国会通信 No.613
【中曽根氏の憲法改正論】
2004/2/23 (マンデーレポート613の要旨)
【1】【中曽根氏の憲法改正論】
【2】【講演メモ】
【3】【足銀公開説明会】
【4】【先週の主な活動】
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【1】中曽根氏の憲法改正論と私の考え
●1月29日(木)に行なわれた政権交代を実現する会の
憲法問題勉強会は講師に中曽根康弘氏を招いて行なわれた。
この日の講演は後に週刊文春でも取り上げられたり、
鳩山由紀夫の反転攻勢のきっかけとして再三、報道されたり
している。
●私にとって中曽根氏の本質にある「国家主義」的な体質には
今もって違和感を覚えるものの、一貫して憲法改正に情熱を
もって取り組んできた彼の考え方を、一度はじっくりと聞いてみたいと
考え、会に出席した。
【外交】
●印象に残ったのは、
まず、意外に感じるが彼の現実主義的な感覚である。
●中曽根さんは、21世紀を超大国の「米」と「中」の対立と
見ている。そして超大国にはさまれたわが国の位置づけや
振る舞いをどうするのが国家経営の最大のポイントだと
見ている。
●彼は、今後の日本の進路を考えた時に、
重要なことは、アメリカ一国主義に身を寄せるよりも、
東西の超大国アメリカと中国の間にあっていかに
バランスをとるから大切だと指摘した。
●この点は 明らかに単純明快な小泉首相とは異なる。
中曽根さんから見ると、小泉さんの歴史観・国家観は
アメリカに偏していて危なっかしいと思っているようだ。
私にとってもこの指摘はまったく同感である。
【国民の意思決定能力】
●つぎに、国民の意思決定能力に対する楽天主義である。
●私は鳩山さんを通して質問をぶつけた。
「国民は主体的に自衛隊を統制できる自己決定能力を持ちうるか。」
この質問に対し、中曽根氏は極めて明瞭に、何のためらいもなく、
「できると思います」と言い切った。
政治の指導力・文民統制を徹底し、国民への周知・防衛軍のなかにも
徹底することで、しっかりと統制できると考えているようである。
中曽根氏は、「旧軍のこともありますが」と付け加えていたから、
質問の背景にある過去の歴史の評価を充分に踏まえての発言だった
ことは明らかである。
●中曽根さんは、国民の主体的な決定力を評価している。
しかし、本音の部分は条件付なのかもしれない。
条件とは、すぐれた指導者の先導があればということか。
●ここが私とは違うのだ。
過去の歴史に見られる、
この国の国民の迎合的な傾向に、私は危惧をおぼえる。
長いものに簡単に巻かれる。
内心の意思を明快に表明できない。
そして土壇場まで我慢してしまう。
「土壇場」の語源は、「斬罪を執行するために築いた壇」である。
そうなっては絶対にならないのである。
●この国の歴史が過去に味わった悲劇的な決着を避けるためには、
国民の意思が自由に反映できる政治の仕組みを徹底すること、
そして自覚し自立した市民の数を圧倒的に拡大していくことしかないと
私は考えている。
●さらにシビリアンコントロールの基本的なルールが確立し、
国民にも自衛隊の隊員にも周知徹底された状況を作る必要がある。
●国会の「承認」一つとっても、事前承認が原則なのだという
諸外国で当たり前の基本的なルースすら確立されていない。
この国の状態は実に低レベルであることを自覚すべきである。
●準備不足のまま背伸びをすると日本は絶対に失敗する。
だから憲法九条改正については私は極めて慎重にあるべきだと
思っている。
【9条=孫悟空の金冠】
●私は憲法9条は、西遊記の孫悟空が頭にかぶっている金冠
だと考えている。
●気のいい孫悟空、正義感も強く、一生懸命努力もする。
しかし時に調子に乗りすぎる。
お釈迦様なんか目じゃないと思い
キント雲に飛び乗って世界を飛び出そうとする。
●そんな孫悟空を見かねたお釈迦様が金冠を頭につけてしまう。
暴れまわる孫悟空を見ては、時々お釈迦様は金冠を締め付ける。
痛さに耐えながら孫悟空は成長していく。
人間性の影に潜む怖さを、巧みに捉えていると思う。
孫悟空は中国の京劇で、今でももっとも人気のある役回りだが、
その理由がわかりそうな気がする。
●私は孫悟空の頭にかぶせられた金冠が憲法9条だと考える。
日本が背伸びしわれを忘れて膨張主義に陥ろうとする時
頭をぐっと締め付けてくれる頭の金冠が9条だと思っている。
この金冠を簡単に取るべきではない。
【歴史観】
●中曽根氏の好きな言葉は
「国家観」と「歴史観」である。
「政治家は国家観と歴史観を持たねばならない。」
これが氏の口癖である。
●私は一定の傾向あるいはイデオロギーがこの言葉の背景にあるものと
当然のように感じていた。しかしどうもそれは私のかん違いのようである。
●どうやら中曽根氏の「歴史観」と「国家観」は、
長期的な歴史的展望のなかにおいて国家経営を考えることを
意味しているようである。
●氏は、講演の中で歴史の「フガンリョク」が大切だと強調していた。
最初は「フガン」とはなんなのか見当がつかなかったが
しばらくして歴史の「俯瞰力」のことなのだと気がついた。
上州なまりでは「俯瞰」するは「フガン」すると発音するのだろうか。
「フカン」よりも「フガン」と濁音がついたほうが重々しく
感じられるのかもしれない。
●とにかく氏の言う「歴史観・国家観」とは
政治に必要なのは、歴史を大づかみにつかむマクロ的な見方である
との主張のようである。
●いわゆる「自虐史観」といったりする特定の思想に基づく
「観」とは違うようである。
私は、どちらかと言うと中曽根さんは日本の歴史について
特有の見方をしているかのように思っていたが、
それは思い違いなのかもしれない。
【二大政党制】
●氏は、日本の風土に「二大政党制」は合わないと考えている。
●講演の中で、日本には、英米のような二大政党に分離される
社会的な実態は存在しないと指摘した。
●これは本質的な指摘であり、日本の政治の枠組みを考える際の
本質的なポイントである。それはすなわち憲法改正する際、この
国の政治体制をどうするか決める、最大のポイントだと思う。
●私は政権交代の重要性を最上位に置く。それゆえ、社会実態と
多少ずれてでも、二大政党制の枠組みを作っていくべきだと
考える。いわば、私の考えは「かくあるべし」とする当為論である。
●これに対し、中曽根氏の考え方は、日本の社会をかなり
静態的に考えている。彼の考えは社会実態を重視し、それを
固定的に考える存在論的な思考法である。
●この論点あるいは対立は今後とも長く続くであろう。
社会実態とかけ離れた制度は長続きしない。
しかし、哲学や理想を欠いた制度も簡単に腐敗する。
このバランスをどうとるかが憲法改正の根本的な問題点である。
●論議をできうる限り深め、最後は国民の投票で決めるしかない。
【2】【中曽根講演メモ】
<自民党を中心としてみた政治の流れ>
●細分化された社会→変人政治をもたらした
変人政治の象徴が、自民党にあっては小泉総裁、
野党にあっては民主党の誕生。
●小泉=瞬間タッチの断言型
朝6時の公邸前でのぶら下り会見
短い言葉での断言的会見→政権浮上の大きな理由のひとつでは。
●歴史観・国家観が重要
北朝鮮問題についての6カ国協議→将来の原型となる。
50年先を見通す歴史観が重要である。
明治22年 明治憲法発布
それから50年で敗戦 明治憲法はだめになった。
昭和22年 昭和憲法発布。
それから50年余 マッカーサー憲法は時代に合わなくなった。
50年単位の長期的展望が政治には不可欠。
●日本の進路
北東アジア3国…中国との連携 重要
ASEANの10ヶ国+3ヶ国の枠組
この見地から言うと
靖国問題については…話し合いの中での解決が重要
NOとNOのぶつかり合いでは足りない
●鳩山一郎のエラサ
当時は、憲法改正も日ソ交渉も世論の支持は極めて少なかった。
二つのキワ物を正々堂々と訴えて戦ったことは偉い。
<憲法の基本的問題>
●昨今の憲法改正論は余り評価できない。
@法的技術的すぎる。
A現状固着的で、歴史の先見性が足りない。
いままでの座布団をはずそうとせずに論議している。
●憲法調査会にはほぼ全会出席。
自らの発言は控え、じっと聞いてきた。
最後に発言しようと思っていたら、止めさせられた。
残念である。
●根本にある国家像・歴史像を踏まえた本質的論議が必要
一院制か二院制か
直接か間接か
【首相公選】
●私の首相公選論は議院内閣制を前提。
小泉は大統領的首相をイメージ。
●よくイスラエルの失敗をあげて、
首相公選論を否定する向きがある。
しかし、それは単純すぎる論だ。
● イスラエルは特殊である。
宗教・民族・ロシアからの還流などで
イスラエル社会は多様性に富みすぎるくらい。
首相に一票、比例制で政党に一票というのが
イスラエルの首相公選制だった。
選挙をしたら、あまりにも分裂・小党化
一挙に社会は不安になった。
●とにかくどんな制度でもむずかしい
日本はもっと均質的・高レベル。
●過去の憲法の評価をしっかりと行なうべきである。
その際歴史観が重要。
明治憲法、昭和憲法、それぞれの歴史的意義を
きちんと整理しておくべきである。
●社会意識の直観力?や歴史の俯瞰カが大事。
●占領政策からの総括脱出をどうはかるかがポイント。
●世界の潮流をどう見るか。
中国の強大化、
米・中にはさまれた日本の政治をどのように持っていくか。
●二大政党制でいけるのかどうか
自分は疑問
社会的な伝統がある英米のシステム
社会的基盤はできていない日本では
フィクション(=擬制)にのった仕組みのマイナスが大きい。
政界再編への結びつきがあるかもしれないが
まだ二大政党制は固着していない。
●国民投票制度の育成も重要
国民の満足感、責任感を高める観点
●元首については
首相:機能的統合力
天皇:歴的伝 権威的
● 9条改正の方向性
1項 不戦→維持
2項 自衛権 専守防衛
集団的自衛権当然持つ
自衛軍
3項 国際協力 貢献
【3】足銀公開説明会
●21日(土)13:00 県連主催で足利銀行問題の
第3回公開説明会を行なった。
●内野直忠先生、広瀬慎ニ先生、川村寿文さん、
佐藤行正さんの4名の公認会計士の皆様を講師として
足銀問題について公認会計士から見た論点を説明して
いただいた。
四人の公認会計士の先生方にはご協力について心から
感謝申し上げます。
●席上佐藤先生には1時間に渡り詳細な分析を行なって
いただいた。
その結果、3月期決算後に金融庁の特別検査が入り
約950億円の引当不足が指摘され、繰延税金資産を除いた
自己資本が急激に減少、9月決算で繰延税金資産をまったく
計上できないような検査結果を突きつけられていった等の
状況が説明された。
●ポイントとなる論点を整理すると
1金融庁検査は
ホテル、ゴルフ場、パチンコの3業種に
ターゲットを絞って行なわれた。
その理由は、融資額が多いし、融資手続きもかなり
いい加減なものが予想されるから、簡単に巨額の
引当不足を指摘できるからではないか。
2金融庁検査は
今までどこの地銀にも採用しなかった担保評価を行なった。
従来=再調達価額方式あるいは積算法といわれる
担保の交換価値を前提にする。
今回=収益還元法
将来不動産を貸し出して得られる賃料等の利益を前提に
担保価値を評価する。
3 再調達法と収益還元法の圧倒的な差
例えば融資を受けて10億の土地を買ったとする。
融資の直後の担保価値は再調達法で言えばほぼ10億円だが
収益還元法だと、翌日なのに4割減、5割減も当たり前になる。
あっという間に購入価額の半分の担保価値にされても
おかしくない。
4 検査と監査
建前上、
金融庁の検査は、金融の安定という行政目的、
監査法人の監査は、投資家保護という経済目的、
それぞれ目的が違い、それゆえ手法も違うというのが
竹中大臣の決まり文句。
(矛盾)
しかしそういいながら、破綻決定の2日前に監査法人には
検査結果が知らされ、監査法人は、この検査結果を全面的に
受け入れ、監査法人としての「監査」を全くせずに、
金融庁の検査結果を全面的に受け入れて、足銀に債務超過
を認めさせた。
検査と監査は違うといいながら、最後の土壇場では、
検査結果を、監査法人として検証もせず(立った1日で
検証できるわけもない)、全面的に認めこれを前提とした
監査を足銀に突きつけた。その結果、足銀はやむなく
「債務超過」の「自己申告」をするに至ったのである。
5 二人羽織
以上のプロセスを見るとまさに金融庁と監査法人の
「二人羽織」構造が明らかになる。
羽織の後ろに金融庁が隠れ、強引な検査をして引当不足
にし、羽織を着て顔を見せている監査法人が、繰り税を
とうてい参入できない状況を作りだし、債務超過の宣告を
足銀に対して行なっていく。
金融庁と監査法人の二人羽織構造で足銀は破綻に
追い込まれていった。
6 金融庁独裁
もし潰そうと思えばどの金融機関でも潰せるだろう。
収益還元法を急激にやられれば担保評価は急激に
落ち込む。落ち込んだ分だけ自己資本は劣化する。
簡単に債務超過に持ち込むことができる。
狙いを決めて検査にはいれば大半の金融機関はアウト。
市場主義の金融改革のはずが、
結果として金融庁独裁の金融システムを作り出している。
【4】【先週の主な活動】
■2月16日(月)
08:00 第612回マンデーレポート
09:30 県連・連合との協力会議
12:30 議員総会
13:00 本会議
13:10 議員総会
14:00 国土交通省都市計画課より提出法案レクチャー
■2月18日(水)
12:00 北信越・北関東地域別国会議員団会議
13:00 参議院北関東ブロック比例選挙対策会議
PM 連合産別・地協挨拶回り
■2月19日(木)
AM 連合産別・地協挨拶回り
10:30 故光岡真一様 告別式
16:40 内閣委員部、内閣調査室 来訪
17:00 勉強会
■2月20日(金)
連合産別・地協挨拶回り
■2月21日(土)
10:30 JR東労組宇都宮支部第19回定期委員会
12:00 公開説明会打合せ
13:00 県連足利銀行問題第3回公開説明会報告会
(上記【3】参照)
17:00 山岡賢次後援会民主党岡田幹事長を囲む懇談会・新春の集い
■2月22日(日)
10:00 全国一般労組栃木県地方本部
11:00 篠崎昌平氏旭日小授章受章祝賀会
14:00 第20回国技館5000人の第九コンサート