国会通信 No.685

  【多難な船出 前原新体制】

2005/12/19 (マンデーレポート685の要旨)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】多難な船出、前原新体制。 【2】前原流「第三の道」。 【3】富岡・小林 両君の第2次公認 確定的に。 【4】先端医学の巨人 新井賢一氏。 【5】電子政治の遅れをとりもどそう。 【6】先週の主な活動 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】 多難な船出、前原新体制。 ●12月16、17の両日に都内のホテルで民主党の定期大会が開催された。  第1日目の全代議員大会では、前原代表の米国、中国での直前の発言  (集団的自衛権を容認する方向性の示唆、中国の「現実的脅威」ほか)について  批判が集中した。 ●代表個人も、もちろん一人の国会議員であり、党の見解と異なる意見を持っても、  おかしくない。しかし、発言の時と場所は心得ていてほしいものだし、代表としての  リーダーシップの在りようについてももっと着実であってほしい。 ●党内に論争を提起する姿勢を評価する論調もあるかもしれないが、それなら  発言はもっと抑制的かつ謙虚であるべきだ。自分の結論を正しいと前提して、  党内議論をその方向に近づけたいと考えるなら、それは独善以外の何者でもない。 ●特に、中国首脳との会談が実現できなかったのは残念の一語に尽きる。  かつて新党さきがけの武村さんや民主党代表時代の鳩山さんが、江沢民主席と  会談をもった際、私も陪席した経験があった。その際大変勉強になったのは、  両氏とも、大変微妙な言い回しを駆使しながら、核の問題や領土問題そして  軍備増強問題についての懸念などを迫っていったことだった。 ●もちろん率直な対話は必要であろう。しかし、センシティブな事柄については、  細心にして洗練された表現が重要となる。今回、直後の中国訪問が分かって  いながら、事前のアメリカで脅威論を語ってくるなど、外交的な配慮がなさすぎた。   ●小泉首相の硬直的な姿勢が、アセアン+3で浮き彫りにされた直後であり、  民主党の野党外交に対するそれなりの期待があったにもかかわらず、絶好の  機会を活かせなかったのはとても残念である。 【2】前原流「第三の道」。 ●前原代表の、安全保障や憲法についての考え方には、私自身かなり  異論があるが、内政面についての考え方は評価したい。一部マスコミは  彼の発言を、前原流「第三の道」などと紹介したが、市場原理主義を  批判的に見ながら、「お金ではなく心でつながる社会」を、民主党の  目指すべき社会像として提起した点は、おおいに賛成できる。 ●民主党が衆議院選挙で敗北した最大の原因は何か。それは、  民主党の目指すべき社会像が明瞭でないことに尽きる。 ●政権をとったうえで民主党はどんな社会を作りたいのか。  これについての明瞭なイメージが国民には描けない。これが、  いい加減な「小さな政府論」に押しまくられた最大の原因である。 ●私はこのことを、しつこく前原代表には訴えてきた。選挙直後の  代議員大会、参議院の議員総会、そして今大会の直前の両院議員総会。  目の前に前原代表がいるときには必ず挙手をし、このことを訴え  続けてきた。その、それなりの答えが示された思いがした。 ●彼は、このことに最大の力点を置き、また代表挨拶のなかで  最大の時間配分をとった。マスコミは、多く外交・安全保障や大連立についての  批判続出に報道の力点を置いていたが、彼自身としては民主党の  目指すべき社会についての発言部分こそ、もっとも評価されたかった  ポイントではないだろうか。 ●私の個人的な関心をひいた前原発言は以下の通りである。  1 小泉改革は、わが国の社会を二極化し、豊かで厚い中間層を消滅しつつある。  2 小泉民営化路線は、本来「官」が行うべき分野を無定見に放棄しつつ、    また「民営化」も「民」の論理を徹底せず、多くの弊害をもたらした。    例 耐震強度偽装問題  3 民主党が目指すべき政府は、「公正で誠実な政府」である。  4 「大きい」「小さい」の無意味な競争を与党とするつもりはない。  5 行政からムダを取り除くのは、当然の大前提。   6 社会全体が安心できるセーフティーネットを持つべきである。  7 セーフティーネットとして、「官」が担うべきもの、「民」が担うべきものの    両面を追求すべきである。  8 「官」には効率化、「民」には公共性を、それぞれ求めるべきである。  9 徹底して無駄を省きつつ、「官」の役割を再確認すべきである。 10 表面的な効率化でもだめ。また、短絡的な民営化でもだめ。 11 「お金」ではなく、心でつながる社会をめざしたい。 ●とにかく、小泉改革の基本は、いわゆる市場原理主義者の考え方。  自由競争に任せておけば市場は「見えざる手」がかならず良い方向に  導いてくれると妄信している。しかし、それは元祖のアメリカでも  否定されつつある考え方なのである。 ●そもそもこの考え方は、経済的な判断をする基礎になる  「情報」が完全に把握されており、それに従って市場の関係者が  合理的な判断を行うことを前提にしている。しかし、そんな前提は  実際にはありえない。完全な市場など全くの幻想なのである。 ●インサイダー取引の存在で明らかなように、そもそも情報は  不平等。「根拠なき熱狂」という言葉通り、合理的な判断のほうがむしろ  レアケース。公益と私益が混乱し、エンロン破綻で明らかなように、  模範的と思われた会計制度もじつはかなり薄っぺら。ニューオル  リーンズの惨状こそ、アメリカ社会の失敗を象徴している。 ●あえて言おう、衆議院選挙での勝利は、自民党を市場原理主義の  方向に完全に寄せてくれた。これは不幸中の幸いである。アメリカで  破綻しつつあるこの路線に、自民党はしっかりと乗ってくれたのである。  民主党は、自民党に対する対抗軸をこの点にきっちりと定めるべきである。 ●姉歯問題はいい加減な民営化の問題点をしっかりと見せてくれた。  また、国民は、すばやい証人喚問の背景に「臭いものにふた」の気配を  感じている。業界と自民党との癒着の公図が再び浮かび上がってきた。  そして、不十分な行革のままでの大増税。民主党の反転構成の機会が  すこしづつ見えてきた。多難な船出の前原体制だが、しっかりと  党内論議を深めながら、反転攻勢をかけるべきである。 【3】 富岡・小林 両君の第2次公認 確定的に。 ●17日の連合わたらせ地協の結成総会に出席中、栃木3、5区の立候補予定者  である「富岡よしただ」さん、「小林たかし」さんから、あいついで連絡が入った。  定期大会終了後、両君とも安住選対委員長と最終面接し、それぞれ20日  開催予定の党本部常任幹事会で公認決定する予定との内示を受けたとのこと。  二人の喜びの声が、携帯から元気よく響いてきた。おめでとう。 ●大敗北の後を受け、前職元職には年齢制限(衆 65歳)を設けるなど  厳しい選考が行われていたが、二人同時の第2次公認決定は県連としても  喜びの限りである。両君とも惜敗率は47%、43%と50%に達しなかったが、  分厚い自民支持層と小泉旋風を前にしながら、1ヶ月という超短期間で  善戦したことへの評価だったと思う。 ●すでに富岡君は三輪バイクを遊説仕様に改造し意欲満々。また小林君も  ベンチャー企業家のキャリアを活かし「商魂塾」を中心にした運動を開始。  二人の若い情熱は私にまでエネルギーを与えてくれている。自民王国と  いわれる栃木に風穴を開けるのは富岡・小林の二人だ。 ●公認が決まり、腰も座った。県連としてもこの二人の逸材をしっかりと  組み入れた新たな活動計画を作らなければならない。  がんばれ、富岡よしただ・小林たかし。 【4】先端医学の巨人 新井賢一氏。 ●12月15日(木)、大畠衆議院議員とともに 東大名誉教授の  新井賢一氏をヒアリングした。知財トップヒアリングの第1回目。 ●新井先生はゲノム研究そして先端医学の第1人者。   東大を退官してさらに自由にパワーアップ。小泉首相のみならず  韓国、中国、シンガポール、マレーシアなど各国リーダーの私的な  アドバイザーも勤めているとの話。お会いするたびに先生のスケールの  大きさには度肝を抜かれる。ゲノム研究の最前線はアメリカから完全に  シンガポールに移りつつあるといった話、ブッシュジュニアの宗教観から  アメリカでの遺伝子研究が足踏みしつつあるといった話、治験に対する  体制の如何が今後のポイントといった話、そしてSE細胞のクローンの話など  盛りだくさんの最新知識をたっぷりと教えてくれた。 ●この翌日に、ソウル大学黄(フアン)教授のSE細胞偽造疑惑が報道され、  さらにビックリ。新井先生はソウル大学にも研究室を持っている。  さぞかし取材攻勢にあっているのではと想像。 【5】電子政治の遅れをとりもどそう。 ●12月17日(土)12:00 民主党定期大会閉会直後に開催された  民主党インターネット選挙活動調査会第1回会議に出席。 ●アメリカや韓国ではネットワークでの政治的な活動は自由。  ネットを制するものは選挙を制する、といった状況です。  ところが日本の公選法は、いまもって「文書・図画」の活動制限に  ホームページやブログをひっかけています。だから選挙期間中の  政党ホームページの更新は、、できません。  ちなみに「図画」をどう読むかご存知ですか。答えは「トガ」。  ネット社会とのすごい違和感を感じますよね。   ●ところで、日本で最初の政治的ブログを解説したのは誰でしょう。  実は、私だそうです。95年夏、堂本参議院議員(現千葉県知事)と  私がよびかけて作ったFNETDというニフティのフォーラム。  これが日本で最初の政治ブログだそうです。 ●私が全く意識していなかったこのことを教えてくれたのが、  上記調査会の座長に就任した鈴木寛参議院議員。  そういえば彼はそのころ慶応大学の新進教授。  藤沢市を中心にした行政の電子化やネットを通じた市民との対話など  画期的な取り組みの仕掛け人は彼です。彼の口から久しぶりに  「ネチズン」(=ネットワークとシチズン・市民の合成造語)という  懐かしい響きを聞きました。理想的な電子社会を作ろうと燃えていた  あのころを思い出し、ちょっとうれしかったです。 ●私は、新党さきがけのインターネット局長として、日本で最初の  政党ホームページを作たりしたのですが、残念ながら、着手は早かった  のですが、いざやり始めると資金力と霞ヶ関を持っている与党のほうが  迫力は上。いつのまにか電子政治のお株は自民党に。   ●しかし、ずばり言ってしまうと、自民党はネット社会の本質が分かっちゃ  いませんよ。ホームページの選挙期間中の更新を認める程度が関の山。  公選法を改正して、ネット政治を解禁するなどいいながら、肝心な  情報発信の点は認めようとしません。ネット社会の本質が、双方向の  情報発信にあることなど全く分かっちゃいません。ここでもしっかりと  反転攻勢をかけましょう。 【6】先週の主な活動 ■12月12日(月) 18:30 小林たかし総合選対解散式 ■12月13日(火) 13:00 民主党公務労働政策議員懇談会役員会 ■12月14日(水) 11:00 民主党平成19年度参議院選挙対策チーム 16:30 民主党第4回公務員制度改革等調査会 18:30 佐々木毅先生紫綬褒章受章のお祝い会 ■12月15日(木) 10:30 知的財産戦略推進事務局ヒアリング 11:30 東大名誉教授新井賢一氏ヒアリング(上記【4】参照) 14:00 民主党第5回公務員制度改革等調査会 19:00 全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会懇談会 ■12月16日(金) 11:00 厚生労働省等ヒアリング(JR総連案件) 14:00 民主党2006年度定期大会(1日目)全代議員会議 18:00 民主党定期大会懇親会 18:30 民主党北関東ブロック国会議員団研修会 ■12月17日(土) 09:00 民主党2006年度定期大会(2日目)大会本会議 12:00 民主党インターネット選挙活動調査会第1回会議に出席。 (上記【5】参照) 15:30 わたらせ地協結成総会 19:00 簗瀬進事務所忘年会 ■12月18日(日) 13:00 あつみ幼稚園40周年記念並びにお遊戯会 14:00 栃木県行政書士会理事会・日政連栃木会幹事会懇親会 18:30 明水会(山口たかし後援会)「フォーラムin望年チャット」