国会通信 No.652

  【憲法調査会の日程固まる等】

2005/2/7 (マンデーレポート652の要旨)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】 憲法調査会の報告書作成日程 ほぼ固まる。 【2】 二院制不要論には賛成できない。 【3】 公正証書は当てにならない? 【4】 刑務所の教育機能が弱すぎる。 【5】 先週の主な活動 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】 憲法調査会の報告書作成日程 ほぼ固まる。 ●憲法調査会の設置年限は5年間。今年はそのまとめの年。  いよいよ大詰めの議論となってきた。 ●先週は、1日(火)に党憲法調査会(役員会)を行い、2日(水)には  参議院所属の調査会メンバーによる全員協議、そして4日(金)には  「参議院のあり方」についての小委員会での自由討議を行うなど、  憲法調査会関係の日程が目白押しであった。 ●2日の役員会。枝野調査会長、会長代理の私、仙谷政調会長、  鹿野議連会長等出席。情報交換や意見交換を行った。  今後の党内論議の集約のペース、与党が提案するとの話が出ている  憲法改正手続法案への対応などについて議論した。 ●私も自分の知りうる自民党関係の情報を報告。また参議院の  憲法調査会で与党側から提案された報告書作成関係の日程等について  協議してもらった。 ●まず改正手続法案への対応だが、民主党としても積極的に対応すきで  あるが、昨今の与党側の乱暴な審議態度にはしっかり釘を刺しておく等で一致。  また並行して党内論議も改めて熟度を高めておくことを決定した。 ●また参議院の憲法調査会で与党から提案された報告書作成の具体的な  日程(連休前の4月中には報告書を作成し、本会議での報告を行う)については  大方の同意を得た。肝心な報告書作成の基本方針については今後さらにつめた  議論をすることになった。 ●この本部方針については、翌日の3日開催された、参議院メンバーによる  全体協議で報告し、了承された。 【2】 二院制不要論には賛成できない。 ●4日(金)、参議院憲法調査会の小委員会が開催され、まとめの自由討議の  第1回目を行った。まずは各15分ずつ、各党の代表者からの発言があり、  その後小委員による自由討議が行われた。 ●民主党からは松井議員が、詳細にわたる鋭い指摘を行った。  二院制の存続を主張する意見で各党は一致している。したがって、  論議のポイントは、参議院の独自性をどのように発揮していくべきかの  衆議院との差別化論議が多かった。決算重視、同意人事での独自性発揮、  司法へのチエック機能付与など、有意義な指摘が続いた。 ●私は、会長代理の立場なので、皆さんの意見を聞き終わってから挙手。  以下の発言をした。 ●二院制は堅持すべきである。なぜかといえば、この制度は、人間性の  洞察に基づく人類の叡智に基づいているからである。  民意は時に暴走する。また権力も暴走する。その歯止めの制度が  二院制である。 ●特に解散のある衆議院と、6年という比較的長い任期そして半数改選という  参議院をあわせたところに意味がある。 ●解散を決定するのは時の政権であり、国論分裂のときに権力の判断によって  意見を集約することに意味がある。一方参議院は3年ごとに選挙をしなければならない  。権力の好き勝手で選挙を避けることはできない。権力側として、都合の悪いときでも  国民の審判を避けられないようにしてある。この性格の異なる二つの議院を  並立させたのが二院制。このように考えると、両院を並存させておくことは  主権者としての国民の意思を国政に反映させるための、民主主義に不可欠な制度と理解  できるのではないか。 ●以上が私の発言の要旨である。 【3】公正証書は当てにならない? ●2月3日の法務部門会議で公正証書による融資や保証の実態  についてヒアリングした。席上、きわめて安易に公正証書が作成され、  結果として債務者のみならず保証人に対しても過酷な取立てが  行われている実態が報告された。 ●この日は、日弁連の副会長の清水規廣弁護士、消費者問題対策委員の  伊沢正之弁護士など、日弁連の関係者が出席。法律の専門家である公証人が  作成し、当然信頼が高いと思われている公正証書の意外な問題点が次々と  報告された。 ●公正証書は、裁判の手続きを省略して、すぐ強制執行ができるというのが  最大のメリット。しかし一般人の無知に付け込み、きちんと説明をせずに、  公正証書が作られている例が少なからずあるようだ。 ●たとえば、1枚目は金銭消費貸借契約書になっているが、その署名捺印欄  が自動的に2枚目の、公正証書作成委任状に複写されるようになっていて、  気づかないうちに公正証書が作られてしまう場合がある。 ●しかも、そのことをチエックしなければならないはずの公証人事務所が、  形式的な事務処理の権限にとどまっているので、問題のある公正証書が  後を絶たない。 ●保証人にとっては、予想を超えた請求が、突然裁判所からの強制執行の  経験を持つ方の体験談も直接聞き、現状のひどさを痛感した。 ●公正証書に基づく強制執行のあり方、公証人制度等々、全体的な見直しをする必要が  あると強く感じた。 【4】刑務所の教育機能が弱すぎる。 ●先々週から毎週金曜日に性犯罪問題についての法務・内閣・人権の  3部門会議の合同会議を行っている。第1回目には法務省・警察庁からヒアリングを  行ったが、そのときに浮き彫りにされたのが、わが国の刑務所の矯正プログラムのきわ  めて弱体なことであった。 ●痛ましい奈良県の女児殺害事件いらい性犯罪対策という大きなテーマが  社会的にクローズアップされてきたが、今後の法務省の性犯罪者対策の柱は以下の  3点に集約される。 1 性犯罪受刑者に対する矯正処遇の充実   →監獄法改正により、受刑者に改善指導を受けることを義務づける   →科学的・体系的な性犯罪受刑者処遇プログラムを整備する。 2 性犯罪仮出獄者の再犯の防止   →保護観察官の直接的関与の強化   →科学的・体系的な性犯罪仮出獄処遇プログラムを整備する。 3 性犯罪受刑者の出所後の所在の把握   →警察へ情報を提供する制度を構築する。 ●しかし、別の見方をすれば、上記の3本柱は、過去においてはほとんど実施されてい  なかったことの裏返しでもある。性犯罪対策は、いまもって未開の荒野である。  このことは以下の実態でさらに明らかである。 ●たとえば、全国の行刑施設(刑務所等)は74箇所あるが、  そのうち性犯罪者に対する矯正プログラムを実施できる施設は13箇所でしかない。(   設置率=17.5%) ●また性犯罪で受刑中の者3097人のうち、平成15年度にこの矯正プログラムを受けた  ものは、たった125人しかいなかった。     (受講率=4.0%) ●ちなみに平成15年の速報値では、全受刑者は6万4092人。うち性犯罪者は  3097人であるから、性犯罪者の比率は4.8%。 ●そもそも明治以来の監獄法は、刑務所での懲役刑を原則としてきた。  すなわち「懲らしめるための役務」が「懲役」であり、刑務所の基本的な機能は  作業を強制することにあるとしてきた。 ●したがって矯正プログラムが開始したのも最近のことであり、プログラムの内容も  とても充実したものとは言えず、さらにプログラムの実効性を検証する客観的な  資料も存在していない。まさに未開の荒野である。 ●ネクスト法務大臣として、先週の法務部門会議において、全国の矯正プログラムを  実施している行刑施設を緊急チエックするように指示したところである。   ●なお性犯罪についての司法統計については注意しなければならない問題がある。  それは性犯罪として一緒にされているが、その内容は二つに分類されなければならない  ということである。すなわち、現在の司法統計では、強姦、強制わいせつといった「人  の性的自由」にたいする暴力的な侵害罪と、  公然わいせつ、わいせつ文書頒布等の「社会の性風俗」に関する侵害罪とを一緒にして  いることである。双方の関連性もないとはいえないが、基本的には両者を区分けして対  策を考えるのが実効的であろう。その点では、司法統計も遅れているのである。 【5】先週の主な活動 ■1月31日(月) 08:00 第651回マンデーレポート 18:00 連合栃木宇河地協2005年新春賀詞交換会 ■2月1日(火) 16:00 議員総会 17:00 本会議 ★補正予算案について採決。全会一致で可決成立。 17:30 党憲法調査会の役員会。 ★憲法改正手続法案への対応など、全体的な方針について協議。 (上記【1】参照)   ■2月2日(水) 11:00 民主党所属の参議院憲法調査会メンバーによる打ち合わせ。 ★今後のまとめの日程等について協議。(上記【1】参照) 12:00 国対・理事合同会議 16:00 法務部門役員会 17:00 次の内閣閣議 19:00 政党政治の歴史に学ぶ会 ■2月3日(木) 08:00 法務部門会議(上記【3】参照) 14:30 第85回宇都宮二荒山神社節分祭 ★恒例の節分。  平出雷電神社、八坂神社など、宇都宮市内あわせて  4箇所で豆まき。  18:00 栃木県行政書士会栃木県知事就任祝賀会 ★私は当選した福田知事の対立候補を支援した都合上、  出席するかどうか迷った。しかし、出席。出席者の一部からは、  どよめきもあったが、県民の審判である以上結果はきちんと  受けとめるべきであるとして、祝辞を述べた。  同会の会員である以上、代理出席などの「逃げ」の対応は、  よろしからず。 ■2月4日(金) 08:00 NTT労組情報通信政策研究会第4回勉強会 ★NTTと競争関係にあるUSENの専務さんの話を聞く。  将来に対する明快な見通しを持った堅実な戦略に感銘を  受けた。経済界の若手にも優秀な人材が育っている。 09:00 内閣・法務・人権調査会合同会議 ★性犯罪についてのヒアリング第2回。(上記【4】参照) 13:00 参議院憲法調査会二院制と参議院の在り方に関する小委員会 ★二院制のあり方についての議論。(上記【2】参照) ■2月5日(土) 18:00 やなせ進後援会河内支部新春のつどい 18:00 片島建設工業鰹ヘ友会新年会 ■2月6日(日) 15:30 宇都宮精肉商組合平成17年度通常総会・新年宴会 17:30 第21回山崎正信新春の集い 18:00 全建総連栃木県労宇都宮支部新年会