国会通信 No.681
【共謀罪法案 継続に / 追悼 後藤田先生】
2005/11/7 (マンデーレポート681の要旨)
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【1】共謀罪法案 継続に。
【2】追悼 後藤田先生。
【3】先週の主な活動
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【1】 共謀罪法案 継続に。
(1) 今国会での共謀罪法案の審議状況。
●11月1日で第163特別国会が終了した。共謀罪の創設を含む
「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための
刑法等の一部を改正する法律案」は、衆議院において継続審議となった。
●昨年10月 民主党のネクスト法務大臣に就任以来、私にとっての
最大の課題は、共謀罪法案の成立阻止にあったことは言うまでもない。
第162通常国会における民主党の法務部門の一貫した基本姿勢は
「共謀罪廃案シフト」であった。同法案の審議順序を最後に持ってくるなど、
実質審議に入るのをできるだけ遅らせ、結果として解散によって廃案に
もっていくことが出来たのである。成立阻止の所期どおりの結果を得て、
ほっと胸をなでおろしていた。
●しかし、それもつかの間、与党は再び選挙後の特別国会に共謀罪法案
を提出してきた。刑法の全体像を変えてしまう法案なのに、首班指名を
中心とした特別国会に提出してくるのは筋違いなのに、ごり押ししてきた。
さらに通常は1週間程度の短期間が特別国会の通例なのに、40日を
超える異例の長さ。力押しで来られたら、きついなーなどと予感でき、
再び共謀罪をめぐる緊張感が一挙に高まった。
●しかも選挙では自民党圧勝。衆議院の法務委員の数で見ると、
かつての委員13名が7名に半減。理事3名が1名に。
委員会の行方を決めるのは理事会。そこでは、自6公1の7名対
野党は民主党1名のみ。新理事となった平岡氏は7:1の圧倒的
劣勢の中でよくがんばってくれたと思う。
●参議院は、戦いの主戦場ではなかったが、衆議院から送付されても
審議の隙間がない状況を作る出すことに腐心した。いわば衆議院に
対する後方支援であった。
●結果として、なんとか衆議院段階で継続にとどめることができた。
しかし、与野党の実質審議も行われ、参考人質疑も終わるなどと
じわじわと外堀は埋められつつある。強行採決の荒業には出なかった
ものの、数に任せた圧力は相当高まっている。次期国会こそ、本当の
正念場となろう。
(2) 共謀罪法案の内容。
●いわゆる「共謀罪」法案とは、
国際マフィアによる麻薬や銃器の密輸取り締まりを主目的とする
「国境を越えた組織犯罪の防止に関する条約」が締結され、その
条約に基づく国内法整備の結果として、「長期4年以上の刑を定める犯罪」
について、「団体の活動として」「当該行為を実行するための組織により
行われるもの」の「遂行を共謀した者」を処罰するための法案である。
●日本の刑法の大原則はよく「行為主義」と言われる。意思が行為として
外に現れたときに始めて処罰する。考えただけでは処罰されない。
実行に移して初めて処罰の対象となる。これが行為主義の大原則である。
「共謀」とは、共に犯罪の謀議をすることであり、簡単に言えば犯行の
相談である。もし相談だけで処罰されると言うことになれば、犯行に
着手することがなくても処罰することになるので、刑法の行為主義は
根本から変更されることになる。
(3)共謀罪法案の「怖さ」
1)対象犯罪が多すぎる。
●まず適用対象となる犯罪の数の多さである。
新聞等では、この法案を説明する際の枕ことばとして、テロ対策の目的で、
一定の重大な犯罪に関して「共謀」しただけでも処罰できるようにする
等々の説明がされる場合が多い。しかし、この報道は大きな誤解を生み出す
恐れがあってよろしくない。
●実は例外的な重大犯罪どころではない。
刑法典から特別法に定められた犯罪(たとえば酒税法違反、証取法違反、
公選法違反etc)まで含めると膨大な数の犯罪に及ぶのである。
●日本の刑罰規定の特色として「法定刑の幅の広さ」が挙げられるが、
このため「長期4年以上の犯罪」となるとその数はやたら多いのである。
ある市民団体が詳細にチエックしたらこの条約に該当する犯罪は、
傷害罪、監禁罪、窃盗罪、詐欺罪、恐喝罪、背任罪、横領罪に始まり
分かっているだけでも619の犯罪に及ぶのである。
●現行刑法は行為主義の原則から、「実行の着手」の前の予備・陰謀の段階
で処罰される犯罪は、内乱・外患、殺人、強盗など限られた重大犯罪に
限定しているが、むしろこれを一般化することにつながってしまうのである。
2)人権の基礎が危うくなる。
「共謀」だけで罰されるということは、「意思」や「思想」を処罰する
ことに通じている。憲法19条の「思想・信条の自由」、21条1項
「表現の自由」、「集会・結社の自由」などの基本的人権に対する
重大な脅威となる。
3)盗聴行為がまかり通る。
この法案が通ると、捜査機関は「共謀」の事実を立証するために、
全力を挙げることになる。すなわち、具体的な犯罪捜査を対象とする
よりも、より一般的な情報収集、すなわち、会話、電話、電子メール
などのあらゆるコミュニケーションの内容を対象とすることになる。
そのために、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律の適用範囲の
拡大や、電子メールのリアルタイム傍受の合法化も予測され、
盗聴行為の積極的な拡大につながる。
4)密告社会を助長する。
法案には、謀議に加わったものが自首した場合の減免規定が置かれている。
これは、スパイや陥れを奨励したり、おとり捜査を助長させる。
(4)テロ対策の目的にそって法案の出しなおしを。
これら、条約およびその国内法化の目的は、テロ対策のはずである。
ここで言うところのテロとは何か。それは、国境を越えて犯罪を
他国に及ぼす、すなわち越境・組織犯罪がテロの本質のはずである。
その防止策として、国内法の大原則を根本から変えてしまうと言うのは
主客転倒もはなはだしい。目的と手段が逆転している。テロ対策という
大義名分で、警察機関が市民社会の隅々までチエックできるような体制
を作ってしまえば、やがてこの日本社会は窒息死するだろう。
法案の根本から見直すべきである。
犯罪団体に限定するとか、越境的犯罪に限定するとか、意思が顕在化した
ときに限定するとか、その適用範囲を大幅に限定しなければならない。
また、「長期4年以上」という広い対象も限定すべきである。法案の
問題点をすべて列挙しながら、巨大与党と真っ向からぶつかっていく。
野放図に思想が処罰されるような社会を作っては絶対にならない。
【2】後藤田先生を追悼して、、、。
●10月31日(月)14:00
ホテルニューオータニで開催された、後藤田正晴先生の「お別れの会」に
出席した。
●後藤田先生に心酔していた筑紫哲也氏が司会をし、まず亡くなるまで
この国の将来に対して謦咳を発し続けた後藤田先生のビデオが流れた。
そして中曽根元総理、河野衆院議長のお二人が追悼の言葉を述べられた。
●とくに河野衆議院議長のお別れの言葉には胸を打たれた。
小泉総理の靖国対応へ苦言を呈した河野議長。それを越権とする批判に
対して後藤田先生が激励してくれたとのエピソードを披露。議長の目には
涙が光っていた。うれしくもあり、またありがたかったのだろう。
●「アジアの人々の戦争の記憶が薄れるまでは、9条には手をつけんほうが
良いと思ってるんだ。」憲法9条改正問題をどうお考えですかといった
私のぶしつけな質問に対して、こう答えていただいた後藤田先生の声が
今でも耳に響いている。
●中曽根内閣の官房長官時代、たったひとりで掃海艇派遣に反対した。
そのときの発言内容は実は周到に準備し、原稿用紙に箇条書きのメモを
していた。そのコピーを頂戴した。その際、先生のご署名も頂いた。
私の宝である。
●戸別訪問解禁には最後まで反対だった。日本人の国民性を懐疑的に見る
リアリストでもあった。日本の民主主義のもろさや危うさを常に懸念してもいた。
●田中元総理のことは、親しみをこめていつまでも「角さん」と呼んでいた。
敬愛の情をこめて「床柱の似合う人だな」と評していた。
後藤田先生の人物評は実に卓抜だった。
●政治の裏表を知悉しながらも、筋や正義を追い求めていた。
稀有な政治家であった。
●91年夏、自民党政治改革本部で、先生のカバンもちのようにして、
全国行脚した。あのときの先生の一言一言がとても勉強になった。
心から先生のご冥福をお祈りする。 合掌
【3】 先週の主な活動
■10月31日(月)
08:00 第680回マンデーレポート
09:30 栃木県教職員協議会:教育予算の国庫負担軽減問題について要請
14:00 後藤田正晴「お別れの会」出席 (上記【2】参照)
14:30 民主党憲法調査会拡大役員会
15:00 民主党憲法調査会総会
★2時間余の議論。のべ23名の発言の末、9条問題を含む憲法提言が
了承された。詳細については次回以降報告の予定。
18:00 水島広子総合選対解散式
■11月1日(火)
08:00 法務部門会議
09:30 議員総会
10:00 本会議
12:00 議員総会
12:00 北関東ブロック国会議員団会議
14:00 連合東京の遠藤幸男会長を訪問
■11月3日(木)
08:30 第41回宇都宮少年剣道大会開会式
■11月4日(金)
15:00 東京後援会の有志と迎賓館見学
18:00 国会コーラス愛好会練習
■11月5日(土)
10:00 栃木県高齢・退職者団体連合第12回定期総会
10:00 全たばこ宇都宮退職者の会定期大会
■11月6日(日)
10:00 立正佼成会宇都宮教会新道場上陳式・直会