国会通信 No.714
【正社員がやがて2割?】
2006/8/7 (マンデーレポート714の要旨)
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【1】小泉改革の残した傷跡。
【2】正社員がやがて2割?
(95年 経団連報告書「新時代の日本的経営」の意味。)
【3】雇用形態別の雇用者数は?
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【1】 小泉改革の残した傷跡。
●7月、8月は各労働組合の定期大会が集中する。
先週だけでも
1 3日(木) NTT労組北関東総支部第5回定期大会
2 5日(土) 第一電子工業労組第32回定期大会
3 6日(日) JPU芳賀地方支部第46回定期大会
4 〃 JPU塩那地方支部第45回定期大会
以上の4つの大会に出席し、県連代表として挨拶をさせて頂いた。
●これらの大会で聞くことの出来る委員長さんの話や、
中央本部からの来賓などの話はとても勉強になる。
どの組合でも強烈な組織改革に向き合って、それぞれの職場で、
必死の対応の努力をしていることが切々と伝わってきて、頭が下がる
ことばかりである。
●そんな場面での、私の挨拶の流れはいかのようになることが多い。
1 小泉内閣が5年余で終わりを迎えようとしているが、日本社会の
将来にとって、深い傷跡を残してしまったこと。
2 その傷跡のうちもっとも深いものが雇用構造の急激な流動化であること。
3 その結果として、出生率の低下は続き、人口縮小が長期間続く
「縮みゆく日本」を誕生させてしまったこと。
4 このような誤った流れを解消させるためには、政権交代を実現し、
雇用構造の安定化を含む社会全体のセーフティーネットを確立
しなければならないこと。
5 そのためにも、来年の統一地方選挙と参議院選挙への力強い
ご支援を期待したい。
●時間は長くても5分くらいなので、どうしても舌足らずになってしまうことが
多いのだが、OECDの対日経済審査報告書(国会通信712号参照)を
挙げてみたり、出生率が1.25とさらに史上最低の記録となったり、
さらには人口統計の中位予測では2038年に日本の人口が1億人を切ってしまう
と予測されたり、などの話を付け加えながら、話に説得力もたそうとしている。
●こんな話をしながら、とにかく小泉内閣の5年間で、日本の雇用構造が徹底的に
流動化し、日本の雇用の3割超が、非正社員であるとの状況が定着、さらに
その比率を高めようとしているのは、わが国の将来にとって最大の問題点であるとの
認識を深めるようになってきた。
●小沢代表も、さすが、この点はしっかりと認識しておられるようで日曜日のテレビで
もこの点を強調しておられた。
【2】 95年 経団連報告書 「新時代の日本的経営」の意味。
●非正社員の急増ということが、わが国の社会構造を急激に変えつつある。こんな認
識を深めている中、先週は自治労主催の「安心の地域社会をつくる栃木決起集会」
(4日(金) 地域公共サービスの確立を求める委員会・栃木県公務員共闘会議主催)
で講師の山本幸司さんのお話しを聞いた。
●人事院総裁との協議直後ということもあり、昨今の人事院が独立行政機関とは
名ばかりのものとなりつつあるといった指摘にはとりわけ力が入っておられた。
さらに、民間の雇用構造の激変がブーメランのように公務員にも跳ね返ってくるとの
示唆や、今後はわが国の「雇用」の全体像をしっかりと再構成すべきときがきたなどの
指摘には大いにうなづかされるものがあった。
●さらに山本さんのお話で、もっとも印象に残ったのは、経団連(現在の日経連)が
今から11年前の95年5月に発表した、「新時代の日本的経営」と題する報告書だった
。私は、この報告書の意味合いをそんなに意識していなかったが、そんな自分の不明を
大いに恥じることとなった。
●そこで原典にあたろうと思ってインターネットを2時間近くさまよったが、多数のコ
メントは見つかったものの、肝心の日経連のホームページにも載せられていない。刺激
が強すぎるので自ら隠してしまったのだろうか?などと邪推する。読者の中で、原文を
お持ちの方がおられれば、ぜひ見せてほしいと思う。
●山本さんの指摘によれば、この新時代の日本的経営の中で、「雇用ポートフォリオ」
が提起され、このなかで、雇用を3つのパターンに分類し、昇給や、長期雇用が保障さ
れているいわゆる正社員の数を意図的に削減するとの指針が明らかにされたのである。
●そして「雇用ポートフォリオ」の3類型は以下の通りである。 山本メモの引用)
@長期蓄積能力活用型グループ
期間の定めのない雇用契約。昇給あり。退職金・年金あり。
管理職・総合職・技術部門の基幹職。
A高度専門能力活用型グループ
有期雇用契約。昇給・退職金・年金なし。専門職(企画・営業・研究開発など)
B雇用柔軟型グループ
有期雇用契約。昇給・退職金・年金なし。一般職、技能部門、販売部門
● @ はいわゆる正社員。 A は「派遣社員」。 そしてBはパートやアルバイト。
さらに山本さんは触れなかったが、経団連は将来的には、解雇権が制約され、
定期昇給、退職金、年金が保障された従来的な正社員の数を、全体の2割程度に
もって行くことを報告書で明らかにしているとの指摘もインターネット上にはあった。
●もし、正社員が「2割」の雇用構造を経団連が意図しているとしたら、これは
かなり刺激的である。だから、インターネット上で姿を隠してしまったのかなどと
かんぐりたくもなる。
●いずれにしても、その後の雇用状況は間違いなく
@は縮減、A、Bは拡大の方向で動いてきたし、政策的な誘導も間違いなく
行われてきた。
●インターネット上には、この「新時代の日本的経営」あるいは「雇用ポートフォリ
オ」の「現物」は残念ながら見つけられなかったが、その1年後の96年に経団連がフ
ォローアップしたものと、数多くのコメントは存在している。そのコメントの中で、こ
の経団連の報告書の考え方のベースはアメリカの「レーガノミクス」にあるとの指摘が
あった。もしそうだとしたら、レーガン政権の経済政策を引き継いでいるのがブッシュ
などだから、小泉政権の基本的な政策としても大いに整合性があるのである。
●しかし、この方向性が日本にとってふさわしいものとはとても考えられないのである。
【3】 雇用形態別の雇用者数は?
●国会通信712号では政府統計の数字をはっきりと指摘できなかったが
雇用形態別での政府統計としては以下の総務省の労働力調査がある。
参考のために最近の数字を挙げておく。
● 06年 1月〜3月期
雇用者 正規の職員 非正規の職員 パート アルバイト 派遣・契約社員
(役員を除く)・従業員 ・従業員 ・嘱託・その他
5002万人 3340万人 1663万人 783万人 337万人 542万人
100% 66.8% 33.2% 15.7% 6.7% 10.8%
(%は それぞれの構成比)