国会通信 No.682

  【国立追悼施設だけでは不十分】

2005/11/14 (マンデーレポート682の要旨)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】国立追悼施設だけでは不十分。 【2】信頼関係再構築のための総合的な取り組みを。 【3】10年前のアクションプログラム。  【4】先週の主な活動 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】 国立追悼施設だけでは不十分。 ●「国立追悼施設を考える会」 が9日に発足した。当日は、  所用あって出席できず、秘書の代理出席だったが私も入会した。 ●参加者は自民、公明、民主の三党にまたがっており、会長は自民党の  山崎拓衆議院議員に決定した。民主党からは鳩山幹事長や  江田参議院議員会長も参加している。 ●冒頭山崎会長は「国立追悼施設は、無宗教の施設であることと、  (靖国神社など)既存の施設と両立できる、という二つの大前提がある。」  ことにあえて触れたが、靖国問題に対する周辺国の反発を回避するための  狙いがあることは言うまでもない。 ●また、当日、いわゆる「麻垣康三」といわれた小泉後継候補から  離脱した福田康夫元官房長官が勉強会で講師を務めたことなどから、  この会の趣旨を反小泉の流れに位置づけようとする向きがあるが、  それはちょっと短絡かつ強引ではないだろうか。 ●むしろ、老獪な自民党手法であり、中国・韓国との関係悪化を懸念する  財界向けに小泉・安倍ラインとは別の選択肢を作っておこうといった  ところだと思う。 ●私としては、国立追悼施設を建設することのみでは、アジアとの信頼醸成は  いささか不十分であると考えている。しかし、一定の前進であると考えて、  入会することとした。 ●なお一言付け加えると、「無宗教」という新聞等の報道はあまりいただけない。  なぜかと言えば、戦争犠牲者への「追悼」自体、死者へささげられる祈りであり、  それはまさに宗教的な感情である。正しくは「特定の宗教形式によらない」と  言うべきであろう。 【2】信頼関係再構築のための総合的な取り組みを。 ●いま、靖国問題についての小泉総理の対応の結果として、  中国・韓国との関係は戦後最悪の状態に至っている。そんな状況だからこそ、  いったん下火になっていた、国立追悼施設の建設話しが再び急浮上してきた。  とするなら、これに加えて、もっと積極的な取り組みをしたらどうかと考える。  それは、周辺国との信頼関係を再構築するための集約的な取り組みを  徹底して行ったらどうかと言うことである。  ●そのように考えるのは以下のような事情があるからである。  1 中国・韓国以外の国でも、日本の戦後保障を再検証しようという動きが   出てきている。強制労働に対する補償や、遺骨返還問題など、   他国から言われてからアクションを起こすのは最悪である。 2 日本人に対する戦後補償の不十分性も問われている。   たとえばシベリア抑留者、国家的に棄民状況に置かれた旧満州邦人、   旧軍人の遺骨収集問題など、未解決の問題はここにもある。   ●戦後60年たってもわが国は戦争の歴史の桎梏を乗り越えられずにいる。  その結果として、今後も政治・経済・社会面で様々な危機がわが国を襲うだろう。  これを総称して歴史リスクと言うべきである。 ●「歴史リスク」という新しい言葉を提起したのはドイツ在住のジャーナリストの  熊谷徹さん。詳しくは中央公論の9月号の熊谷論文  「『歴史リスク』と戦うドイツ・放置する日本」をお読みいただきたい。 ●この観点から見ると、わが国には、いまもって、歴史リスクを乗り越えて  未来に向かう国家戦略が確立されていないと言うべきであろう。 ●外務省の悲願は国連常任理事国入りだそうだが、支持と理解が不可欠の  周辺国に対し、靖国問題を通じて反対の火に油を注ぐ。これでは、  常任理事国になれるわけがない。 ●もちろん、中国や韓国が、靖国参拝を止めれば、賛成にまわってくれるなどと  安易に考えているわけではない。行こうが行くまいが基本的には反対するに  決まっている。要は、外交的な手段を尽くして反対しづらい国際的な環境を  作り出すことである。それが「外交」の本質ではないか。わが国がこのような  戦略なき外交を続ける限り、さらに孤立化を深めていくことは見えている。 ●そこで、むしろ、中国・韓国との政治面での関係が戦後最悪といわれる  この時期にこそ、歴史リスクを乗り越え、日本に対する持続的な信頼を醸成  していく総合的なプログラムを構想すべきであると考える。  だから国立追悼施設だけでは不十分なのである。 【3】 10年前の簗瀬私案 ●いまはどうなったか知らないが、かつて自民党の内部には、  「自民党総研」という名前の「党内シンクタンク」が存在した。  一流企業の優秀な若手社員が出向し、さまざまなテーマで研究活動を行っていた。  党内の政調機関とは一線を画していたので、党内の正式な意思決定から  多少外れたようなテーマでも認められた。そこで、私が提案して持ち出したのが  「95年アクションプログラム」小委員会だった。小委員長として、93年の  離党直前までこのテーマを追い続けたが、その成果をベースにして94年ころまでに  まとめたのが以下に掲載する私案である。 ●この私案が、上記の信頼関係再構築のための総合的な取り組みを検討する  ベースになればと願って以下に掲載する。なお当たり前のことだが、信頼関係が  不十分な状態が続く限りこのプログラム樹立の必要性は存在し続ける。  「95年」は「05年」に引継がれ、そして「2015年」に繋がっていくのである。    95年アクションプログラムについての簗瀬私案 □ 提言! 95年アクションプログラム 1995年は,日本にとって大きな歴史的意義を持つ年である。 ┌───────────────────────────┐ │ 太平洋戦争 終結   50年  │ │ 人類に初めて原始爆弾が投下されてから   50年  │ │ 国際連合が発足してから  50年  │ │ 核拡散防止条約(NPT)発足  25年  │ │ 日韓国交正常化       30年  │ └───────────────────────────┘ この年を契機に,過去をふりかえりながら未来を展望する大きなアクションを起こすべ きである。 □ 95年アクションプログラムの意味 @信頼関係はすべての外交関係の基礎である。残念ながら,  日本においては,第二次大戦の因果関係を冷静に分析したうえでの,  理性的な反省が未だ不十分である。  そのため,今もって諸外国特にアジアとの間での根本的な信頼関係が  確立されていない。  95年をこの信頼関係確立のスタートの年にすべきである。 A「寝た子を起こしたくない」と思っていても,相手から起こされる。  そのときのあわてぶりほどみっともないものはない。むしろ,こちらから基本的な準備  を整えて置くべきである。  B日本人は,過去の歴史についての自信を回復出来ずにいる。自己不信の念に  因われているうちは,新たな未来を創造することは出来ない。過去の歴史を冷静に  ふりかえる中で,初めて主体的に自己決定する力が湧いてくる。 C「政治改革」・「民主主義」・「行政改革」などの現代のテーマは,戦前の日本が  抱えていた病理的問題とかなり共通点を持っている。過去を分析することで,  現在の問題を解決できる有益な示唆が与えられる。 □ アクションプログラムの内容 (1)「平和のための世界サミット」の開催   戦後50周年に当り,世界平和,軍縮,核廃絶,武器禁を目的とした   「平和のための世界サミット」を日本で開催するよう提唱する。 (2)国会に「1995年特別委員会」を設置する。   この特別委員会において,1995年8月15日に全世界にむけて発信する   「平和メッセージ」を起草する。メッセージを発信すること自体よりも,   メッセージが創られる過程及び,その間の国民的論議を重視する。   (3)「平和憲章」を制定する。   戦争の反省と,未来の平和の創造の決意を宣言した「平和憲章」を制定する。   形式は,国民の多くが参加できるよう国会を越えて制定されるようにするのが望ましい。 (4)「歴史再発見の共同作業」を開始する。 @戦争の歴史についての関係当事国相互の歴史認識のスリあわせのために,  例えば,ドイツの「歴史研究所」をモデルにしたような第3セクター的な機関を創り,  戦争の歴史についての共同研究を大規模に開始する。 A教育や,学者の研究等における共同作業をバックアップする。  NGO的なとり組が望ましい。 B「戦争と平和資料館」を国内外に建設する。 (5) 「戦後補償のための基金」創設   西ドイツの個人賠償総額は560億ドル,これに比較して日本はたった20億ドル。   あまりにも少なすぎる。受身ではない,自主的な補償を行う。その運用は,   関係当事国の民間の代表者からなる,基金運営委員会に委ねる。 (6) 各種記念事業の実施   例えば,「平和のための日中友好病院」の建設。   戦争こそ最大の環境破壊であり,地球環境問題のためのメモリアル事業を行う。 【4】 先週の主な活動 ■11月7日(月) 08:00 第681回マンデーレポート 14:00 民主党平成19年度参議院選挙対策チーム ★渡辺秀央座長を中心に次期参議院選挙についての  対策チームが結成され、私もメンバーの一員となった。 17:30 連合栃木「パート月間・不払い残業撲滅月間」街頭行動。 (JR宇都宮駅西口) 18:00 民主党栃木県連三役会議 19:00 民主党栃木県連第6回幹事会 ■11月8日(火) 10:00 栃木県職員労働組合第81回定期大会 (県民センター小ホール) ★県連代表として挨拶。 ■11月9日(水) 11:00 国立追悼施設を考える会が発足。 (上記【1】【2】【3】参照)  18:00 国会コーラス愛好会練習。 ■11月10日(木) 17:15 公務公共サービス労働組合協議会について 山本事務局長と打ち合わせ。 18:00 国会コーラス愛好会練習。 ★14日の本番前の最終練習が終わった。  とにかく忙しい皆さんばかり。練習に出たくても(?)出られない人ばかり。  本番は綱渡りになりそう。冷汗の連続も本日で終了。ほっとした。  同時に夫婦ともども風邪を引いてしまった。なんとか本番までに直さねば。  とにかく、無報酬で練習の先頭に立ち、毎回ご指導いただいた  岡村喬生先生と西脇さんはじめボニージャックスの皆さんに  心から感謝したい。ご成婚祝いの「越天楽」がなんとかハモれますように。 ■11月11日(金) 13:00 連合栃木第9回定期大会 (宇都宮市) ★県連代表として挨拶。  自民党の基本戦略が「3つの分断策」にあると指摘。  それに負けない緻密な論理構築の必要性を訴えた。  ちなみに「3つの分断策」とは  1 民主党と連合の「分断」。  2 連合と未組織労働者の「分断」。  3 連合内の官公労と民間労組の「分断」。 16:00 NTT労働組合東北総支部にて講演。(仙台市) ★憲法改正についての民主党の取り組み状況を中心に講演。 ■11月13日(日) 15:30 JEC連合栃木協議会 第4回定期総会 で 県連代表として挨拶。 (小山市勤労者センター)