国会通信 No.579

  【国立大学法人法の問題点】

2003/5/26 (マンデーレポート579の要旨)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【 国立大学法人法の問題点 】 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ●23日(金)、衆議院から前日送付されてきた、  大学法人法案関連五法案の趣旨説明質疑が行われた。  私は、ちょうど昭和44年の東大入試中止の年に大学受験。  あの混乱の最大の原因が、いわゆる大学管理法案反対の大きなうねりだった。 ●ほぼ30年前に出された大学管理法と比べれば、  大学を文部科学省の管理下に置こうとする力は、  今回の法案の方がさらに徹底している。  それなのに、この世論の反応の低さは何なんだろう?  大学側からも学生側からも、反発の力強い訴えは響いてこない。  安田講堂を封鎖し、杜の都を火炎瓶が飛び交った30年前、  あのエネルギーは今の日本には微塵もない。  日本という国自体が反発のエネルギーを失ってしまったかのようだ。 ●この法案には、重要な問題点があるが(後記)、  一言で言えば、大学を法人化の名のもとに、  文部科学省の完全なコントロール下に置こうとすることに尽きる。 ●確かに象牙の塔に隠れ、自助努力と自己研鑽を忘れた、  講座制度のヒエラルキーの頂点に安住して惰眠をむさぼる、  無能力かつ無気力な一群のエセ学者が存在することも事実であろう。 ●今回の大学法人法案等は、それら有害な一面にメスを入れ  競争原理を大学に導入しつつ、活力を与えていこうとしているのは理解できる。 ●しかし結果として、人事の面でも、運営の面でも、  著しい文部科学省の指導力強化が行われる結果となってしまったことには、  怒りと将来的な恐怖すら感じる。  この法案の問題性については、もっと強力にアピールすべきである。 ●大学法人法案の主な問題点 ◆1.「国立大学法人」の内部組織について 《改正のポイント》   「教学」と「経営」の分離  「教学」は「教育研究評議会」、  「経営」は「経営協議会」が、それぞれ分担して担当。  その双方を束ねるのが「学長」とした。 《問題点》 @理事は学長が任命するとしているが、どのような手続きによるか不明。 A教育研究評議会の審議事項には、「予算の作成、執行並びに決算に関する事項」  「重要な組織の設置または廃止に関する事項」が欠如し、  これについて後述の中期目標によることになると、文部科学省の指示が強くなる。 B教授会自治の否定:教育研究評議会に「学部選出の教授」が加わることの規定欠落。 C経営優先の大学運営のおそれ:経営協議会に半数以上の学外委員が参画する。  結果的には、短期的な視野から業績を追求する経営優先の大学運営に陥りかねない。 《結論》  教育研究を目的とする大学の運営組織は、その自律的機能を高めるために、  教育研究を直接に担う学内構成員の意見を最大限反映するシステムとして構築する必要がある。 ◆2.「国立大学法人」の学長の選考システム  選挙の実施などで学内構成員・教職員の意思を適切に反映するシステムが欠落。 ◆3.文部科学省支配の貫徹 《改正のポイント》  文部科学大臣は、6年間の国立大学法人等が達成すべき業務運営に  関する目標を中期目標として定める。 《問題点》 「中期目標」の具体的な中味は、 @教育研究の質の向上に関する事項 A業務運営の改善及び効率化に関する事項 B財務内容の改善に関する事項 C教育研究および組織・運営に関する自己点検・評価、情報の提供  など、教育内容から財務まで全般的に文部科学省が決めることになっている。  文部科学省支配が貫徹されると言って良い。  特に「教育研究の質の向上」についてまで、文部科学大臣が決めるのは行き過ぎである。  教育内容の中味にまで行政が関与すべきではない。  法案30条3項は、「文部科学大臣は、…あらかじめ、国立大学法人等の意見を聴き、  当該意見に配慮するとともに、評価委員会の意見を聴かなければならない」とする  規定を置いたが、単なる「配慮する」でしかない。  原案では「意見を尊重」するとなっていたようだが、さらに弱められている。  大学は、完全に文部科学省の掌の上に置かれるであろう。 ◆4.より社会と連携するための措置として  国立大学法人の出資について、法案では「当該国立大学における技術  に関する研究の成果の活用を促進する事業」の場合に限定されている。  しかし、「技術研究」に限定するのは狭すぎる。  むしろ、「公開授業の実施」や「学生の修学支援」または「健康管理」など、  広く大学の業務の充実に資することであれば認めるべき。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【 先週の主な活動 】 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■5月19日(月) 12:00 参院 議院運営委員部、参院民主党 国会対策委員長と打合せ 12:30 参院 議院運営委員会 理事会 12:40 参院 議院運営委員会 13:00 参院 本会議        ★武力攻撃事態対処法案についての趣旨説明と質疑。 ■5月20日(火) 08:00 第578回マンデーレポート 12:00 参院民主党 常任役員会 12:10 参院 経済産業委員会 12:20 参院 経済産業委員 打合せ 12:45 議運理事会     ★明日の本会議について決定。      内容は、農林水産省設置法案の趣旨説明・質疑。      なお前々日、私の政策秘書白岩さんが肝臓ガンで48歳の若さで      急逝したとの報、有り。      そして明日は、その葬儀の予定。      弔詞を贈呈するため、本会議を欠席したい旨、申し入れ。      各理事も快諾してくれた。ありがたかった。 13:00 経済改革特区推進室よりレクチャー 18:30 衆参両議長主催 欧州議会議員団来日レセプション 19:00 岡田民主党幹事長と参議院民主党幹部との懇談会     ★自由党との会派問題が主眼。      統一会派を結成し、その上で合流問題を論議するという      段階的発展論について説明され、理解を求められる。了承。 ■5月21日(水) 10:30 故白岩和敏様 告別式     ★48歳の若さで急逝した白岩秘書。      夫婦の間に子どもがなく、その代わりに愛犬を家族同様育てている点など、      私と同じ。      祭壇に、旅行中の楽しい写真と、愛犬を抱きしめた写真が飾ってあり、      胸を打たれた。      寡黙ではあったが、実に緻密な仕事をしてくれた。心からご冥福をお祈りします。 ■5月22日(木) 10:00〜17:00 参院 経済産業委員会         ★下請け代金法案について質疑。 12:30 参院 議院運営委員会 理事会     ★明日の本会議立てについて決定。 ■5月23日(金) 09:00 参院 議院運営委員部、参院民主党 国会対策委員長と打合せ 09:30 参院 議院運営委員会 理事会 09:40 参院 議院運営委員会 10:00 参院 本会議     ★国立大学法人法案関連と職業安定・労働者派遣法案の趣旨説明、質疑。     ★法案採決。      個人情報関連で民主党からは内藤正光議員が反対討論を行います。      個人情報保護法案は、一度は廃案に追い込めたが、      今国会ではとうとう国会を通過してしまった。      極めて残念である。      個人情報コントロール権の規定がない、官の濫用に対するチェックが甘い、      報道についての保護規定のみで一般的な知る権利の尊重規定が弱いなど、      多くの問題点を持っている。      自由党議員の反対討論で「本日は民主主義が死んだ日だ」との表現があったが、      その通りである。      この国のリベラルな政治パワーは確実に低下している。     ★国立大学法人法も大変問題な法案である。      この法律によって、大学は完璧に文部官僚の支配下に置かれることになろう。(前記) 17:00 栃木県行政書士会 平成15年度定期総会・懇親会 ■5月24日(土) 10:00 栃木県高等学校教職員組合 第53回定期大会 10:00 栃木県司法書士会 平成15年度定期総会 17:30 特定医療法人社団厚生会 社員総会 ■5月25日(日) 10:00 陸上自衛隊北宇都宮駐屯地開設30周年記念行事祝賀式典 12:00 第22回栃木県ジュニア空手道選手権大会 式典 13:00 第1回鹿沼市トランポリン競技選手権大会 開会式 14:00 赤帽栃木県軽自動車運送協同組合 第23回通常総代会