国会通信 No.617
【特許法の改正】
2004/3/22 (マンデーレポート617の要旨)
【社内発明についてのヒアリング完了】
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〔主な内容〕
【1】【知財戦略の進展】
【2】【社内発明についての基本的な問題点】
【3】【特許法35条改正案の中味】
【4】【ヒアリングの結果】
【5】先週の主な活動
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【1】【知財戦略の進展】
●特許法35条の改正案が閣議決定され、今国会で審議される。
●いうまでもなくわが国の経済の発展はこの国の知的創造力にかかっている。
特許法35条の社内発明規定の改正問題は、きわめて技術的な観点を
含んでいるが、同時にこの国の企業の開発能力の未来を決定する
重要な産業政策の基本でもある。
●民主党内でもこの法案を重要法案と位置付け充実した検討を行うことになった。
●98年の参議院当選以来、私は、民主党の知的財産プロジェクトチームの
座長として様々な提言を行ってきた。
●その集大成が2000年6月に発表した
「羽ばたけ知的冒険者たち」というサブタイトルを持つ
「民主党の21世紀知財戦略」であった。
●自民党よりも先んじて発表したこの総合的な国家戦略プランは、
小泉政権の手により着実に整備されてきた。
1 内閣に知財戦略本部を設置。
2 知財基本法の制定。
など、いづれも民主党の「はばたけ、、、」で提案されたことである。
●小泉政権のもとでの実現、これには若干抵抗もあるが、別に
本家元祖論議をする気持ちは毛頭ない。良いことはどんどん実行
されれば良いのである。
●今国会では、
1 特許法35条の改正
2 知財高等裁判所の設置
が焦点となるが、もちろんこれらは上記の民主党基本戦略プランの
なかで提言されたものである。
【2】【社内発明についての基本的な問題点】
●青色発行ダイオードの発明者である中村さんが、もとの勤務先
日亜化学に対して発明の対価を請求し、200億円の勝訴判決を
獲得したことは記憶に新しい。
●どの企業も、社内に開発部門を持っており、そこに研究開発に
従事する多くの研究職員がいる。社内発明の問題は、会社と
社内研究者の利害をどう調整するかである。もしこの調整に
失敗すると、頭脳流出を招き、日本経済の活力が急激に
低下することにもなりかねない。重要にして微妙な問題である。
●問題の背景にある困難さのポイントは、企業と研究者の
利害相反であることは言うまでもない。企業はもちろん
開発コストを有意義に使いたいし、将来の予測可能性のなかで
開発コストを想定したい。いっぽう研究者も、良好な研究環境
のなかで素晴らしい業績をあげたいし、もちろん充分な経済的
対価を受けたいと思う。この双方の利害をどう調整するかが
ポイントである。
【3】【特許法35条「社内発明」規定の改正案の中味】
●現行法がどうなっているだが、
1 従業者がした発明の特許権を、最初から会社に帰属すると
決めておくことはできない。
(=研究者の特許権は、基本的には研究者に)
(第35条2項)
2 従業者等は、会社に特許権を承継させたときは、
「相当の対価」の支払を受ける権利を有する。
これについては契約、勤務規則その他の定めにより決める。
(35条3項)
3 「対価」の額は、その発明により会社が受けるべき利益の額及び
その発明がされるについて会社が貢献した程度を考慮して
定めなければならない。 (35条4項)
●現状はどうなっているかと言えば、
・企業が対価を一方的に定めている場合が多い。
研究者は不服があれば、訴訟を起こすしかない
●改正の方向性は
<企業側>としては、発明の対価として、いくら支払っておけばよいのか
分からないので、予測可能性を高める必要がある。
<研究者側>としては、対価の額を一方的に企業が定めている現状から、
自分達の意見がより多く反映されるような仕組みを作る必要がある。
● 改正案の中味
1 規約、勤務規則等で「相当の対価」の額を定めることができる。
すなわち、企業と研究者の協議の状況などが、不合理※なものでなければ、
この額が「相当の対価」となる。
(※基準の策定についての協議、基準の開示、個別の額の算定についての
意見聴取等の状況が考慮される) (改正後の35条3項)
2 上記の定めがなかったり、あっても「不合理」と認められる場合には、
「相当の対価」の額は、裁判所が算定する。
(このとき、発明に関連して企業が行う負担および研究者の処遇等も
考慮する) (改正後の35条4項)
●見直しの効果として政府が指摘するのは
1 経営安定性の向上
企業は、研究者と十分に話し合って対価のルールを定めれば、
裁判でもこれが認められる。
このことによって、対価の額の予測可能性が高まる。
→経営安定性の向上
2 研究者の研究意欲の向上
研究者は、対価についての話し合いに参画することで、
納得感が高まる。 →訴訟を起こす必要がなくなる。
→研究開発意欲の一層の増進
【4】【ヒアリングの結果】
●4日間にわたって7団体、個人からヒアリングした。
●35条撤廃論(東大玉井教授)から、改正不要・35条存続論(枡永弁護士)
まで様々な意見がある。
研究開発の特質(個人的色彩が強いものからチームプレー的性格のもの)
発明内容の差異(一発勝負型から積み上げ型等々)など多岐にわたる
論点があるが、結論としては一歩前進として政府案には賛成である。
●ただヒアリングの過程で参加者から指摘があった以下の点は重要である。
1 長期の法的不安定性
特許権の存続期間は20年、改正案の施行予定は来年4月、
それ以前に発明されたものについては旧法による。
結果として新法案が完全適用になるのは20年待たねば
ならない。
2 「不合理性」の立証の意味するもの
法文の表現は、会社と研究者との間の協議内容が
「不合理なものであってはならない」としている。
単純に「合理的でなければならない」としなかった。
これには理由がある。それは裁判になったときの
「不合理性」の立証責任を研究者の側に課したことを
意味する。会社側が合理性の立証責任を負うのではなく、
研究者が「不合理」であることを立証しなければ
ならないのだ。
3 労働協約で定めるべきではないか。
研究者との対価の取り決めを、もっとも法的安定性の高い
労働協約で定めるとすべきではなかったか。
これらの指摘について、修正の可能性を探るべきだろう。
すくなくとも付帯決議でこれらの諸点については
付記しておく必要があると考える。
【5】【先週の主な活動】
■3月15日(月)
08:00 第616回マンデーレポート
09:20 伊東文化幼稚園第50回卒園証書授与式
19:00 やなせ進む全県親戚会世話人会
■3月17日(水)
08:00 経済産業部門会議
09:00 NPO局勉強会
10:00 災害対策特別委員会
10:30 特許庁長官来訪
12:00 国対・理事合同会議
13:00 知的財産権戦略PT・経済産業部門合同会議
★特許法35条(社内発明規定)についてヒアリング 第3日目。
1 日弁連知財担当者。
2 弁理士会。
(上記【1】参照)
14:30 連合総合政策局来訪 特許法改正について説明
15:00 内閣府国民生活局田口審議官 公益通報者保護法案レク
15:30 島聡代議士来訪
★島代議士とともに、eガバナンス プロジェクトチームを
立ち上げることとなった。その下相談。
17:00 故高橋逸郎様 通夜
19:30 立正佼成会那須教会 白眞勲候補予定者 講演。
★ 白さんの前座を務めた。
■3月18日(木)
08:00 知的財産権戦略PT・経済産業部門合同会議
★特許法35条改正問題で4日目のヒアリング。
1 特許庁長官の今井さん。
2 連合政策局長の須賀さん。
これでヒアリングは終了、あとは部門会議の議論となる。
(上記【1】参照)
09:00 法務部門・知的財産権戦略PT合同会議
★特許高等裁判所について議論。
09:50 内閣委員会理事会
10:00 内閣委員会
★内閣委員会関連の5大臣について質疑。
委員会の実質審議が始まった。先週行われた、所信表明について
の質疑。時間は6時間半。委員長として緊張の時間を経験。
17:30 国会コーラス愛好会新会員歓迎会及び総会
★音楽監督の岡村喬生さん、ボニージャックスの
皆さんも参加。
■3月19日(金)
09:30 議員総会
10:00 本会議
10:50 災害対策特別委員会
■3月20日(土)
09:00 立正佼成会鹿沼教会
★白眞勲候補予定者の講演に先立ちご挨拶。
10:00 あつみ幼稚園卒園式
★第39回の卒園式。子どもたちの無心の歌声にはいつも
感動させられる。
12:30 立正佼成会佐野教会
★ 白さんとともにご挨拶。
■3月21日(日)
16:00 高嶋徹杯争奪さよなら6年生学童野球大会 閉会式
顧問として挨拶。
★ 宇都宮清原球場。小学校最後の野球大会に県内各地
そして茨城県からも参加。第9回目の今年は
参加チームは40、参加選手は655名を超え、過去最高の
規模となった。3日間の熱戦の末、優勝は芳賀連合チーム、
準優勝は高根沢連合、3位今市連合であった。
One for all,all for oneの精神を忘れずにと激励。