国会通信 No.660

  【参:憲法調査会いよいよ大詰め】

2005/4/11 (マンデーレポート660の要旨)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】参憲法調査会 締めくくり自由討議 終了。 【2】憲法改正の必要性について。 【3】 歴史の総括の重要性について。 【4】  〃       (3) 【5】 経団連と意見交換 【6】先週の主な活動 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】 参憲法調査会 締めくくり自由討議 終了。 ●4月6日(水)参議院憲法調査会が開催され、5年間を超える調査期間の  最後となる締めくくり自由討議が行われた。  民主党からは  簗瀬進(10分)。直嶋正行(10分)。松井孝治(8分)。若林秀樹(7分)  の4名が発言し、さらに私は党首討論をはさんだ再開後に再度発言、  「情報平和主義」と「シビリアンコントロール」について補足的に発言した。  (要旨は【5】参照) ●スタートの年と締めくくりの年のそれぞれ1年間あまり憲法調査会には  所属したが、この日で大締め。残すは報告書の作成だけとなった。節目の発言でもあり  、何を主張しようかと悩んだが、自分がもっとも訴えたいことを  語るしかないと考えて発言した。   ●発言メモについては以下を参照してもらいたい。 ●これで憲法改正についての中身の議論は終わり、今後は最終報告書の  内容をつめていく作業になる。憲法改正については反対の護憲論を唱える  共産、社民の皆さんの理解も得られる参議院らしい報告書をまとめるために  知恵を出さなければならない。 【2】憲法改正の必要性について。 ●締めくくり発言の第1は「憲法改正の必要性」についてであった。 ●多くの国民には憲法改正の必然性が理解されていない。  憲法改正論議が、政党主導で国民不在に陥ってはならない。  このことに細心の注意を払う必要がある。 ●いま、なぜ憲法を改正すべきなか、その必然的な理由を整理しておくべきである。  改正が必要な理由は3つある。ひとつは「法の支配」を確立するため。  ふたつめは「国際環境の重大な変化」に対応するため。  みっつめは「民主主義の原点を構築」するためであると訴えた。 1 法の支配の確立   憲法の文言と現状が乖離。   そのことによる憲法規範の形骸化、空洞化。   このことが政治不信の大きな背景。   このまま放置すれば社会混乱がいっそう拡大する。 2 国際環境の重大な変化   IT革命によるグローバリズムの急激な進展。   国家概念の変質。   国境を超える経済、疾病、環境汚染、災害、テロなど。   「国民国家」を前提にした日本国憲法を抜本的に見なおす時期に来た。 3 民主主義の原点構築   明治以後の近代日本の歴史に市民革命の歴史はなかった。   憲法は、本来は民主主義革命の所産。   しかし明治憲法も維新の所産であり、現憲法も敗戦の所産である。   国民が、主権者として、主体的に国の基本法を決定するはじめての取り組み。   だからこそ、法改正権者が国民であり、憲法改正が国民主権の最大の発現で   あることが明らかとなる手順を踏まねばならない。       国民が主役の「平時の革命」をやり遂げなければならない。   したがって、政党が国民不在で、前のめりに取り組むことについては   自戒すべきである。 4 憲法改正の原点とはなにか。   かつて91年1月に湾岸戦争が勃発、自衛隊の海外派遣問題が浮上、   その年の7月、派遣の是非をめぐって自民党憲法調査会が開かれた。   席上当時の板垣参議院議員が発言、   「憲法改正の原点は占領下でGHQに押し付けられたことにある」と主張した。       私はそれに反論した。   「大先輩に対し恐縮ですが、憲法改正の原点とおっしゃるなら、    占領されざるを得ないような戦争をしたことこそ原点なのでは」    これがそのときの意見であり、その後の自民党離党の出発点でもあった。     無謀な戦争は、戦争の記憶が周辺の国々に続く限り、   わが国が背負うべき「十字架」だと考えるべきである。       【3】 歴史の総括の重要性について ●締めくくり発言の2番目は「歴史の総括の重要性について」であった。 ●21世紀のアジアとの共同体構想の不可欠の前提。  私は、やがて日本も、EUをお手本にしながら、アジアの国々とともに、  国境を越えた平和のためのアジア共同体(=AU)を実現する、  先頭に立つべきだと考えている。そのための不可欠の前提が過去の歴史の  総括である。 1 歴史の総括は決して過去の問題ではない。  増幅される対日不信。中国と韓国の最近の動き。 2 厳しい自己批判こそ信頼回復の決め手。 3平和主義は過去の戦争に対する反省の当然の帰結であることが  憲法典にも引き続き明記すべきである。 4司馬遼太郎の「この国のかたち」第4巻  「二十世紀の日本人」 ●戦争のおおきな教訓は「官僚制度の弊害」を教えてくれたこと。  この国の最大の問題点は自己肥大する官僚制である。  陸・海の巨大な官僚制が亡国に追い込んだ。  省益あって国益なしの感覚は現状認識力を低下させリアリティー喪失、  戦争終結のグランドデザインもなく  戦争の総合的なマネージメントも不可能にした。  現代に通じる官僚制の弊害が顕著に出たのがかつての戦争。    軍部に終結した官僚組織は壊滅したが、その余の官僚組織は  戦前戦後を通じて存続。  憲法改正の最大のテーマは官僚制度の弊害の除去である。  これが歴史総括の結果としての最大の教訓である。 【3】憲法改正手続法の重要性 ●締めくくり発言の第3番目は「手続法の重要性」。  一部に手続法を実体法よりも軽視する見方があるが間違っている。 1 法の支配とはディユー・プロセス・オブ・ローでもある。 適正手続   実体法と手続法は密接不可分。 2 憲法調査会の重要な調査内容として手続法も当然含まれる。 3 最終報告ではあるがパート1。手続法についての丁寧な調査報告が必要。 4 憲法改正の手続に止まらず、国民投票に法的価値を見とめれば、   憲法41条の改正問題にもつながってくる。 5 手続法についての議論を調査会において続行すべきである。 【4】 国民が主役の議事堂建設を ●締めくくり発言が行われた水曜日は党首討論の予定日。  英連邦の諸議会で広く行われているのが党首討論。  難しい政治論を国民にわかりやすく率直に伝え、政治の白熱した議論を  国民に伝えているのが党首討論であるが、、、、 1 白熱した党首討論を実現させているのは、実は討論の場所を   周囲から取り囲んでいる傍聴者の存在。 2 固唾を飲んで注目する主権者の存在が、国会活性化の切り札。 3 わが国の議場はどうか。   主権者であるはずの国民の傍聴席は狭くて暗いまま。   主権者としての存在とは程遠い劣悪な傍聴環境。 4 憲法改正に際して、本会議場や委員会室の構造を基本的に見なおし、   国民主権にふさわしい構造に改めるべきである。 【5】補足発言 ●党首討論で中断した6日の憲法調査会。再開後に行われた際に挙手し、  今までの発言中、言い足りなかった以下の2点について補足した。  第1点の情報平和主義は私の造語。第2点のシビリアンコントロールについては、  いつまでたっても「文民統制」という訳しか与えないマスコミに対する批判の一面も  持っている。この二つも上記の諸点に劣らない私のこだわりである。 ●情報平和主義について  我が国の専守防衛という大原則は、侵略戦争に対する厳しい反省や、  極東にあるという地政学上の観点、さらに資源が乏しくエネルギーが  自給できないということの当然の帰結といった側面を持つ。  このような条件を前提としたうえで、平和をめざす新たな国家目標を  憲法に明記すべきである。  その際、情報平和主義、すなわち日本は科学技術を総合し、  国境を越えた世界規模の情報交流を図り、  人類の間に存在する誤解と偏見を乗りこえるなど、  諸国の先頭にたって情報による平和の創造、  すなわち情報平和主義を憲法前文で明記すべきである。 ●シビリアン・コントロールについて  これを、軍隊の最高指揮者が非軍人、文民でなければならないといった  狭義の意味でとらえるべきではない。  すなわち、民主的手続によって選ばれた議会の統制に服するという、  民主的統制として、もっと広義に理解されるべきである。  またそのように広く理解するのが現在の通説的な立場である。    その上で憲法典には、アメリカやドイツの例を参考にし、  わが国における、自衛隊に対する民主的統制の基本的な原理として、  @戦争の開始、A戦争の終了、B戦争の予算、の3点は議会の決定によると  の原則を憲法上明記すべきである。 【5】 経団連と意見交換 ●4月7日、経団連と民主党政策責任者(ネクスト大臣)との意見交換会を  行った。初めての試み。経団連本部の12階は一部上場企業の幹部の皆さんが  100名前後参加。限られた時間だったが熱心な意見交換が行われた。 ●まず、経団連会長の奥田さんから挨拶。そして、民主党からは  本会議のために遅参する岡田代表に代わって仙谷政調会長が挨拶。  まずは、経団連の側から4名の質問者が立ち、政策についての  意見表明。その後、民主党のネクストキャビネットの関係大臣から  説明そし意見交換となった。 ●翌日の新聞記事を見ると、経団連の側の「環境税」についての質問  のみが報道されていたが、発言の第1番目は「会社法案」についての  発言。発言者は経団連副会長でありキャノン会長の御手洗さんだった。  発言を聞いて若干驚いたのは、前日行われた民主党の会社法PTの情報  を踏まえての発言だったこと。この問題についての経団連の深い関心が  うかがわれた。   ● 敵対的買収に対する防衛策や株主代表訴訟についての責任緩和問題  など、三角買収の「1年間凍結」先送りも含めて、内閣提出法案については  経団連側は全面的に賛成の様子。 ●会社法PTでは政府案についてのさまざまな批判が出ていることを踏まえ、  発言は1分半であるとの司会役古川元久衆議院の話もあり以下のような  発言でとどめた。 1 このたびの会社法案は公開会社と非公開会社に分けて会社法制を   再構成しようとする大変重要な意義を持った改正。 2 にもかかわらず改正の基本的な哲学が伝わってこないのが残念。 3 いづれにしても、日本にだけ特異な株式市場を作るべきではないし、   また攻撃防御のルールがきちんと整備された株式市場を作るべきであり、   モラルハザードが起こって企業に対する信頼が失墜するようなことが   起こらないよう、法案審議にはきちんと対応していきたい。 ●会社法案は1000条に近い大法案。法務部門のみならず、  金融財政部門、経済産業部門の合同審査会を熱心に行っている。  政府案についても厳しい批判が多い。先日、政府与党に求める  修正のポイントを決定したが、その対応状況を見ながら、もう少し議論を  煮詰めてみたい。 【6】先週の主な活動 ■4月4日(月) 08:00 第659回マンデーレポート 09:20 法律相談 09:50 来客 ■4月5日(火) 08:00 法務部門会議 10:00 法務委員会 11:30 知的財産権戦略PT役員会 15:50 栃木県企画部 来訪 16:00 民主党行政書士制度推進議員連盟総会 17:00 会社法PT ■4月6日(水) 09:30 議員総会 10:00 本会議 12:00 国対・理事合同会議 12:40 参議院憲法調査会幹事会 12:50 参議院憲法調査会(上記【1】〜【4】参照) 14:45 国家基本政策委員会両院合同幹事会。 ★次回の党首討論は参議院主催。そこで4月20日に行うよう発言。  自民党側は持ち帰って検討することになった。 15:00 党首討論(ただしくは国家基本政策委員会両院合同審査会)実施。    45分間の党首討論。  16:00 参議院憲法調査会。冒頭発言。ただちに退席しNCに出席。   16:15 ネクストキャビネット。 ★参議院憲法調査会について最終報告書作成状況について発言。  この日は会社法案の検討状況について報告する予定だったが、  参権憲法調査会の幹事会に戻らねばならず、説明方はPT座長と  事務局長の山内・松野両衆議院議員にバトンタッチして衆16控え室を  後にする。 17:00 参憲法調査会 幹事会。 ★11日以降に発表する最終報告書の第1次草案のまとめ方について  論議。メリハリをどう付けるのかなどについて論議紛糾。 ■4月7日(木) 08:00 法務部門会議 08:40 法務・人権救済法PT合同会議 10:00 法務委員会 10:10 来客 10:30 来客 11:00 法務・財金・経産合同部門会議 13:30 日本経団連幹部と党ネクスト閣僚との政策意見交換会 (上記【5】参照) 15:00 中東・アフリカ訪問団事前勉強会 16:00 知的財産権戦略PT 17:00 法務・財金・経産合同会議 19:30 会食 ■4月8日(金) 09:00 民主党憲法調査会拡大役員会 09:30 議員総会 10:00 本会議 ■4月10日(日) 10:00 飯塚守人出陣式 10:00 山口孝出陣式 11:00 大川圭吾出陣式 12:00 いいづか昭吉出陣式    寺内冨士夫選挙事務所訪問 ★佐野市、田沼町、葛生町の合併が成立、それに伴う  市長選挙と市議選が告示。上記の皆さんの各事務所で  行われた出陣式に出席。県連代表として激励演説を  しました。