国会通信 No.751
【暴走国会】
2007/6/25 (マンデーレポート751回の要旨)
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【1】暴走国会。
【2】議事妨害の権利と「フィリバスター」。
【3】被害者刑訴法案に対する附帯決議
【4】先週の主な活動
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【1】暴走国会。
●先週の国会においては、民主主義の基本的ルールを完全に葬り去る、
常軌を逸した出来事が立て続けに起こった。安倍総理は支持率の低迷に
血迷ったかのようである。
●「こんな国会見たことない。」 最近の議員総会で輿石参議院会長が
よく言っている言葉である。そのとおり、衆議院3分の2の圧倒的多数におごった安倍政
権の、常軌を逸した院外からの指示により、衆参は転がされている。いまや国会は「暴
走国会」と化している。
●常軌を逸した例を挙げてみると
1 懲罰委員会の横光委員長への解任決議。
委員長としてほとんど何もしていないのに、言葉を変えれば不信任の事実が
見当たらないのに解任されることになった非常識な決定がまかり通ってしまった衆議院。
2 強行採決の常態化。
イラク特措法の2年間延長についての参議院外務委員会、
そして教育関連3法案についての文部科学委員会。それぞれ超重量級の
法案を抱えた2委員会での、同日同時刻の同時並行的強行採決。
良識の府が聞いてあきれる権力国会。
3 発言前の発言時間制限動議。
アメリカの議会のフィリバスター制度を容認する参議院の雰囲気が、
根柢から覆ってしまった。「良識の府」としての残り香すら、与党の
発言打ち切りの緊急動議によりとうとう奪われた。しかも、その動議は、
発言が行われる前に提出されたものである。あまりにもひどいやり方
ではないか。
●かつて、支持率が伸びず思い悩んだ小泉前首相が、渡辺淳一氏の「鈍感力」を引き
合いに出し安倍首相を励ましたことがあった。それ以来、こと「少数意見の尊重」とい
うことについては、安倍総理は鈍感力を最大限に発揮し続けている。
●青年会議所やライオンズクラブが議事進行のバイブルにしているのが
ロバート議事法。(1876年。アメリカのヘンリー・ロバート将軍が、
アメリカ下院の議事運営ルールを詳細に調べルール化したもの。)
そこでは、民主的な議事運営としての、4つの権利があげられている。
それは、
1 多数者の権利、2 少数者の権利、3 個人の権利、4 不在者の権利
の4つである。
民主主義の議会では、議長は絶対権限を持つ。しかし、それは議長の勝手
気ままを許すものではない。少数者の権限も尊重することによって、
初めて議長の絶対権限が容認されるということを忘れてはならない。
【2】 議事妨害の権利と「フィリバスター」。
●成熟した議会は、少数派による議事妨害を、それなりに容認し、
さまざまなルールを作っている。なぜそうなのだろう。
アメリカや、イギリスで、少数会派に認められている議事妨害のルールとは
なんなのか。さらに議事妨害を容認する政治哲学はなんなのか、考えてみた。
●民主主義の議会が、すべて多数決原理だけで運営されるとしたら、
民主主義を実感できるのはたった一度だけ、選挙のときだけになってしまう
だろう。選挙の結果が出た瞬間、多数政党と少数政党の色分けが決まり、
多数政党の決定がすべてとなり、少数政党の存在は無意味になるからである。
選挙後、次の選挙までは、多数政党による一党独裁になってしまう。
こんな、一瞬間だけの民主主義、長期間の独裁制を想定して、選挙を
行うわけであろうはずがない。まさに多数決原理の中で、少数意見の
主張をどの程度容認するか、そのバランスが重要なのである。
●民主主義の原典とされるあめりか映画、「スミス都へ行く」を
見たことがあるだろうか。新人の上院議員が、ダム工事の不正を暴くために、上院の演
壇で無制限の告発演説に挑戦する。憲法の各条文の引用から始まり、
知力と肉体の限界の挑戦した長時間演説は、やがて全国民の心を揺さぶり、
最後には不正を行った政治家と業者の弾劾に勝利する。感動的なこの映画は
フィリバスターの代表例として必ず引用される。
●フィリーバスターの語源はオランダ語、その意味は「略奪者・海賊」
とのことである。最近も、ボルトン国連大使の承認問題で、アメリカ
上院で民主党議員がフィリーバスターを連発した例が報道されたとおり、
映画だけの話ではない。現実政治の話である。
●さらにアメリカ上院では、このフィリーバスターに対抗するための
「クローチャー」投票の制度までルール化されている。上院の規則には、
議員の6分の1による発議と、5分の3の議員、あるいは60名の議員の
賛成によって、「フィリバスター」は中止しなければならない。上院の定数は
100名だから、フィリーバスターを阻止するのはかなり困難である。
前述のボルトン氏の場合は、共和党側のクローチャー投票は再三失敗した。
●日本の議会ではかつて独特の議事妨害として牛歩戦術があった。
しかしテレビ時代になって、牛歩への抵抗感が増し、PKO法案のときの
菅直人議員の印象に残るフィリーバスター以来、長時間演説が要所要所で、
わが国の野党の新たな抵抗戦術として、それなりに認められるようになった。
●私が初めて目撃したフィリーバスターは、菅さんのPKO法案の反対討論だった。
必死で、演台に置かれた原稿の下にある木箱にしがみつく菅さん。彼を演台から押し出
す大勢の衛視たち、ずるずる押されながら、必死で木箱を抱きかかえるようにしながら
、法案の反対を言い続ける菅さん。その姿は鮮烈だった。(それ以降、演台の原稿置き
の重い木箱は、つかみようがない細い金属製に代えられたような印象がある。)
●参議院では、民主党の女性議員がフィリーバスターで多いに気を吐いた。
たしか住民基本台帳法案のときの委員長解任決議の趣旨説明にたった
円より子さんは、2時間8分の大演説を行った。その後、彼女の記録は、
3年前の年金法案の強行採決の後に参院厚生労働委員長解任決議案の
趣旨説明演説を行った森裕子さんによって大幅に更新された。
その演説時間はなんと3時間1分だった。見方を変えれば、当時の
与党には、反対する少数意見を我慢しながらも聞き届ける大きな度量が
あったのである。また、私はそこに参議院の成熟した大人の理性を
感じてもいた。
●しかし、このような余裕は、今の安倍総理からも、参議院自民党からも
完全に消えてしまった。多数が自己主張してどこが悪いのだという開き直り。
少数者は、多数に黙って従えばよいという傲慢さ。こんな鈍感力が、常識化することは
、とても怖いことである。
●人間にとっての「美しさ」の根源は、強者の謙抑ではなかろうか。
ケネディーは、大統領就任演説の中で、理想の社会を、端的な対句で、
次のように表現している。
「ストロング・ジャスティス、ウィーク・セキュアド」
「強きものは公正であり、弱きものがしっかりと守られている」
●美しさの基本はどこでもおなじだと思う。
しかし、安倍総理の美しさの中に強者の謙抑はない。
そして、少数者の思いに対するすさまじい鈍感さ。
私は、安倍総理の鈍感力は、まちがいなくこの国の未来を危うくする
と感じる。だからこそ、参議院選挙は勝たなければならないと思う。
【3】被害者刑訴法案に対する附帯決議
●被害者刑訴法案は多くの問題点を持った法案です。
検察官と被害者の求刑意見が食い違ったら裁判所はどう判断すべきなのか、
裁判員制度の実施前に被害者参加制度がスタートする公算が強いが、
その順番は逆にすべきなのではないか、等々のさまざまな問題点が
あります。心配な点をきちんと指摘した付帯決議を残したいと
考えました。全会一致で決定した付帯決議の全文を以下に掲載します。
ご参照ください。
●政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について
格段の配慮をすべきである。
一 犯罪被害者等が刑事裁判に参加する制度は、当事者主義の理念を前提とし、その実
施に当たっては、犯罪被害者等の権利利益の保護が十分に図られるとともに、過度の報
復感情や重罰化を招くことなく、被告人の権利が適切に保障されるよう、制度の公正か
つ適正な運営に配意すること。
二 犯罪被害者等の保護・支援を図るためには国民の理解と協力が必要であることにか
んがみ、本法の趣旨及び内容について国民に対して十分な周知を図ること。
三 刑事裁判の手続においては、被害者参加人となった者に限らず、犯罪被害者等と検
察官との意思疎通が十分図られるよう努めること。
四 犯罪被害者等が刑事裁判に参加する制度及び損害賠償命令制度の対象となる被告事
件の範囲については、本法施行後の制度の実施状況や対象とならない犯罪の被害者等と
の権衡等を踏まえて検討を行うこと。
五 犯罪被害者等が刑事裁判に参加する制度及び裁判員制度の実施時期が近接している
ことにかんがみ、混乱を生ずることのないよう、万全を期すること。特に、被害者参加
人による量刑に係る意見については、裁判員が本制度の趣旨を十分に理解することがで
きるよう配意すること。
六 犯罪被害者等への当該犯罪に係る情報の提供については、その尊厳を踏まえた対応
をするとともに、公判記録の閲覧及び謄写の範囲拡大については、当該公判への不当な
影響や被告人を含む関係者の名誉・プライバシーの侵害を生ずることのないよう、十分
配意すること。
七 犯罪被害者等に対する給付制度の抜本的見直し等、犯罪被害者等の精神的・経済的
支援及び被害回復のための施策の充実に努めること。
八 犯罪被害者等の支援には多方面の施策が関わってくることから、関係府省庁等は一
層緊密に連携し、今後も本法の施行状況、犯罪被害者等の要望、諸外国の犯罪被害者支
援政策等を踏まえながら、犯罪被害者等の支援の在り方について引き続き検討を行うこ
と。
【4】先週の主な活動
■ 6月18日(月)
08:00 第750回マンデーレポート
09:30 法律相談
■ 6月19日(火)<10:00〜禁足>
09:50 参議院法務委員会理事会
10:00 参議院法務委員会
★被害者参加の刑事訴訟法について前川清成議員が
締めくくりの質疑を行い、民主党の修正案の趣旨説明を行いました。
民主修正案は 賛成少数で否決。
その後、原案に賛成しました。
最後に、付帯決議を全会一致で可決しました。
付帯決議(上記【3】参照)は私が提案しました。
12:00 民主党・新緑風会常任役員会
13:00 参議院民主党議員総会
■6月20日(水)<09:30〜禁足>
08:00 民主党法務部門会議
09:00 「小さな政府vs大きな政府研究会」打合せ会
★小沢(鋭仁)議員、桜井充議員と今後の運営(存続も含めて)
について協議しました。小泉改革の負の遺産が今以上に大きな
テーマとなるであろうと考え、存続させることで一致しました。
09:30 参議院民主党議員総会
12:00 参議院民主党国対・理事合同会議
12:45 参議院民主党議員総会
13:00 参議院本会議
★第1ラウンドは、イラク特措法関係の採決。
委員長解任決議の趣旨説明。討論。採決。
15:45 参議院民主党議員総会
16:00 参議院本会議
★本会議の第2ラウンドは、教育関係法案の採決。
フィリーバスター的な趣旨説明と討論を行おうとしていた水岡議員の
機先を制する発言時間制限の緊急動議が与党から提出され、
発言時間は10分に制限。抗議をこめて水岡議員は制限時間を8分オーバー。
がんばった。しかし、この出来事により、参議院で伝統的になりつつあった
米国議会のフィリーバスター的な慣行が完全に葬り去られた。
参議院にそこはかとなく残っていた良識の府の残り香は
完全に消し去られることとなった瞬間である。(参考【1】)
■ 6月21日(木)<10:00〜禁足>
15:45 議員総会
★12日間の会期延長が正式に提案された。
手続き的には、会期延長は衆の議決のみで決定される。
参は、衆の決定を受け入れるしかない。公務員関係の法案の成立が
大義名分だが、その施行期日は「公布後1年」、会期延長するまでの
緊急性はまったく見られない。選挙を少しでも先送りし、年金問題の
ほとぼりを少しでも冷まそうという総理官邸の思惑はみえみえ。
ついに国会は、総理官邸のリモコン団体になってしまったかのようだ。
18:30 谷ひろゆき足利地区総決起集会
■ 6月22日(金)
13:30 地元街宣活動
★雨中、宇都宮市内で街宣活動実施。
19:00 谷ひろゆき日光地区総決起大会
20:30 福田浩二、福田ちえと語る会(福田ちえ総合選対解散式)
■ 6月23日(土)
18:00 齋藤たかあき後援会通常総会・躍進のつどい
■ 6月24日(日)
13:30 2007年度JPDGA栃木第1回役員会議
17:00 谷ひろゆき中央総決起集会
19:00 飛翔会第2回幹事会