国会通信 No.727

【おろかな拙速 教基法改正】

2006/11/20 (マンデーレポート727の要旨)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】おろかな拙速、教基法改正。 【2】タウンミーティング問題の徹底究明を。 【3】先週の主な活動。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】おろかな拙速、教育基本法改正。 ●先週木曜日、全野党が欠席するなか、衆議院で教育基本法改正案が  可決、翌日の金曜日、参議院本会議で、衆議院同様、与党議員だけ  出席しての、特別委員会設置決議と趣旨説明質疑が行われた。  私も参議院議員となって2期・8年が経過するが、ここまで  与党が暴走をするのは初めてである。良識の府としての  参議院は異常な事態に陥った。 ●自民党の幹部は、野党の物理的な抵抗が少なかったこと、  それによって沖縄知事選への影響が予想外に低く抑えられるもの  と読んで、安堵している気配もあるようだ。「野党は戦術ミス」  などの論評の裏側に、そんな不安が読み取れる。 ●しかし、私は戦術ミスだったとは思わない。今回、野党が  物理的抵抗戦術を避けた背景には、テーマが教育と言うことが  大きかったと思う。まさに国家百年の大計を、与党単独で進めることの  問題性をアピールするためには、静かなる抵抗こそ良策と考えたに  過ぎないのである。 ●それにしても、金曜日の午後、総理がAPECに出かけるので、、  などといった与党総理のメンツのためだけに、このような政治スケジュールが  決定されたのであり、重要な教育問題の審議を、党利党略で左右するのは  許すことのできない暴挙である。 ●与党は、審議時間だけをあげて、審議は尽くされたと主張する。  しかし、「未履修」の問題、「いじめ・自殺」の問題、そして国民世論を  意図的に操作した「タウンミーティングのやらせ質問」問題についての  本質的な議論は、一向に進んでいない。 ●これらの3点は、教育問題を審議する大前提である。しかも、いずれも  複雑な背景を持ち、多方面な論議と分析が必要な大テーマである。これらを  頬被りしての強行採決は容認しがたい。 ●「いじめ」とそれを苦にした自殺は後をたたない。むしろ、増加の傾向すらある。  ところが、今回の教育基本法改正案のどこにこの問題への処方箋が書かれているのか。  このことが、一向に明らかではない。 ●理念法だから、具体的な対策はこれからだと安倍総理は逃げの答弁に終始する。  冗談ではない。理念法は、個別法の指導原理になるからこそ、「理念法」足りうるので  はないか。指導原理のなかで対策の具体的な方針が明らかにされず、個別法だけ作られれ  ば、問題はさらに解決困難になるに決まっている。 ●参議院も、どうも今までの雰囲気とは異なってきた。できるだけ独自性を発揮しよう、  良識の府としての誇りをもって、できるだけ審議を尽くそう、そんな雰囲気が多少なり  とも、今まではあった。しかし、それが違ってきた。官邸の強い要請に不本意ながら  押し切られているような気配が漂っている。 ●安倍総理は、政権のスタートから、なんとか上昇気流に乗りたい、そんな必死さに  与党参議院は押し捲られているようだ。安倍総理周辺は、福島知事選挙の敗北で、一挙  に手負いの虎になったようだ。隠忍自重で、結果として沖縄でも負けたら最悪、そんな  計算も  しているかもしれない。そんな安倍総理の思惑のいけにえに教育基本法が捧げられよう  としている。言語道断、徹底抗戦しかない。 【2】 タウンミーティング問題の徹底究明を。 ●やらせ質問から、質問者への手当て支払い。タウンミーティングというデモクラテ  ィックな響きの催しが全国で開催されてきた。開催箇所数は300箇所になろうとする。  そしてその舞台裏で行われてきた様々なことに、私は正直いって汚い言葉で恐縮だが  わが国の民主主義へのかぎりない嘔吐感を持っている。 ●年末になると自民党税調の激しい論議が行われる。自民党時代、もちろん私もそこに  放り込まれた。そして驚くのが「電話帳」と言われる膨大な資料と、関係省庁の役人た  ちが持ってくる「ご発言要旨」だった。各省の所管する税金関係の様々な要請を、要領  よくまとめた「ご発言メモ」。それを以下に効果的に結論に反映するか、自民党議員たちは  手練手管を競う。そして霞ヶ関に、業界団体に覚えめでたくなるよう競い合う。それが  自民党政調の一側面であり、政官財の癒着構造に組み込まれていく洗礼の儀式だった。 ●やらせ質問の報道を聞いて、即座にあの霞ヶ関の官僚たちが作って持ち込んできた  「ご発言要旨」を思い出した。微にいり細をうがち、官僚たちは発言を手助けするよう  な顔をして、自分の手のひらに乗せようとする。そんな手法が、タウンミーティングで  行われていたとは。 ●さらに、口火を切る最初の質問者には日当が支払われていたり、応募者が定員を切  っているのに抽選に落とされる意図的な選別が行われていたり、タウンミーティングの  問題点が次々と指摘されている。 ●昨年から今年にかけて様々な「偽装」事件が問題となった。「耐震偽装」、偽装「  派遣」、、、。私は、今回明らかになりつつある「やらせタウンミーティング」問題こ  そ、民主主義の究極の偽装とも言うべき、「世論の偽装」であり「政治の偽装」である  と思う。 ●小泉政治の5年間、国民の生の声を聞くなど偽装しながら、タウンミーティングを  開いてきたとしたら、それこそ実に許せない偽装政治である。もちろん、その間、幹事  長代理・官房長官として一貫して小泉政治を支えてきた安倍総理の責任も免れない。 ●民主主義の政治においては、国民の声は最も重要な要素であることは言うまでもない。  しかし、ギリシャ・アテネの小国家の時代ならともかく、1億人規模の国家で、多様な  国民の声を集約するのは極めて困難ではある。しかし、だからこそ政治の世界にある者  は謙虚であるべきだと思う。政府与党が、圧倒的な予算力や官僚制度を背景に、意図的  な世論操作を行えば、たちまち「民主主義」の仮面を被った「独裁国家」が出来上がっ  てしまう。 ●以上のように考えると、今回のタウンミーティングの「やらせ」は見過ごすことの  できない、民主主義の根源的な大問題なのである。しかも、タウンミーティングを舞台  にして「教育基本法改正の必要性」が意図的にクローズアップされてきた。だからこそ、  この問題の解明なくして教育基本法の改正論議を続けるべきではない。 ●この問題については、塩崎官房長官は当初「徹底究明」を言いながら、先週後半では、  ずいぶんとトーンダウンしてきている。そんな右顧左眄は許されない。民主主義の  本質に関わる大問題として、徹底的に実態解明をし、望ましい「国民の声」を聞く場所  としてのタウンミーティングの再構築を図るべきである。   【3】先週の主な活動。 (詳細日程は今週は省略。) ●14日、15日。 政権政策委員会。  いままで皆出席の小沢代表も、沖縄知事選挙でラストスパート。  両日とも沖縄入り。雇用政策、年金、社会保障のテーマを中心に  委員間で意見交換。  ●16日。太極拳振興議連発起人会。  栃木県 太極拳連盟会長として発起人の一人となりました。  会長に二階衆議院議員を選出。 ●16日。沖縄知事選挙 糸数けい子さんの応援に。   建設関係の中小企業関係を回って、6時には国際通りで行われた  菅代表代行の総決起集会に合流。午後8時15分の飛行機で日帰り。 ●17日。 議員総会。常任役員会。  教育基本法改正案についての参議院での対応について意見交換。