国会通信 No.622
【自己責任論について】
2004/4/26 (マンデーレポート622の要旨)
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〔主な内容〕
【1】機内の隔離空間の意味
【2】自己責任の行方
【3】自己負担論の法的根拠はあるか。
【4】パスポート
【5】年金不払い3大臣
【6】先週の主な活動
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【1】機内の隔離空間の意味
●イラクから帰国した3名の人質の皆さんの、帰国後の
うなだれた姿、うちひしがれた物言わぬ姿勢が、脳裏から
離れない。
●帰国の飛行機の中でも、3人の家族は政府専用機の
最後尾の席に座らされたようだ。
そして、記者団との間には300もの空白席が設けられた。
そして、その300の空席には監視役の外務省の役人が点々と
配置されたという。
●日本に到着する前に家族でよく話し合っておくようにと
言わんがばかりの「隔離空間」が機内に作られた。その様子は、
まるで「空飛ぶ座敷牢」である。
●予想を超える冷ややかな対応にうけた彼らの衝撃は、
相当なものであったろう。
【2】自己責任論の行方
●海外でのNGO活動の基本原則が「自己責任」であることは
当然である。しかし、個人の予測を上回る危難に遭遇した際、
国民の生命と安全を確保するのは国家の最低の責任である。
そして、この国民保護の義務の対象であることについては、
すべての国民に平等であることを強く政府に指摘したい。
●たとえ時の政府の外交政策に反した考えを持ち、反政府的な
活動を行う者であっても、日本国民である以上、国家に保護
されるべき権利は当然に持っている。なぜなら、政府の方針
とはあくまで、その時点での相対的多数の意見でしかない
からである。
●以下は 3人の人質を診断した齋藤医師のコメント。
「日本人は判官びいきだけど、主張する少数者は嫌われる
ようですね。」
私も同感である。
●マスコミも幾分ゆり戻しはあるようで、海外のマスコミ
(たとえばフランスのル・モンド紙やニューヨーク・タイムス紙)
を引用しながら行き過ぎを修正しようとし始めた。
しかし、まだまだ遠慮がちである。
●テレビは放送の許認可権を持つ総務省そして政府の顔色を伺う。
大新聞は、
「東京←朝日←毎日←日経←読売←サンケイ」
と左右の位置づけは固定化し、全体として政府よりに傾きつつある。
週刊誌も月刊誌も、話題になればよい、売れればよいの営業至上主義」
が支配的になり、かつての中央公論や朝日ジャーナルのような
リベラルなオピニオンリーダー誌が消えてしまった。
10チャンネルの久米さんがいなくなった穴は甚大である。
【3】自己負担論の法的根拠はあるか。
●私に届いたメールの中に、今回の人質救出の費用負担を、
人質となった3人あるいはその家族に求める法的根拠があるのか
調べてほしいと書いたものがあった。
●早速、参議院法制局に調べてほしいと依頼したが、
まだその返事は来ていない。
●3人の人質も、法的には略取誘拐罪の被害者である。
日本国籍ある者が、犯罪の被害者なった場合は、
犯行の現場が海外であろうと国内であろうと、
犯人の国籍の内外を問わず、
国家として救出の義務があるのは当然である。
救出された人質の家族に、警察が救出にかかった費用を
請求した事など聞いたことがあろうか。
●この問題について、先輩の江田五月議員に聞いてみた。
裁判官の経験もある法曹としても大先輩の江田さん、
しばらく首を振った後、江田先生曰く
「もし請求する根拠になるとしたら、民法の
事務管理規定くらい。けれど国家に人質救出の
義務がないことを前提にするから、そんなことは
ありえない。結論は法的根拠は見出せず。」
●自衛隊や警察・消防等が被害者救出の行動をとった際に、
被害者側に費用償還を求める特別法などあるはずがない。
結果として、人質側に請求する根拠を見つけようとすると、
一般法の民法に行き着かざるを得ない。そして民法上でも
引き合いになるのは第697条以下の「事務管理規定」くらい、
というのが江田さんの前半の部分。
●民法上契約関係にない人に対して、何らかの金銭の
請求ができる場合は3つの場合しかない。
それは、「不法行為」、「不当利得」、「事務管理」である。
●「不法行為」と「不当利得」は、
悪いことをした人への請求(不法行為)
法律上の原因がなくもうけた人への請求(不当利得)で
あるから、今回これにあたらないのは明らかである。
●そこで江田さんは残る「事務管理」を指摘したのだが
これは「義務なくして他人(=3人の人質)の
事務の管理(=被救出活動)を始めた」(697条)場合に、
「本人(=人質)のために有益な費用(=救出関係費用)」の
償還を請求できる」(702条)
●人質に費用償還を請求する論理は、
国家の救出義務を否定する論理に直結する。
自己負担論者はこのことをよく肝に銘ずべきである。
●人質の解放劇は今までにも何度もあったことである。
しかし今回ほど冷ややかな光景を見ることはなかった。
挙句の果ての自己負担論。今まで言われたことがない
自己負担論がこうまで叫ばれたのはなぜか。両者の差は
結局のところ、自衛隊派遣に批判的な言動という一点に
絞られる。すなわち声高な自己責任論の実態は、
政府批判の活動に対する圧殺以外の何者でもない。
過剰な自己責任論は
「よらしむベし。しらしむべからず。」の言い替えである。
●政府=日本国ではない。
さらに反政府活動=反国家的活動でもない。
3人の人質の皆さんが、それぞれ彼らなりの理想と信念
を持ち、日本の将来を思い、イラクの国民との真実の友好を
深めようと懸命の努力したことを信じるべきだ。
そして、自己犠牲の精神を持って行動したことを評価すべきである。
【4】パスポートの言葉
● 24日(土)の栃木県柔道整腹師会の会館落成記念式典で
来賓として挨拶された県医師会会長の宝住先生が、パスポートの
記載に触れながら自己責任論を批判した。なるほどと思った。
家に戻り、早速パスポートをチェックしてみた。
●旅券の冒頭にある文言をそのまま記載する。
「日本国民である、
本旅券の所持人を通路故障なく旅行させ、
同人に必要な保護扶助を与えられるよう、
関係の諸官に要請する。
日本国外務大臣」
●「必要な保護扶助」に該当する英文は
every possible aid and protection
となっている。
●「諸官への要請」の当然の前提は、
国民の「保護と扶助」は国家の基本的な義務であると
言うことである。
【5】国民年金の不払三大臣
●23日(金)17:30 県連・連合栃木「年金改悪法案反対運動」
全国統一のキャンペーン。宇都宮駅西口で街頭演説。
●とくに3大臣の年金不払についてとりあげた。
年金不払い3大臣とは、麻生、中川、石破の
3大臣。小泉内閣の重要閣僚の3人がともに
国民年金の保険料を不払いしていたことが発覚したのだ。
不払い期間のもっとも長かったのは中川経済産業大臣で、
1983年に興銀を退職してから今日まで、彼の不払い期間は
22年を超える。
●3大臣の不払いは
現行の年金制度がいかに分かりづらいものかの証明であり、
また小泉政権が年金改革をろんじる基本的な資格がないことも
露呈した。
●厚生年金、国民年金等、現行の年金制度の複雑さを解消する
ためにも一元化は不可欠。しかし、政府はそのもっとも重要な
改革にはまったく手をつけていない。
とんでもない問題先送り法案である。
●さらに、14年間にわたって保険料の切り上げと、給付額の
引き下げを強行する案である。労使折半の保険料を上げていく路線は、
必ず企業に対し正規雇用の縮小の道を強要する。政府の法案は
解雇促進法案でもある。
●年金不払い3大臣は、これらの政府案の問題点を見事に浮き彫り
にした。連休前の衆議院通過などは言語道断。
政府案は、撤回出しなおしすべきである。
【6】先週の主な活動
■4月19日(月)
08:00 621回マンデーレポート
09:30 県連・連合栃木第4回定期協力会議
弔問
12:30 朝日新聞・顔写真撮影
16:00 皇居にて拝謁及び茶会
■4月20日(火)
09:50 内閣委員会理事会
10:00 内閣委員会
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を改正する法律案
質疑・採決
■4月21日(水)
09:30 議員総会
10:00 本会議
★川口外務大臣のイラク人質問題についての報告。そして民主党の若林議員
から質問。若林氏は質問の冒頭に与党筋からいわれている自己責任論を
とりあげて政府を批判した。しかし答弁した福田官房長官は声を荒げながら
政府が何度も渡航自粛をしたことを根拠に強気の答弁を繰り返していた。
(上記【1】参照)
本会議散会後 内閣委員会理事懇
11:50 4・21連合「年金改悪阻止」国会前座り込み行動
★連合栃木からも50名弱の参加者あり。伍井会長を激励。
シュプレヒコールをともにした。
12:00 国対・理事合同会議
■4月22日(木)
17:30 知的財産戦略推進事務局よりヒアリング
★知財戦略の進み具合や、いわゆるコンテンツ法案の進捗状況に
ついて参事官の久貝さんと意見交換。
■4月23日(金)
08:00 東京翔進会朝食会
09:30 議員総会
10:00 本会議
13:30 来客
13:50 内閣官房国際課 大臣出張レク
14:00 構造改革特区推進室長よりレク
17:30 県連・連合栃木「年金改悪法案反対運動」
(上記【5】)
18:30 やなせ進芳賀地域選対結成大会
■4月24日(土)
09:00 日本ディスクゴルフ協会2004年関東オープンディスクゴルフトーナメント
13:30 山中家・吉新家披露宴
15:30 (社)栃木県柔道整復師会館落成式典・祝賀会
★来賓で挨拶に立った栃木県医師会長の宝住さんの挨拶で
自己責任論批判があった。面白かった。(上記【4】)
■4月25日(日)
16:00 平成16年度東北柔専OB会栃木支部総会
18:00 木村謙会委員日弁連副会長を支援し励ます会