国会通信 No.721

【「美しい国」の意味】

2006/10/2 (マンデーレポート721の要旨)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】「美しい国」の意味。 【2】所信表明演説の感想。 【3】先週の主な活動。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】「美しい国」の意味。 ●先週、安倍新総理が誕生し、初めての所信表明演説を聞きました。  「無内容にして軽薄」、失礼ながら私の感想はこれに尽きています。 ●まず彼の訴える「美しい国」の意味を考えて見ましょう。  演説のなかで挙げているのは4点です。かれが本会議で読み上げた  部分をそのまま引用します。  1 文化、伝統、自然、歴史を大切にする国。  2 自由な社会を基本とし、規律を知る、凛とした国。  3 未来へ向かって成長するエネルギーを持ち続ける国。  4 世界に信頼され、尊敬され、愛されるリーダーシップのある国。    この4点を挙げています。 ● 一読して分かるように、誰にも否定できない価値観の列挙に過ぎません。  問題なのは、ひとつひつの具体的な中身なのではないでしょうか。  どんな文化を大切にするのか、どんな歴史を大切にするのかが、語られていません。  (第1について) ●自由の中身、規律の中身、相互のバランス、これが重要なのにそのことは  語りません。そして「凛(リン)とした」という抽象概念に逃げ込んでいます。  (第2について) ●未来成長のエネルギーは、ないよりもあったほうが良いに決まっています。  問題は、そのエネルギーの向けられる方向なのです。そこを語らなければ  何の意味もありませんよね。(第3について) ● 信頼。尊敬。愛。リーダーシップ。だれもがそうありたいと願っています。  問題は、どうしてそれを実現するかなのです。先日の国連でのアルゼンチンの  大統領演説、あまり品がなかったのはともかくとして、アメリカを悪魔と名指しし、  それに拍手が巻き起こる反米風潮が強まる中で、わが国が、世界の信頼と尊敬を  集めるのは、かなり難しくなっています。政権中枢にい続けた安倍さんは、  このことをどう考えているのでしょうか。世界におけるリーダーシップなど、  語ること自体おこがましいのではないでしょうか。(第4について) ●あらためて広辞苑で「美しい」あるいは「美」を引いてみました。  「美しい」=@愛らしい。かわいい。いとしい。        Aきれいである。みごとである。        Bいさぎよい。さっぱりして余計なものがない。   どうも「美しい」という言葉には、政治的に意味がある具体的な内容は  希薄のようです。 ● 他方「美」ということになると多少ニュアンスが違ってきます。  「美」=@うつくしいこと。 うつくしさ。  Aよいこと。りっぱなこと。   B味が良いこと。うまいこと。       Cほめること。       D(哲学用語)   知覚・感覚・情感を刺激して内的快感をひきおこすもの。       「快」は、生理的・個人的・偶然的・主観的であるが       「美」は、個人的利害関心から一応解放されており、       より必然的・客観的・社会的である。  @からCまでは、内容的には不明確ですが、哲学用語的に使用すると  なると少しは意味を持つことになります。たとえば国際的な「美」を  安倍さんが主張するなら、それは国際的な個人的・主観的なものであっては  ならず、より必然的かつ客観性を持たなければならない、、、  などといったように。  しかし、安倍さんの文脈からは国際的な共感などといった響きは全く  伝わってはきません。要するに、きわめて意味不明の美意識が  一人歩きしているといった感じなのです。一国のリーダーの、  正体不明な不確定な美意識にこの国が引きずられるとしたら、  こんな怖いことはありません。  【2】 所信表明演説の感想。 ● 安倍総理のいわれる「美しい国」の怪しげな意味については、  【1】で述べました。そのほかの気がついた点を以下に指摘します。 ● 政権が変われば、それですべて免罪符なのでしょうか。  所信表明演説の中で、安倍さんが語った多くの活動指針は、考えてみれば、  すべて小泉政治の5年半がもたらしたこの国の弊害の裏返しです。 ● 「再チャレンジ支援策」を必要とするのは多くのいわゆる「負け組」の皆さん、  そしてそんな人々を大量に生み出したのは、ほかでもない小泉さんです。 ● 日本が、アジアと世界の架け橋になるのが「アジア・ゲートウエイ構想」  だそうですが、アジアと戦後最大の溝を作ってしまったのは小泉さんです。 ● 「頑張る地方応援プログラム」を作るそうですが、三位一体改革の地方への  しわ寄せで、元気を奪ったのは小泉さんです。 ● 「人生のリスクに対するセーフティネット」だそうですが、年金のレベルダウン、  介護保険料の値上げ、高齢者医療費の個人負担増、そして定率減税の廃止。  さまざまなセーフティーネットを薄っぺらにしていったのは小泉さんです。 ●そのすべての政策に加担していたのは安倍さん、あなたです。  ですから、所信表明演説であなたがまずはじめにしなければならなかったこと、  それは前政権の中で、あなたが行ってきたさまざまな誤りに対する、  真摯な自己批判ではないですか。そんな自己批判にたってこそ、  初めて所信表明演説は評価のまな板に乗ることが出来るはずです。  しかし、そんな話は一切ありませんでした。失敗の冷静な分析を欠いた  政策提言は、最初から実現困難が見えています。 ●さらに連発される意味不明のカタカナ語や造語。失礼ながら  「安倍語」と総称します。この安倍語の連発を聞きながら、私は、  中身のない商品を売りつけようとする、悪質な虚偽広告のように  感じられました。しかも、国民やマスコミの「受け」を狙っているようですが、  完全にはずしています。  一例を挙げると  再チャレンジを説明する安倍語=「人生二毛作」。  →生きているうちに何度も刈り取られる稲のような不安を覚えます。  アジアと世界の架け橋を意味する安倍語=「アジア・ゲートウエー構想」。  →むしろ関所や関門を連想します。世界とアジアの「関所」の役割を、日本がやるのでしょうか。  簡素で効率的な政府を意味する安倍語=「筋肉質の政府」。  →筋肉の連想するのは物理的な「力」です。力任せの強圧的な政府を作るのでしょうか。  少子化対策の指針を意味する安倍語=「子育てフレンドリーな社会」  →連想困難です。子育てという、家族の原点の営みと、「社会」がどう向き合おうとするのでしょう。   フレンドリーという言葉の意味が全く分かりません。  政府インターネットテレビの活用を意味する安倍語=「ライブ・トーク官邸」。  →情報の一方的な垂れ流しを、ライブの「のり」でやられたらたまりません。   双方向の落ち着いた対話こそ、国民が望むものなのでは?  わが国の理念、目指す方向、日本らしさを意味する安倍語  =「カントリー・アイデンティティー」。  →カントリーを形容詞的に使う場合は、地方とか田舎と訳される場合が多いような。   (たとえばカントリー・ミュージック)こんな用法で良いのだろうか。 ●こんな 意味不明な言葉が乱れ飛んだ所信表明演説は、はじめてのこと。  官僚の手を借りない、自分の言葉で語りたい、そんな気持ちは分からないでは  ないが、自分の考え方が混乱し、かなり独りよがりで、曖昧模糊としていることを、  見事にさらけ出してしまった。最後に、安倍さんに申し上げたいのは、  「美しい国」を言う前に、「美しい日本語」を語ってほしいものである。 【3】 先週の主な活動。 ■9月25日(月) 08:00 第720回マンデーレポート。 09:15 法律相談。 10:00 関東自動車労働組合第40回定期大会 ★ 産業再生機構への申請があったのは2年前。  当初予定の3年間を待たずに立派に立ち直り、同機構の  手を離れたとの委員長さんの報告がありました。  「血の出るような努力」という言葉に万感の思いが  こめられていました。 14:00 民主党臨時党大会(代表選挙集会) ★ 小沢代表が無投票で再選されました。  その後 検査入院したとの報道に驚きましたが、  考えてみれば 来年の参議院選挙、この天下分け目の戦いに  望むなら、今しかオーバーホールの機会はないと思います。  10日前後には退院するとの報道もあり、まず一安心。  この際だから しっかりとチエックし万全の体調で  決戦に臨んでほしいと思います。 ■9月26日(火) 09:15 民主党議員総会 10:00 参議院本会議 ★ 故橋本総理への弔詞朗読と、議席指定を行いました。 11:00 民主党両院議員総会 12:15 民主党・新緑風会常任役員会 ★新たに参議院の民主党会派の副会長に選出されました。  会長は輿石さん、そして会長を補佐する3名の副会長の  一人に指名されたわけです。副会長の主な職務は、  毎週火曜日が定例の常任委員会での論議に参加すること。  ここが参議院民主党の最高意思決定機関となります。 13:30 参議院本会議 ★首班指名。安倍新総理 誕生。 ■9月27日(水) 08:00 民主党法務部門会議 09:30 法務省レク 11:00 第5回少年法「改正」法案問題点の解消を求める院内集会 12:00 民主党国対・理事合同会議 12:00 全建総連「消費税率引き上げ・大衆増税反対国会集会」 13:00 福田俊司写真展 ★ 宇都宮駅前でホテルを経営する福田さんは動物写真家としても  著名です。銀座の富士フォトサロンで開かれているオオワシの個展に  お伺いし激励してきました。   ■9月28日(木) 09:30 民主党議員総会 10:00 参議院本会議 ★常任委員長の指名など人事関係の決定を行いました。  教育基本法がらみの特別委員会の設置は、この時点では  民主党の強い反発により、見送られました。  他方、行政改革特別委員会は廃止となり、特別委員会の数は  前国会は六だったものが、一つ減って五つとなりました。 11:00 政権交代を実現する会 12:10 民主党緊急北関東ブロック国会議員団会議 13:00 開会式 13:30 民主党議員研修会 ★菅代表代行、連合の高木会長、読売新聞の論説委員橋本五郎さんのご講演を  受けました。(上記【3】参照) 16:20 日本税理士政治連盟第40回定期大会懇親会 17:00 民主党全議員懇親会 ■9月29日(金) 13:00 民主党議員総会 13:30 参議院本会議 ★ 安倍新総理の所信表明演説。  原稿と首っ引きの感じでした。  たしか、組閣の記者会見のときは、原稿なしの立派な演説だったはずなのに。  様変わりの様相。語尾は聞き取れず、読み間違いもあって不安な感じ。  与党席の拍手も、冒頭と最後に目立った程度で、全く迫力なし。  しかしよくよく考えてみれば、組閣の記者会見が行われたのは首相官邸。  そして首相官邸には細川政権以来、秘密兵器があるのです。すなわちそれは、  透明なプロンプター。本人には見えるが、テレビには映らない。この  特殊な透明プロンプターのおかげだったのかと想像しました。  同じ高支持率ながら小泉総理のときとは大違い。一言で言えば、  新政権の高揚感は全く欠けています。  (上記【1】【2】参照) 14:00 参議院憲法調査会事務局レク ★引き続き 参議院の憲法調査会では、民主党の筆頭幹事を務めます。 ■9月30日(土) 13:30 JAM栃木第8回定期大会 15:00 自治体議員フォーラム栃木第1回定期大会及び懇親会 17:00 谷ひろゆき総合選対結成大会 ★総合選対委員長に選任されました。「28年の政治生命をかけて戦い抜きます。」  「静かな男」の燃える決意がじっくりと伝わってきました。  一人区となった栃木選挙区。激戦を勝ち抜き、政権交代のきっかけを作りたいものです。 ■10月1日(日) 08:10 宇都宮市西原地区体育祭 08:45 住吉保育園運動会 09:00 伊東文化幼稚園第53回秋季大運動会 10:00 福田あきお新事務所竣工披露パーティー 11:00 2006 NISSAN 「しらさぎ祭り」