国会通信 No.614

  【アナン事務総長の演説】

2004/3/2 (マンデーレポート614の要旨)


【1】アナン国連事務総長の国会演説 【2】アナン事務総長の本音 【3】上記対談メモ 【4】足銀破綻と地域再生 【5】【先週の主な活動】 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】アナン国連事務総長の国会演説 ●2月24日(火)12:00、参議院本会議場において、アナン  国連事務総長による演説が行われた。小泉政権が、強く要請を  した結果だったのであろう。アナン事務総長側で日本に来た  がったのではないようだ。小泉さんとしては、国連事務総長の  現実の演説を通して自衛隊派遣の正当性を強く印象付けたかっ  たのであろう。 ●そんなことを敏感に感じていたのは与党議員の皆さん。  自衛隊がらみの話が出たら、すかさず拍手をして、自衛隊派遣  の正しさをアピールしようとねらっているのは見え見えだった。 ●議場は超満員。ブッシュ大統領の時よりも議員の出席者は  多かった。私も固唾を飲みながら、事務総長が自衛隊について  どのように触れるのか注意していた。 ●結論を言えば、事務総長が自衛隊に触れた部分は、1箇所のみ。  そして「評価」にからむ言及はせず、派遣の「事実」を触れるに  止めている。 ●事務総長の自衛隊派遣に触れた唯一の箇所を、以下に引用する。  しかし、一読して分かるように、慎重に派遣の評価は避けたの  である。この点は重要である。 ●読売、産経等はアナン事務総長は「自衛隊派遣を評価」と  大見出しで書き立てたが、これは明らかにミスリードであると  考えている。 ●以下は、自衛隊派遣に触れた演説中 唯一の箇所の訳文である。  訳したのは外務省。注意して読んでみよう。  「日本はこの挑戦に率先して向かい合ってきた国の一つです。  貴国は、安保理決議の要請に応え、  窮状に立ち向かうイラクに対して  賞賛されるべき連帯姿勢を示されました。    「貴国は、私がニューヨークにおいて設立したばかりの  「イラクに関するフレンズ・グループ」に参加しています。  貴国は、復興に対して寛大な貢献を表明されました。  また、困難な議論を経て、貴国は人道復興支援を行うために  サマワに自衛隊を派遣されました。」  このあとアナン事務総長は、話題を転じて、9・11以降の  集団安全保障体制の変化の話題に移っている。 ●国連の分担金の最大の拠出国である日本政府のメンツを  潰すわけには行かない。しかし国連の議論のいきさつや、  自分の信念を曲げるわけにも行かない。事務総長の苦心の  演説だったことを、歴史に明記すべきである。 【2】アナン事務総長の本音 ●2/24 国会演説を終えた直後のアナン事務総長と菅代表は  対談した。その際、アナン事務総長は率直に自らの考えを  語ってくれた。 ● 語られた事務総長の本音とも言うべき考え方のエッセンスは 1. 安保理もアナン氏個人もイラク戦争を支持しなかった。 2. 民主党の立場は、世界中の数多くの政府の立場と一致している。 3. 世界における脅威はテロと大量破壊兵器ばかりでない。  貧困や飢餓などにも対応しなければならない。  の3点である。  決して、自衛隊派遣を単純に評価しているのではない。 【3】上記対談メモ ●以下は、2/24に行われたアナン事務総長と菅代表の対談記録である。  このメモの作成者は民主党の国際交流局長であり、会談に同席した  藤田幸久衆議院議員。少し長いが重要な記録なのでメモの全部を  掲載する。 (代表) ●デメロー国連代表はじめイラクでのテロで犠牲になった  関係者の方に哀悼の意を表したい。 ●本日の国会でのスピーチに感動。  イラクに対して、戦争前の意見は色々あったが、  イラク復興支援はしなくてはならない。  その観点から、資金的、人的貢献が一定の条件の中でなされることは  必要というのは、民主党の立場でもある。 ●ただし、イラク戦争そのものは間違いで、  大量破壊兵器の査察を続けるべきだったと考えている。 (アナン) ●まったく同じ立場だ。 (代表) ●政府は、イラク特措法で自衛隊を非戦闘地域について出すという立場。  しかし、民主党はイラクに非戦闘地域は存在しない。  イラク全土が戦闘地域である。国内的、憲法的理由であるが、その意味で反対。 ●しかし、すべての自衛隊派遣に反対しているわけではない。 ●イラク人による政権が出来、国連の支援要請があり、  仏独ロ中なども参加できる枠組みが整った時には一定の条件のもと、  PKO活動を広げるような形で参加できるとも考えている。 ●しかし、現状では反対。 ●事務総長もダボス会議で、テロとの戦いは難しいと言われた。  民主党も同様で、間違いのないものにしたいと考えている。 (アナン) ●本日は会えたことに感謝。国会で話せて光栄。 ●民主党の立場を明確にうかがった。  世界中の数多くの政府の立場と一致している。 ●イラクの復興に関わるにあたって、  民主党と同じ立場をつらぬいている国も多い。 ●6月30日以降(主権移譲の期限)になれば、参加の自由意思が増してくる。  多くの国が加わるようになれる。 ●イラク支援のニーズはある。この地域の不安定化は避けるべきだ。  そのため安保理も多国籍軍による統治を認めた。 ●国連が支援するには条件が必要である、前提がある。 ●安保理も私個人も、戦争を支持せず、弁護もしなかった。 ●初めて国連が、支配、占領するような形で統治に関わった微妙な状況であり、  政治的にもできれば避けたかった。 ●現実的には、イラクの人々のニーズがあるが、  一方で今の複雑な状況に対する周辺地域の懸念もある。 ●フランスのTV局でも言った。戦争前に意見が分かれていたが、  米英などが耳を傾けず戦争をはじめた。 ●人はどうしても、彼らがはじめたことだから勝手にしろ、といいたくなる。 ●彼らがはじめた。しかし、いまやイラク問題はみんなの手に委ねられている。  全員が関わる責任が必要だ。この地域のイラクの混乱が発生すれば、  政治、社会、宗教、社会、経済でマイナスだ。  世界の石油もこの地域に依存。また、常にテロリストの関わりが減らない。  近隣諸国も関心をもっている。 ●近隣諸国の懸念もあり、何とか安定させなくてはいけない。 ●まずは、イラク人が自分たちの手で運命を決めるようにしなくてはいけない。  事態が膠着した時に、米の要請を受けて、国連の調査団を出し、報告書を発表した。 ●イラク人と協力して安定し民主的なイラク人の  イラク人のための支援をしていかなくてはならない。 ●そのために治安の安定は欠かせない。  そうでないとUN職員の命を預かるものとして責任がある。 ●UNだけでなく、イラク人一般国民のためでもある。 ●治安回復は必須であり、選挙のためにも前提である。 ●この前提が実現して初めてUNがイラクに約束したことができる。 ●暫定政府をつくる支援をしていきたい。  そのための努力をブラヒミ氏を中心にしている。 ●イラク暫定政権が発足後、安保理によって多国籍軍が派遣されることもある。 ●イラク国民を支援するためのもの。   その段階で現在関わっていない多くの国が参加できる。  占領統治が終わり真実の国際協力になるからだ。 ●近隣6カ国の支援が必要。これなくして、イラク復興は成功しない。  ニューヨークで、この6カ国にエジプト、安保理など主要国を入れて  アドバイザリー・グループを発足させた。 ●みんなで前向きな働きかけをして欲しいと考えている。 ●とにかく、イラクの安定化のための方策を見出そうということではないか努力が必要。 (代表) ●詳細なお話しに感謝。 ●イラク人による統治を6月30日までに実現し、  選挙はそのあとになるとのことだが。選挙が可能になる見通し、或いは希望は? (アナン) ●7月1日のイラク政府発足というのは、  米国とイラクで昨年11月15日に合意している。  国連調査団が訪問し、6月30日以前に直接・間接の選挙は無理と分かった。 ●ただし、6月30日の期限を尊重していくというもの。  これを遅らせるようないかなる試みも、それは大きな問題を生じる。 ●この時期に暫定政府の発足が重要。そのために知恵を出している。 ●信頼にたる選挙を実施するには、前提条件があり、    @法的枠組み  A独立した選挙管理委員会  B選挙に関する政党法など法律の整備  C政治家の選挙運動を可能にする治安の確保  などである。  通常最低8ヶ月が必要だ。  それに向けた準備を今すぐはじめなくてはいけない。  我々はそれを行う用意がある。 ●ただし、具体的な日付をあげるまでになっていない。 (代表) ●イラク以外のことについてもききたい。国連改革について。  安保理常任理事国入りについて、どのようなことをしたらいいか。  羽田元総理も熱心なので。 (アナン) ●様々な意見があることは承知している。  問題意識の収斂が見られつつある。 ●今回のイラク戦争をめぐり平和と安全についての重要な場で、  安保理が関わることができなかった。  国連憲章に整合しないとか、国連査察に時間がかかりすぎたので強化が必要だとか、  こうしたことに新しい認識が生まれつつある。 ●多くの国々が苛立ちを感じていた。意見を反映できないという苛立ちだ。 ●これは小国ではなくその地域の大国もある。 ●ブラジルや南アなどの大国から「サミットを主催して欲しい」との要請も私にあった。  これは実現できなかった。  さらに問題が複雑になるかもしれないし、安保理の中で既に対立がある上に  他の国々が加われば更に競合するかもしれないからだ。 ●安保理が平和に対して効果的な組織であるためには変わらなくてはいけない。  いつまで、安保理以外の国々を除外しうるか、という問題だ。 ●そのために、現実に即した民主的な組織になることが、  平和についての正統性のために必要だ。真剣な努力をしている。 (代表) ●国連が出来て60年。その中に入れるよう、事務総長のリーダーシップを  とってそうしたことも進めていただくようお願いしておきたい。 (アナン) ●ここにいるダンロテック氏は、スロベニア大使として安保理改革に  活躍している人だ。 (代表) ●機会があれば、ぜひ民主党でお話しをしていただきたい。 ●9.11テロ以降、テロとの戦いで、みな苦労をしている。 ●その中で、ローマ法王がメッセージを出して、軍事的対応よりも  テロを生み出す原因に目を向けなければいけない、といわれた。 ●私も同感であり、テロと対するのにあまりに軍事的対応が多すぎると思う。 (アナン) ●おっしゃる通り。世界における唯一の脅威は、テロと大量破壊兵器でばかりではない。 ●貧困、飢餓、病気、環境などの問題に対する絶望感が、テロの温床になっている。 ●テロの直接の原因ではないにせよ土壌になっている。 ●この種の問題にも同様に対処しなくてはいけない。多国間で取り組むことだ。 ●軍事的手段は、最後の手段である。国連もテロへの資金をたつなどの努力もしている。  テロ撲滅の決議もある。 ●EU、ASEANで、テロについての会議があったが、課題を投げかけた。 ●それは、それぞれの地域で世論調査で、最大の課題は何かを  聞いて欲しいというものだった。 ●おそらくその回答は、テロ、大量破壊兵器が一番ではなくて、  飢餓、教育、子どもの安全、水などではないか。 ●これらの脅威についても、意見を共有する必要がある。 (代表) ●今後もさらに意見交換をしていきたい。  この続きは、ニューヨークに伺って話せる機会をいただければありがたい。 (アナン) ●喜んでお受けしたい。 (以上) 【4】【足銀破綻と地域再生】 ●2月24日(火)15:30 民主党内閣部門会議と、民主党  栃木県連に設置している「足銀問題対策本部」(本部長=私)の  共同主催で、栃木県関係の「地域再生」と「経済特区」関係の  申請について、中央省庁における審査の進行状況をヒアリングした。 ●足銀破綻に伴って予想される栃木県の経済危機に対処する  ために全力をあげていかねばならない。そのために、県連  としても、私個人としても、全力投球しなければならない。 ●そのために現在の政策制度をふるに活用するとしたら、  もっとも有効なのは地域再生と経済特区の制度であろう。  既存の制度を全国レベルで手直しをするとしたら検討時間がかかる、  結果として実施までの長い年月が予想される、そんな案件を、  地域の特別な事情を考慮して例外的・先行的に改革していこう、  これが地域再生・経済特区の制度である。 ●本県関係では、栃木県の「経済新生構想」や、日光・今市地区など  3件の地域再生構想が検討のまな板に載っている。また経済特区では  すでに採択された宇都宮市の「にぎわいのまちづくり構想」や  大谷石材業協同組合の大谷再生構想などがある。 ●県連としても関係省庁に対しヒアリングを行い、その過程で  栃木県の窮状を訴えながら、後押しをしたい。これがヒアリングの  最大のねらいであることは言うまでもない。 ●しかし、問題は関係省庁の数の多さである。  例えば栃木県の経済新生構想などは、足銀の債務者区分に関係は金融庁、  優先株の損失の税無常の処理の特例では財務省、円滑な中小企業への  融資の継続では経済産業省等々、要望項目は22、要望先の省庁の数は  10省庁となり、こんな大掛かりなヒアリングを、地方県連の主催で  行った例など、聞いたことがない。そこで智恵をめぐらし、  民主党の政調との共同主催という方法を考えた。 ●民主党の内閣部門会議のネクスト大臣、大畠衆議院議員はお隣の  茨城県であり栃木の窮状にも大変な理解がある。大畠さんの全面的な  理解を得て、内閣部門会議と県連の共同主催という形をとることができ、  その結果として大規模なヒアリングがようやく実現した。  大畠さんは当日も最初から最後まで栃木県関係のヒアリングなのに  立ち会ってくれた。心から感謝したい。 ●開催場所も、中央省の担当者だけでも30名を超え、申請側の県庁  関係者や日光市の担当職員、そしてヒアリングする側も県議5名、  宇都宮市議4名を数えるなど、大変な規模となった。通常の省庁ヒアリング  は議員会館内の会議室で行っているが、この日は憲政記念会館の  第一会議室を使って行われることとなった。 ●足銀対策の締めくくりとも言うべきこの日のヒアリング、  県連主催のヒアリングでは最大の規模となった。 【5】【先週の主な活動】 ■2月23日(月) 08:00 マンデーレポート ■2月24日(火) 10:00 民主党公務員制度問題対策本部会議 11:00 民主党消防政策議員懇 総会 11:30 内閣委員部来訪 12:00 アナン国連事務総長による国会演説 ★上記【1】参照 12:30 内閣委員会理事会 14:00 特許庁長官より提出法案レクチャー 14:20 県民ネット21 厚生労働省への要請行動 ★けいはい病院の存続についての八万余名の署名簿を   厚生省担当課長に提出。  国会議員は 私以外に山岡衆議、谷参議、  県議は 佐藤栄、菅谷、石井、三氏出席。  連合、地協、病院労組代表者とともに存続の要請を行なった。  15:30 栃木県関係の地域再生・経済特区についてのヒアリング ★上記【2】参照 17:30 県連関係者と懇談会 ■2月25日(水) 10:30 民主党・公務員労働問題議員懇談会総会 11:00 打合せ会 12:00 国対・理事合同会議 17:00 末松代議士、白眞勲氏 来訪 17:00 民主党憲法調査会 ■2月26日(木) 09:55 内閣委員会理事会 10:00 内閣委員会 10:45 警察庁総務課長より警察法改正法案レクチャー 16:30 民主党知的財産制度改革推進議員連盟総会 ★漫画家の藤子不二雄さん、弘兼憲司さんが「貸与権」  日本レコード協会の代表の皆さんが「パテント供与CDの  還流防止措置」について要請。これに関する著作権改正の  必要性について決議。   18:30 参議院内閣委員長簗瀬進辻説法600会達成記念フォーラム ★一部では植草一秀さんの「日本経済再生のために」講演、  二部では懇親会を行った。300名を超える皆さんが出席。  羽田特別代表、菅代表、岡田幹事長、枝野政調会長、それぞれ  スピーチをしていただいた。ホームページの愛読者で参加してくれた  方も。ご協力心から感謝します。 ■2月27日(金) 09:00 NTT労組北関東東支部会議 10:00 本会議 12:20 自治労「市町村の強制合併反対、地方財政の拡充」請願受付 ■2月28日(土) 18:30 藤井弘一市議、町内後援会新春懇談会 21:00 来夢開店20周年記念パーティー ■2月29日(日) 09:00 第11回梅津杯北関東中学生柔道大会 11:00 やなせ進総合選対結成大会 ★選対委員長に谷参議、副委員長に山岡、水島衆議等、  選対組織を決定。7月選挙に向けてスタートをきりました。 13:00 自衛隊のイラク派遣に反対する会「天木直人氏後援会」 18:00 志宝会(くどう正志後援会)新年会 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆