国会通信 No.675

  【新代表に前原誠司氏選出】

2005/9/18 (マンデーレポート675の要旨)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】新代表に前原氏選出。 【2】民主党の政治理念 【3】まだまだ議論が足りない。 【4】先週の主な活動 【5】全国の応援遊説報告 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】新代表に前原氏選出。 ●17日(土)の民主党両院議員総会で新代表に前原誠司氏が選出された。  衆参190人が投票、菅直人94票、前原誠司96票の僅差であった。 ●私自身は菅氏に投票した。その理由はいかの通りである。  1 政権誕生直後の熱狂をさらに上回る絶頂期の小泉氏と切り結ぶのは    手練(テダ)れの菅さんの方が上手だと考える。  2 トロイカ(=菅代表、鳩山代表代行、小沢幹事長)プラス若手の    総力戦体制を作るのがもっとも強力な布陣である。  3 前原氏はポスト小泉にぶつける切り札として温存しておきたい。 ●両者は、選考会場の東京プリンスホテルで現職、前職国会議員の前で  2度にわたって演説した。  内容的には、菅さんのほうが私にはしっくり来るものがあった。  特に自民党に対する対抗軸の必要性を深く認識している点で  前原氏よりも強い共感を覚えた。 ●「代表選立候補に当たって」と題する菅さんのペーパーから、この対抗軸に  触れた部分をそのまま引用すると下記の通りである。 《 自民党が小泉首相のもと「強者の自由主義」、   つまり「ホリエモンかホームレスか」に純化されつつある。   これに対して民主党も政治理念を明確化する必要がある。》 《 私は、政治の目的は不幸になる人を最小化する「最小不幸社会」の   実現にあると考えてきた。これはイギリス労働党が掲げた「第三の道」   とも共通する理念である。》    (菅さんの「最小不幸社会」論については 下記【2】に詳述。) ●小泉首相の純化路線は、民主党にとっても歓迎すべきことである。  かつての自民党の猥雑さが、ようやくすっきりとしてきた。  すなわち、小泉首相は、道路公団、郵政と立て続けに民営化することで、  市場原理を優先すべき立場を明確にしてきた。  すなわち自民党の政治理念は、基本的にはレーガンやサッチャーと  同様の新保守主義に立つことを明らかにしたといえる。 ●これに対して民主党がどうするかが問われたのが、じつは今回の選挙の  最大の意義であった。しかし、そのことに対して明確な答えをだせぬまま、  漫然と選挙を迎えてしまった。ここにも大きな敗因の一つがある。 ●両者ともこの点を意識しているようだが、菅さんのほうがより認識が深  かったように感じた。ただ演説の勢いは明らかに前原氏のほうにあった。  菅さんにはためらいがあった。菅さんには疲れも感じた。  そして、戦う意欲において前原氏が一歩ぬきんでた。  それが決めかねていた党内無党派の議員の心をつかんだのだろう。   ●いづれにしても伯仲の結果でよかったと思う。民主党はトップリーダーに  40代の新進気鋭を選んだ。そして同時に熟練の菅さんにも最大の評価を示した。  それは、リーダーを若手としつつも、強力な全党体制をとるように求めたことを  意味しているのである。 【2】 民主党の政治理念 1 「最小不幸社会」という表現は、、、、? ●小泉首相の「強い自由主義」に対し、民主党がイギリス労働党的な「第三の道」を  とるべきであるとの菅さんの指摘は、まったく同感である。  ただし菅さんの「最小不幸社会」という表現には少し違和感がある。 ●「最小不幸社会」については、  政治的なメッセージとしてはあまり上手な表現ではない。  内容的に分かりづらいし。理屈っぽい。そして後ろ向きな暗い印象を与える。  菅さんのこの考え方をさらに広めるためには、もう少し別な表現を考えるべきで  はないか。   2 「結果」の平等と「機会」の平等 ●ところで、イギリスのブレア政権になって、サッチャー政権の自由主義を乗り越える  ために提示されたのが「第三の道」という考え方。しかし、ブレア自身もこのことにつ  いてきちんとした定義をしていないのが残念。 ●要するに、かつての社会主義あるいは社会民主主義のように、各人の社会活動の「結  果の平等」までは保障できないが、「機会の平等」は保障するといった考え方と私は理  解している。 ●すなわち、人生のゴールラインでの結末は自分の努力の結果であり自己責任。しかし  スタートラインでの不平等はできるだけ少なくするといった考え方である。また社会に  おいて失敗した際も安心できるバックアップ体制(=年金や医療等の最低限保障)はし  っかりと強化しておくということだと思う。 3 ぬくもりのある競争社会  ●以上の考え方では菅さんも前原氏も一致している。上記演説では菅さんは「最小不幸  社会」といい、前原氏は「ヒトに温かみのある社会」と表現していた。私自身は、選挙  中の演説では「ぬくもりのある社会」とか「ヒトに優しい社会」などと表現していた。  ちなみにイギリスでは「顔の見える資本主義」と表現されることが多い。 ●アメリカの経済社会のような、むき出しの自由競争は必ず「光と影」を生み出す。  「影」は加速度的に深まりニューオルリンズの惨状にいたる。かつて旧民主党立ち上げ  のときに議論したがその後の民主党拡大の過程で深化できず今日に至っている。  原点に戻っての議論を行うべきである。    【3】まだまだ足りない。 ●選挙戦の敗北を受け、15日の両院議員総会では3時間半、発言者延べ80人余の  大議論が行われた。最初から最後まで多くの皆さんの真剣な議論に聞き入った。 ●私も発言した。その要点は以下の通り。 1 政権交代を訴えながら、その結果実現すべき社会像が明示されていない。   結果として政権交代が自己目的化し、ついには陳腐化した。民主党に政権を   任せたらどんな社会を作ろうとしているのかをしっかりと議論するしかない。   そしてできるだけ、シンプルにしてクリアなメッセージを国民に送るべきである。 2 敗北の原因は、小泉首相の郵政民営化というきわめて明確な争点提起に対して   打ち返しできなかったことに尽きる。しかも、その戦略は民主党のもつ本質的な   欠陥をずばり突いてきたものと理解すべきである。すなわち党内の新保守主義と、   社会民主主義の裂け目に狙い済まして打ち込まれた。小泉自民党になって自民党の    新保守主義路線がかなり明確になった。これに対するわが党の対抗軸をどうする  か   、根底的な議論をすべきである。その他にも外交、安保、上の憲法の重大な基本 的な   論点で混乱が放置されている。これをこのままにすれば、同様のパターンで再 び自民   党にやられるだろう。 3 「小さな政府」論は、その裏側で「大きな個人負担」を前提とする。民主党とし     て、これでよいのかどうかもっと緻密な議論をすべきである。 4 「日本をあきらめない」というコピーは意味不明、消極的。   敗因の大きな原因となった。いづれにしても戦いの土俵作りで負けていた。 ●この日の議論を受けて急遽17日の午前に小選挙区総支部長も交えての懇談会が  急遽セットされた。捲土重来を期す多くの前職が集まった。私は発言せずひたすら  皆さんの発言を聞いた。参考になる貴重な意見がとても多かった。 ●2、3紹介する。 1 民主党が改革を専売特許にする時代は終わったのではないか。   癒着の構造を小泉自身がぶち壊していると国民は理解している。   今までのような発想ではだめ。改革の結果を自民党とどのように   差別化していくかが問われている。 2 小泉マジックは独創的でもなんでもない。有名な政治的な前例がある。   1918年のイギリス首相ロイドジョージによる「クーポン選挙」がそれである。   「党が私を拒むなら、私を支持する党員だけで解散に打ってでる。」として   政党の活動歴ゼロの候補者にも公認証(配給券の意味をもつクーポンと   名づけられた)を付与。反対者の対抗馬として擁立した。彼が、総選挙に   勝つためにとった戦略は二つ。選挙を最高の「見世物」として    ショーアップすること。もうひとつはドイツ懲罰路線を打ち出し外の「敵」   と対決する姿勢を強調すること。(文芸春秋10月号中西輝政より  ●民主党内には、新保守主義者と社会民主主義者が混在している。  そして政権交代を声高に叫びながら、この内部矛盾を放置してきた。  懸命な混乱解消の努力をしてこなかった。そのツケが今回の惨敗である。  放置してきた基本理念の混乱は、これにとどまらない。外交、安全保障、  憲法、、、などまだまだ将来の敗北の種は尽きない。  徹底したブレーンストーミングをしない限りまた失敗は繰り返す。  まだまだ足りない。まだまだ不十分だ。 【4】先週の主な活動 ■9月12日(月) 07:00 宇都宮中央卸売市場 挨拶まわり。 ★当選落選にかかわらず選挙の翌日には必ず挨拶に行くと約束してから  欠かさず訪問してきた。昨夜は、県内5選挙区を駆け回ったが、栃木4区の  山岡事務所を出たのが午前3時半過ぎ。帰宅してマンデーレポート  674回のテキスト作成、そしてネット発信したのが午前5時半。  1時間弱の仮眠で市場を訪れた。斉藤秘書とともに水島さんに代わって  挨拶。きつかった。 08:15 第674回マンデーレポート ★定刻より若干遅れてスタート。JR西口、県庁前、東武の3箇所を回り、  完了したのが9時半近く。5区の候補者だった富岡君もかけつけ一緒に訴えた。 09:30 即席の記者懇談会 ★取材に来ていただいた記者の皆さんと即席の記者懇談会。  オリオン通りのロッテリアの2階。  ハンバーガーとコーヒーがうまかった。  事務所の打ち合わせ後 情報収集のために上京。 ■9月13日(火) 14:00 鳩山さんの十全ビル事務所で、打ち合わせ。     小沢(鋭)、松野両衆議院議員も参加。小沢さんの動向がもうひとつ     はっきりしない。トロイカ(鳩・菅・小)プラス若手がベストといった     方向なのだが。 ■9月15日(木) 13:00 両院議員総会 17:00 次の内閣 閣議 17:30 議員総会 18:30 水島広子さんと会談 ■9月16日(金) 11:00 前原氏と電話でやり取り。 ★靖国の問題や経済政策について意見交換。小泉さんと切り結び  満身創痍になる、ポスト小泉への対抗馬として傷をつけたくないと  率直に話しをした。それに対し彼は「小泉さんにはまったく恐れを  感じていない。予算委員会でも激しいやり取りを経験している。  恐れがあれば出馬することもなかった」と淡々と述べた。  その意気込みや良し。爽快なやり取りだった。 ■9月17日(土) 10:30 両院議員・衆院小選挙区総支部長懇談会 13:30 代表候補者立会演説会 15:00 両院議員総会 19:00 佐藤貞夫弁護士夫人急逝。弔問。 ■9月18日(日) 10:30 佐藤家葬儀 参列。 ★司法修習で本当にお世話になりました。夫人の紹介してくれた合唱団で  妻とも知り合うことができました。心からご冥福をお祈りします。 11:00 宇都宮トランポリンクラブ30周年記念式典・レセプション 12:00 新代表選出報告の街宣。(二荒山神社前)    (第675回マンデーレポート) 【5】全国遊説の報告 ★今回は民主党の法務部門の責任者として、法務委員会のメンバーを中心に  札幌から熊本まで、栃木県外23名の国会議員を応援する遊説活動を展開しました。  以下はその記録です。 ★応援にいった23名のうち当選したのは8名のみ。  政治家としてのすばらしい能力も精神も持ち合わせた仲間が落選しました。  本当に残念です。 ■8月12日(金) 19:00 津川祥吾(静岡2区)後援会総会 ■8月21日(日) 12:00 細川律夫(埼玉3区)応援 16:00 五十嵐文彦(埼玉9区)応援 ■8月22日(月) 13:00 鮫島宗明(東京10区)応援 16:00 加藤公一(東京20区)応援 ■8月23日(火) 10:00 松本大輔(広島2区)応援 16:00 中野寛成(大阪8区)応援 ■8月24日(水) 09:00 伴野豊(愛知8区)応援 ■8月25日(木) 09:30 小沢さきひと(山梨1区)応援 ■8月26日(金) 11:00 はかりや圭宏(神奈川10区)応援 ■8月27日(土) 15:30 松野信夫(熊本2区)応援 ■8月28日(日) 09:40 山内おさむ(鳥取2区)応援 ■9月1日(木) 13:00 鳩山由紀夫(北海道9区)応援 ■9月2日(金) 08:00 小林千代美(北海道5区)応援 15:00 伴野豊(愛知8区)応援 ■9月3日(土) 11:00 大畠あきひろ(茨城5区)応援 15:00 海江田万里(東京1区)応援 18:30 山花いくお(東京22区)個人演説会2箇所 ■9月5日(月) 08:00 樽井良和(大阪16区)応援 10:30 辻惠(大阪3区)応援 ■9月6日(火) 14:00 田嶋要(千葉1区)応援 19:00 津川祥吾(静岡2区)個人演説会2箇所 ■9月7日(水) 08:30 齋藤つよし(神奈川11区)応援 15:30 佐藤謙一郎(神奈川1区)応援 ■9月9日(金) 16:00 枝野幸男(埼玉5区)駅頭演説