国会通信 No.692
【民主党への提言(山口二郎教授】
2006/2/20 (マンデーレポート692の要旨)
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【1】 民主党への提言(山口二郎教授)
【2】 先週の主な活動
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【1】民主党への提言(山口二郎教授)
●15日(水) 「小さな政府VS大きな政府」研究会の第3回目、
この日は、北海道大学の山口二郎教授のご意見を聞かせていただきました。
久しぶりにお会いしましたが、相変わらずの鋭い切れ味と、深い洞察に満ちた
お話しで、大変参考になりました。
●冒頭に、「大きい政府」「小さい政府」といった考え方についての
明確な定義がなされずに議論することの問題点が指摘されました。そのうえで、
前回の山口義行教授と同様、負担、支給そして公務員数のそれぞれの観点でも、
すでに日本の政府の現状は「小さな政府」にあることが指摘されました。
●たとえば税金と予算の観点です。
日本の国民負担率は35%台であって、先進国では最低の部類。
また社会保障給付は国民所得の15%台であり、そのレベルは
先進国のなかでもきわめて低い現状にあることが指摘されました。
(マンデーレポート第690回の数字をご参照ください。)
言葉を変えていえば、わが国の現状は「軽税国家」であり、
「福祉小国」であって、諸外国との比較ではむしろすでに
「小さな政府」に近い姿なのだと指摘されました。
●また、公務員の観点で見ても、
公務員数は人口千人あたり35.1人。この数字は実は、米英独仏との
比較でももっとも低いレベルといえる。
(参考) 総務省行政管理局「諸外国とわが国の公務員数の比較」
「千人あたりの公務員の数」 日英仏米独の比較
(日本は05年、諸外国は01年)
日 英 仏 米 独
中央政府(国) 2.8 6.5 28.8 4.2 2.2
地方政府 24.4 34.9 40.4 65.7 45.1
防衛関係 2.2 5.1 7.9 7.4 3.8
政府企業 5.8 26.5 19.2 3.2 7.4
合 計 35.1 73.0 96.3 80.6 58.4
●なお数だけの比較では不十分なので、金額レベルでの比較は
ないものかと調べてみました。
国家公務員については、人事院勧告の俸給表が参考になります。
たとえば、人事院平成15年度白書の表3-2に示された典型例を見ると、
40代・配偶者有・子供二人で584万円といった数字が出てきます。
一方 アメリカの公務員給与ですが、連邦政府の職員の給与の平均は
年6万ドルくらいといわれています。(フェデラル・エンプロイメント・データ)
購買力平価は1ドル140円くらいですから、だいたいアメリカの
連邦政府の職員の平均は800万円を超えるくらいでしょうか。
給与レベルの問題は、国内他産業との比較のほうがより重要ですが、
日米比較では決して高くはないといった現状のようです。
●山口教授が指摘した問題点のひとつは700兆円を超える
借金の存在と、官僚の裁量的な権力行使のありかたでした。
特に後のほうは私が常々考えていたことと全く同じで、
深い共感を覚えました。
●裁量権力の怖さは、私も常に感じていた問題点でした。
適当に泳がせておいて、突然捕まえる。実は、この国の法制度上の
最大の特徴のひとつがこの「さじ加減」です。たとえば、
交通取り締まりや選挙違反の取締りなど、見逃すか捕まえるか、
かなり幅の広い裁量が権力に委ねられています。
ホリエモンの問題ですら、そういった側面を見出すことが出来ます。
いままでお咎めなしだと思っていたら、突然強制権力が発動され
逮捕される。このような予測可能性のなさは問題です。すべての
法律や規則にはある種の「幅」や「アソビ」がつき物です。
しかし、それがあまりに広すぎると行政に不当にして過大な
権力を生み出します。これは良いことではありません。
●このように指摘した上で、山口教授は
国民の政府に対する不満の原因を以下の4つにあると整理しました。
(1)重たい政府
公式、非公式の規制が多すぎる。
この結果、市民にのしかかってくる重苦しいイメージを与えている。
たとえば、認可法人の研修会。研修費用は、結果として官僚の天下り団体に
吸い上げられている。
(2)見えない政府 裁量の不透明さ。予測可能性のなさ。権力の脅威感。
(3)すれ違いの政府 政策における需給のミスマッチ
需要のない所にさんざん供給し、
逆に本当に需要がある部分に供給が不十分な現状。
その典型が、少子高齢化対策。
(4)工事中の政府 巨大な公共事業
この4つは、民主党がこれから積極的に取り組むべき大きな政策課題の
柱だと考えます。
●小泉改革は、日本を大変危うい方向にもっていっている。
山口教授はこのことを「リスクの普遍化」という言葉で表現しました。
この指摘は全く同感です。かつて日本の持っていた危機管理能力を奪い、
さまざまな危険を一般化しながら、日本社会を危うい方向に押し流している、
それが小泉改革の最大の害悪です。
山口教授が指摘したリスク(危機)を列挙すると以下の通りです。
(1)日本的セーフティネットの崩壊
小泉政治は、企業、地域社会、適切な公共事業がもっていたリスク緩和機能を
いちじるしく低下させた。
(2)民のモラルハザードがもたらすリスク
小泉政治は、民のモラルハザードを引き起こした。
その象徴がライブドアの「粉飾」であり「耐震偽装」である。
生命、財産への現実の危機を生み出している。
(3)自然災害と環境リスク
過疎と高齢化→地域における危機管理能力の低下
(4)高齢化と人生終末期のリスク
医療、介護の不備→高齢者の犯罪増
(5)次世代育成のリスク
見習いを受け入れる余裕の消滅(ただちに即戦力を求めることのマイナス)
子育ての負担の増加
(6)皆が弱者になりうるリスク社会
福祉国家に向けた政治戦略の新たな構築。
これが、この日の山口教授の結論でした。
●山口教授が最近行った社会調査によれば、国民は、都会であろうが
地方であろうが、小さな政府を望んでいないといった結果が出ているそうです。
様々なリスクを、社会全体がこなしていくといった方向(=リスクの社会化)、
すなわち社会全体の正義感、平等感を回復することこそ、民主党がめざすべき
方向ではないかとの結論でした。
●そのための具体的な政策課題は以下の3つです。
(1)公共セクターに対する信頼を回復する政策の実現。
その手法としての分権化政策、情報公開等の透明化政策の徹底。
(2)政策における需給のミスマッチの是正。
(3)結果の平等から条件整備型社会へ。
社会参加、競争参加の前提条件に関する平等の確保政策。
●前回の山口義行教授とともに、民主党の基本的政策課題を提起する
重要なポイントを指摘していただいた山口二郎教授に心から感謝申し上げ
たいと思います。
【2】 先週の主な活動
■2月13日(月)
11:30 ファミリーマート高橋氏打合せ及び本社視察
■2月14日(火)
08:00 第691回マンデーレポート
■2月15日(水)
08:00 民主党法務部門会議
10:00 参議院決算委員会
12:00 国対・理事合同会議
13:00 平成19年度参議院選挙対策チーム
15:30 「小さな政府vs大きな政府」研究会勉強会
★北海道大学教授の山口次郎さんの講演を聞きました。
(参考 上記【1】「政府の大きさ」とはなにか。)
17:00 「リベラルの会」意見交換会
■2月16日(木)
08:00 公務員制度改革等調査会
■2月17日(金)
12:00 栃木県弁護士会白井会長面会
14:00 法務部門/人権・消費者政策調査会合同会議
18:30 「谷ひろゆき」2006新春の集い
■2月18日(土)
15:00 大谷範雄那須烏山市長を励ます会
19:00 宇都宮中央地区やなせ進後援会新春の集い
★谷山会長をはじめ支持者の皆さんと懇談。
■2月19日(日)
13:30 坂本文夫さんのご母堂の葬儀に参列。
ご冥福を心からお祈りします。
15:30 桜友会 新入会員歓迎会に参加。
17:00 那須南地区やなせ進後援会新春の集い
★連日の那須烏山市入りとなりました。
吉田公平さん主宰の「川の駅」で支持者のみなさんと懇談。
谷参議院議員、3区総支部長の小林隆さんとともに質疑応答後、
手打ちのそばに舌鼓をうってから帰りました。ご馳走様でした。