国会通信 No.719

【人口爆発と食料危機】

2006/9/19 (マンデーレポート719の要旨)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】 人口爆発と食糧危機。 【2】 農業の現状をチエックしよう。 【3】 民主・自民の新農政比較。 【4】 小沢代表 無投票で再選。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】 人口爆発と食糧危機。 ● 9月10日 真岡市で行われた県連主催の第4回民主塾のテーマは  「民主党の農業政策」でした。その際、講師の山岡衆議院議員が力説していたのは  地球の人口爆発、そしてやがて来る全地球的な食糧不足でした。 ●ここ数年来続く地球の異常気象そして温暖化の問題。さらには、30年前には  30億人台だった地球の人口が倍増して現在は65億人。そしてあと20年足らずで  85億人に達するといった人口爆発の予測。そして、もうその時点では  地球全体の食糧生産能力が限界に来てしまうといった推計。そんな恐ろしい  事態が現実になろうとしているのです。 ●今はお金で食糧が買えます。国境を越えて食糧の輸入が出来るのも、  輸出してくれる国や地域があるから可能なこと。人口爆発は、すなわち食糧輸出地域の  急激な減少と直結しています。他の地域に食糧を輸出する余裕がなくなる状況は  もうすぐそこまで来ているのです。 ●小沢民主党の中心政策に農業を位置づけようとするのは、単なる選挙政策  ではありません。このような全地球的な危機感に立っての判断です。 【2】 日本農業の現状分析 ●日本の農業や農業政策の率直な現状を改めて認識しておく必要があります。  ●日本の農業の産業としての規模は?  昭和60年と平成16年で比較すると、確実に産業としての農業は衰退しています。           昭和60年       平成16年 農 地     583万ha        471万ha     12%↓ 産出額    116,295億円    87,863億円    24%↓ 就農者数    444万人      257万人     42%↓ 食料自給率    53%         40%     25%↓ ●世界最大の食料輸入国が日本。   (消費量に対する輸入品の比率) 小 麦    86% 大 豆    97% 魚介類    51% 肉 類    45% 油脂類    87% 野 菜    20% 果 実    61% 乳製品・牛乳 33% ●先進国の中で最低の食糧自給率  (カロリーベース)    アメリカ 119% フランス 130% ド イ ツ  91% イギリス  74% 日  本  40% ●欧米の手厚い農業保護 (農業所得に占める政府の直接所得補償の割合) アメリカ  46% フランス  52% ド イ ツ  50% イギリス  71% 日  本  0.7%  先進国ほど、農業者の所得を直接補償する政策によって  手厚く農業を保護しています。これに対して日本の場合は  中山間地の一部にだけ所得補償をしているのみです。 ●農業予算の使い道はちょっと変です!  わが国の農業予算の半分近くが 農業土木を中心とする実は公共事業費。  農業予算の半分近くが、農業者ではなく、農業関係の土木業者に流れています。 (平成18年度農林水産一般会計予算総額 2兆8,310億円) 公 共 事 業 費    1兆2,617億円   45% 一 般 事 業 費       9,332億円   33% 食料安定供給関係費       6,361億円   22%  日本の農業予算は、農家のためというよりも、実は、公共事業関係者のための  ものになってしまっています。ここに直接メスをいれていく。これが民主党の  農業政策の中心的なポイントです。 ●「食の安全性」は危険水域。  食の安全に対する国民の信頼は完全に揺らいでいます。  今まで問題になった例を挙げてみると、何年たっても改善されていない現状が  とてもよく分かります。  12年10月 安全性未審査の遺伝子組換えとうもろこし「スターリンク」を食品から検出  13年5月 安全性未審査(当時)の遺伝子組換えじゃがいも「ニュー・リーフ・プラス」       スナック菓子に混入  13年 9月 国内初のBSE感染牛発見  13年12月 中国野菜から基準値を超える残留農薬を検出  14年 8月 発がん性等がある無登録「ダイホルタン」が違法に輸入され、販売、使用  15年 4月 トラフグ養殖でホルマリン不正使用  15年12月 米国でBSE発生  16年 1月 高病原性鳥インフルエンザ ●以上、日本の農業の現状を簡単に整理しておきました。  特に食糧自給率が40%をきる寸前。日本よりも国土が狭く、  日本よりも工業化の歴史がずっと古いイギリスでさえ74%。  ドイツはさらにそのうえの91%。日本の超心細い状況が良く分かります。  これからの人口爆発、地球的な異常気象のなかで、間違いなく訪れるのが、  限られた地球の食糧の奪い合い。こんな食糧囲い込み時代にこのままでは  日本は生き残れないでしょう。いまこそ抜本的な農業政策の大転換を  しなければならないときなのです。   ●そのために民主党が真っ先に提案したのが、欧米の農業政策の基本  =農家に対する直接所得補償政策でした。自民党は、すぐさまそれをコピー。  同じような政策を出してきました。  しかし、よくよく見ると、実際は大違い。  なんと自民党の所得補償政策は、4ha以上の農家だけを対象としています。  まさに大農家優先・小規模農家切捨ての問題な政策なのです。  お得意の格差拡大政策ですね。   【3】 民主党・自民党の農業政策比較 ●民主党が初めて正式に提案。さっそく自民が追随したのが、  農家に対する直接所得補償政策。しかし、その内容は全く似て非なるものです。  双方の違いを簡単に整理してみると以下の通りです。   1 対象とする農業者 民主党 → 全ての販売農家=約200万戸 自民党 → ・4ha以上の認定農業者 (北海道は10ha以上)。       ・経理を一元化した20ha以上の営農団体。      (※政府答弁ではこの二つで全体の3割= 52万戸 程度) 2対象となる農産物  民主党 → @米、小麦、大豆・菜種         A自給率の向上に資する作物(でんぷん原料用ばいれいしょ等)        B地域の農業振興に欠かせない作物  自民党 → @米(収入源の場合のみ補てん)、麦、大豆、てん菜 3自給率向上の目標  民主党 →10年で50%、将来的には60%以上、最終的には100%。  自民党 →45% 4支払総額  民主党 →1兆円(国 5000億円 地方 5000億円)  自民党 →約1700億円 5米の生産調整  民主党 →廃止  自民党 →継続 ●いづれにしても、政府案は、大規模農家だけを対象に。  しかし、民主党はまじめに農業をしている人全てを対象とします。  約200万戸程度の農家を対象とし、これによって  米の生産調整を廃止します。農業土木関係予算を大幅に切り込むことによって、  農業予算を本当に農業者のためのものに蘇らせます。 ●これに対して自民党は、予算規模も実に中途半端。農業予算の抜本的な改革とは  程遠い内容です。それどころか、間違いなく小規模農家の切り捨てにつながり、  日本の農業構造をきわめて脆弱にしてしまいます。 【4】 小沢代表 無投票で再選 ●9月12日 民主党の代表選挙が告示されました。  その結果、立候補の届出をしたのは小沢一郎氏だけであったので、  無投票当選が確定しました。この結果で大いに良かったものと思っています。 ●党内の一部には選挙を求める声もありました。その根拠は、党内論議の活性化だとか  、マスコミの自民党総裁選への報道過多にストップをかけるとか様々ですが、  私は今回はそんな考慮は必要ないと考えます。 ●来年の参議院選挙こそ政権交代の最大のチャンスであることをみんな自覚して  います。そして、その先頭に立つべき党代表は、小沢さんがもっともふさわしいと  する点でみんな一致しています。そんな現在の民主党の一枚岩の状況を示すもっとも  ふさわしい姿が「無投票当選」であると思うからです。     さて、以下には小沢さんが立候補の際に明らかにした「私の基本政策」の  全文を掲載します。もちろん、これは、各論点を列挙したものであり、また、  現時点での小沢さんの個人的な考え方を述べたものであり、党内での正式な議論は  これからです。たとえば「国連平和活動」の具体的意味などについては、さらに  党内論議が必要と思われます。そのうえに、国民投票法制や憲法改正問題についても  詳しい言及はされておりません。いづれにしても、25日の党大会で新体制が確定します   。その後きちんと議論しなければなりませんね。 【参考】    私の基本政策  ― 公正な社会、ともに生きる国へ ―      衆議院議員 小沢 一郎  私たちは、日本の仕組みを一新することで、日本の良さを保守し、国内でも  国際的にも「公正な国」を実現するために、早期に自ら政権を担い、当面、 以下6つの改革を実行する。 T.「人づくり」から「国づくり」を始める 1 日本国教育基本法の制定 2 義務教育は国が最終責任者 3 義務教育の拡大と子育て制度の一元化 4 すべての国民に高等教育の機会を保障 5 社会ルールの学習 U.格差をなくして国民が助け合う仕組みをつくる 1 子ども手当と親手当の創設 2 雇用のセーフティネット 3 すべての年金制度の一元化 4 医療・介護の安心と「生涯雇用の」確立 5 消費税の福祉目的税化 6 高額所得者への支給制限 V.まず食料から国民の安全と安心を確保する 1 食の安全の確保 2 食料の完全自給を目指す 3 小規模生産でも生活できる農村漁村の確立 4 個別(戸別)所得補償制度の創設 5 「もったいない」の普及 W.地方を豊にする 1 分権国家の樹立 2 補助金の廃止で陳情・利権政治を一掃 3 基礎的自治体の整備 4 地域経済の活性化 5 特殊法人等の廃止・民営化 6 経済の持続的成長と財政の健全化 X.平和を自ら創造する 1 真の日米同盟の確立 2 アジア外交の強化 3 貿易・投資の自由化を主導 4 政府開発援助(ODA)の抜本見直し 5 自衛権の行使は専守防衛に限定 6 国連平和活動への積極参加 Y.政治を国民の手に取り戻す 1 国会審議は議員のみとする 2 副大臣・政務官の機能強化 3 危機管理体制の確立 4 法制度の欠陥の是正