国会通信 No.577
【武力攻撃事態対処法案についての民主党案】
2003/5/12 (マンデーレポート577の要旨)
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【武力攻撃事態対処法案につての民主党案】
1 過去に学ぼうとしない日本
2 民主党案の解説
3 自民党の対応
【先週の主な活動】
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【過去に学ぼうとしない日本】
●衆議院においては、前国会から継続している、武力攻撃事態
対処法案の審議が大詰めを迎えてきた。先週火曜日に自民、
民主双方の責任者の修正協議の第一回が行なわれ、翌日の7日(水)、
その報告のための両院議員懇談会が開催された。
●私は、わが国に対する武力攻撃等の緊急事態に対処するための
体制を整えておくのは当然だと思う。ただ問題は、その際の
人権の制約要件を確立することであり、また軍部の民主的な
コントロール(民主的統制)の確保である。
●言うまでもなく、過去のわが国は、軍部の圧倒的な強制力の
もとで戒厳令を布き、戦争の泥沼に国民を引きずり込んでいった。
そんな歴史の教訓を踏まえながら充分な議論を展開すべきである。
●特に憲法の保障する人権を真正面から制約するのを認める
法律なのだから、人権制約の要件については厳密な上にも
厳密でなければならない。
●また、武力攻撃に対処するためには、当然自衛隊を中心とした
実力集団が前面にたたねばならないのは当然である。
しかし、合法的な武力集団である軍隊は常に暴走する危険性を
もっている。そして、それをしっかりとコントロールできるのは
強力な政治力しかない。民主的に選ばれた議会による強力な
統制が保障されていなければ、軍隊は必ず暴走する。今のわが国の
政治の現状にそれが期待できるだろうか。
●しかし、現在の自民党にはそんな配慮は極めて希薄である。
9/11テロという強烈なインパクトや、北朝鮮の異常で無軌道な
行動を追い風に、この法律を一気呵成に仕上げようとしている。
●戦前のわが国がなぜ愚かな世界戦争への道をひた走っていったのか。
5・15事件や2・26事件、満鉄爆破等の軍部の暴発などのきちんとした
ケーススタディーは単なる昔話ではないのである。過去の歴史の
冷静で広範な事例研究は不可欠なのに、そんな議論はわが国では
起こってこない。貴重な歴史の教訓を吸収する努力は、今回も
この国では行なわれていない。日本は歴史に学べない国なのだろうか。
歴史に学習せず、事態に漂流する国なのだろうか。
【民主党案の解説】
●民主党は、政府の法案に対して
「基本法案の制定」と「個別法案への7項目修正」の二つの方面から
提案している。
●基本法案の制定は、単なる武力攻撃自体に限定せず、大災害を
含む国家的な「緊急事態」に対する基本法案を制定すべきである
との提案であり、内閣に危機管理庁の設置を提案している。
●7項目の修正提案は、基本法案の中味をベースに、個別修正に
おいて、できるだけ基本法案の趣旨を反映しようとするものである。
以下簡単にその内容を紹介する。
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◆第一 「緊急事態への対処及びその未然の防止に関する基本法案」
@ 武力攻撃自体にとどまらず、すべての緊急事態における国の責務や、
対処のための指針・理念を規定する。
A 国家権力の濫用・暴走を防ぐため、侵してはならない基本的人権、
そして自衛隊に対する民主的統制の原則を明らかにする。
B 危機管理の権限を集中し、十分な人員と予算を確保した新たな組織
=危機管理庁の設置を明記するもの。
● 基本原則
〔基本的人権の保障〕
〜緊急事態においても制約が許されない人権を列挙し、
さらに人権補償や救済手続きを明記。
1 人権保障について差別的取り扱いの禁止
2 思想・良心の自由の絶対的な保障
3 報道・表現の自由の不可侵
4 国民の協力は強制にわたってはならない
5 特別な犠牲に対する正当な補償
6 不服申し立てその他の救済手続の必要性
〔国会による民主的統制のあり方〕
〜緊急事態における国の安全確保・公共秩序維持のための重要施策は、
民主的統制を確保するため、国会による関与を保障。
1原則として事前の国会承認が必要。(できない場合は事後)
2国会は措置の中止の決定ができる。
● 緊急事態においてとられた対処措置に関する事後的検証。
対処措置が終了した場合にあたり、措置の相当性にかかる事後的検証を行う旨を
規定。
● 緊急事態における国民の保護
〜 緊急事態において、国・地方公共団体が行う国民保護のための措置について
列挙。
● 危機管理庁の設置
・ 現状では、危機に対応する中核組織が存在しないため、緊急事態おける
国民保護に関する中枢機能を担う新たな組織を、内閣におく旨を規定。
・ 危機管理に関する専門家の確保を規定。 (第13条)
● テロ・不審船等をはじめとする多様な事態への対応
〜 テロ・不審船の事態等への対応のため、警察機能の充実、出入国管理体制の
強化、
自衛隊の補完機能等に言及。
● 我が国の安全を確保するための国際協力など
・ 予防外交 ・ PKO ・ 軍備管理・軍縮
・ テロ防止 ・ ODA ・ 安全保障分野における協力
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◆第二 「武力攻撃事態対処法案」に対する修正案
@ 武力攻撃事態の定義及び認定について
・ 政府案は、武力攻撃事態(武力攻撃予測事態)の認定にあたり、
その客観的基準が明確でない。
→ 「認定の根拠となった具体的事実」を対処基本方針に書き込むように
修正すべきである。
A 基本的人権の保障(基本法案と同じ内容)
B 国会承認・民主的統制のあり方について
・ 対処措置を実施する必要がなくなったと国会が判断した場合の規定がない。
→ 国会の議決による対処措置の終了手続を規定せよ。
C 国民への情報提供について
・ 政府の説明責任を明示し、適切な情報公開がなされないと、
民主社会を脅かす危険がある。
→ 政府が適時適切に国民に情報提供を行う旨を義務付ける規定を盛り込む。
D 指定公共機関の定義について
・ 放送事業者が含まれることになれば、報道の自由の侵害につながる恐れがあ
る。
→ 指定公共機関の定義から、「民間放送事業者」を除外する旨を規定。
E 国際法及び国際慣例の遵守
・ 外部からの武力攻撃を排除するための武力行使にあたっては、
「国際法及び国際慣習を遵守すべき」旨を明記。
F 施行期日について
事態対処法制(国民保護法制等を含む)について「2年以内に整備」との
プログラム規定を削除するとともに、「武力攻撃事態対処法修正案」の施行期日
を、
これら事態対処法制の整備を待って施行することとする。
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【自民党の対応】
●上記の民主党の対案について自民党は
1 基本法案は、制定の必要なし
2 7点の修正要求についてBCの2点を除いて不用
3 修正協議のタイムリミットは明日8日
という対応であった。
● マスコミの民主党案に対する評価は、
危機管理庁の提案や、民主的統制の提案、人権保障の個別的な明記など
民主党案を評価する見解が目立った。
●タイムリミットは、その後今週に持ち込むことになったが、
もし与党が強引な対応をとるなら一挙に国会の緊張感は沸騰点に
高まるであろう。今週前半が山場である。
【先週の主な活動】
■5月6日(火)
11:15 議運委員部と打合せ
12:00 常任役員会
■5月7日(水)
12:00 緊急事態法制についての全議員政策懇談会
★焦点の武力攻撃事態法案について、与党との修正協議について
報告。民主党の主張する基本法制定の必要性や、7つの修正項目
について、ひきつづき与党側に強く求めていくことが確認された。
(上記【1】参照)
終了後 国対・理事合同会議
13:20 下野新聞 取材
13:50 文化庁著作権課より著作権法案改正案についてレク
17:00 議運理事会
★個人情報保護法関連五法案について、参議院においても
特別委員会を設置することで与野党間の合意が成立した。
同特別委員会の委員長は自民党が就任し、その代わり
金融経済特別委員会の委員長を民主党が確保することも合意。
■5月8日(木)
10:00 経済産業委員会
11:30 民主党政権を実現する同志の会
14:00 議運理事会
15:00 総務省行政課より地方独立行政法人法案についてレク
15:15 総務省 個人情報保護法案について
15:25 財務省上村参事官より財務大臣主張レク
15:30 経済産業省政策局 桑田審議官より不正競争防止法の改正案についてレ
ク
■5月9日(金)
09:00 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ
09:30 議運理事会
09:40 議運委員会
10:00 本会議
★本会議の議題は以下の通り
1 新議員紹介、
2 元参議院長田議長弔詞贈呈、
3 個人情報関連法案の特別委員会設置、
4 個人情報関連法案の趣旨説明・質疑(民主党・新緑風会 高嶋良充議員)、
5 法案採決
■5月11日(日)
08:00 西部学童野球大会開会式
09:00 宇都宮西地区体育祭
10:00 栃木県オストミー協会第18回通常総会
18:30 宇都宮西地区体育祭反省会