO調査団報告会
18:20 菊池英博先生との勉強会(上記【3】参照)
■2月26日(水)
08:00 経済産業部門会議
10:00 知的財産権戦略PT
★コミックレンタル問題について文化庁著作権課長等からヒアリング。
12:00 国対・理事合同会議
12:50 内閣府沖縄開発室より法案レクチャー
13:00 大和銀行参議院支店長 ご挨拶
13:30 下野新聞早川記者 取材
18:30 さとう栄総決起集会(宇都宮市立文化会館)
■2月27日(木)
08:00 全国ガス友好議員懇談会
08:00 経済産業部門会議
09:30 内閣総務官室より日銀総裁人事についてレクチャー
■2月28日(金)
11:00 議運理事会
★上野官房副長官が出席し、日銀総裁及び、同副総裁の人事について
内示があった。(上記【2】【3】参照)
18:00 宇都宮御幸地区やなせ進後援会役員会
■3月1日(土)
10:00 藤井弘一後援会事務所開き
10:00 福田浩二後援会事務所開き
10:00 あつみ幼稚園音楽会
13:30 自治労栃木県本部現業評議会2003年春闘討論集会
15:00 兜H和実業新社屋落成祝賀会
16:00 民主党菅代表を迎えての街頭行動
18:00 水島広子と歩む会2003年躍進のつどい
20:00 立正佼成会宇都宮教会夜間ご命日式典平和学習会
イラク問題について講演。
■3月2日(日)
09:30 第9回栃木県武術太極拳選手権大会
11:00 塚原たけしげ事務所開き