国会通信 No.612

  【歴史の検証に耐えうる国会議論を】

2004/2/16 (マンデーレポート612の要旨)


【1】【歴史の検証に耐えうる国会論議を】 【2】【コミック作家に貸与権を】 【3】【先週の主な活動】 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】【歴史の検証に耐えうる国会論議を。】 ●9日午後6時半すぎ、参議院本会議において、イラクへの  自衛隊派遣に承認案件が「138票対103票」の賛成多数で可決  された。もちろん民主党も私も反対である。35票差の証人賛成。  まことに遺憾である。 ●野党欠席のままで賛否の数が明らかでなかった衆議院と  比べればれば参議院での論議は以下の点で多少ましだった。 1 賛成、反対の討論が済々と行なわれたこと 2 反対の論拠が議事録に残されたこと 3 賛否の数が明確に残されたこと ●しかし、事実上の交戦地域に、戦後初めて、日本の主権下  の実力部隊を派遣するのであるから、歴史の検証に耐えうる  議論を国会はすべきである。このような緊張感は国会には  残念ながら少なかったといえよう。 ●衆議院では、与党の暴挙と、野党の短慮で、到底未来からの  批判に耐えうるような審議が行なわれたとはいえない。例えば、  なぜ与党が強行し、なぜ野党が反対したのか等の正確な記録は  衆議院には、残念ながら残せなかったのである。参議院の審議で、  かろうじて最低水準は維持できたのかなと思う。 ●しかし、参議院の本会議の持ちようも、もちろんても充分  とは言えない。あえて以下の各点を指摘したい。  1 採決は通常のボタン式ではなく、記名投票とすべきでは    なかったか。  2 短時間でも良いから、議員各自の信念を述べる機会を作る    べきではなかったか。  3 賛否の討論は、与野党とも、議員会長や幹事長など、    会派を代表する立場の者が行なうべきではなかった。 ●私は、二年間、議運の筆頭理事を務めた。そのため余計に  以上のような感想を持つのかもしれない。さらには現在、  内閣委員長という立場にあり、そのため、参議院民主党の  方向性を決める常任役員会のメンバーから外れている。  これらの対応について意見を言う独自の努力を惜しんだ  不明を恥じねばならない。 ●しかし、いづれにしても  「歴史の批判に耐えうる議論を行なうべし」  これが、与野党共通の国会議員の責務であると思う。 ●歴史的な派遣承認の議論をすべきであるのに、  今度の国会は、総理を先頭にして、外相、防衛長官、  その他与党の議員の多くに、歴史的な論議に臨む自覚や  気迫が欠如している。余りにも、粗野にして不誠実な  答弁に終始し、現在もそれが続いている。  これでは、単なる通年パターンの与野党対決案件でしかない。  余りにも情けない。 ●しかし、野党としても反省すべき点はある。  派遣承認採決の反対ボタンを押しながら、私は臨席の  議運筆頭理事の平田さんに、「議員各自の採否が議事録に  記載される『記名投票』にすべきでは?」とつぶやいた。  そして、平田さんは、「衆議院が欠席で、参議院に来てしまった  ものだから、、、」と答えた。残念さのにじむ口調であった。 ●本会議自体もなんとなく緊張感を欠いていた。  やはり「事後承認」ではダメなのである。  派遣の是非が国会論議にかかる「事前」承認でなければ  だめだのだ。そうでなければ与野党ともに国会による  主導権は確保できないことを肝に銘じるべきである。 【2】コミック作家に貸与権を ●2月9日夜6時半から都内のホテルで  「21世紀のコミック作家の著作権を考える会」が開催された。  上記【1】の本会議が終了したのが午後7時半、散会を気にしながら  1時間遅れで会場に入った。 ●なにしろ、友人の岩屋衆議院をモデルにした  「加治隆介の議」を描いた弘兼憲史氏がわざわざ案内状を  届けてくれたのだから出席しないわけには行かない。 ●私は実は完全に漫画少年だった。少年サンデーと、少年マガジンは  創刊号から読んでいた。当時は、小学校3年か4年だった。  寺田ヒロオさんの「スポーツマン金太郎」やちばてつやの  「誓いの魔球」はよく覚えている。マガジンの図解シリーズは  学校教育にはない様々なこと(例えば戦艦大和の特集や、忍者の特集、  名城の特集etc)を教えてくれた。 ●司法試験の浪人時代は、手塚治虫の「火の鳥」に心酔した。  望郷編の「チヒロ」というロボットを愛したマサトの悲恋には  深く癒された。今でも世界最高峰のSFは「火の鳥」だと信じている。 ●日本のコミックは、ドラえもんをはじめとして世界に誇るべき  コンテンツである。しかし、コミック作家もまたコミック出版界も  いまやレンタルショップの隆盛によって売上減少等の急激な  影響を受けるようになっている。 ●コミックレンタルショップなどが人気。その裏側で新刊本  の売れ行きが減少し、ひいてはコミック作家の創作活動にも  大きな影響が出てきた。 ●一方著作権法は長い間、出版物がさらに第三者に貸与される  場合の、著作者の権利や出版元の権利保護の規定をおいて  こなかった。貸し本業の保護という大義名分、あるいはコミック作家と  貸し本業界の力関係という背後事情があったのかもしれないが、  音楽著作等には認められていた、承諾なく貸させない権利が、  しゅっぱん関係には認められていなかったのである。 ●しかしもはやそんな時代ではない。まずは創作の根源にある  コンテンツ製作者の権利を正面から認めないと、才能の海外流出等  創造力は枯渇してしまう。早急に著作者の権利を守る法改正をする  必要が出てきたのである。 ●このように「著作者に無断で貸されない権利」を「貸与権」  という。 ●日本の世界に誇るコンテンツがコミックであることは  言うまでもない。著作権法上、コミック作家等の権利が  充分に保護されていなかったことは大変問題。   ●昨年も民主党の知財プロジェクトではこの問題を取り上げ、  貸与権の立法化の動きを加速することに力を入れた。  ようやく、気運が盛り上がり、今度の国会で立法化に  持っていけそうになってきた。 ●先週も文部科学省の著作権課長からレクチュアーを受けたが、  どうやら3月5日までには閣議決定されそうな状況であるとの  回答であった。もちろん民主党としても賛成の方向である。 ●1時間遅れで会場に到着し、来賓多数の姿はなかったが、  マンガに対する思いをこめて現在の情勢について報告させて  もらった。 ●多くのコミック作家の皆さんもお帰りになっていたが、  前述の広兼さんをはじめとして、ドラえもんの藤子不二雄さん、  銀河鉄道スリーナインの松本零士さん、釣り吉三平の矢口高雄さん  と直接お会いすることができた。一人の漫画ファンとして  至福の時間となった。 ●横浜市長の中田氏やもと特許庁長官で現内閣官房の  知財戦略推進事務局長の荒井寿光氏などが残っておられたが、  荒井さんからは「知財国家戦略の著作権こそ簗瀬さんに  あるはず。けれど最近の民主党は知財の問題で元気がないよね。」  と発破をかけられた。 ●知的創造革命の言い出しっぺは私。  日本の将来は、知的創造力をどれだけ引き出せるかにかかっている。  ひきつづき民主党の知財プロジェクトチームの座長として  頑張らねばならない。 【3】【先週の主な活動】 ■2月9日(月) 08:00 第611回マンデーレポート 12:00 国対・理事合同会議 13:00 行政改革推進事務局 提出法案レクチャー 13:10 内閣府情報公開審査会 同意人事レクチャー 16:00 連合宇河地協議長 青木様ご母堂様の弔問(今市市内) 18:00 議員総会 18:30 本会議           (上記【1】参照) 19:30 21世紀のコミック作家の著作権を考える会懇親会 (上記【2】参照) 【3】【先週の主な活動】 ■2月10日(火) 09:00 岩國哲人代議士訪問 ★「地域金融を考える会」について相談。 ■2月12日(木) 18:30 第31回エネルギー政策フォーラム     講師 厚生労働省事務次官 大塚義治氏 ★大塚さんは、実は本県粟野町出身。年金問題について  国会の平場では与野党の建前があってなかな本音を言い  合えない。しかし、私的な勉強会では結構本音の話ができる。  なかなか面白い議論となった。 ★一つだけ紹介すると、氏は厚生省入省当時、老人医療費  無料化立法が初仕事だったそうな。その後180度変更しての  有料化の立法化で長く苦労したとの経験談。教訓として、  ひとつの方向性で金縛りになるよりも、環境変化に対応できる  柔軟性を持つことが重要と感じているとのこと。  官僚の「先例踏襲癖」の弊害を考えれば、確かにそうかもしれない。 ★別れ際に、藤原町のけい灰労災病院の存続を陳情。  苦笑いのみで、氏は答えなかった。 ■2月13日(金) 11:00 内閣府の経済特区・地域再生担当者および産業再生機構の担当者    のヒアリング。 ★栃木県の申請している地域再生プラン「栃木県経済新生構想」や  大家石材業協同組合の経済特区申請の検討状況をヒアリング。 13:30 岩國事務所にて打合せ会 18:30 谷ひろゆき合同新年会 ■2月14日(土) 10:25 日立ホーム・アンド・ライフ・ソリューション労組栃木支部ユニオンセミナー講演 13:30 栃木県太極拳連盟 指導者講習会 16:00 連合栃木宇河地協第10回定期総会 ■2月15日(日) 17:30 第20回山崎正信新春の集い 18:30 いいづか昭吉後援会連合会「市長をかこむ新春の集い」