国会通信 No.670

  【小泉民営化は癒着と「がん細胞」の総バラまき】

2005/7/25 (マンデーレポート670の要旨)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】 小泉民営化は、癒着「がん細胞」の総バラまき 【2】 官製談合禁止の厳しい法制を。 【3】 先週の主な活動 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■   【1】 小泉民営化は、癒着「がん細胞」の総バラまき。 ●7月20日(水)15:00 次の内閣の閣議が行われた。  この日は公務員制度改革について、ネクスト総務大臣の  五十嵐氏から報告。特に、天下り防止策について活発な意見交換  が行われた。たとえば、防止策の一環としての政治的任用の位置  づけをどうするのか、採用の時限的禁止の論議だけでは不十分な  のではないかなどのさまざまな議論が出た。 ●さらには「公務員」概念の問題点も強く指摘された。  このことは、小泉民営化路線の本質と密接に関連する重大な問題であり、  このことを席上発言した菅さんはじめ多くのネクスト大臣が意識している  ことの表れでもあった。 ●小泉民営化路線は「官」と「民」の仕切りをきわめてあいまいにする。  郵政民営化をやるんだということで、「役所」のような「会社」のような  どっちつかずの巨大会社を日本に作り出す。一方で公務員については  不十分ながらも天下り禁止の措置があるが、民間にはもちろんそれはない。  したがって、優越的な経済的な地位にあるのは変わりないのに、それを  利用した癒着のチエックは不十分になる。これがいい加減な民営化の  弊害である。すなわち中途半端な民営化は癒着の構造をさらにこの国の  経済に深くしみこませる結果となる。小泉民営化路線の最大の害悪は  ここにあると考える。 ●公社、公団については、個別の法規に「みなし公務員」規定がおかれる  場合はある(ただし、これも不徹底・不十分だが、、、)。しかし、  政府が出資している場合や、政府が会社の債務を保証している、などの特殊な民間会社  の職員を「公務員」として扱うかどうかについての一般的な取り扱い  はなにも決まっていない。 ●小泉改革の基本的な性格は「民営化」の意味を極めてあいまいに  してしまったことである。たとえば今の郵政民営化法案がその典型。  政府が30%の株を持ち、政府が金を出して基金を作り、その基金に  よって不採算店舗を支援する、業務のあり方についても店舗配置についても  法律でがんじがらめに縛っている、こんな「会社」はもはや「民間」ではない。  そもそも民営化になじまないものを無理やり民営化するから、国民の  情報ネットワークを危機にさらし、貯金や掛け金を危機にさらし、多くの  民間企業を危機にさらすことになる。しかし、その弊害はこれに止まらないのである。 ●実は偽りの民営化は、癒着のがん細胞をこの国の全身に転移させる。  この重大な弊害を見落としてはならない。すなわち、民営化すると、  実態は役所なのに役所扱いされなくなる、「高級官僚」が一瞬のうちに  「会社幹部」に化粧直しされる。その結果、いままでは公務員、  あるいはみなし公務員として、天下り規制を受けていたのが、規制は  かからないことになるのである。 ●政府出資、政府保証の、実際は民間とは名ばかりの特権的な会社を  多数作り出し、もはや公務員ではなくなったからと言って、大手を  ふるって支配化の子会社に役員を送り出す。結果として、この国の  経済は癒着の構造に総汚染されることになるのである。 ●郵政民営化法案は現在審議中だが、すでに民営化法が成立した  道路公団はさらに深刻である。橋梁談合に公団幹部が深く関与して  いたことはすでに明らかになっている。いまは「みなし公務員」  規定が根拠法に置かれているから良いが、民営化後は、公団幹部の  関連会社への天下りには「公務員」としてのチエックは当然できなくなる。  すなわち癒着の構造を罪に問うことはできなくなるのである。 ●談合構造のなかで、国や自治体などの発注者は、2割から3割高い  支出を余儀なくされているのは最近の調査の結果である。支払われる  巨額なお金は役所の持ち物ではない。まさにそれは納税者としての国民の  血税なのである。 ●いい加減な民営化は結果として日本経済全体に癒着構造をばら撒く。  そしてその結果として、経営の不採算構造へのチエックはさらに甘くなり、  不採算の付けは最終的に国民に回ってくる。こんなことを許してはならない。 ●道路公団民営化、郵政民営化の影で、いままでの公共部門が、実態は変わらないの  に、かりそめの「民間部門」に化粧直し。その結果、天下り防止の網を簡単に潜り抜け  、逆に癒着のがん細胞がこの国の経済全体に蔓延していく。  そして談合構造の中でいつまでたっても国民は高止まりの負担を強いられる。  小泉民営化路線は国民を食い物にしている。それが小泉民営化路線の最大の問題点であ  る。 ●郵政民営化法案は参議院においても断固否決そして廃案に追い込むべきである。そ  の結果、小泉総理が解散に打って出るとしたら政権交代の最大のチャンス到来。大義な  き戦いに打って出た小泉総理を完全打倒すべし。 【2】 官製談合禁止の厳しい法制を。 ●7月21日(木)9:00 法務、経産、国土交通部門の3部門会議と  独禁法・官製談合撤廃PT(プロジェクトチーム)の合同で官製談合を  禁止するための民主党提案の議員立法の素案を検討した。 ●PTの座長でもあり、ネクスト規制改革担当大臣の直嶋参議院議員が座長を勤めた。ポ  イントは刑法の談合罪の改正ということもあって私もお付き合いしたがすべてはPT中  心で検討されたものである。なかなか良い内容のものが出来上がってきた。 ●まず現行法がどうなっているかだが、  刑法第96条の3の条文は以下のとおりである。 刑法第96条の3   1 偽計又は威力を用いて、公の競売又は入札の公正を害すべき行為をした者は、    二年以下の懲役又は二百五十万円以下の罰金に処する。   2 公正な価格を害し又は不正な利益を得る目的で、談合した者も、    前項と同様とする。 ●注意すべきポイントはなにか。   1項は競売・入札妨害罪。2項は談合罪。  前者のほうは行為自体が犯罪。しかし後者のほうは「談合」だけではだめで、  談合が行われる際「公正な価格を害し又は不正な利益を得る」目的がなければ  犯罪は成立しない(=目的犯)とされている点。すなわち、談合罪のほうが  成立の要件は厳しくされている点である。   ●このような違いには特別の理由があった。それが戦時下の特殊事情であることを  このとき初めて知った。じつはこの罪が制定されたのは昭和16年、そのさい  政府提出の原案(目的犯ではなかった)を衆議院・貴族院が修正したのである。     その背景には、当時統制経済が中心となりつつあり、官庁側からむしろ  業者に談合を促していた事情があった。当時は、談合必ずしも悪ではないとする  考えが強く、談合促進が主流であったようである。 ●しかし、癒着構造を断ち切るのが国民経済にとって間違いなくプラス。  談合罪に不当利得の目的を要求する必要はまったくなくなっている  というべきであろう。 ●また現在の刑法には発注者である公務員にたいする罰則がない。  国民の血税を適正に管理する責任があるのは当然であり、公務員に対し  談合関与罪を規定すべきである。また公務員に対してはより重い罰則  でのぞむべきであろう。 ●以上の二つの柱を中心にPTがまとめた刑法改正案は以下のとおりであり、  合同部門会議としてもこの案を基本的には了承した。 1 談合罪(刑法96条の3第2項)について、現行の構成要件にある「公正な価格を害し  又は不正な利益を得る目的」を削ることとし、公の競売又は入札に関し談合した者を  処罰対象とする。 2 公の競売又は入札の事務を担当する公務員がその職務に関し談合に関与した場合を  、新たに処罰対象とする。その法定刑を現行の談合罪(2年以下の懲役又は250万円以   下の罰金)よりも引き上げることを検討する。 (談合関与罪) ●ただ、公務員とはなにかといった点に議論が集中。  小泉民営化の問題点(上記【1】)との関連で、公社公団の場合や、  政府出資・政府保証の民間会社についてどうするか等の整理を改めて  行うことで意見が一致した。 【3】先週の主な活動 ■7月19日(火) 13:00 法務部門役員会 15:00 平沼、衛藤、平沢、の自民党3議員 来訪。 ★自民・公明は、台湾のビザなし渡航(愛知万博期間中の特別措置)を今後も継続する  趣旨の入管法改正の議員立法を考えている。民主党としても  協力してもらえまいかと打診。関連の3部門会議(法務・外務・国土交通)で  検討したいと応答。 15:30 台湾駐日経済文化代表処陳鴻基副代表(他2名)と面会 16:30 法務部門会議 ★条約刑法いわゆる共謀罪法案についての民主党としての対応を協議。  安易な修正論議をすべきではないとの意見が多く出た。政変の結果罷免  された滝副大臣の後任は未だ補充されていない。今後の刑事司法の姿を  一変させるこの法案、その事実上の責任者でもあった副大臣が欠けて、  答弁はきわめて不十分な状況。後任が決まるまでは審議入りできないとの  民主党の対応は当然である。強い態度で国会対応をすると同時に、  問題点を100%網羅した論点整理を行うことで意見集約。 17:30 犯罪収益吐き出し制度PT 日弁連よりヒアリング ■7月20日(水) 12:00 国対・理事合同会議 15:00 次の内閣 閣議 ★天下り防止策について意見交換。  防止策の一環としての政治的任用の位置づけをどうするのか、  採用の時限的禁止の論議だけでは不十分なのではないかなど  さまざまな議論が出た。 (上記【1】参照) 17:40 NTT労組宇都宮東分会2005納涼祭 17:40 NTT労組宇都宮東分会平出部会2005納涼祭 18:00 県庁青葉会総会 ■7月21日(木) 08:00 法務部門会議 09:00 法務、経産、国土交通部門、独禁法・官製談合撤廃PT合同会議 ★癒着構造の根源をどのようにしてたつか。 10:00 法務委員会 13:30 知的財産権戦略PT ■7月22日(金) 11:30 議員総会 12:00 本会議 ★障害者自立支援法案についての趣旨説明のち法案採決。  亀井文科委員長の報告に野党側からの盛大な拍手。  同氏は亀井静香氏の実兄。造反期待の激励拍手に同氏も苦笑い。 16:00 栃木県那須学園視察 ★県立の自立支援施設。落合所長さん、館野、井上さんから  懇切な説明。意見交換。夫婦小舎制が交代制に変わっていく  事情にもっとも興味を感じた。いずれにしても職員の皆さんの  使命感と奉仕の精神なしでは維持できない厳しい現状を再認識。  厳しい家庭環境の子供たちをどう自立させていくか、出所後の  再就職先などの社会の経済事情や、父母の養育能力・経済能力、  行政の財政状況、福祉の現場のマンパワーの補充状況など、実に  多方面にわたる複雑な問題と絡んでいることを改めて実感した。  ご協力ありがとうございました。なお、来週月曜日には、  喜連川少年院、児童相談所、県の自動家庭課に行く予定。 ■7月23日(土) 11:00 小倉健次氏(元消防団副団長)受賞祝賀会