国会通信 No.667
【会社法案は粗製乱造?】
2005/6/20 (マンデーレポート667の要旨)
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【1】会社法案は粗製乱造?
【2】擬似外国会社の問題点
【3】先週の主な活動
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【1】 会社法案は、粗製乱造?
●衆議院段階で3点の修正を行って参議院に送られてきた会社法案。
979条の巨大なボリュームだが、やはりさまざまなあらが見えてきた。
●明治以来の商法の口語化は必要だし、国際社会に対応した会社法制の
整備も重要、起業活力の発揮もしなければならない。そんな基本的な趣旨は
賛成だし、基本法の制定に背を向けたとも言われたくない。そんな理由から
最低限の修正をして民主党としても賛成した。
●しかし、賛成したからといって、追求の手を緩めることはできない。
さらに厳しく法案審査を続けている。
●先週の委員会でも新人議員の前川清成、富岡由紀夫両君が厳しく
法務大臣を追及しました。
●前川議員は、あまりにも政省令への委任事項が多すぎることを中心に追及、
また富岡議員は、日本の株主総会が安定株主中心で形骸化し一般投資家が
無視されているのでは、と本質的な問題点を提起、大臣が立ち往生する光景が
再三出現。見ごたえのある論戦を展開しました。
●政省令への委任事項が多いのは、郵政民営化法案も同様。いづれも
300項目以上の政省令への委任をしています。国会は、国権の最高機関のはず。
しかし政令(=内閣)、省令(=各省)への委任を大規模に行えば、実際法律を
作るのは役人ですから、国会の自殺行為なのです。
●前川議員は、会社法案の中の刑罰規定の一部についてもこの政省令委任が
行われていることを指摘、これでは罪刑法定主義(罪と罰を決められるのは国会だけ)
という近代憲法の大原則に違反しているのではないかと指摘しました。
●南野法務大臣は、確かに法律の専門家ではありません。それを意識的に盾にしながら
質問をやり過ごそうとする。答えに詰まると、「専門的・技術的な質問ですから」と言
って、官僚の皆さんにバトンタッチしようとする。しかし、それでは大臣の名前に値し
ません。官僚へのリーダーシップが取れない大臣は即刻止めるべきなのです。
●確かに会社法にしても証券法制にしても専門的です。現代は専門知識なしでは
判断できない問題がどんどん増えています。しかし、どんなに専門的で未知の分野であ
っても取っ組み合いをしながら学習しようとすればそれなりのポイントは分かるはず。
分かろうとする意欲と問題意識があるかどうかが問われるのです。
そのうえで、法律の本質はコモンセンス、すなわち「常識」だということを忘れるべき
ではありません
●法務部門は市民生活に密着した基本的な問題点を取り扱うことが多い。
未来の市民生活に重要な影響を及ぼすテーマばかりです。その影響の深甚なことを
思うとき、もっともっと敬虔な恐れを感じてほしいものです。
【2】擬似会社法案の問題点。
●会社法案の審議の中で擬似外国会社が問題となっていることは先週も触れました。
もとモルガンスタンレー社の上級幹部であった大久保勉議員の質問が議論の大きな
きっかけを作ったのです。
●先週も彼を交え、NC金融担当大臣の峰崎参議、江田議員会長、千葉法務理事、と
この問題についての対応を協議しました。
●まず、「擬似外国会社」とは何か? ですが、
会社法案821条は「日本に本店を置き、又は日本において事業を行うことを主たる目的
とする外国会社は、日本において継続して取引を継続することができない。」
と規定しています。分かりやすく言うと、外国に登記上の本店があり、実質的な活動は
東京支店で行っている企業のことを擬似外国会社といいます。
法務省は、これは現行商法482条の擬似外国会社の規定を、その趣旨を
変えずに明確にしたものだと説明します。しかし、現行商法の規定を分かりやすく
するつもりで「取引を継続できない」と明確に書いたことから大きな波紋を
呼ぶことになりました。
●擬似外国会社に該当するのは何社ある?
外国に登記上の本店があって日本で営業しているということだけで整理すると、
かなりの数になりそうです。
大久保参議の説明によると、
外資系証券約40社の内39社、
少なくとも外資系損保4社、
外資系投資顧問・投資信託、IT、製薬会社等多数あると思われる。
●いまや日本の証券市場は、外国証券会社の存在は不可欠になっています。
調べてみると証券市場で売買される株式数の2割以上、また代金の
3割以上が外国証券会社関係。もしこれらが本当に取引継続できないと
なると日本の証券市場は壊滅的な打撃を受けるでしょうね。
さらに日本の証券市場に対する海外の信頼も一挙にゼロになってしまうでしょう。
●一時期は、これから取引できなくなる、あるいは日本で新法人設立を迫られる莫大な
営業損失が発生するなど、外国証券間連や在外公館筋、さらにはスノー財務長官まで擬
似外国会社の話しを持ち出すなど大騒ぎになりました。
●衆議院段階でかなりの修正をしているからもう再修正など無理と、法務省もかなり
あわてたようですが、先週の委員会ではかなり無理な解釈をし、以前から活動している
外国証券会社は擬似外国会社には当たらないから大丈夫と沈静化に全力を挙げた模様で
す。
●かなり無理な解釈の一例は「主たる」と「もっぱら」の読み替えです。
私たちが緊急にヒアリングした際も、法務省の当局者は、会社法案821条の「日本にお
いて事業を行うことを主たる目的とする外国会社」の解釈を『もっぱら日本において事
業を行うことを目的として設立した外国会社』と解釈し、これまで日本で問題なく活動
してきた多くの外国会社が、「自分は擬似外国会社ではない」という主張をすることが
できるようにすすればよいなどと説明していました。
●「主たる」と「もっぱら」は同じでしょうか。「主」には反対語として「従」があり
ます。51%対49%でも主従は成り立ちますが、49%に対して51%をもっぱらと
いうことはありませんよね。もっぱらは漢字をあてれば「専ら」です。「もっぱら」に
は主従の「従」に当たる言葉は見当たらないのです。
●「主たる」を「もっぱら」と解釈するなら、法文自体をそう改めるべきでしょう。
この国の憲法解釈にも見られるご都合主義がここにも顔を出す。民主主義の基本原理で
ある「法の支配」が立法の当初から放棄されています。
●わが国が外国証券会社法を作ったのは昭和46年。時の大蔵大臣は福田赳夫氏、そして
大蔵政務次官は中川一郎氏。当時の委員会のやり取りも調べてみました。
●外国為替法によって外国証券会社の日本進出を原則的に禁止していながら、他方日本
の証券会社はどんどん支店を海外に出し始めた時代です。おそらく外圧もあったのでし
ょう。また国内企業を守るために簡単に海外からの進出も認めたくないとの事情もあっ
たのでしょう。そんなさまざまな事情から本店の登記は海外に置きつつ、日本支店での
経営を認めるといった政策が採られたのかなと想像します。しかし、どんな事情があろ
うと、立法者自らが既存の法秩序を平然と破るような行為は厳に慎まねばなりません。
●さらに付け加えるとこの問題は外国証券会社に止まらないようです。
日本の銀行系が扱っているABCP(アセットバック)という債権流動化商品がありま
す。これを扱っている会社のほとんどが、営業活動は日本のみ。本店登記は外国のよう
で「もっぱら」どころか100%ですから、完璧な「擬似外国会社」?となってしまい
、全部アウト。解釈で絞っても限界線を越えてしまうようで、このABCP関連で7兆円ほ
どの資金が国内で動いているのですから影響は甚大です。次の質問の焦点は
ABCPですね。
注 ABCP
企業の有する売掛債権を担保として発効されるコマーシャルペーパーのこと
【3】先週の主な活動
■6月13日(月)
08:00 第666回マンデーレポート
■6月14日(火)
14:00 法務委員会
★会社法案についての質疑 民主からは前川、富岡両君。
17:00 民主党憲法調査会総会
18:00 衆議院議員 吉田おさむを励ます会
■6月15日(水)
08:00 スポーツ省設置推進部会勉強会
09:30 議員総会
10:00 本会議
11:15 会社法修正案打合せ
★問題となっている擬似外国会社についての対応を検討。
(上記【1】)
12:00 国対・理事合同会議
16:30 ネクストキャビネット
18:00 イスラエル・パレスチナ・ヨルダン駐日大使との夕食会
■6月16日(木)
08:00 法務部門会議
08:10 法務・厚生労働部門合同会議
08:40 法務・厚生労働・内閣・男女共同参画合同会議
09:15 死因究明WT
10:00 法務委員会
11:30 政権交代を実現する会 定例会
■6月17日(金)
09:30 両院議員懇談会
10:30 議員総会
16:00 議員総会
■6月18日(土)
17:00 栃木県立宇都宮高等学校 平成17年度同窓会総会
★今年は、私たちの卒業年次(昭和44年卒 獅子の会)が幹事担当。
私は 応援歌のリード役。久しぶりに蛮声をはりあげた。
20:00 獅子の会 懇親会
■6月19日(日)
08:00 民主党県連 朝食会
★県との懇談会についての対応や、足銀の受け皿問題について協議。
対応を私と幹事長に一任された。
11:00 第22回西川扇祥 夏の会
★人間国宝の西川扇蔵先生と幕間で懇談。
先日の花伝舎(=旧新宿淀橋6中校舎の再活用)のお披露目にも
ご出席であったと聞き、さらに親近感を覚えました。
13:30 全逓栃木地区退職者組合 第34回定期総会