国会通信 No.618

  【ガマンが肝心 委員長】

2004/3/29 (マンデーレポート618の要旨)


〔主な内容〕 【1】【我慢が肝心】 【2】【小沢さんの話と私の感想】 【3】【小沢さんの話のメモ】 【4】【国際平和協力部隊構想 合意案】 【5】【先週の主な活動】 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】【我慢が肝心】 ●先週は、  22日(月)(理事会)  24日(火)(予算委員会の委嘱審査)  26日(木)(警察法の趣旨説明)  と、内閣委員会が行われた。 ●いよいよ委員長の仕事も本格化してきたのだが、  つくづく思うのは、内閣委員会の理事会は紛糾する宿命にある  ということである。  その第一の理由は、所管大臣の数が多いからである。 ●内閣委員会の所管大臣は5人。またその中で官房長官は  毎日定例の記者会見を行うので、大臣の出席確保のための他の  委員会との調整が毎回問題になる。特に竹中大臣は、経済関係は  内閣委、金融関係は財政金融委と2つの委員会にまたがるので  毎回調整に苦労させられる。 ●また、所管大臣のうち井上大臣(防災担当 有事担当)の  取り扱いがなかなかに厄介である。  法制上は内閣委の所管  なのだが、国会は二つの所管事項のそれぞれについて特別委員会を  設置している。ちなみに特別委員会はその名の通り国会ごとに  設置されるのだが、災害特はほぼ毎国会で設置され、  有事特は今国会で設置された。    この特別委設置の意味についての理解が与野党では異なっている。  野党は法制上の所管大臣であることを根拠に、強く内閣委での  答弁を求める。一方、与党は、特別委を作ったのだからそっちを  原則にすれば十分という考え方。そこでかなりのやり取りとなる。 ●このような混乱を避けるためには、内閣委員会の意義付けについて  与野党間でしっかりと協議し合意をして置けば良いものを、それが  不充分である。政治主導の確立等の掛け声のもと、見せ掛けの権限は  拡大したものの、肝心な詰めた議論が生煮えのままで見切り発車。  その付けを背負いながら現場的な対応を迫られるのだから与野党の   理事の苦労は耐えないし、委員長もつらいものがある。 ●またもう一つ付け加えれば、最近の警察不祥事問題がある。  これを委員会でどう取り上げるのかについても与野党の党利党略は  簡単には決着しない。例えば、警察庁長官を答弁者として取り上  げるかどうかについても与野党の対応は異なる。 ●委員長は基本的には中立でなければならないし、  そのことについて与野党の理事からの信頼が不可欠だから、  あまり細部にわたって理事会のやり取りを披露するのは避けたほうが  懸命であろうが、とにかく委員長はじっと我慢でなければならないと  痛感するようになっている。 ●理事会の構成は  自民3、民主1、共産1、オブザーバーとして公明1、無所属の会1  無所属1と8名。  皆さんの意見が割れる時、せっかちな私としては、  なんとなく口を出して早めの仕切りをしたくなる。しかし、委員長  個人の見解を安易に出したりすると、逆に紛糾を深めることのほうが   多くなる。また紛糾の結果として、採決ということになれば、  常時与党に「仕切られ」るのは目に見えている。だから、我慢が  肝心。徹底して合意できるよう時間をかけるしかない。  ガマン、ガマン、我慢が肝心。 【2】【小沢・横路両氏の合意内容】 ●最近マスコミをにぎわせている両氏。  そのきっかけは国際平和協力部隊構想についての双方の合意だった。  その説明を先週直接小沢氏本人から聞く機会を得たので、  ご紹介する。 ●先週の25日(木)「政権交代を実現する会」(鳩山由紀夫会長)での  勉強会で久しぶりに小沢さんの話を聞いた。 ●30分弱の話だったが、小沢さんの考えはよく理解できた。  要するに、この構想のポイントは、安全保障についての  民主党内に存在する両極の対立を、  「国際平和協力部隊」という4次元空間を作って、  なんとか回避しようとする苦肉の策なのである。 ●旧社会党系を中心として、憲法9条への強い愛着や、憲法の国際平和主義  への思い入れは依然として強いものがある。この憲法9条の平和主義の  原則をきちんと認め、かつ憲法解釈論の限界をギリギリまで守りながら、  現実に起こる紛争解決への国際貢献を行おうとするなら、その解決方法は  一つしかない。国連の決議を活用するしかないということである。  それが両氏の間で合意された意味である。   ●政治的な意味は大いにある。旧社会党と、旧自由党という従来は  対極の立場にあった双方が合意したのだから、民主党のアキレス腱の  解決策の一つになるかもしれない。ただ、問題は法解釈上の可能性である。  これはやはりかなり難しそうである。 ●ちなみに憲法9条にこだわりを持つのは、旧社会党系に  とどまるものではないことを明記しておきたい。  私自身も、その一人である。  私は、時として暴走する日本人に対する重要な歯止めの役割を   有しているのが憲法9条だと思っている。  孫悟空の「金かんむり」が憲法9条だということは以前に書いた。 ●日本人の遺伝子に潜む様々な因子、  例えば大衆迎合主義や、寄らば大樹主義、刹那主義、集団主義は時として  個人の判断を沈黙させ、目をつぶってエイヤット破局に突進させてしまう。  そんな危うい遺伝子をどうも日本人は持っているのではないか。 ●私はこの危険な遺伝子の歯止めになりうるものが二つあると思う。  その一つが「憲法9条」でありもう一つは「歴史の検証作業」である。  その意味で依然として憲法9条は尊重しなければならない。 ●小沢・横路合意案では、下記【4】で紹介するとおり、  1では、憲法9条を「永遠の国是」と表現するなど、その精神の遵守に   最大限の力点を置いてはいる。 ●しかし、その後、  4(国連軍への参加)、  5(多国籍軍への参加)では、  国連の具体的な決定内容が、憲法9条の内容と食い違いがでてきた場合に、  強引に合憲と言い切ってしまう点に、やはり違和感を覚える。 ●小沢さんは、国連という組織に超国家的な実存を認めようとする。  通常の国家とは次元の異なる組織と考えたいようだ。  そして、そのうえで、国連の傘の下に入れば、その時点から、  憲法の縛りを超えてよいと考える。   ●あるいは、日本が率先垂範、国連に平和協力隊を派遣することで、  国連に新たな生命を与えるべきだと真面目に考えているようである。  それは、非力な朝廷に実力を持たせるために、薩長が中心になって  派遣した明治初年の御親兵(ゴシンペイ)構想にどことなく似ている。  最近では、私も愛読したかわぐちかいじ原作の劇画「沈黙の艦隊」  ばりの発想である。 ●しかし、現実の国連はそうではない。  時には超大国アメリカの傀儡であったり、  拒否権をもつ5つの常任理事国の意見相違で機能麻痺となったりする。    また、中身は同一の日本自衛隊が、着用する制服が違えば、  憲法上許されないとされた行為が、突然できるようになるというのも  釈然としない。日本国籍を有するものには、誰にも平等に適用される  からこそ憲法であり法律なのである。  小沢さんの顔を見ながら、一瞬賛成できるかなと思ったが、  おちついて合意案の中味を読んでみると、再び腑に落ちなかった。  やはり、国連をベールとした憲法潜脱論であるのは間違いない。 ●しかし、大きな政治的意味があることも否定できない。  さらに、現実の国際政治の中で、国連が独善的な暴走をすることも  意外に考えづらいかもしれない。  現に今回のイラク戦争でも、ブッシュ大統領の強い圧力に対し、  アナン事務総長もそれなりに踏ん張ったし、五つの常任理事国も  アメリカの言いなりにはならなかった。  また最終的に国連のどんな決議があろうと、その意味を判断するのは  日本の国会である。仮に決議が成立しても、その有効・無効を判断するのは、  最終的には国権の最高機関としての国会なのであるから、最後は  自己決定で行うだけの話なのかもしれない。    もう少し検討を続けてみたい。 【3】【小沢さんの話のメモ】 ●以下は小沢さんの話についての私のとったメモ。  ご参考まで。 1 憲法の解釈論と立法論を混同するなかれ。   ・私の考えは 現行憲法を前提とする話。   ・仮に憲法改正が行われれば、それを前提にして対応するのは当然。   ・国際平和協力部隊構想は憲法改正論とは無関係の話。    憲法改正についての立法論と誤解しては困る。 2 国連を中心とした国際的な体系を前提にしている。   国連憲章、憲法前文、ともに似たような内容を持っているのが   そのことを感じさせる。すなわち憲法も、日米安保も国連の体系の   中で存在するものと理解すべきである。 3 国連の力が弱まれば、結局一国武装主義にならざるをえない。   それができるのはアメリカのみだし、   このようなことは望ましいことではない。 4 中国の核武装正当化論は、結局どの国にもあてはまることだから   偉そうに言うのはおかしいことだと、   中国のリーダーに忠告したことがあった。       5 国連への派遣は自衛権の行使とは別次元のことである。 6 私としては、わが国の国連待機部隊の派遣を、他の国よりも   またアメリカよりも先がけて積極的に行ったほうが良いと考えている。 7 この考え方によると、過去のベトナム戦争は派遣×、   湾岸戦争は派遣〇である。 8 国連が指揮したものである必要はない   現実には国連軍の実現はなかなかありえないことであろう。   国連の(決定・合意・要請)が派遣の条件である。 【4】【国際平和協力部隊構想 合意案】 ●小沢さんと横路さんの間の合意案の内容は以下の通り。  党内論議はこれから。 ●日本の安全保障、国際協力の基本原則 基本原則 1. 憲法9条の精神の遵守 自衛隊は憲法9条に基づき専守防衛に徹し、国権の発動による武力行使は ないことを日本の永遠の国是とする。一方においては、日本国憲法の理念に 基づき国際紛争の予防をはじめ、紛争の解決、平和の回復・創造等国際協力に 全力を挙げて取り組んでゆく。 2. 国連中心主義 国際社会の平和と安全の維持は国連を中心に行う。 それを実現するために、日本は国連のあらゆる活動に積極的に参加する。 安保理常任理事国の拒否権行使等により安保理が機能しない場合は、 国連総会において決議を実現するために、日本が率先して国際社会の意思統一に 努力する。 3. 国際平和協力部隊の創設 国連の平和活動への参加を円滑に実施するために、専守防衛の自衛隊とは別に、 国際協力を専らとする常設の組織として「国際平和協力部隊(仮称)」を創設する。 協力部隊の要員は自衛隊・警察・消防・医療機関等から確保する。 又、特に必要がある時は自衛隊からの出向を求める。 4. 国連軍への参加 将来、国連が自ら指揮する「国連軍」を創設する時は、我が国は率先してその 一部として国際平和協力部隊を提供し、紛争の解決や平和の回復のため全面的に 協力する。 5. 多国籍軍への参加 国連軍が創設される迄の間は、国連の安全保障理事会もしくは総会において 決議が行われた場合には、国際社会の紛争の解決や平和と安全を維持し、 回復するために、国連憲章7章のもとで強制措置を伴う国連主導の多国籍軍に、 国際平和協力部隊をもって参加する。 ただし、参加の有無、形態、規模等については、国内及び国際の情勢を 勘案して我が国が主体的に判断する。 尚、国連の決議が行われた場合には、自衛隊をもって多国籍軍に参加することも 憲法上は合憲である。しかし、自衛隊はこれまで専守防衛の組織として国民に 周知されており、また、近隣諸国との良好な関係を維持するためにも、 強制措置を伴う国際平和活動への参加は自衛隊とは別組織の国際平和協力部隊を もって参加することとする。 【5】【先週の主な活動】 ■3月22日(月) 08:00 第617回マンデーレポート 10:00〜党員拡大挨拶回り  ★国会議員が手分けして党員サポーターの拡大キャンペーンを実施。   この日は、私は県連代表として、連合本部、全国一般、   友愛ゼンセン同盟、自治労県本部を歴訪。党員・サポーターの勧誘、   そして連合議員懇のメンバーの入党お願いを行った。 13:45 内閣委員会理事懇 14:15 司法制度改革推進本部より 知財高等裁判所についてレク 14:20 人事院公平審査局より法案レク 14:30 原子力安全委員会より同委人事レク 14:40 特許庁長官 来訪。 14:50 文部科学省著作権課長 来訪。 18:30 やなせ進宇河選対結成大会 ★宇都宮市文化会館にて宇都宮河内地区の選対を結成。  地区選対委員長は水島衆議院議員が就任。 ■3月23日(火) 11:30 北信越・北関東地域別国会議員団会議 ★秘書給与問題の対応について一言発言。  政治活動の適正規模はいかにあるべきか。  この重要な基本的視点が欠けてはならない。  かつてのユートピア研究会の事例などを引用。   17:30 全農林党員協議会栃木県本部 国政報告 18:00 石井万吉後援会役員会で挨拶 ■3月24日(水) 08:00 経済産業部門会議 09:30 内閣府災害担当政策統括官よりレク ★被災者支援法案についてレク。  阪神大震災からスタートしたこの法案   出来上がるまでの時間の長さに長嘆息。 10:10 内閣委員会理事会 10:20 内閣委員会 ★予算委員会の委嘱審査を実施。 17:30 内閣委員長招待 ■3月25日(木) 09:10 内閣部門会議 ★道交法改正案をヒアリング。  改正案のうち、駐車違反の取締りの一部について  民間法人に業務委託することの様々な問題点を指摘。  警察行政の一部を民間に委託する初めての法案。  検査員に金品を配ればワイロになるし、  検査員に暴行を加えれば公務執行罪になる。  江戸時代の「目明し」や「おかっ引」も、  言わば警察行政の民間委託だった。  市民サイドから見れば、警察の姿の一大変貌。  にもかかわらず説明者の問題意識は低い。  一枚紙の説明資料だけで民主党の理解を得られるものと  たかをくくっている。  ちょっと待てよ。  そんなに簡単な話じゃないぞと思った。  説明資料を要求。再審議すべきであると提言。  結果、仕切りなおしとなった。    11:00 政権交代を実現する会勉強会「国連待機部隊について」     講師 小沢一郎氏   ★(上記【2】【3】参照) 12:00 民主党教育基本問題調査会第1回総会 12:50 内閣委員会理事会 13:00 内閣委員会 ★警察法の趣旨説明聴取 ★来週の審議日程等について協議。  委員会終了後再度協議。結論としては  来週の30日火曜日   午前中2時間かけて警察法改正案を審議採決。  その後午後4時間の警察行政集中質疑を行うことになった。  最近、北海道警等のウラ金疑惑など警察不祥事が相次ぐ。  その集中質疑を行うことになった。 18:00 やぶそばの会同窓会 ■3月26日(金) 08:30 憲法調査会第1小委員会     講師 早稲田大学理工学部助教授 木村忠正氏 ★情報化社会の進展について大変興味深い話だった。  次週掲載の予定。 10:30 厚生労働省より労災病院の再編についてレク 11:00 人権・消費者・内閣・厚生労働合同会議 ★障害者支援法案についての民主党側の改正案を検討。  障害者の情報利用について行政側からの支援について  改正案に取り入れられそう。  原口ネクスト大臣他の努力を評価したい。  しかし教育の中にコンピューターリテラシーの言及が  ない。そこで早速発言、情報についての行政支援を明記  するなら、教育のところに、障害者に対する情報活用教育、  すなわちコンピューターリテラシーの向上に対する教育   を書き入れるべきではないかと提言した。  仏作って魂入れずであってはならない。  便利な情報機器を活用するノウハウがわからないと、  新機器導入等の意義も低くなってしまう。  情報機器を活用するすべをしっかり障害者に対して教育  すべきである。  原口ネクスト大臣も、コンピューターの意味を深く理解する  議員の最右翼。強く「メディアリテラシー」を改正案の中味に  入れるべきだと主張してくれた。 12:10 災害対策特別委員会 14:30 議員総会 15:00 本会議 ★平成16年度予算案 与党多数で可決。 19:00 栃木電力総連第20回参議院選挙総決起集会 ■3月27日(土) 10:30 民主党栃木県連第8回定期大会 13:00 民主党栃木県連 枝野政調会長・家西候補との街頭演説 18:00 河内柔道会指導者慰労会 ■3月28日(日) 09:00 問屋町びっくり市三周年記念 10:00 栃木県鍼灸師会平成15年度第2回通常総会 11:30 住吉保育園創立40周年記念 18:00 水島広子と歩む会2004年躍進のつどい