国会通信 No.582

  【イラクに自衛隊に送る必要はない】

2003/6/16 (マンデーレポート582の要旨)


【イラクに自衛隊を送る必要はない】 【民主党イラク調査団の報告のポイント】 【今週の主な行事】 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【イラクに自衛隊を送る必要はない】 ●先週金曜日、政府与党は、提出直前の削除という醜態を演  じながら、イラク新法を閣議決定。衆議院に提出してきた。 ●提出直前に「削除」されたのは、「大量破壊兵器」に関連する  条文。 ●イラク戦争の大義名分は、大量破壊兵器の完全除去であった。  しかし、今持ってそれが見つかっていないことが、米英ともに  国内政治の重要問題となっている。 ●当初、立案者は、イラク新法の必要性を強調するための柱として  これらを用意したようである。しかし、そんな重要な法案の柱が、  いとも簡単に削除されてしまう。  この法案が、いかにお手軽なものか、また党内政局と密接に絡んでいるかを  雄弁に物語るエピソードである。 ●イラク新法は、国会を大幅に延長し、反小泉側の仕掛けを封じこめる  材料だ。すなわちイラク新法は、小泉政権の延命の道具でしかない。 ●しかし、この新法は実に多くの問題点を有する。  1 イラクには、いまだ正統的な政府は存在していない。  2 イラクでは、戦争はまだ終わっていない。  3 国連安保理の決議も、その内容はあいまいである。 ●先週民主党の調査団の報告が行われた。  その報告の要点をいかに紹介するが、  1 イラクには完全に安全な場所などどこにもない。  2 テロの対象は拡散しており、弱い部分にテロは向かう。  したがって、新法が想定する補給活動支援などは、逆に  テロの標的にされやすい。  など、自衛隊派遣はきわめて危険であるし、また派遣する必要性も  ないことが明らかである。  日米同盟は重要だが、ブッシュ大統領の期待に過度に迎合し、  無理をする必要は全くない。 【民主党イラク調査団の報告のポイント】 ●調査団メンバー 末松義規(衆)、首藤信彦(衆)、若林秀樹(参)  日程 6月2日〜8日 ヨルダン・イラク 《報告ポイント》 ●イラクの治安・統治問題 1 統治は米国主導、復興は国連主導の二本立て。   米国主導のOCPA(または、CPA。連合国暫定当局)の統治再編過程と、   国連主導の国際的な経済復興努力は、車の両輪。 2 米国等の占領は、長期化となる見込み。 3 治安維持の要は米英軍。治安状況はかなり改善されているものの、   米軍に対する小規模な反乱はイラク中西部を中心に継続。 4 OCPAの実態は占領軍政(GHQと同じ)。   日本の行政職員の居場所がないのでは。 ●自衛隊派遣問題 1 多国籍軍のメンバーとなり得ない自衛隊の派遣については、   治安維持などへの支援ニーズは否定しないものの、   イラク国民に直接見え、手放しに歓迎されるような復興支援ニーズを   特定することは困難。 2 現時点での治安状況では、戦闘区域と非戦闘区域を区別することは困難。   最近の武装反乱活動などを考えると、現在の防護武器や、武器使用基準では   不十分と言わざるを得ない。 3 治安が悪いというより、戦争の第二局面に入った感じ   この一ヶ月内の米兵死者は40人。   いままで全体140人。その1/3がここ1ヶ月で発生。   戦争はまだ継続している。 4 米兵は、小部隊で広汎に展開せざるを得ない。   このことが かえって危険を増大させている。 ● 治安の状況   1 改善の見られるところ    クルド地域(キルクークやトルクメン居住地域は除く)の北部・シーア派地域の南部、   ヨルダン国境地帯の西部の治安は、かなり改善している。 2 まだ不安なところ   スンニー派でバース党支持の強かった南部からシリア国境に至る西部は   いまだ不穏な動き。治安はかなり不安定。 3 米軍によれば、イラク全土で、1日平均5〜10件の対米軍攻撃がある。 ●OCPA(連合暫定当局、旧ORHA)の活動 1 ブレマー文民行政官の計画   ★政治評議会は7月中旬めど  ブレマー文民行政官は国内基盤の薄い反フセイン派組織だけでなく、  知識層や部族長も含めた「政治評議会」(OCPA諮問機関)を7月中旬まで  に立ち上げる計画。 ★暫定行政機構は9月めど  各省担当顧問を任命したり、憲法を起草する「憲法評議会」を設置。  9月をメドに、これらの暫定行政機構を実質的に機能させる。 2 現状は   バース党色一掃を図る中、諸部族や宗教各派のとりまとめに相当の困難も   予想される。各部族・各宗教勢力による棲み分けを考慮した形での   統治機構が必要との指摘あり。計画通り行くか分からない。 ●国際社会の対応 《国連》  デ・メロ国連事務総長代表により、米国を中心としたOCPAの治安維持機能  と統治機構作りへの期待表明がなされる。  イラク復興援助のためのドナー国会合(6月末にNYで準備会合、9月に本会合)  開催に尽力するとの発言あり。  また、安保理決議1483号において示された国連の限定的な役割  (米軍との役割分担)を再確認した。 《各国の対応》  仏臨時代理大使より、仏・独は、OCPAには要員を送らない、軍隊も派遣しない  旨の説明あり。  ポーランド大使館臨時大使より、ポーランドは、米側要請を受けて、バグダッド  より以南の中部地域で多国籍軍を指揮する準備に入っている旨の説明あり。 ●自衛隊派遣問題  支援ニーズ  イラク国民の眼に見えるような復興援助を特定するのは困難。  イラクの正統政府が存在しない現時点では、PKO派遣の類似性や  援助実施手続きに照らしてみても、支援ニーズの確定は難しい。 ●自衛隊の安全性  1 現時点では、戦闘区域と非戦闘区域を区別することは困難。  2 戦闘員と非戦闘員を区別することも困難である。  3 最近の反乱活動が対戦車ミサイル、手榴弾、マシンガン等の使用で  あることを考えれば、隊員自身の安全を守るためには、  現在の防護武器や、武器使用基準では不十分。 ●支援ニーズ 《短期》   1 失業対策(職業訓練など)  2 学校・医療施設、上下水道、発電所・配電所や放送・通信等の復旧 《中期》  インフラ整備など(橋、病院等、日本が過去に手がけたものを重点的に行う) 【先週の主な活動】 ■6月9日(月) 08:00 第581回マンデーレポート 11:00 韓国大統領の国会演説 12:30 議運理事会 12:40 議運委員会 13:00 本会議 17:00 商工会議所・商工会訪問 17:30 連合栃木訪問 ■6月10日(火) 10:00 経済産業委員会 12:00 常任役員会 12:30 議運理事会 ■6月11日(水) 09:00 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 09:30 議運理事会 09:40 議運委員会 10:00 本会議 13:00 鈴木様来訪 14:30 栃木県企画部来訪 15:00 民主党知的財産権戦略PT ■6月12日(木) 08:00 外務・安保部門及びイラク問題PT 民主党イラク調査団から報告 12:00 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 12:30 議運理事会 ■6月13日(金) 09:00 議運委員部と打合せ、国対委員長と打合せ 09:30 議運理事会 09:40 議運委員会 10:00 本会議 11:45 議運理事会 ■6月14日(土) 18:00 栃木県デザイン協会10周年記念セレモニー