国会通信 No.693
【本筋の追求に戻るために】
2006/2/27 (マンデーレポート693の要旨)
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【1】本筋の追求に戻るために。
【2】朝日新聞の論説主幹若宮さんの話。
【3】天下りの数。
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【1】本筋の追求に戻るために。
●先々週の永田質問以来、民主党は大揺れにゆれている。
混乱に対処する基本方針は、原点に立ち戻ることしかない。
そしてものごとの優先順序を間違えないことに尽きると思う。
民主党が今やらなければならないことはなんだろうか。
スキャンダルの追求も重要であるが、スキャンダルそれ自体は
本質的な問題点の表面化に過ぎない。標的は、個々の不祥事の
原因をなしている本質的な問題点である。この基本を踏み外すと
スキャンダル追求は、単なる野党の存在証明だけで、将来に
なんの生産的な意味をもたぬ結果となる。さらに、追求が失敗
すると、時には、苦境に陥っていたはずの与党を救ってしまうと
いった最悪の事態に陥ることすらある。
現時点での民主党の置かれている状況については、所属議員の
間でもかなり幅があるようだ。しかし、私自身はこの政党の未来
に対し深く憂慮している。
●メールの真偽を立証するのは確かに困難である。また、文書の
成立の真正よりも、内容の真正のほうが問題であるとの議論もある。
しかし、いづれにしても、本筋の追求に立ち戻るために早急な
対応が必要である。
●先週月曜にも鳩山幹事長や前原代表に電話あるいは面談で、
「明確かつ早急な対応を」と進言した。
●いわゆる4点セット、すなわちB(防衛施設庁談合問題)、
B(アメリカの狂牛病)、L(ライブドア)、T(耐震偽装)の
問題点は、なみのスキャンダルを超えた共通点をもっている。
これらは、いづれも小泉改革の本質的な問題点を示しているからだ。
このような格好の追及テーマに恵まれたときこそ、じっくりと
腰をすえて大論陣を張りながら、長期的に小泉改革を追い詰
めていくべきだった。スキャンダル追求は線香花火でしかない。
一過性であり、マスコミは一時騒ぐだけである。本筋に立ち戻った
追求に一刻も早く戻らねばならない。そのためにもメール問題
についての「明確かつ早急な対応」が必要である。
●野党の追及に限界があることは言うまでもない。また時には、
「皮を切らせて、骨を切る」の勇気も必要である。果敢に挑んだ
永田議員を評価する声は党内には強い。私自身に彼を批判する
資格はない。ただ、立証準備がきわめて不充分であったこと、
また、国会審議の方向性のみならず、民主党の信頼にまで大きな
影響を及ぼしてしまったことは認めざるを得ない。民主党自身として
本筋の追求に戻るために、明快かつ早急な対応をとるべきである。
【2】 朝日新聞 論説主幹若宮さんの話。
●先週行われた「国立追悼施設を考える会」で聞いた、朝日新聞の
論説主幹若宮啓文さんの話はとても参考になった。朝日新聞が出している
「論座」の2月号で読売新聞の渡辺恒雄さんとの対談が話題になっている。
渡辺さんも考える会の講師で話を聞いたがそのときは認識を新たにした。
今回の、若宮さんは、いわゆる朝日らしい論調であったが、特に
常任理事国入りの問題での小泉さんの対応の支離滅裂さを厳しく批判。
この点では深く共感した。
●憲法改正にしても、常任理事国入りにしても、共通点をもっている。
それは、第二次大戦の負の遺産をどう乗り越えるかと言った点である。
したがって、憲法改正や常任理事国入りのテーマは、過去の歴史を
どのように総括するかといった問題と「表裏一体」の関係にあると
考えるべきなのである。
●だから、自民党に対しては、もし本当に常任理事国になりたいとお考えなら、
あるいは本当に自主憲法を制定したいとお考えになるなら、その基本的な前提が、
かつての交戦国に理解される歴史の総括なのですよと、申し上げたい。
●なお、誤解のないように申し添えるが、現行憲法の存在を「負の遺産」と
言っているのではない。現行憲法の制定が、平和を希求する日本国民の総意
に基づくことは歴史的事実だし、また軍国主義復活の防波堤として、さらには
平和を追及する日本の国際的なイメージの確立に歴史的な機能を果たしたことも
言うまでもない。ただ、占領下で制定されたというその制定過程における
「負の側面」を持つことも、否定できない歴史的事実である。
●話は若干横道にそれた。以下 若宮さんの発言のポイントをまとめて掲載する。
メモは私の作成したものである。
1 靖国神社の特異性
靖国問題は憲法の政教分離原則との関係で論じられることが多い。
しかし、これだけの問題に止まらない
例えば、伊勢神宮の初詣は靖国のような大問題にはなりえない。
この本質を踏まえた議論をする必要がある。
それがいわゆるA級戦犯の合祀問題なのである。
2 A級戦犯の合祀問題についての中国の観点
これは象徴的な意味を持つ。
単に「分祀」すればすむといった次元とは異なる。
国家神道をひきずっている点が問題。
↓
その典型が「遊就館」の存在。
ゼロ戦を栄光の象徴として展示していることで明らかな
「自存自栄」の戦争観、戦犯ぬれぎぬ論、昭和殉難者といった表現
…これらが靖国神社の性格を表わすといった理解につながっている。
遊就館には最近外国の要人が訪問することが多くなっている。
かつての歴史を肯定し、軍国主義復活をめざすと言った
外国からの誤解を生み出している。
3 海外からの発言を内政干渉と決め付ける議論はおかしい。
・他から言われる前にそうべきこと。
例えばかつて石橋湛山は廃止論まで言った。
・外国に言う権利がないか。
否、ex中国…すべて自国領土内のでき事。
当時の戦争指導者を殉難者とする施設に
総理が行くことに発言する権利はある。
韓国…小泉首相はかつて、金大中に国立追悼施設を作ると約束した。
首脳会談を無視した結果についての説明責任は求められる。
4 諸外国からの批判
最近、批判を控えてきたアメリカまでもが見るに見かねた。
例えば、アメリカの右派 キリスト教原理主義といわれるネオコンの論客
マックス・ブーツ氏も、ネオコンの代表的季刊誌「ザウィークリースタンダード」に
靖国訪問して驚いた話を書いている。
民主化を望む観点からも問題。
アジアの諸国に中中国か日本かといった困難な選択を迫るような状況を懸念。
このまま放置すると、アメリカのまともな同盟国と見られなくなるおそれ。
5 常任理事国
中国は、正式立候補の時点で参拝を止める表明があるのではと期待した。
日中はこの問題では、実は長い因縁。
cf
国際連盟…日本は「常任」理事国→満州事変で「脱退」。
国際連合…中国を入れようとルーズベルトは考える(もっとも蒋介石の中国)
共産中国となってから、日本はアメリカに従って最後まで反対。
このような経緯を鑑みれば、かつての軍国主義とは決別したとの姿を
見せなければならない。
中国が反対する有力な論拠を与えたことは外交上の失敗である。
6 国立追悼施設
<賛成>
問題は今ある靖国との関係。別の場所、別の施設にすべきである。
○何よりも天皇陛下がいけるようになる。
(合祀は79年 最後は75年。⇔何年おきに行っていたかを調べればよい。)
○外国要人も行ける。
○何よりも日本人の中にある複雑な感情、抵抗感なく行ける。
7 最近の国民世論
○小泉参拝直後のアンケート結果(昨年)。
賛成51%、反対28%
○次の首相の参拝について。(今年1月)
賛成28%、反対46%
○昨年の8月15日に行かなかったこと
よかった63%、よくない18%
場所としては武道館あたりが良いのか。
【3】天下りの数。
●先週開かれた決算委員会で昨年の特別国会で調査依頼してあった
天下りの数が報告された。
調査の対象は
@公益法人
A独立行政法人(職員の身分が国家公務員である独立行政法人は除く)
B特殊法人、指定法人等
C国家公務員共済組合
D国から補助金等の交付を受けている法人
E上記@からEの法人から出資を受けている法人
(注・事業発注を受けている株式会社は含まれていない)。
●その結果であるが、
天下り団体総数 3987団体
天下り役職員数 22,093人
国費投入(補助金等) 5兆5395億円
(注)天下り状況は平成17年4月1日時点、
補助金等額は平成17年度当初予算ベース
● 4000団体 2万2000人 5兆5千億
小泉政治の5年間でも、「天下り天国」日本の看板は変わらない。
すべての改革の大前提が 癒着構造の廃止であり、
癒着を温存しての改革は弊害のみ生み出していく。
小泉首相に改革を語る資格はない。