国会通信 No.646
【】
2004/12/13 (マンデーレポート646の要旨)
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【1】小泉総理の支持率急落
【2】非戦闘地域であるとの根拠を明らかにせよ
【3】法の支配が踏みにじられていく。
【4】自衛隊の印象は劇的に変化する。
【5】シビリアンコントロールについての憲法調査会での発言
【6】先週の主な活動
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【1】小泉総理の支持率急落
●毎日新聞が10、11の両日に行った世論調査の結果が新聞に出た。
小泉政権は、政権発足以来つねに40%の支持率を維持してきたが、
今回はじめてそれを下回った。新聞の見出しは「内閣支持率
急落37%」であった。
●支持率急落の原因はなんと言ってもイラクへの自衛隊派遣延長問題
である。12月3日に野党の反対を押し切って国会を閉幕。そして国会の
論議を閉ざしておいて9日に閣議で1年間の派遣延長を決定した。
国会では粗雑な論議しかせず、延長することについての明快な説明は
一切無し。このことについての国民の率直な反応が支持率急落の原因であることは
明らかである。
●派遣延長については
反対 62%
賛成 31%
反対が賛成を倍以上も上回っている。
●国民への総理の「説明が十分か」については
十分でない 84%
十分である 11%
と不十分と考えている人が圧倒的である。
●国民は小泉総理の問題点をきちんと把握しているのである。
【2】 非戦闘地域であるとの根拠を明らかにすべきである。
●閣議で延長決定するに当たって、防衛庁長官と自公の幹事長がイラクに飛んだ。
しかし、分厚いコンクリートの防護壁に囲まれた基地の内部や、安全の確保された
場所のみ駆け足で見てきて、安全だ安全だと言い張っているのみである。
サマワ市やムサンナ県という一定の地域がどうなっているかといった客観的な調査が
行われたわけではない。
●閉鎖空間だけ見てきて、安全だと主張するのは、国民を詐術にかけるのと同じだ。
●すでに10数発のミサイルが打ち込まれ、近辺で200キロの爆薬と起爆装置が
隠されているのが発見されるなど、サマワの緊張感は高まっている。
なぜ非戦闘地域であると判断するのか、その明瞭な根拠を示すべきである。
【3】法の支配が踏みにじられていく。
●すべての公的組織の活動には根拠法が必要である。
そして合法的な暴力を行使できる自衛値にとっては、なおさらこのことが
重要である。言葉を変えれば、もっとも厳密な「法の支配」が貫徹されて
いなければならないのは当然である。
●さて今回イラクへの自衛隊派遣の根拠法はイラク特措法であるのは
言うまでも無い。そして同法は、自衛隊派遣の法的な根拠を、
派遣先の地域が「非戦闘地域」であるということにおいている。
●しかし小泉総理の口からはこのことについての明瞭な説明はない。
サマワを「非戦闘地域である」と判断する根拠となった具体的な事実の
指摘も無いし、そう判断した理由の説明も無い。
●とにかく法適用の根拠についてのしっかりした説明はない。
いったい、この国は法治国家と言えるのか。
「法の支配」が簡単に踏みにじられていく恐怖感を、
もっと切実に感じるべきである。
【4】自衛隊の印象は劇的に変化する。
●いままでサマワの治安を維持する責任を持っていたのはオランダの軍隊。
これが来年3月に撤退をする。オランダの代わりをイギリスにしてもらうよう
打診しているという報道があったが、オランダに変わってイギリスが治安維持の
担当者になるとすると、イラクの人々にとっての自衛隊の印象は劇的に変化する
ことを予期しておかなければならない。
●イギリスは言うまでもないことだが、アメリカにとってのもっとも強力な同盟軍
であり、それはイラク国民から見れば憎むべき敵であると認識されているという
ことである。中立的なイメージの強かったオランダとはぜんぜん違う印象で
見られているのである。
●自衛隊は来年3月以降、そんなイギリスに守ってもらうことになるのだから、
憎むべき敵の片割れとして見られても仕方ないことになる。
●このことの見込みや是非についても国民の議論を経ておく必要が絶対にある。
しかしこれについても小泉さんは明確に語っていない。自衛隊の隊員の命をまもる
最大の責任を負っているのが総理である。あまりにも安易な責任感の欠落に
怒りを覚える。
【5】シビリアンコントロールについて
●12日付の毎日新聞1面の「余録」でシビリアンコントロールについて書かれていた。
残念ながらまだシビリアンコントロールを「文民統制」と解釈した上で立論している。
この考え方は相当に古い。
●この原則を、「軍隊の最高指揮官が非軍人の文民でなければならない」と解釈するのは
実は古典的な考え方である。現代では、むしろ「民主主義的な選挙によって選ばれた
国民の議会による統制」に服すると考えるのが政治学上の常識となっている。
正しくは「民主的統制」と訳すべきなのである。
●ところで、2004年11月10日の憲法調査会においてシビリアンコントロールについての
参考人質疑が行われた。以下は私と参考人のやりとりの議事録である。
短時間ではあったが、シビリアンコントロールを民主的統制としてきちんと憲法上に
明記すべきであると主張した。
■憲法調査会議事録(参 2004年11月10日) (見出しは筆者)
○簗瀬進君 民主党の簗瀬進でございます。
【シビリアンコントロールの論議が不十分なわけは?】
私は、このシビリアンコントロールの論議というのは、実は今までかなり不十分であ
ると思っております。
なぜかといえば、自衛隊が軍隊かどうかというそもそも論の論議が非常に我が国の憲
法論議ではウエートを占めておりまして、その結果として、自衛隊の活動範囲がどんど
んどんどん広がり、海外にも活動するような状況になっておりながら、自衛隊をどうい
うふうにコントロールしていったらいいのか、あるいはどういうふうに管理していった
らいいのかという部分についてのオープンな議論が、今まである意味では封じ込められ
てきたと。これは非常に重要なポイントだと思います。
軍隊かどうかという論議はさておき、自衛隊というものを前提とした上でも、憲法で
、新しい憲法をつくる、あるいは憲法改正を論議をするといったときに、この自衛隊の
シビリアンコントロールについての基本原理を憲法の中にやっぱりきちんと定めておく
ような、そういう姿勢は絶対必要なんではないのかなと。
【シビリアンコントロールについてのアメリカ憲法上の取り扱いは?】
そういう観点から、先生の御著書にございます二つの憲法が結構詳細に引用されてお
ります。
一つは、一七八七年にできたアメリカ合衆国憲法であります。アメリカ合衆国憲法の
第一条第八節、議会の権限ということがここにあるわけでありますけれども、その第十
一項には戦争を宣言するのは議会の権限であると。正に、戦争を開始するかどうかとい
うことの決定は議会がやるということが、これきちんと憲法に定められております。そ
れから、歳出の予算についても、これは二年を超える期間にわたることはできないと、
こういうふうなことが極めて明定されております。これは憲法事項になっておるわけで
あります。それから、陸海軍の統制及び規律に関する規則を定める、これについても議
会の権限であるということがきちんと明らかになっている。これがアメリカ合衆国憲法
であります。
【西ドイツ基本法(=憲法)での取り扱い例】
同じように、敗戦をした西ドイツ。西ドイツ基本法というようなものがありますけれ
ども、これも先生の御著書に引用されておるように、西ドイツ基本法の六十五条では、
防衛に対する議会の責任というようなもの、基本法というのは、これは西ドイツの憲法
ですから、正に防衛に対する議会の責任というようなものがきちんと六十五条で原則規
定が置かれた上で、七十三条には、防衛に対する専属的な立法権は議会にあると。それ
から八十七条で、これは軍隊ということでありますけれども、その出動条件は基本法、
すなわち憲法によって明示されていなければならないということが憲法上きちんと定め
られております。その後に、百十五条のaの一というところで、防衛事態の確定は議会
の同意が必要であると、こういうふうなことも憲法できちんと定められております。ま
た、予算についても議会が定めなければならない。また、議会の要求による出動停止と
いうことも憲法事項として、これは八十七条のaの四項で定められているわけでありま
す。
【憲法で明記すべきではないか?】
さて、日本国憲法をこれから考えていく場合に、私は今もって、議会の権限について、
これは立法でも様々な対応になっています、事前だったり事後だったり。こういうふう
なことであっては本当の意味でのシビリアンコントロールはできないと思います。であ
りますから、憲法でその辺はきちんとやっぱり書いて、しっかりとコントロールできる
ような、そういう原則を憲法に置いておくべきなんではないのかなと考えますが、いか
がでございましょうか。
○参考人(西岡朗君) それはおっしゃるとおりだと私は考えておりますが、もう一方
で、私が今考えておりますのは、その国その国によって憲法のつくり方があると思うの
でございますね。ですから、今おっしゃいましたようなものを憲法に入れるような憲法
をこれからつくるのか、あるいは今までの、現在、日本国憲法のように、そういう条項
は何もないけれども、しかし現実にシビリアンコントロールはきっちり貫徹しておると
いうのでいいのではないかという憲法をつくるのか、それは選択の問題だと思って、ど
ちらが正しいという問題ではないと思っております。
特に、私が申しました、これから余り防衛出動とかそういう問題がない時代、先ほど
御指摘がありましたように、国際協力に関して軍事力を使うということはあったとして
も、そういう時代に移っていくのであればという気もしないわけではないのですが、御
指摘のとおりだと。ただ、それは選択の問題だと思います。そうでなくてはいけないか
どうかということについては、私は言い切る自信がございません。
○簗瀬進君 もし憲法にシビリアンコントロールの原則を書き込むとしたら、先生のお
立場として、これとこれだけは是非とも入れるべきであるとお思いになることをちょっ
と整理して御説明いただければと思います。
○参考人(西岡朗君) これは、例のルイス・スミスの原則があったと思いますが、議
会では戦争の宣言ですね、それから予算。それから立法府では、だれが指揮権を持つか
ということは大変、非常に大切なことでございまして、指揮権を持つのは行政府の長で
あろう。それから裁判所は、軍隊がひょっとして国民の自由を侵すようなことを不法に
した場合には、ちゃんと裁判所がそれをけじめを付けることができるような制度にして
おくと。この三点は、シビリアンコントロールということを規定に置かれるならば落と
してはならないことだと考えております。
○簗瀬進君 済みません、時間がないのでちょっと早口になっておりまして、お許しく
ださい。
【文民統制というよりも民主的統制とすべきではないか?】
シビリアンコントロールを文民統制というふうに新聞で訳されることも多いんです。
しかし、直訳はそうかもしれませんけれども、先生の御著書を読んでみますと、シビリ
アンコントロールはもっともっと広い概念であるべきであると。民主的統制あるいは国
民の、主権者による議会の統制というようなものがシビリアンコントロールの本質であ
ると、こういうふうに御著書では御説明なさっておりますけれども、シビリアンコント
ロールとは何かというように言われた場合は、そのポイントをどのように御説明なさる
んでしょうか。
○参考人(西岡朗君) それは、近代民主主義的立憲政治による軍隊の統制であると。
それはイコール政治統制ということに現実にはなると思いますが、シビリアンという意
味を強調するんであれば、近代民主主義的立憲政治によるという、その政治にその上が
掛かると思いますが。
○簗瀬進君
【ヒトラーも文民であった】
先生の本で私も非常になるほどなと思ったのは、シビリアンを文官というふうに訳し
てしまいますと、実はヒットラーも文官であったと。というふうなことで、ヒットラー
もちゃんとシビリアンコントロールはやっていたんですよという、こういうふうなこと
になってしまう。それではちょっと違うんじゃないのという御指摘があるんですけれど
も、その件についてはどうでしょうか。
○参考人(西岡朗君) それは、私はそのように考えております。そのシビリアンの意
味、今、最初にちょっと御説明しましたけれども、最初は、王侯貴族に反抗する者であ
る、それから特権階級でない者である、それから制服を着ていない者である、それだけ
のことであったんですね。しかし、我々のような成熟した民主主義国家になれば、当然
にそういう人たちは、ヒットラーのようなただ制服を着ていないというだけのコントロ
ール、これは単なる政治コントロール、専制主義による政治コントロールである。それ
と区別する意味で、民主主義的な政治を背景にした政治コントロールを文民統制という
、あるいはシビリアンコントロールという、そういうふうに考えております。
○簗瀬進君 先ほど同僚議員から戦前の話でございました、いわゆる統帥権の独立、あ
るいはそのほか帷幄上奏というようなことで天皇と軍隊が直結をする、その結果として
政治的な統制、あるいは不十分ながらもあった民主的統制がすり抜けられてしまったと
、こういうふうな歴史が私はあったと思います。
【統合幕僚長と防衛事務次官の関係】
ちょっと昨今の話に急に飛んで恐縮でございますけれども、現在、防衛参事官制度を
廃止すべきであるというふうな議論がございます。また、防衛事務次官が現在統幕より
も上位で持っている自衛隊に対する監督権、これを、防衛事務次官が現在持っている自
衛隊に対する監督権、これを統幕長の方に移すべきだと、こういう議論があるようでご
ざいます。
これが現実のものになってしまいますと、正に、天皇ではないけれども、首相と自衛
隊が直結をするという形で、新たに平成の統帥権独立制度、あるいは平成の帷幄上奏制
度を作ってしまうんではないのかなと、私はそのような懸念を持っておりますが、先生
の御所見をいただきたいと思います。
○参考人(西岡朗君) 今の御指摘でございますけれども、首相とその統幕議長の間に
は防衛庁長官という国務大臣が入ると思います。
それで、私の考えでは、このペーパーで説明できなかったのですが、内局制度という
ものは、これは行政カルチャーからきている。実は、統幕議長も実は官僚のトップなわ
けですね。ですから、それは政治家に従わなくてはいけない、そういう問題。そうする
と、その政治家が実はすべてのアイデアを出して、そしてそれを命令化するのが統幕あ
るいは各幕なんです。ですから、そのことがなされていないがゆえに、先ほどのあの例
によりますと、昭和天皇は、自ら責任を負うような憲法に作られておらないために、部
下にそういう責任を全部負わせるのは悪いと言ってそういうリーダーシップを発揮され
なかったという。
ところが、今の憲法ではそういう遠慮は毛頭ないわけでありまして、だから、その政
治家が自分の頭でどういうことを軍に指令するか。その指令が間違っているんならば、
それはそれを選んだ国民の問題になると、そのように考えておりますが。
【国会関与の原則が明らかでない現行法制の問題点】
○簗瀬進君 若干の残り時間がございますので、重複するかもしれませんけれども、現
在はもちろん憲法には、この差し入った自衛隊に対する管理とかあるいはコントロール
についての基本的な原則というのはもちろん書かれていないわけです。一方で、PKO
、あの周辺事態法、イラク特措法と、こういうふうな個別法律が作られました。しかし
、個別法律の中で国会の関与がどういうふうに位置付けられているかというと、事前で
あったりあるいは事後であったり、今もって国会の関与についての原則的な決めができ
ていない状況になっている。非常に国会の関与が混乱をしたシビリアンコントロール法
制が日本の現状であると私は認識をいたしております。
この部分は私は大変問題なんではないのかなと思っておるんです。きちんとしたやっ
ぱり、海外に自衛隊を出すについても議会の関与はこうあるべしという原理原則を、せ
めて法律の中でも統一したものをやっぱり作るべきであるし、そうでない限りは、本当
の意味で議会がいわゆる自衛隊に対するコントロールというようなものはこれはできな
いと思うんですね。
このような現在の混乱した法制について、先生の御感想と今後の方向性についての御
提言があれば聞かせていただきたいと思います。
○参考人(西岡朗君) 特別措置法によっていろいろ行われているということは、その
状況状況によって政府が、この問題は議会にあらかじめ諮らなくてはいけない、あるい
はそういう問題は事後承認でもいいんじゃないかというふうに政府がそういうふうに判
断したわけでございます。
ですから、一般的に、私は軍事の問題、最初から言っていますように、縛るのは良く
ないというのが基本的な考え方でございますので、そのときそのときの情勢によって政
府が国会に、これはあらかじめ言っておかなくちゃいけない、あるいはこの問題は事後
でもいいんじゃないか、その決断はやはり政府にゆだねるべき問題ではないかというの
が実は私の考えでございます。
○簗瀬進君 私は、若干御意見の中に矛盾があるような感じがするんですけれども、参
考人としてのお話でございますので、そのまま承らせていただきまして、私の質問は終
わりにさしていただきます。
ありがとうございました。
【6】先週の主な活動
■12月6日(月)
08:00 第645回マンデーレポート
19:00 県連幹事会
■12月7日(火)
10:00 宇都宮高校国会見学
■12月8日(水)
11:30 国会コーラス愛好会打合せ会
13:00 JR総連執行委員長、政治部長来訪
13:30 法務省刑事局よりレクチャー
14:00 次の内閣集中討議
18:30 法務部門役員懇談会
19:00 法務省幹部との懇談会
■12月9日(木)
17:00 六本木男性合唱団練習
■12月10日(金)
18:30 TRY NEXT 明日への日本−政治と共に20年 簗瀬進−
★ご出席していただいた皆さんに心から感謝申し上げます。
■12月11日(土)
12:00 イラク自衛隊派遣延長に抗議する街頭行動
13:00 六本木男声合唱団特別練習サントリープログラム
■12月12日(日)
11:00 北関東綜合警備保障叶V社屋竣工式
11:00 (社)栃木県鍼灸師会鍼供養・忘年会
12:00 イラク自衛隊派遣延長に抗議する街頭行動
16:00 小林丘黄綬褒章受章記念祝賀会