国会通信 No.689
【小泉改革の総決算】
2006/1/30 (マンデーレポート689の要旨)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【1】小泉改革の総決算 (決算質疑)。
【2】歴史リスクを乗り越える会 正式発足。
【3】先週の主な活動
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【1】 小泉改革の総決算 (決算質疑)
●25日の参議院本会議、平成16年度決算についての質疑が行われ
民主党・新緑風会を代表して総理および関係大臣に質問いたしました。
質問全文を添付ファイルにしましたのでご参照ください。ただ時間不足
で特別会計に関連する部分はカットせざるを得ませんでしたし、
アメリカの年次改革要望書の11の項目を全部読んで要望項目が実に
広範であることを分かってもらいたかったのですが、最初と最後の2,3
項目しか指摘できなかったのがとても残念でした。
●今回の質問は久方ぶりのテレビ放映ということもあり、
相当の緊張感をもって取り組みました。質問バッターの指名は、決算委員会の
筆頭理事、直嶋参議から昨年の暮れのうちに告げられていました。
そして、そのときから、決算についての個々の議論も決算重視の参議院として
しっかりと取り組みながらも、決算の前提問題である、小泉改革5年間の総括こそ
本当の総決算なのだから、こちらも相当力点を置こうと決めました。
●もっとも準備らしい準備は、新年早々の1週間続く全県遊説やら、その後の
新年会の連続でとても出来るような環境にはありません。さらには得意の
「一夜漬け」グセ。こんなこともあって質問の二日前の23日には議員会館で
ほんとに完全徹夜になりました。もしかしたら厳密な意味で1時間の仮眠も
とらずおき続ける一睡もせずの「完テツ」をしたのは人生初めてかもしれません。
翌日の24日の朝6時半過ぎに議員会館を後にし、宿舎の清水谷に向かいました。
戻ってからも一睡もせずにバイクのエンジンをかけ、7時半から増上寺で行われた
恒例の朝粥会に出席。そのまま9時半からの議員総会、10時からの本会議で、
江田会長の代表質問を聞き、再び議員会館で質問の最終チエック。ようやく
仮眠がとれたのは午後4時くらい。正確には34時間ずっと起きていた計算に。
そうとう消耗しました。
●どうも私は時間切れの常習犯。一夜漬けのくせに、最後はいろいろなテーマを
詰め込み分量が過大になってしまう。さらに 決算についての質問ということ
でしたが多少与党席からブーイングがあっても小泉改革の本質的な問題点は
あまさず、しっかりと指摘しようと決めていましたので、与党席からは
かなりの野次が飛び、議場は盛り上がったものと個人的には考えております。
●用意した質問の最終原稿は添付ファイルにしました。
ご覧ください。
予想したとおり、5分も過ぎたあたりから
与党席から「決算に入れ」、「何をやってるんだ」、
「質問を止めさせろ」などの
激しい野次が飛んできました。
演壇に各会派の議場交渉係が集まったのも
「決算」との関連性がないなどといった抗議だったようです。
しかし小泉政治の本質について質問しているのですから
大きな意味での決算には関連しています。
与党席のブーイングのおかげで、さらに演説の声に
力を入れることとなってしまいました。
●本当のところは、自分としては、
水を打ったような緊張感あふれる静けさの中で、
切々と演説したいと思っていました。それが、出来ない
雰囲気になってしまったのが自分としては残念でした。
本当は冷静な議論がしたかったと思うのには
理由があります。政治的には、たとえば「ライブドア三兄弟」的な
分かりやすい批判をすることも可能でしたし、堀江氏逮捕にからめた
倫理面での批判に特化するといったやり方も当然出来ました。
しかし、私はそんな常套手段的な攻め方はしたくありませんでした。
なぜかといえば、小泉改革の構造的かつ本質的な欠陥を指摘することこそ
もっとも重要であると考えているからです。
●答弁を聞かれて ご理解いただけたと思いますが、
小泉さんや竹中さんの見解は、
姉歯問題とライブドア問題の原因を
完全に当事者の倫理問題に「すりかえ」ようとしています。
質問のやり方を間違えると、この「すりかえ」に
手を貸してしまうことになる。私としては、そんな議論の
方向にはもって行きたくありませんでした。
●今回の質問に際して私に最大の示唆を与えてくれた本があります。
質問でも具体的にその書名を挙げました。それはジョゼフ・スティグリッツ
というアメリカの経済学者が書いた「人間を幸福にする経済とは何か」という
書物であり、この書物をベースにおいて、毎年日米でやり取りをしている
年次改革要望書の内容を重ね合わせて考えてみると、この国の今置かれている
大変危うい状況が透けて見えてくるのです。そのことを、私は与野党の
国会議員のみならず、国民の皆さんにも訴えたかったのです。
●日米が毎年交換する年次改革要望書の怖さ、
さらにクリントン政権の中枢(経済諮問委員長)にいた人物、
ジョゼフ・スティグリッツさん自らが、
「アメリカが国外に推奨する改革は、実は国内企業のためなのだ」
と明確に著書で書いている事実、
民営化政策と市場の自由化政策は表裏一体であり、
民営化の結果、国有機関が管理していた大量の国民の資産は、
市場に流れ込み、だからこそ、市場関係者、投資家、金融は
この政策が大好きであること等々の本質的な問題点についての
国民の問題意識はあまりにも低すぎると思います。
●アメリカの日本に対する毎年の年次改革要望書に
一貫して流れている思想は、今もっていわゆる
ワシントンコンセンサスです。
国有機関の民営化、市場の自由化、そして小さな政府。
この3点セットがワシントンコンセンサス。
そして、実はアメリカ自身、
90年代初頭のエンロン破綻に始まるバブル崩壊で、
ワシントンコンセンサスおよび「市場原理主義」は
もはやそのままではとても通用しないことを実感しています。
●しかし、対外的な改革要望の基調は
まったく変えようとしていないのです。
そのことは、在日米国商工会議所のHPに掲載されている
年次改革要望書の目次を見ただけで歴然としています。
このことがとても問題です。
●さらにアメリカのほうがまだフェアだと思うのは
アメリカの日本に対する要求内容はこのHPで公開していることです。
しかし、
日本はアメリカの要求に対しどう対処したかということも、
またアメリカに対してどんな改革要望を行っているかも、
公表しようとしていません。
●アメリカの要望事項は04年のものですと、
11の大項目、そしてさらに410余の小項目からなっています。
まさに日本の国全体の改革についての要望であり、
どう処置したかということを毎年アメリカに報告させられるのですから、
怖い教師に、にらまれた優秀かつ小心な生徒のような
日本国首相が、毎年宿題の報告書を大統領に提出しているようなものです。
究極のリモコン国家日本、そんな印象をもたれて当然でしょう。
●だからこそしっかりと国会に報告すべきだと思いませんか。
しかし、総理は答弁で私のこの提案を拒否しました。
その理由は「相互の親書」だからだそうです。
あきれてものが言えません。
●前記スティグリッツさんは2001年にノーベル経済学賞を受賞しました。
アメリカが推進した誤ったグローバリズムに対する反省や、
アダム・スミスに源流をもつ市場原理主義は、
「情報が不完全な市場」では成り立たないことを主張し、
情報経済学を確立しました。
ノーベル賞はこのことについての評価だと思います。
(彼は「情報の非対称性」と表現していますが意味は同じだと思います。)
●もはや、アメリカ流の改革は
大きく修正しなければならないことを
小泉さんも、竹中さんも率直に認めるべきではないでしょうか。
竹中さんは、私と同年代で、政治の世界に入る前は
評価していたのですが、もはや
学者としての良心を失ってしまったのでしょうか。
残念でたまりません。
●私の、質問に対しては電話やメールで多くの激励を頂きました。
多くの皆さんが、今この国の置かれている危うい状況を心配
しているんだな、そんな共感が私の胸にあふれてきました。
多くのエネルギーを頂いたことに心から感謝します。
【2】歴史リスクを乗り越える研究会スタート。
●ミュンヘン在住のジャーナリスト熊谷さんの記念講演をもって、
歴史リスクを乗り越える研究会が発足しました。
発会式当日の26日には国会日程が込み合っている中で
20名以上の民主党国会議員が駆けつけてくれました。
●今後の予定は
1 駐日ドイツ大使館 政治部長エーバツさんの講演
2 日弁連のヒアリング
3 各党のこれまでの取り組み状況のヒアリング
4 提案内容の最終協議
などを予定しております。
●まずは同日行われた
熊谷さんの記念講演の全文を添付ファイルといたしますので
ご参照ください。
●今回の国会通信には間に合いませんでしたが、熊谷先生の
示唆したドイツの取り組み状況のポイントを、後日整理して掲載
したいと思います。ご期待ください。
【3】 先週の主な活動
■1月23日(月)
08:00 第688回マンデーレポート
12:00 熊谷徹氏と昼食・打合せ
★わざわざミュンヘンから、「歴史リスクを乗り越える研究会」の
記念講演のために熊谷徹さんが来日してくれました。
昨年来メールでのやり取りを続けてきた熊谷さんに、始めて
お目にかかることができました。想像していたとおりの鋭い知性と
暖かい人間性を持ち合わせたジャーナリスト。30日には経団連の
下部組織である経済広報センターでも講演を頼まれているとのこと
でした。
★ところで、来日の旅費さえ用意してあげられない自らの非力を
私はこころ密かに恥じておりました。そこで、団連が負担して
くれたなら渡りに船などとゲスのカングリまでしていました。
失礼を省みず、気になるそのことを率直に聞きしましたら、なんと
まったく自費での来日とのこと。本当にありがたく思いました。
講演会当日の26日も、風邪を引いていらして、汗びっしょりに
なりながらの講演、その真摯な姿勢には本当に感動しました。
講演の中味も、未来志向を貫きながら、ドイツの充実した全般的かつ
詳細な取り組みの状況を聞かせていただき、これからの会の
方向性について大きな示唆を得ることが出来ました。
心から感謝申し上げます。その講演の内容は添付ファイルで
ご覧ください。
■1月24日(火)
07:30 浄光会「第17回新年総会」
09:30 議員総会
10:00 参議院本会議
■1月25日(水)
08:00 民主党法務部門会議
09:30 議員総会
10:00 参議院本会議
13:00 参議院本会議
15:25 参議院本会議にて代表質問
(上記【1】参照)(添付ファイルに質問全文掲載)
17:30 参議院決算委員会
19:00 「リベラルの会」新年会
■1月26日(木)
08:00 第8回公務員制度改革等調査会
11:30 法務省民事局寺田局長面会
12:00 北関東ブロック国会議員団会議
13:00 「日本の歴史リスクを乗り越える研究会」設立総会及び記念講演
(上記【2】参照)(添付ファイル 講演内容 掲載)
15:00 「国立追悼施設を考える会」第5回勉強会
18:00 日本弁護士政治連盟主催「弁護士出身議員との懇談会」
■1月27日(金)
18:30 JAM栃木2006年新春賀詞交歓会
■1月28日(土)
11:00 故塚田常吉「お別れの会」
18:00 飛翔会第1回幹事会・新年会
■1月29日(日)
10:00 立正佼成会宇都宮教会寒中読誦
12:00 石橋町柔道スポーツ少年団新年会
12:30 連合栃木芳賀地協2006年新春のつどい