国会通信 No.723

【胡錦濤さん、呉邦国さんの話】

2006/10/23 (マンデーレポート723の要旨)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】胡錦濤さん、呉邦国さんの話し。 【2】先週の主な活動 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】胡錦濤さん、呉邦国さんの話し。 ●10月15日から17日にかけて訪中しました。  目的は、参議院と中国全人代(全国人民代表大会 日本の国会に相当)  との定期交流プログラムの覚書の調印のためでした。  日本側は、総勢4名。扇千景参議院議長、自民党松田岩夫、  公明党山本保、そして民主党は私、の4名の参議院議員でした。 ●北朝鮮の核実験後、最初に中国を訪れる国会議員ということもあり、  中国側も、胡錦濤主席はじめ、序列5位のうち4名の方との会見を  セットしてくれました。好きな表現ではないのですが、世間で言うところの  「序列」順に中国の執行部を紹介すると以下の通りです。   1位  国家主席 兼 中央軍事委員会主席     胡錦濤   2位  全国人民代表大会(全人代)常務委員長   呉邦国   3位  国務院総理(首相)            温家宝     4位  全国政治協商会議 主席          賈慶林   5位  国家副主席                曽慶紅  この5名のうちで 首相の温家宝さんをのぞく4名の方の話を  直接聞くことができました。たいへん得がたい経験をさせていただきました。 ●全体的なポイント   各人の、内容に入る前に、全体的な私の感想を述べて見ます。 1 まず、安倍総理の訪中については、皆さんが積極的に評価しました。   「戦略的互恵」という言葉を使ったり、あるいはもっと分かりやすい表現で   「和すれば利。戦えば害。」といった表現で今後の日中関係のあり方を   表現していました。さらに、交流の内容も、エネルギー、環境、金融、知財など、かな   り具体的でした。 2 次に靖国問題について、中国側がどのように切り出すのか、興味津々。   しかし、関係改善を優先させたのでしょうか、どなたも配慮のある発言を   していました。すなわち、皆さんに共通していたのは、注意深く「ヤスクニ」という固   有名詞に触れるのを避けていたのです。たとえば 呉邦国さんは、   「周知の事実」と表現しました。また、国家主席の胡錦濤さんは、「指導者の対応で口   にしたくないことがあった」といった表現を用いました。 3 北朝鮮の核実験の問題については、非常に厳しい言葉を用いて批判しま   した。ただ、その口調はとても冷静でした。そして、誰もが、締めくくりは   「エスカレート」させてはならない、「六カ国協議の席につかせる」べきだと   いう言葉で話を結んでいました。呉邦国さんなどは、「馬が、がけに落ちる一寸手前で   止めなければならない」と述べました。リアルな発言の中に、   深い懸念と暴発への恐れを感じとりました。 4 胡錦濤さんが、一段落するごとに、自分でうなづくようにして、話を   つすける姿が、とても印象的でした。実際、話の区切りごとに、「ウン」と   「ウン」と自らうなづく声が漏れてきました。私は、彼に会うのは三度目です。   もちろん国家主席になってからは今回が初めてですが、自らの言葉を、かみしめるよう   にして話を続ける彼の姿に、さまざまなものを感じました。 ●以下は、私がお聞きした各氏の話の要点メモです。ご参照ください。  なお、私の聴取能力と記録能力は、いずれもあまり自信はありませんので、  内容の正確性には100%の保障は困難です。その点はご容赦ください。  なお、紙面の関係で、呉邦国さんと胡錦濤さんに絞りました。 ■ 06/10/15 pm12:30 (日本大使館) ・最近の中国情勢についてブリーフ。 ・中国は、昨年暮れころから反日デモ制約の方向にあったこと。 ・経済優先政策の結果、社会全体の緊張感の高まり、不平等感、  格差拡大等の問題が深刻化、その結果として10月8日から開催された  六中全会(後記【2】参照)では新たに「調和のとれた社会」の建設という  スローガンを掲げたこと。 ・来年の全人代は5年に1度の人事案件を処理する大きな大会であること。 ・胡錦濤国家主席は、着々と権力基盤を固め、再選の見込みが強いこと。 ・ただ「腐敗」の問題等の政治改革のテーマの進展ははかばかしくないこと。  89年天安門→経済優先→ひずみ発生→その是正の必要性。 ・国会にあたる全人代の役割は以前と比較してかなり重くなってきていること。  などの説明を受けた。 ■ 06/10/16 呉邦国  全人代委員長 呉:安部総理訪問 積極評価   5年間、もっとも困難な時期   「周知された事情」   影響は広汎   →政治的相互信頼 国民感情   中日関係重視の安部総理発言   政治的障害を取り除くことができた   最初の訪問−中国重視のあらわれ   広汎なコンセンサス   行き詰まり打破できた   正常な関係に復帰   有識者の様々な努力   各政党も様々な仕事   最終は安部総理の判断でピリオドをうった。   中日関係をより高い次元に高めるために必要なことは @1.戦略的な視点 指導者間で最も重要な二国間関係の確認  2.グローバルな視点    胡主席の指摘  和利戦害(和すれば利が生まれ、戦えば害を生む)  3.孫や子の代までの平和共存こそ唯一の選択肢  4.議会間の交流協力 三つの政治文書が中日関係の基礎 ・中日共同声明    ・中日友好条約    ・中日共同宣言    「歴史を鏡としての発展」こそ重要。 A歴史問題と台湾問題 解決  歴史問題と台湾問題 → 三つの政治文書に明らか  確立された思想を堅持  対話の原則で意見の相違を克服  東シナ海問題も、交渉を通じて解決すべき B実務協力の推進  政経は不可分  両者は車の両輪 力強い作動は賛成 自分は、国務院で経済担当。 省エネ 環境 ハイテク 中長期的な経済計画必要 日本経済界からも要望あり 08年オリンピック、10年の上海万博 文化、スポ観の協力、とりわけ青少年交流 北朝鮮の核実験問題について アジアへの影響は大  アジアの平和、安定、責任、共通の課題への挑戦 安保理が適切な声、適当な声を力強く上げることは重要 核実験では、北朝鮮が大きな代価の支払をしなければならないことを 分からせる必要がある。 しかし、窮地に追い込んではいけない。 崖っぷちの一寸手前で馬を止める、 エスカレートさせてはならない。 (省略) ■06/10/17 胡錦濤  国家主席  @ 中日関係は前記の3つの政治的文書が基礎である。  A 交流拡大 両国の利益、より一層大事にする必要がある。  B ここ数年、指導者の対応で口にしたくないことがあった。  C 安部総理との対話 速やかに善隣外交回復で一致    円満な成功だった。率直にして誠意あるやり取りだった   D 戦略的互恵関係 E 安部総理には4点提案した    1.相互信頼 3つの政治的文書が基本     歴史を鏡にして未来に向かうことが重要。       2.経済的な互恵強化の深化     貿易、金融、環境、エネルギー、情報通信   3.人的往来の拡大     政府 政党 地方 青少年   4.国際間、各地域間の意思疎通を高めていく。  F 08年オリンピック、10年上海万博の準備努力中    東京、名古屋を勉強し、大いに参考に   G 議会交流、重要    独特の役割    このたびのメカニズム覚書調印    新たなプラットフォームを作った    祝賀の意を表したい    政府も新たな貢献をしたい。    雨が降った後、晴れとなるような、   「政経両熱」の関係を作りたい。  H 北の核実験の問題    厳しい態度で臨まねばならない。      様々なルートを通して核実験やめるように働きかけてきた。    しかし、北は話を聞いてくれなかった。    残念なこと。    関係国との適時意思疎通をしながら、断固反対の意思表明をした。    実験後も、内部のルートで非核化の措置を遵守するよう求めた。    六者協議に戻るよう働きかけている。    国際社会が普遍的な憂慮を持っていることを伝えたい。    中国は、必要、適当な措置を支持する    北への国際社会の圧力を感じさせる必要がある。    とともに努力し、冷静な対応が重要。    エスカレートさせない 暴発?させないことが重要。    意思疎通にために、早急な六者協議復帰を。    朝鮮半島非核化の目標の実現。 (省略) 【2】先週の主な活動 ■10月16日(月)  扇参議院議長随行中華人民共和国公式訪問 11:30 賈慶林全国政治協商会議主席との会談 12:30 在中国大使主催昼食会 16:15 曽慶紅国家副主席との会談 17:00 呉邦国全人代常務委員長との会談 覚書署名式 18:00 呉邦国全人代常務委員長主催歓迎夕食会 21:00 記者会見 ■10月17日(火)  扇参議院議長随行中華人民共和国公式訪問 09:30 オリンピック施設視察 15:15 胡錦濤国家主席との会談 21:30 帰国 ■10月18日(水) 08:00 財務金融・法務・経済産業合同部門会議 12:00 民主党国対・理事合同会議 12:45 参議院法務委員会理事懇談会 13:15 下野新聞取材 15:00 党首討論傍聴 16:00 民主党政権政策委員会 18:30 ベトナム首相来日歓迎レセプション ■10月19日(木) 08:30 衆院神奈川16区補欠選挙応援街宣活動 14:30 ベトナム首相国会演説傍聴 15:30 角田参議院副議長面会 18:00 赤松広隆衆議院議員パーティー ■10月20日(金) 07:00 衆院大阪9区補欠選挙応援朝立ち、街宣活動 18:30 栃木県平和運動センター・宇都宮地区労国際反戦デー栃木県集会 ■10月22日(日) 13:00 民主党県連第六回民主塾 ★山口二郎 北海道大学教授 「地方から政権交代を」 15:00 大木栃木県弁護士会会長、伊澤弁護士から貸金業法改正     問題で要請を受ける。 17:00 民主塾終了式