国会通信 No.589
【やらずに終わった議長不信任】
2003/8/4 (マンデーレポート589の要旨)
【やらずに終った議長不信任】
【議長不信任案の内容】
【委員会での喫煙禁止】
【先週の主な活動】
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【やらずに終った議長不信任】
●イラク特措法は強行採決の末に成立した。
しかし、小泉首相はイラクへ自衛隊を派遣する決断ができずにいる。
それは、
まさに「イラクは戦争状態」という野党の指摘の正しさの証明であり、
この法案の無意味さも証明している。
愚かなり。まことに愚かなり。
●ところで、国対は、戦術的に様々な可能性を検討し、
様々な状況の中で瞬時の選択をしなければならない。
そして議運は国対と密接な連携をとりながら、本会議という
大舞台の段取り回しをする。
この法案の問題点をいかに国民の多くに伝えることができるか、
小泉政権の愚かな選択をどれだけ強烈に印象づけられるか、
それが最大の戦術目的である。
●24日(木)は、イラク特措法の所管3大臣への問責決議案を提出し
本会議は25日未明までもつれこんだ。そして迎える25日(金)。
衆議院の内閣不信任案提出と連動しながらも、戦術上の選択肢は
二つに絞られた。与党は、時間切れ寸前、外交防衛委員会で、
強行採決せざるを得ない状況に追い込まれている。
強行採決を前提にしたうえで、考えられるのは以下の二つの
道筋である。
(A)委員長解任決議案 → 本案採決
(B)議長不信任案 → 総理大臣問責決議案
→委員長解任決議案 →本案採決
●選択は状況判断によって瞬時に決定せざるを得ない。
衆議院での不信任案の提出時期や、与党の強行採決の着手時期など、
与野党、衆参の状況により当然変わってくる。
●「深夜国会」「混乱する国会」を拍手喝采する人もいれば、
目をひそめる人もいる。そんな世論に対する見極めも重要である。
●また、深夜国会を二日、三日続ければ議員の健康状態も配慮
しなければならない。なにしろ参議院には高齢者も多いのである。
●またギリギリの戦いを組む際のスクラムの乱れにも細心の注意を
払う必要がある。スクラムの乱れは、野党間でも起こるし、
また同一政党の衆・参の間でも起こりうる。それぞれが、自分の
持ち場で最大限働きたいと思いつめるので、そうなるのは当然だろう。
しかし、それは与党やマスコミの付け入る隙となる。
●戦い方が不充分なら批判される。しかし同時に、度が過ぎて
墓穴を掘ることもある。その瞬間、見えていた光景は瞬時のうちに
暗転する。破綻なく、力強く、集団をリードするのには、
常に細心の注意を払いつつ、瞬時の豪腕も必要となる。
「情熱と理性の両立」とマックス・ヴェーバーは言ったが
本当にその通りである。
【議長不信任案の内容】
●私は、国対委員長から議長不信任案の趣旨説明をするよう指示を
受けていた。(B)ルートでの準備である。もちろん原稿は用意した。
しかし、最終的には(A)ルートが選択されたために、登壇の
機会はなかった。そんなわけで、やらずに終った不信任案だが、
【幻】にするのは惜しいので以下に掲載したい。3000字あまりなので
斜め読みをおすすめする。
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参議院議長 倉田寛之君 不信任決議案 趣旨説明
民主党・新緑風会 参議院議員 簗瀬 進
●決議案朗読(省略)
●あなたは本会議のベルを押すことによって、この国の21世紀の未来を
切って捨てました。今日の本会議は、あなた自身の生涯においてもおそらく
忘れられない刻印を残すでしょう。
●ブッシュの二元論批判
戦争の世紀であった20世紀。それを乗り越えるために、人類は国際連合を作り、
日本は日本国憲法を持ちました。疑心暗鬼と憎悪の歴史から、相互信頼の歴史に
転換させるため、それぞれが懸命の努力をしてきたはずです。
しかし20世紀の最後に登場したブッシュ政権は、正義の源泉を軍事力に求め、
世界を「正義の国」と「邪悪な国」に単純に二分化してしまいました。
そして、アメリカは常に「正義」の中心に置き、それに正面から反対する国を
簡単に「悪の枢軸」と位置付けたのです。そして「正義」を実現するためには
軍事力の行使も当然であるとする傲慢な思い上がった考えに立っていることは
世界の知るところであります。
●ブッシュに捧げる「エブリスイング」
小泉首相は、ブッシュ大統領がもっとも信頼を寄せる外国のリーダーです。
そしてその信頼に応えるために、大統領から言われもしないのに、お得意の
大げさなジェスチャー付きで、「日本は何でもやる」と約束しました。
大統領の牧場で言った「エブリスイング」という言葉は全米のテレビに
流れたそうです。
アメリカのための「エブリスイング」、その結果が今度のイラク特措法であることは
言うまでもありません。
●法案はブッシュ支援法案でしかない
まさに今回の法案はブッシュ大統領のためのエブリスイングであり、
来年の再選に臨むブッシュ大統領支援法案以外の何者でもありません。
しかし、ブッシュ大統領のためのエブリスイングであっても、
日本の未来にとっては、「ナッシング」でああります。
●議長は開会のベルを押すべきではなかった
国民の過半数を超える反対を無視し、ひたすらブッシュ大統領に貢献するた
めのこの法案が、強引な手法で採決されようとしている。その瞬間、良識の府の長とし
ての議長がなすべき事は、安易に開会のベルを押すことではありません。ひたすら正常
な手続きによる審議を追求する議長の職責に真っ向から反したあなたは不信任されて、
けだし当然であります。
参議院のホームページに掲載されている議長あいさつには、あなたご自身の言葉が誇ら
しく高々と掲げてあります。そのまま読むと、、、、「参議院は国民の多様な意見を広
く反映させる場として、『良識の府』『熟慮の府』と称されてまいりました。国民の目
線に立ち、行き過ぎた点は抑制し、足らざる点は補完し、国民から信頼感を得られるよ
うに均衡を保ってまいる」と書いてあります。
あなたに問いたい。法案を強行した与党に
「良識はありましたか」
「熟慮はありましたか」
「国民の目線に立っていましたか」「行き過ぎてはいませんでしたか」
「足らざる点は補完されました」
「国民の信頼に足る『均衡』は保てましたか」
そのいずれも行われなかったことは
言うまでもありません。
したがってあなたは参議院のホームページの議長あいさつは直ちに消去すべきでありま
す。
●法案は完璧な欠陥法案
そもそもこの法案は、法案と言う名に値しない完璧な欠陥法案です。
●法案の言葉はもはや日本語とは言えない。
広辞苑で「地域」という日本語を引いてみると、実に明解な解説がなされています。
「区切られた土地。土地の区域。」であることが日本語としての「地域」です。
状況によって刻々と変わり「区切ることの不可能な土地」を「地域」
と呼ぶことはできません。言うまでもなく法律の要素は「言葉」です。
日本語としての通用性を持たない虚構の寄せ集めをもはや法律と
呼ぶことは出来ません。
●「戦闘」と「安全」の使い分けは現場の混乱を招くだけ
「戦闘」概念と「安全」概念の分断も、今回の法案審議の際に行われた詐欺的解釈の典
型です。戦闘地域でも安全なところもある、非戦闘地域でも危険なところもあるそうで
すが、通常の日本語の解釈では、安全が常態化した区域が戦闘地域、危険が常態化した
区域を戦闘地域というべきです。特異な解釈、レアケースを一般化した解釈は、現場で
命をやりとりしなければならない自衛隊の皆さんをいたずらに混乱させ、生命を失う危
険を増大させるだけです。
●「不存在の証明」は論理学上不可能
大量破壊兵器の存在についてもあららしい粗雑な議論がまかり通っています。
論理学上「不存在の証明」は不可能なのです。かつての存在ではなく、処理後の密かな
保持や隠匿が問題なのですから、「存在」を主張する英米のほうにこそ
立証責任があるのは論理学上当然のことなのです。
●決議1483についての国民だまし
国連決議1483についても、総理は、国民に対して大きなウソをついています。決議
1483は、良く読むと、国連の役割と米英占領軍の役割を明瞭に
分離しています。治安維持や政権作りのいわば荒事は米英軍、これに対して、イラクの
経済復興と人道支援は国連が担当。しかし、総理はこの明瞭な
線引をあえて混乱させています。イラクの経済復興と占領軍の補給は決議上は
別物、イラク人民への水や食料の補給と、兵士への水・食料の補給も決議上
別物なのです。しかし、総理は両者を意図的に一体化させ、イラクへの人道支援復興支
援をしてどこが悪いのかと居直る。一国の総理としてあまりにも
たちが悪い悪質な詐欺的答弁を続けているのは許せません。
●派遣隊員は選挙後ならいつ死んでもよいのか
さらには、自衛隊の派遣時期を、政治的な利害得失の中で判断しようとする
与党の態度も許せません。選挙の前に派遣して隊員に死者がでたら大変だから、
ということのようですが、それでは聞きたい。
選挙の後だったら自衛隊員はいつ死んでも良いのでしょうか。
派遣の時機を選挙の後先で論ずるとは、まさに政治的考慮で隊員の生命を
もてあそんでいることにほかなりません。
ブッシュ大統領の再選と小泉首相の再選のために、イラクに人柱を立てようとする、
このことは断じて許してならないことです。
●戦後真っ先にやったのはイラク原油のドル立て決済
ブッシュ大統領は、戦闘終結宣言後 国連決議を得るために相当苦労したようですが、
その中で真っ先にやったことがあります。
それはイラクの石油に関する国連管理の排除であります。
さらに、フセイン大統領は数年前にイラク原油の決済をユーロ立に変更し
ましたが、戦闘終結後、ブッシュ大統領は早速これをドル建て決済に戻しました。
まさにブッシュの戦争の目的は明らかです。アメリカの石油戦略以外の何者でも
ありません。
●ブッシュ支持の結果、わが国のイラン原油の権益はどうなったか
しかし、わが国がブッシュ支持の結果、逆にイランへの石油権益を失おうとしている。
小泉総理はブッシュ大統領の寵愛を得たうえで、イラン原油を失おうとしている。
まさに売国的な行為以外の何者でもありません。
●アメリカ=ブッシュではないはずだ
アメリカは広い国です。
世界から多くの人々がその魅力にひかれて集まってきます。
私も、学生時代に短期間ホームステイしたときの感激を今もって忘れません。
そんなアメリカの名誉のために言いたい。
ブッシュイコールアメリカでは断じてないと言うことです。
●Shame on Bush と叫ぶのもアメリカだ
アカデミー授賞式で「恥を知れブッシュ」と叫んだマイケル・ムーア監督も
やはりアメリカ人なのです。
ブッシュ大統領に忠誠を誓うことだけが、アメリカと友人になる道だと、
単純に、お人好しに妄信している小泉総理。
いま総理がしゃにむに通そうとするイラク新法は、平和国家として努力してきた
わが国への国際的な信頼を失墜させ、イラク人民のみならず中東の人々の
日本と日本人に対する信頼を破壊し、憲法を頂点とする法秩序を混乱させ、
そして自衛隊の隊員の貴重な生命を、大義なき戦争の生け贄に捧げようとする、
希代の悪法であります。
●議長、あなたは開会のベルを押すべきではなかった。
あなたは、とうとう日本の21世紀の未来を失わせる共犯者となりはてた。
私たちは、日本の平和国家としての可能性を追求するために、ここに
断固として議長不信任を提案し、趣旨説明と致します。
【委員会での喫煙禁止】
●最終日の28日議運理事会で持ち越しになっていた参議院での
受動喫煙禁止措置について議論され、委員会での喫煙の原則禁止の
申し合わせがなされた。
●具体的に言うと
委員会が行なわれる別館ではトルネード式の煙巻き上げ吸引施設の
工事が行なわれることが決まった。
これに伴ってこの工事完了を契機にすべての委員会での喫煙を禁止する
ことにしたものである。
●この問題については、私もかつて問題提起し、それが一部新聞でも
報道されたことがあった。健康増進法が5月1日から施行され、
伏流煙を強制的に吸わされることのないよう具体的措置をとるべき
ことが公的施設の管理者には義務付けられている。しかるに、国会で
このことが明確な動きになっていないのはおかしい。参議院としても
積極的に取り組むべきであるとの指摘であった。
●28日の申し合わせはこの提案が実を結んだものと言えよう。
ただ、本会議周辺の廊下での喫煙については以下の2案に集約され
そのどちらを採るべきかについて各会派が持ち帰って検討を
続けることになった。
●その2案とは以下の通りである。
1案 本会議場は長方形であるが、その東西2辺の廊下側に
ガラス壁で仕切られた喫煙コーナーを設ける。
2案 本会議周りの廊下からすべて灰皿撤去、その代わり本会議場西側の
議員食堂内にガラス仕切りの喫煙コーナーを設置する。
●委員会での喫煙禁止の申し合わせは、実は今までやろうとしてなかなか
やれなかった。議運は個別委員会の運営には口をはさむべからず、、等々の
建前論に縛られていたが、今回与野党一致の申し合わせができたのは
大きな前進だと思う。
【先週の主な活動】
■7月28日(月)
10:20 倫理選挙特別委員会
10:30 議運理事会
11:10 議運委員会
11:30 本会議
13:30 両院議員懇談会
14:00 海外派遣顔合わせ会
■7月29日(火)
08:00 第588回マンデーレポート
12:00 特許庁長官 退任ご挨拶
17:30 法律相談18:30 民主党栃木県連と連合栃木との懇親会
■7月30日(水)
17:15 栃木県税理士政治連盟定期大会・関東信越税理士会栃木支部定期総会懇親会
18:00 故小滝久治様 通夜
■7月31日(木)
12:30 故小滝久治様 告別式
16:30 車と社会を考える政策フォーラム第5回総会・勉強会・懇親会
■8月1日(金)
■8月2日(土)
18:30 第21回高砂荘納涼盆踊り大会
19:00 ふるさと宮まつり 中央卸市場神輿
20:00 法律相談
■8月3日(日)
10:00 全逓塩那地方支部第42回定期大会
17:30 国学院栃木高校柔道部インターハイ出場壮行会