国会通信 No.708
【アクセンチュア社についての質問主意書】
2006/6/19 (マンデーレポート708の要旨)
【1】 歴史リスク研究会第3回。
●6月14日(水)14:00から、「日本の歴史リスクを乗り越える研究会」の
第3回目の勉強会を行った。講師としてドイツ・フランス・ポーランドの
3カ国の駐日大使館から以下のお三方が出席、それぞれの立場からお話しを
してくれた。
マーティン・エーベツ参事官(ドイツ大使館)
アンリ・レヴァル政務参事官(フランス大使館)
ヤドヴィガ・マリア・ロドヴィッチ公使参事官
(ポーランド大使館 政治・科学技術担当)
お忙しい公務の合間を縫ってのご協力に心から感謝を申し上げたい。
●実は、当初の予定では、今年2月くらいに実施する予定だったが、
ドイツのみならず、フランス・ポーランドからもヒアリングしようということになり
延び延びになっていた。やっと実施できることになりほっとしている。
●まずは、ドイツ大使館のエーベツ参事官が口火を切ってくれた。
冒頭で、EU統合という新しい歴史に言及しながら、
「和解なくして統合なし。」ではあるが、一方で「幅広い統合」がなければ
和解もありえないと述べておられたことが強く印象に残った。
●次にフランス大使館のアンリ・レヴァル政務参事官がフランスの話を
してくれた。長い困難な道のりだったが、共通のビジョンを持ち継続の
努力を続けたことが大きかったことを強調された。たとえば青少年交流
ひとつとっても、63年独仏青少年局としてスタート。
以来700万人以上の交流の実績を作ってきた。現在も、毎年15万人以上の
高校生、大学生が交流しているとのこと。これはすごいことである。
●次に、ヤドヴィガ・マリア・ロドヴィッチ公使参事官は、
ポーランド分割の苦難の歴史に触れた後、冷戦構造の中で東西ドイツと
向き合うといったフランスとは異なる状況におかれたことを強調なさっていた。
●短時間ながらそれぞれ貴重なお話しを聞くことが出来、とても参考になった。
特に小泉さんの靖国問題への対応が大きくクローズアップされているこの時機、
外交官とし枠組みがある中で、ご協力して頂いた事に改めて敬意を表したい。
【2】 アクセンチュア関連の質問主意書提出。
●今国会で改正された入管法により、日本に入国する外国人から指紋が
採取されるようになった。その指紋採取、および生体情報のシステム管理が
外国企業であるアクセンチュア社のシステムに委ねられることの問題点に
ついてはすでに指摘したことである。いよいよ通常国会も閉会となったが、
閉会直前の15日付で以下の質問主意書を政府宛に提出した。通常その
回答は1週間以内に来ることになっているが本日その内容を明らかにして
おきたい。政府からの回答所の内容については、後日明らかにしたい。
●「我が国の基礎的な情報管理システムに関する質問主意書」
今国会において出入国管理及び難民認定法が改正され、日本に入国する外国人につい
ての膨大な指紋その他の生体情報を政府が入手できるようになった。言うまでもなく、
コンピューター技術の進展は、政府による多種多様な情報の入手を可能とし、国家の有
する膨大な電子情報が、我が国の外交・経済・安全保障はもとより、国民生活の隅々に
まで重大な影響をもたらす新たな事態が出現している。にもかかわらず、これら情報管
理のシステム設計や機器導入、そして管理運営の各側面で、一貫した国家戦略を欠き、
安易に外資系企業のノウハウに依存しようとする姿勢が顕著なのは極めて遺憾である。
たとえば、今国会における入管法改正によって新たな生体情報認証システムの認証装
置及び自動化ゲートシステムが導入されることとなったが、法案の審議過程で明らかに
なったようにこれらのソフトウェアを開発し、その実証実験等の業務を担っているのは
、バミューダに本社を置く外国企業・アクセンチュア社である。同社は、アメリカ合衆
国(以下合衆国とする)に入国する外国人の指紋情報を入手するUS―VISITなる
システムの管理運営を委託されているが、すでに合衆国議会でも、膨大なセンシティブ
情報の管理を同社のみに委ねてしまうことの問題点が議論されたと聞いている。
入管行政の基本的な情報システム及びそれによって得られる膨大な外国人の生体情報
は、一国の安全保障の面から言っても極めて重要であることは言うまでもない。それに
もかかわらず、ソフトウェアの開発から指紋の認証装置まで、いわば情報管理システム
の川上から川下までのすべてを、外国系の一企業に委ねてしまって良いのだろうか。
さらに、我が国と合衆国の指紋情報を管理するのがともにアクセンチュア社というこ
とになれば、両国の持つ外国人の指紋情報を統合的に管理することについてのシステム
上の障害はまったくなくなる。その結果として、たとえば合衆国に入国した日本人の指
紋情報が、同国政府を介して日本国政府にもたらされることについてのシステム上の障
害は存在しないこととなる。このように、我が国の持つ入管情報がアクセンチュア社の
システムによって相互に流用される懸念はないのだろうか。
さらに、アクセンチュア社は、入管法関連の外国人の生体情報にとどまらず、法務省
関連だけでも、不動産登記関連の情報や検察情報などの、我が国の存立と自主性を維持
する上で極めて重要な基礎的情報の管理システムにも参入しようとしていると聞いてい
る。
このように国家の存立にかかわる基礎的な情報システムの管理を安易に外国系企業に
委ねてしまうことは、主権国家の自主独立を確保していくうえで基本的に問題である。
もとより偏狭なナショナリズムを主張し、いたずらな外資への障壁を設けよ、などと
言うつもりはない。公正なルールによる国際競争の必要性を認めることもやぶさかでは
ない。しかし、国家の自主独立にかかわる基礎的な情報の管理を、軽々に外資系企業に
委ねてしまうことは厳しく慎むべきである。早急に情報管理についての基本原則と国家
戦略を確立すべきではないだろうか。以上の懸念に基づき、以下質問する。
一 アクセンチュア社に関係するすべての政府契約について
日本国政府がアクセンチュア社との間で締結したすべての契約について、以下の事項
を明らかにされたい。
1契約年月日
2契約当事者となった行政部局
3契約内容
4とりわけ、契約条項中その取り扱う個人情報について課されている守秘義務の内容
二 アクセンチュア社が関係する将来の政府契約について
政府部内の今後の事業であって、現在アクセンチュア社が応札中のものを含め、アク
センチュア社が受注する可能性があるものがあれば、その事業名及び具体的な事業内容
を示されたい。
三 法務省新入管システムとアクセンチュア社について
1 法務省は「認証装置及び自動化ゲート」のソフトウェア開発と実験の業務を、わずか
十万円(運営業務費用九万円・成果物作成費用一万円)でアクセンチュア社に落札(平
成一七年九月一二日)させたと聞いているが、このような低額入札の目的と政府がこれ
を認めた理由を説明されたい。
2 現在、成田空港では、指紋認証装置及び自動化ゲートの実証実験が行われているが
、今国会で参議院法務委員会として現地を視察した際、機器の納入業者が沖電気株式会
社であることを現認した。沖電気株式会社以外に機器の納入業者があるか。さらに、実
験後に正式にスタートする指紋認証・自動化ゲートに関連する各機器の納入業者名並び
に機器納入に関する契約内容及び契約金額、契約前ならおおよその見積り額を明らかに
されたい。
3 2に関連して、各機器の納入業者は、アクセンチュア社の持つ独自のノウハウや特
許に対し、パテント使用料やコンサルタント料等を支払う契約を行っていると推測する
のが自然である。さらに1の低額入札との関連もある。そこで、法務省は発注官庁とし
て、アクセンチュア社と機器納入業者の費用負担関係を詳細に把握しておくべき必要が
あると考えるが、これらを調査した事実はあるか。さらに、法務省として把握している
機器納入業者のアクセンチュア社に対する費用の負担関係を明らかにされたい。
4 アクセンチュア社は合衆国政府からUS―VISIT制度に伴うシステム開発・運
用などの業務の委託を受けていると聞くが、その契約の年月日と契約内容、契約金額に
ついて日本国政府として認識しているところを説明されたい。
5 我が国の入管当局が採用しようとしているシステムはその基本OS、ソフトウェア
、データ形式などにおいて、US―VISITと同様のものとされていると聞くが、そ
のとおりか。また、我が国の入管当局の採用しようとしているシステムとUS―VIS
ITとは技術的にデータ共有が可能なシステムとなっていると理解してよろしいか。
6 我が国が生体認証情報システムを通じて得た情報は、合衆国政府に提供可能である
が、他方、同国政府がUS―VISITシステムで得た情報は我が国に提供されるのか
、明らかにされたい。
7 法務省ホームページに掲載されている「業務環境分析図」(出入国管理業務)の「
出入国管理業務の主要課題分析図」の「システムの見直し」の項目中に「国内外の関係
機関との相互運用性の確保」という記載がある。アクセンチュア社への発注はUS―V
ISITとのシステムの相互運用を念頭に置いているのではないか。
8 合衆国議会では、US―VISITシステムの導入の際に、この事業を落札したア
クセンチュア社がバミューダに本社を置く節税企業であることから、強い反対意見も出
され、二〇〇四年六月九日には、連邦議会下院歳出委員会で、外国企業と国土安全保障
に関する契約を禁止するための措置が可決されたと聞いている。政府として把握してい
る事実を明らかにされたい。また、国の安全保障の根幹となるシステム開発を外国企業
に委ねることについて、政府はどのように考えているのか、明らかにされたい。
四 政府間関係について
1 合衆国政府との間で、我が国の入管情報システムとUS―VISITとのデータ共
有、システムの相互運用のための取り決めが存在しているのか。存在しているとすれば
、その内容を開示されたい。
2 1で指摘した取り決めがまだ存在しないとすれば、現在我が国の如何なる機関と合
衆国政府の如何なる機関の間で、この問題についての協議がなされているのか、その進
捗状況について説明されたい。
3 合衆国政府と日本国政府との間で、入管システムを統合し、データを共有する場合
、そのための法律制度として国内においてどのような法整備が必要であるないし必要で
ないと考えているのか。
五 法務省作成文書とアクセンチュア社の関与について
法務省のホームページ上に掲載されている別表の文書(省略)について、アクセン
チュア社がその作成に関与したものはどれか。また、原案の作成にのみ関わったものと
作成の責任者として名前が表示されているもの(例「刷新可能性調査結果報告」)とが
あるが、関与の方法にどのような違いがあるのか。
六 IC旅券の仕様について
1 IC旅券について、顔写真だけでなく指紋や指静脈をデータとして盛り込むことは
仕様上可能か。
2 日本国政府の発行するIC旅券について、指紋データを盛り込むことにより、合衆
国の入管ゲートにおいて指紋採取を省略することは可能か。また、これを可能にするた
めの協議がなされているのではないか。
右質問する。
【3】 先週の主な活動
■6月12日(月)
16:30 「小さな政府vs大きな政府」研究会・勉強会
★ 講師:千葉大学法経学部教授 新藤 宗幸氏
16:45 法務大臣申し入れ
★杉浦法務大臣に共謀罪の廃案を申し入れた。
18:30 「小沢さきひと君のさらなる活躍に期待する会」
■6月13日(火)
08:00 第707回マンデーレポート
16:00 民主党知的財産権戦略委員会・勉強会
★講師:政策研究大学院大学助教授 角南 篤氏
中国の最近の事情についてヒアリング。
巨大市場を背景にして、特許戦略よりも標準化戦略に
重点を置き、独自の「国内」標準化路線により、海外からの
経済進出に対抗しようとする姿勢が感じられた。
17:00 政権交代を実現する会・夕食会
★国会延長なしが確定的な情勢で、今国会の打ち上げてきな
集まりだった。9月の代表選挙の話題はほとんど出ず。
小沢代表再選は当然の前提であるかのような雰囲気。
■6月14日(水)
08:00 民主党法務部門会議
09:15 法務省入国管理局上原課長レク
09:30 民主党議員総会
10:00 参議院本会議
10:30 参議院法務委員会調査室山岸氏レク
10:40 警察庁レク
12:00 国対・理事合同会議
13:00 「地方自治を考える会」設立総会・勉強会
★講師:地方自治確立対策協議会・地方分権改革推進事務局部長
小宮 大一郎 氏
14:00 「日本の歴史リスクを乗り越える研究会」勉強会
(上記【1】参照)
16:00 民主党第4回教育政策議員懇談会
★講師:日本教職員組合中央執行委員長 森越 康雄氏。
分かりやすくとても共感できる話だった。日教組の誤った
イメージが、彼によって氷解するかもしれない。
■6月15日(木)
08:00 民主党行政書士制度推進議員連盟総会
09:00 公務労協山本事務局長面会
09:40 参議院法務委員会理事会
10:00 参議院法務委員会
★請願の採択および会期末処理。
12:00 北関東ブロック国会議員団会議
13:00 栃木県弁護士会大木会長、白井前会長面会
13:20 参議院決算委員会
13:30 共同通信取材
14:00 伊藤基隆参議院議員面会
16:00 連合6.15国会議員要請行動
17:00 国会コーラス愛好会総会・練習
18:30 民主党法務部門懇親会
■6月16日(金)
09:30 民主党議員総会
10:00 参議院本会議
10:30 参議院憲法調査会事務局面会
13:00 東電労組栃木総支部第51回定期大会
18:00 梶谷前日弁連会長・山岸前日弁連事務総長を慰労する会
■6月17日(土)
13:00 神田家・出井家披露宴
★神田厚前衆議院議員のご令嬢 江里子さんの結婚式に出席。
久しぶりに神田先生にご挨拶。車椅子で涙を流されておられた。
本当にうれしそうだった。
■6月18日(日)
11:00 坂本富治氏「藍綬褒章」受章祝賀会
13:30 全逓栃木退職者組合第35回定期総会
14:00 栃木県交響楽団第81回定期演奏会