国会通信 No.742
【日中議員交流で基調報告 他】
2007/3/26 (マンデーレポート742回の要旨)
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【 日中議員交流で基調報告 他 】
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【1】日中議員交流の第2セッションで基調報告
●3月26日(月)、日中議員交流の第2セッションが午前10時から開催されます。場
所は、参議院別館の第43号委員会室です。
●第2セッションのテーマは日中経済関係。私が日本側を代表して基調報告を行い
ます。さらに、翌日の27日(火)は法務委員会が行われるため、変則ではあります
が、26日(月)の発言予定の原稿を掲載することで国会通信・マンデーレポートとさ
せていただきます。
●私の持ち時間は8分間ですが、以下のとおり原稿の字数は4017字。早口で読んで
も10分はかかります。どうしようか悩んでいるところです。原稿をそのまま掲載しま
す。長文ですが、お読みくだされば幸甚です。
【 第2セッション 基調報告 原稿 】
●私が最初に中国を訪問したのは、衆議院議員に初当選した1990年の4月のことで
した。加藤紘一衆議院議員を団長とする自民党訪中団の一員としてであり、その大き
な任務は、天安門事件のために途絶えていた日中の議員交流を再開することにありま
した。当時、お元気だった孫平下先生の要請に基づく、日中の間で「新しい井戸」を
掘るためのものでもありました。以来17年の歳月を経て、本日このような基調報告を
させていただく訳であり、誠に感慨深いものがあります。
●さて、私のテーマは「経済」です。そこで、前半は総論的な課題、そして後半は
各論的な課題について発言したいと思います。
●まずは、世界経済の現状認識について確認しておきたいと思います。私は大きな
ポイントは2つあると思います。その1つ目は「冷戦構造の終焉」であり、2つ目は
「IT革命」だと思います。冷戦構造の終焉により、世界の経済はイデオロギーの桎
梏(しっこく)から解放されました。またIT革命は、世界経済の姿を一変させまし
た。例えば、一瞬のうちに国家予算をはるかに超える資本がグローバルに飛び交い、
国家を超越した世界的な資本市場を形成しています。貴国もわが国も、この大きな潮
流から逃れることはできません。そしてここから様々な問題が起こってきます。
●例えば、今日本の国会の最大の焦点の一つである「格差問題」も実はこのグロー
バル経済の「光と影」の問題と捉えるべきであります。したがって、格差の拡大と
いった問題は日本のみならず、中国の課題でもあると同時に全地球的な課題になりつ
つあるのです。
●私は、このような認識を共有することによって、両国の様々な分野での協力、と
りわけ経済政策の分野でのさらに緊密な連携が可能になると考えます。
●例えば、第1セッションで張春生先生が触れられた大陸法と英米法のお話しにつ
いて、私自身も深く共感いたします。わが国も明治維新以来、ヨーロッパ諸国の法律
を参考にしながら近代化を進めてきました。経済法制の分野でも、フランスとドイツ
の影響は強かったと思います。しかし、現時点では、じわじわと英米法、とりわけア
メリカン・スタンダードの影響が強くなってきているように思えます。そして、アメ
リカの経済政策のエリート達の多くは、いわゆる市場原理主義の信奉者であり、規制
を撤廃し、市場を自由化することを経済政策のベースに置いています。このこと自体
は間違いではありません。しかし、それぞれの国内的な事情を考慮に入れずに無批判
に取り入れてはならないと考えます。さらに、準備不足の自由化が大きな社会的混乱
を巻き起こすことも注意しなければなりません。
●先週、ライブドア事件の堀江被告に対し、一審で実刑判決が下されましたが、こ
の事件は証券市場のルールが未整備であることを逆手に取り、社会を大混乱に巻き込
んだ事件でした。
●一昨年、わが国は1000条に上る商法の大改正を行い、新たな会社法を作りまし
た。これによって最低資本金制度がなくなり、会社の設立は極めて容易になるなど、
会社や株式の基本が大きく変わることになります。
●しかし、改正をした結果、株式を対価とする会社の買収が可能となり、株価の低
い日本の会社がアメリカの巨大な会社に飲み込まれかねないなどの心配も起きていま
す。
●しかし、だからといって、わが国だけの閉鎖的な経済に安住することは許されま
せん。国際的な経済活動をする以上、市場の自由化は避けることができない原則であ
ると受けとめるべきであります。しかし、そのうえで重要なのは、地域経済の独自性
や自主性の尊重であり、自由が放埓(ほうらつ)に陥らないための、公正にして公平、
かつ公開された明快なルールを作っていくことだと思います。
●わが国は、第2次大戦の壊滅的な敗北の後、地勢的かつ冷戦構造の枠組みといっ
たある種の幸運に恵まれて驚異的な経済成長を遂げてきました。しかし、1985年のプ
ラザ合意以来、国際環境の激変とともに、様々な困難にも遭遇しました。急激な円
高、それをなんとか乗り越えたと思ったら、株式と不動産の強烈なバブル、バブル崩
壊後の巨額な不良債権の処理、金融危機、準備不足の自由化による株式市場の混乱、
そして自由競争の結果としての格差問題など、おそらく、これからもわが国の悪戦苦
闘は続くでしょう。私は、このようなわが国の経験と知識を、貴国との間のかけがえ
のない共有財産とすることこそ、両国関係の持続的発展のために最も重要であると考
えます。
●さて、少し各論的なお話をしたいと思います。
●昨年10月の日中首脳会談において、“経済”は戦略的互恵関係を構築していく上
での2つの車輪の1つと明確に位置付けられました。問題は如何にして経済面での『戦
略的互恵関係』を構築するかだと思います。
●日中経済関係は、貿易・投資両側面で緊密の度を深め、今や世界に冠たる二国間
経済関係となりました。その互恵的関係の更なる深化に向けて、日中両国は以下のよ
うな点を強く意識していく必要があるのではないかと思います。
●第一に、現在の日中経済関係を更に発展させていく上では、エネルギー・環境政
策を始め、経済政策の多くの分野において政府横断的な協調関係をいっそう深めるこ
とが重要ですが、その時非常に重要になるのが政治のリーダーシップです。IT革命
やイノベーションの進化によって経済政策の対象も複雑化し、関連分野が多岐に渡る
ようになりました。その結果として、関連省庁の調整に手間取り、対応が遅れてしま
うといった官僚制度の弊害を、高いレベルの政治的なリーダーシップによって乗り越
える必要があります。例えば、わが国が提案している「日中経済政策閣僚会議」など
においても、貴国の国務院指導者の参加も得た上で、両国の協力関係を、持続的かつ
機動的に進めていく強力な体制をとるべきではないでしょうか。
●第二に、市場開放政策と外資脅威論について触れたいと思います。先程、会社法
改正に伴うわが国の外資脅威論について触れましたが、貴国においても自由化に伴う
経済ナショナリズムの動きを耳にすることが最近になって増えてきています。貴国の
「対外開放」という歴史的な政策決定は、中国を世界経済システムに結びつけまし
た。そして多くの外資を呼び込むことで、高度経済成長を達成するといった目覚しい
実績を挙げたことは言うまでもありません。要は、経済活性化のための市場の自由化
の意義を認めつつ、透明かつ公正な投資ルールを確立することであり、誤解と偏見に
基づく批判を乗り越えるために、様々な努力をすべきであると考えます。
●第三に、民間企業にとってより魅力的な事業環境・投資環境の整備についてで
す。民間企業の活躍が、日中の経済関係の発展を担ってきたことは言うまでもありま
せんが、この流れをさらに強化するために、事業環境整備の一環としての「知的財産
権保護拡充」は極めて重要だと考えます。また、投資環境の促進については、日中韓
三国の投資環境整備を目指した日中韓投資協定の早期締結、及び各国の投資環境整備
に向けた自主的取組をとりまとめた「日中韓ビジネス環境改善アクションアジェン
ダ」の早期策定に全力を挙げるべきではないでしょうか。
●第四は、両国の戦略的互恵関係を経済面で高めていくための将来的な共同ビジョ
ンです。アジアが、今後とも世界の成長センターと言われ続けるためには、インドや
オーストラリアを含めた東アジア全体の大きな経済的な連携を構想すべきであると思
います。それぞれの経済的特性を活かした相互補完の経済的な連携が、この地域のた
めのみならず、世界の経済的な発展のためにも重要です。先般、セブ島で開催された
東アジアサミットでは、東アジア経済連携協定(いわゆるCEPEA〈セピア〉)構築に
向けた研究の開始に合意されましたが、地理的な近接性やヒト・モノ・資本・技術・
ノウハウなど多面的な、補完的な関係の有利性から言っても、東アジア全体に亘る大
きな構えのビジョンを構想しつつ、日中の戦略的な互恵関係をより高めるべきである
と考えます。
●最後に、知的財産権の問題について触れさせて下さい。私は、かつてアメリカの
ヤングレポートも参考にしながら、知的財産権の創造・保護・活用の3つのサイクル
を有機的に噛み合わせた知財戦略をまとめ、それを国家戦略の中核に位置付けるよう
提言しました。その一部は知財基本法の策定や知財戦略本部の設置などとなって実現
されつつありますが、知財戦略は21世紀の経済戦略の中核をなすものだと思います。
貴国においても、第11次五カ年計画において「自主創新」の精神を掲げ、知財保護に
よる技術革新の創出と独自ブランドの発展を進めているところと伺っておりますが、
精密なコピーが瞬間的にできてしまうIT時代にあって、模倣品対策はとりわけ重要
になっています。
●両国の信頼関係をより一層高めるためにも、わが国で公開された出願の内容を他
人が盗用して全く同内容の出願をしたり、僅かな変更を加えただけの出願をした場合
にも、独占権が与えられるといった事例が起きないよう注意すべきではないでしょう
か。
●そのためにも、権利付与前の適切な審査が行われるよう、審査の精度を高めるた
めの一層の協力関係を構築すべきです。さらには、盗用行為の充実した抑止策も必要
です。現在、貴国で検討中の専利法改正案では、公開情報を盗用して権利を取得・主
張するような典型的な権利濫用の例については、賠償責任を負わせることを検討して
いると聞いており、その方向性については大いに評価しますが、さらに盗用のみなら
ず、恣意的な加工についても何らかの規制をすべきではないでしょうか。
●以上、時間の関係で省略せざるを得なかったWTOやFTOの問題、エネルギー問題を
始めとする多くの論点については、同僚議員にお願いすることとし、日中関係のさら
なる深化と世界の平和を祈りつつ、私の基調報告を終了します。御静聴ありがとうご
ざいました。
【2】先週の主な活動
■3月19日(月)
08:00 第741回マンデーレポート
■3月20日(火)
08:00 民主党(拡大)内閣部門会議
08:30 民主党法務部門会議
09:50 参議院法務委員会理事会
10:00 参議院法務委員会
12:00 民主党・新緑風会常任役員会
13:00 日中議員会議のためのブリーフィング(特許庁)
13:30 日中議員会議のためのブリーフィング(経産省)
14:30 日中議員会議のためのブリーフィング(外務省)
19:00 小林たかし総決起大会
■3月21日(水)春分の日
13:30 故角田正幸様告別式
■3月22日(木)
12:00 参議院民主党国対・理事合同会議
13:30 中島特許庁長官レクチャー
13:40 共同通信取材
17:00 民主党法務部門会議役員会
18:00 日中議員会議中国代表団来日歓迎晩餐会
★日中議員交流メカニズムにしたがって、第1回の全人代の代表議員団が訪日しま
した。代表は全人代副委員長の路甬祥さん。総勢10名の議員の皆さんと参議院別館43
号委員会室を使って3つのセッションで意見交換します。私は、26日(月)の第2セッ
ションで日中経済関係を中心にした基調報告をする予定になっています。(前記
【1】参照)
■3月23日(金)
09:30 参議院民主党議員総会
10:00 参議院本会議
11:00 日中議員会議(第1セッション)
13:30 日中議員会議のためのブリーフィング(経産省)
14:00 日中議員会議のためのブリーフィング(特許庁)
14:30 日中議員会議のためのブリーフィング(外務省)
18:30 たさき博之総決起大会
■ 3月24日(土)
10:00〜16:00 岩手県知事選挙応援
★達増拓也知事選挙候補者を応援に、三陸の宮古市
山田町に行ってきました。新花巻駅からさらに車で2時間。
時間距離では、東京から最も遠いところだそうです。
同僚議員の平野達男さんとともに遊説しました。
18:00 河内柔道会父母の会「慰労会」
■ 3月25日(日)
10:00 藤井弘一総決起集会
11:00 法律相談
14:00 猪瀬成男総決起集会
16:00 第12回さよなら6年生 高嶋徹杯争奪戦 閉会式