国会通信 No.707

  【その言や、日々に軽し】

2006/6/13 (マンデーレポート707の要旨)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】 ゲノム競争を勝ち抜く戦略 【2】 総理の言は、日々に軽し 【3】 法務大臣への申し入れ 【4】 先週の主な活動 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】 ゲノム競争を勝ち抜く戦略 ●6月6日(火)16:00 民主党知的財産権戦略委員会・勉強会を  開催。この日は、中村祐輔教授(東京大学ヒトゲノム解析センター長)の  ヒアリングを行った。同氏はゲノム医療についてのトップランナーの一人。  理研遺伝子多型研究センターの長もおつとめになっている。同氏の  語る「新しい医療技術の現状と知的財産政策」は、非常に勉強になった。 ●遺伝子工学の発展は医薬品の分野で革命をもたらし続けている。  一方で、この革命の本質的な理解を欠き、結果として、戦略的な誤り  を侵し続けて、ゲノム創薬の分野で大きく立ち後れつつある我が国の  危機的な状況が率直に指摘された。 ●このような生命科学分野での敗北は、日本の医療の将来に大きな  禍根をもたらすと彼は予言する。  それは以下の3点である。   1 知的所有権の欧米による独占。      2 医療費の高騰をもたらし、保険医療制度は破綻する。      3 医療の世界に貧富の差をもたらす。 ●具体的な数字を見るとすでに教授の懸念はあたりつつあるようだ。 1 医療機器の輸出入  2000年では5000億円の赤字。   (輸出 3000億円。 輸入 8000億円。) 2 輸入依存の大きな例はペースメーカーとカテーテル    (1) ペースメーカー       輸入製品100%    (2) PTCAカテーテル(心筋梗塞) 輸入製品 78% 3 2の結果としての内外価格差  日米比較(04年)                      日本   米国  比率  ペースメーカー (U型) 133万円 83万円  1.6倍          (W型) 148万円 95万円  1.6倍     カテーテル  (一般型)  17万円  8万円  2.1倍  4 特許と医療費   C型肝炎の場合 診断には2種類の特許が使われる。   (→ ウイルスのゲノム配列確認 + 遺伝子増幅)   この結果として 約1500円の検査料のうち数十%が特許使用料。 5 医薬品の輸出入         02年    03年    04年 輸 入  6700億円 7100億円 7600億円 輸 出  3500億円 3600億円 3800億円 超過額  3200億円 3500億円 3800億円 6 世界の医療用医薬品における日本のシエアは10年前の半分に。          93年    02年   日 本  21.2%  12.3%   米 国  32.5%  45.7%    その他  46.3%  42.0%   日本の半減とアメリカの大躍進(1.5倍)が印象的。 ● 激しいゲノム競争を勝ち抜く戦略としての教授の提言は   1 目的指向型の集中研究体制の構築   2 研究成果を実用化するための産学連携体制   3 臨床応用のための先端的医療センター   4 国民の理解と協力    の4点であった。 ●医療の現場で高まる海外依存。もっと危機感を高め、  早急な対策を立てるべきである。 【2】  総理の言は、日々に軽し ●どうやら6月18日の会期が延長されずに終わる気配になってきた。  その結果として、歓迎すべき事も実はある。国民投票法案、共謀罪法案の  二つについて、強行採決などの乱暴沙汰を阻止することの背景となった  ことである。大幅な会期延長となれば、どうなったかわからない。この  点は良かった。 ●しかし、総理の無責任きわまりない「お気楽な」態度は困ったものである。  6月7日(水)13:00からの決算委員会でも、このことを感じた。  それは、小泉総理と民主党の加藤議員との間で行われた「サッカーくじ」  TOTOについてのやりとりである。 ●毎年売り上げが落ち、スポーツ団体への交付金が激減。そのことに  ついて加藤議員は質問した。小泉総理は、あっけらかんとして  「見直すべきである。」と言いはなった。 ●後ろに座っている麻生外相は、実は同くじの推進役の中心人物。  確か、同氏は当時の推進議連の会長か幹事長をしていたはず。  そんな事情も有ってか、総理と加藤氏のやりとりを聞きながら、  その表情と言えば、額にはかなりの汗、苦渋溢れる表情だった。  しれっと答える総理の表情とは大違い。とても印象的だった。   ●手段としてはくじは大いに問題あり。ギャンブルというマイナーな  イメージや、採算面での問題、運営手法の問題、そして天下りの問題など、  当時懸念していたことが、いますべて目に見える現実となっている。  ただ、麻生さんには、財源不足のなかでなんとかスポーツ振興を果たしたい  という善意も存在していたと信じたい。そんな苦衷が、額にこみ上げる  汗に集約していたと拝察した。 ●しかし、小泉総理のあっけらかんとした気楽さは何と言ったらよいのか。  この人は物事に拘泥しなさすぎる。心の琴線に触れるもの事が、一切ないのではないか  。非情を非情とも思わない情感の欠落。5年をすぎてなおかつ  楽しそうな小泉総理の答弁を聞きながらついついそんなことを考えた。  しかし、国会最終番、やはり、会期延長なしの緊張感の欠如が、  はきりと見えてくる。時々刻々、総理の言葉は軽くなっていく。 ●最近の総理は、とても機嫌がよい。心は、ホワイトハウスの晩餐会と、  めくるめくオペラハウスに飛んでいるのではないか。胡錦涛氏でも「昼食会」。総理は  、破格の厚遇に相好をくずしているのだろうか。しかし、イラクの政情は一向に安定し  ない。従って撤退の時期も依然として明らかにならない。派遣された自衛隊員の皆さん  の家族の気持ちを思うと暗澹とする。 ●荒川さんを伴ってのトゥーランドット観劇に際してもブーイングが  出たと言うではないか。(このことをマスコミは余り報道しないから、つい  最近知ったばかり。)健全な良識を持った日本人はオペラハウスの中にも  しっかりと存在していることを知るべきである。 【3】法務大臣へ「共謀罪 廃案」の申し入れ。 ●6月12日午後4時45分、千葉景子ネクスト法務大臣を先頭に、平岡、高山、簗瀬  の衆参法務理事の4名で、杉浦法務大臣に面会し、共謀罪について申し入れをした。 ●申し入れのポイントは、政府案の撤回と国内法制化の再検討である。  条約の中にも明記されているように、「自国の国内法の基本原則に従って」(34条2  項)法律案を作成するよう求めた。 ●詳細は民主党ホームページ参照。 ●「一応ご主旨は承りました。」杉浦大臣はこのように言うだけであった。 【4】 先週の主な活動 ■6月5日(月) 19:00 民主党県連第1回幹事会 ■6月6日(火) 08:00 第706回マンデーレポート 11:30 政権交代を実現する会・勉強会 16:00 民主党知的財産権戦略委員会・勉強会 ★中村祐輔教授(東京大学ヒトゲノム解析センター長)のヒアリング。 (上記 【1】参照) 17:00 民主党憲法調査会 衆参合同会議 18:00 小沢代表との期別懇談会 ■6月7日(水) 08:30 民主党法務部門会議 09:00 民主党総務部門・インターネット選挙活動調査会合同会議 ★ 民主党のインターネット選挙活動法案をまとめた。(今後掲載) 09:30 民主党議員総会 10:00 参議院本会議 12:00 国対・理事合同会議 13:00 決算委員会 (参考 上記【2】) ■6月9日(金) 08:00 NTT労組情報通信政策研究会・勉強会 ★慶応大学の国領二郎教授の話を聞く。(今後掲載予定) 09:30 民主党議員総会 10:00 参議院本会議 ■6月10日(土) 09:30 宇都宮柔道連盟第26回 宇都宮市小学生柔道大会 ★顧問として激励の挨拶。小学校3年から6年まで、宇都宮市内の11チームが団体戦  と個人戦を戦う。子供たちの生き生きした表情。自分にも活力が  乗り移ってくるようだ。 11:00 佐藤貞夫弁護士面会 ★佐藤先生が呼びかけ人となって、二荒神社前の市街地再開発計画に  再検討の運動をスタートさせた。その趣旨の説明を受け、賛同。  協力を約束した。(参照 上記【3】) 13:30 2006年度JPDGA栃木第1回役員会 ■6月12日(月) 16:30 「大きな政府vs小さな政府研究会」  講師 新藤宗幸先生(千葉大 教授) 16:45 「共謀罪法案」について法務大臣に申し入れ (参照上記【3】)