国会通信 No.712

【日本は貧困層の割合が高い国】

2006/7/24 (マンデーレポート712の要旨)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】日本は、「貧困層の割合がもっとも高い国」。(OECD報告) 【2】正社員と非正社員の現状 【3】「やなせ進と旅する会」 ご参加 ありがとうございました。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】 日本は、「貧困層の割合がもっとも高い国」。(OECD報告) ●SNET読者(SNETは「国会通信」のメーリングリスト)の長野さんから久しぶりにメール  頂いた。まずは、彼の選挙区での参議院候補者が未定なので、 そのことへの督促。  そして、小泉改革への彼らしい総括。そして民主党への叱咤激励が率直に書かれていた。 ●国会通信のネット発信を開始してから、11年余が経過した。長野さんは、  開始早々からの読者であり、厳しい批評家でもある。そんなネット仲間が時々  送ってくれるメールから、私はさまざまな刺激を受ける。そして、政治活動の  エネルギーを授かる。ほんとうにありがたく思っている。 ●さて、メールの中で、経済協力開発機構(OECD)が今月20日に発表した、日本  の経済政策に対する提言を紹介してくれた。私が、見落としていたこの対日経済審査報告  を今日は取り上げてみたい。 ●この情報のソースは日経ネットであるが、これによれば、その報告の主な内容は、 1 「日本は貧困層の割合が最も高い国の一つになった」と指摘したうえで、経済格差   の拡大に懸念を表明。 2 政策的には、非正社員より正社員を増やしやすくする政策を打ち出すべきだと提言。 3 金融政策では日銀は当面は追加利上げをすべきではないと提言。 4 日本経済の現状については、「バブル崩壊後の経済停滞から脱却した。   今回の景気拡大は戦後最長になる」との見通しを示した。  といったところである。 ●この記事によれば、OECDが、日本を「貧困層の割合が最も高い国のひとつ」と断  定した根拠は2点ある。  すなわち、 1 「ジニ係数」(=所得の不平等度を示す指標)がOECD加盟30カ国の   平均を上回る水準まで上昇。 2 相対的貧困率は米国に次ぐ2番目の高さに。  そして、このような格差拡大の要因として、高齢化やパートなどの非正社員の増加を挙  げ、「正社員と非正社員という労働市場の二極化傾向が固定化する恐れがある」と警告  したとのこと。  OECDの報告書の原文を確認したわけではないが、その指摘は正しい。  小泉政治の5年間で間違いなく格差は拡大した。そして公正なルールが確立  されぬまま、ゆがんだ競争社会が出現したのである。 【2】正社員と非正社員の現状 ●厚生労働省の労働経済白書はわかりづらい。正社員と非正社員の推移が端的に分かるよう  な数字がなかなか出てこない。また総務省統計局の 無味乾燥的な労働力調査を見ても  さらに分かりづらさが倍加する。 ●確かに、雇用形態が流動化し、パート、アルバイト、契約社員、派遣社員、嘱託社員、  請負労働者、個人業務請負などさまざまな類型が現れたり、また若年層のニートといった  社会事象も加わって、いままでの統計との整合性がとりづらくなっているといった要因も  あろう。しかし、雇用構造の革命的な変化に対応した実態把握が政府統計に行われていな  いのは間違いなく、これはきわめて問題である。行政には、雇用構造の激変についての  基本的な認識が不足しているのではないか。きわめて残念である。 ●そこで、マスコミなどで言われている数字に頼らざるを得ないのであるが、たとえば、  日経新聞の03年3月の記事によれば、パート737万人・アルバイト364万人・契約社員・  派遣社員・嘱託社員409万人。非正社員の数は合計1510万人。日本の就業者総数6300  万人超だから、その3割超が非正社員ということになる。そして企業の意向調査をする  と、この傾向は決して後退する気配はないので、雇用構造の激変は、わが国の経済・社  会・文化のすべてに重大な変化をもたらすことは間違いないのである。 ●ちなみに、正社員と非正社員の違いを簡単にまとめれば、 1 賃金水準の格差    非正社員の賃金は正社員の賃金の44%(厚生労働省『毎月勤労統計』) 2 社会保険の不安定    パートタイム労働者で、健康保険、厚生年金の適用率はそれぞれ36%、31%。    (厚生労働省『平成15年就業形態の多様化に関する総合実態調査』)。    労働時間・労働日数が正社員の4分の3に満たない場合、企業の加入義務なし。 3 身分の安定性    非正社員については短期の有期契約が多く、期限更新時に雇い止めされ    かねない。 ●上記の1は、当然生涯賃金の格差につながり、国民の担税能力の低下にも  つながっていく。小泉改革がすべてこの流れを作ったなどというつもりはないが、  この流れを確定的に加速させたことは間違いない。  ある意味で世界の経済と連動する流れといった一面もあろうが、この変化を一方的に加  速させていったらおそらく、この国の社会的・歴史的・文化的基盤はすべて崩壊しかね  ないといった危機感持つ。そうであってはならないはず。わが国はいま文明史的な危機  に立たされていると認識すべきではないだろうか。  そんな危機感にたっての総合的な政策立案こそ、政権交代の最大テーマであり、  小沢民主党はそこにターゲットを絞るべきである。 【3】 やなせ進と旅する会 ●7月18日(火)、130名をこえる参加者が、3台のバスに分乗して東京に向かった。  第2回となった「やなせ進と旅する会」。宇都宮を中心に、栃木県全域から参加してい  ただいた皆さんとともに妻と一緒に同乗。国会見学、参議院議長サロンで写真撮影。隅  田川の川くだり、浅草見学、そして観劇(川中美幸芸能生活30周年)と盛りだくさんの  内容だった。 ●川中美幸さんのエンターテイメントに徹する舞台姿には感服。共感するものがあった。  それにしても黒羽から参加していただいた皆さんは朝の4時に自宅を出発したとのこと。  本当にありがたいことだと思った。参加者の皆さん全員に心から感謝申し上げます。 【4】 民主党法務部門会議 ●7月19日(水) 11:30 民主党法務部門会議を行った。  共謀罪についての外務省の訳文が原文とはかなり異なっているとの指摘。  勉強になった。それにしても、議員の参加者は千葉、簗瀬、高山の3名。  さびしい限り。