国会通信 No.702
【共謀罪法案 対決法案に急浮上】
2006/5/8 (マンデーレポート702の要旨)
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共謀罪法案 与野党対決法案に急浮上
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【1】 共謀罪法案にもっと注目してほしい。
●連休前の衆議院法務委員会ではいわゆる条約刑法(共謀罪)が
採決寸前までいった。理事会運営のルールを無視しての強行的な
趣旨説明。さらに、それにかぶせて、修正案まで強行提案。
前代未聞の強行振りである。採決はなんとか阻止したものの、
連休あけの月曜日には、考人質問がセットされ、採決寸前の状況まで押し込まれている。
●民主党法務部門会議としては、この法案の廃案を求めて、ここ
数年間戦ってきた。国際組織犯罪防止条約そのものには異論はない。
しかし、その国内法化にあたっては条約の趣旨をこえるさまざまな措置を
盛り込もうとしている。一言で言えば、圧倒的な警察権限の拡大をもたらし、
罪刑法定主義といういままでの刑法の根本が変更されようとしているのである。
【2】 共謀罪法案とは?
●この法律のおもな内容だが、端的に言えば、長期4年以上の犯罪が、
団体の行為として組織的に行われたときに、その遂行を共謀(相談や打ち合わせ)
しただけでも犯罪とするといった趣旨のものである。
●共謀の対象となった犯罪が重いか低いかで刑罰は区別され、
重い場合(死刑、無期、10年超) → 5年以下の懲役または禁固
軽い場合(4年以上10年以下) → 2年以下の懲役または禁固
【3】 思想は罰されないはずなのに。
●わが国の刑法は、立法以来、「行為主義」を大原則としてきた。簡単に
いえば「考えただけでは処罰しない。実行に移したときに初めて処罰する」
ということ、これが刑法の大原則なのである。
●犯罪となるためには、具体的な犯罪の「実行の着手」が必要なのである。
この原則があるために、実行前の「予備」や「準備」は原則として処罰の
対象としてこなかった。殺人罪や内乱罪などの限られたものだけに、例外的に
その処罰を認めて来たに過ぎなかった。
●しかし、政府が提出してきた法案では、この原則と例外が逆転する。
長期4年以上の犯罪についてはすべて共謀でも逮捕できるとされるために、
対象となる犯罪を数え上げてみると、なんと619という膨大な数の犯罪が
これに該当することになる。刑法犯のみならず、公職選挙法や酒税法、
商標法など多くの行政刑法の分野まで、一気に犯罪対象が拡大される。
日本の刑事司法の根本的な変更である。
【4】 共謀罪は社会をゆがめる。
●法案の中には密告奨励の規定も紛れ込んでいる。実行着手のまえに
自首した者については、刑を減軽または免除するとしている。
●スパイ行為や落としいれを助長し、社会が陰惨になっていくことが目に
浮かぶようではないか。
【5】 サイバー犯罪対策も行き過ぎでは?
●こんどの法案では、条約には特に盛り込まれていなかった、
サイバーテロに対する対策も盛り込まれている。しかし、その
中味は少々行き過ぎではないか。
●データベースの差し押さえについて、その特定の仕方が不十分だったり、
差し押さえの期間が長すぎたり(90日)、リモートアクセスというネット連携の
実態を無視する広範囲な差し押さえが認められたり、ここでも捜査権限に対する
過剰な権限が認められている。
●まさにネット社会に対する過剰な管理体制を確立しようとしているかのようだ。
【4】 与党の修正案では不十分。
●与党は、前述の通り、政府案の欠陥を承知の上で、趣旨説明と同時に
修正案の提案をしてきた。提出者自身が、法案審議の最初から修正提案する
などは言語道断である。欠陥法案を国会に持ちこむなといいたい。
●さらに修正の中身もきわめて不十分である。
与党修正の第1点は「団体」についてであるが、
「団体」を犯罪団体に限定すると言いながら、犯罪行為が団体活動の主目的で
あったかどうかについては与党案は明確にしていない。したがって、団体として
存在していれば、付随的、偶発的に団体の一部が犯罪に及んだとしても、
共謀罪は成立することになる。市民団体の座り込みや労働団体の団交なども
十分対象となる可能性がある。限定は不十分である。
●与党修正案は「共謀」を制限する趣旨で「実行に資する行為」とした。
しかし「資する」とはいったいどんな意味なのか不明である。広辞苑では、
「たすけとする。役だてる」とあるが、判断基準としてはまったく「役立たない」
言葉である。
【6】 背水の陣。
●民主党案は、テロ対策の必要性は認めている。また条約の基本的な趣旨に
ついても賛成である。しかし、同時にこの国の基本的人権の尊重と、罪刑法定主義
の原則を守ることも必要であると考えてきた。そしてこの国が過剰な警察国家となり
行き過ぎた監視社会になることも警戒しなければならない。
●私は、04年9月に民主党のネクストキャビネットで法務部門の責任者となったが
そのとき以来、常に念頭にあったのはこの共謀罪法案対策だった。そして当時の
山内おさむ君とタグマッチを組みながら、なんとかこうの法案を会期の外に追い落とす
、すなわち廃案に持っていくことに全力を尽くしてきた。私の在任中は、会社法の大改
正や、刑事施設法案という懸案の大法案が存在していたので、なんとか廃案に持ってい
くことが出来た。しかし、昨年の衆議院選挙の大敗北で衆議院のありようは根本から
変わってしまった。
●法務委員会の委員の数は13名から7名に大幅減少。理事者の数も3名から2名に。平
岡、高山の二人の理事が劣勢をものともせずがんばってくれたが、千葉の敗北で、自民
党はかえって居丈高になってきた。どうやら、ぎりぎりの戦いを展開する最終盤となっ
てきた。そこで、与党案の基本を覆すような根本的な修正案を提出し、
背水の陣をしくこととなった。民主党が4月最終週に提出した修正案は以下の通りである。
【7】民主党の抜本的な修正案は。
●民主党案の基本は、共謀罪対象法案の出来る限りの縮減であり、
恣意的な捜査の阻止である。そのための柱は以下のとおり。
1 団体の制限 = 犯罪行為を「主たる」目的とする団体に限定
2 犯罪の限定 = 条約の本来の趣旨である「越境的な犯罪」に限定。
3 組織的犯罪集団としての活動であることを明記。(意思と結果)
4 外部的な行為を要求=「合意の内容を推進するための行為(顕示行為)」としての
「予備行為」を要件に。
5 法定刑を「5年以上」
●これ以外にも、法案の不備をすべて修正案に盛り込んだ。(添付ファイル参照)
民主党修正案の内容は、条約の形式的な内容に触れるものもある。
たとえば、「越境性」や「長期4年以上」といった部分は、条約の
形式的な記載には触れている。しかし、条約は一国の刑事司法の全体を
覆すほどの意図を有しているはずはない。一国の刑法秩序を前提にして
初めてテロ対策の国際協調が成り立つはずであり、当然許される範囲
だと考えている。
●いづれにしても、共謀罪法案が急速に対決法案に浮上してきたことは
間違いない。ようやく世論の注目度も高まってきた。これは大歓迎である。
衆議院の法務委員会をバックアップし、来るべき参議院での戦略を
練り上げていかなければならない。
【参考】民主党 修正案の概要については民主党ホームページをご覧ください。
SNETの皆様は添付ファイルをお開きください。
【8】 先週の主な活動
■4月24日(月)
08:00 第701回マンデーレポート
10:30 民主党議員総会
11:00 参議院本会議
13:00 参議院決算委員会
15:30 法務省質問レク
19:00 民主党栃木県連幹事会
■4月25日(火)
09:50 参議院法務委員会理事会
10:00 参議院法務委員会
13:40 参議院法務委員会質問
★犯罪収益回復関連2法案について質問。
同法案採決。全会一致で可決。衆議院に送付。付帯決議を提案。
これで、参議院の先議案件はすべて完了。焦点は問題法案の
共謀罪に絞られてきた。
16:00 民主党知的財産権戦略委員会
17:00 民主党憲法調査会衆参合同会議
■4月26日(水)
08:00 民主党法務・財金合同部門会議
08:00 民主党総務部門・インターネット選挙活動調査会合同会議
08:40 民主党法務部門会議
11:30 民主党議員総会
12:00 参議院本会議
12:25 国対・理事合同会議
12:50 参議院憲法調査会幹事会
13:00 参議院憲法調査会
14:45 下野新聞取材
15:45 朝日新聞取材
16:00 「共謀罪」に反対する!超党派国会議員と市民の院内集会
■4月27日(木)
09:50 参議院法務委員会理事会
10:00 参議院法務委員会
★入管法改正案の趣旨説明聴取。
15:00 NTT労組関西分会職場委員会講演
■4月28日(金)
09:30 民主党議員総会
10:00 参議院本会議
17:00 監視社会にNO!共謀罪反対集会
★民主党の緊急呼びかけに応じて、市民や弁護士の皆さんが
多数集まっていただきました。千葉景子ネクスト法務担当の司会で
開会。同時並行して行われている衆議院の法務委員会の様子を
気にしつつ、共謀罪法案反対のアピール。菅代表代行もかけつけてくれました。衆議院
の平岡理事から、連休前の採決は阻止したが、連休明け直後に
参考人質疑がセットされ、ぎりぎりの緊迫した状況が続くとの報告。
■4月29日(土)
10:00 連合栃木第77回栃木県メーデー中央地区大会
17:00 平成18年度東北柔専OB会栃木支部総会・懇親会
■4月30日(日)
11:00 栃木県民謡連盟創立45周年記念祝賀会
■5月6日(土)
14:00 政権交代を実現する会 軽井沢研修会
■5月7日(日)
9:00 西部学童野球 第43回大会 開会式