国会通信 No.781

 【画期的な人事制度スタート】

2008/3/17 (マンデーレポート781回の要旨)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■  【1】画期的な人事制度スタート。 【2】武藤氏を不同意にした理由。 【3】先週の定例記者会見。 【4】先週の主な活動 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】画期的な人事制度スタート。 ●新しい人事制度が先週からスタートした。いままで形骸化され、  軽視され続けた人事についての国会の権限。ようやく国会の同意人事  制度が蘇った。 ●マスコミは、武藤氏が同意されるかどうかについて焦点をあてるが、  そのことの前に、重要な人事について、国民の代表である国会が、  どうどうとチエックできるようになったことの歴史的意義に、まずは  焦点を当てるべきではないか。 ●いままではどうだったろう。日銀総裁、会計検査院の院長、人事院の  総裁、国家公安委員長など。国会の同意が必要な重要な人事について、  委員会でも、本会議でも、議論する機会は、多数与党の力で、事実上  封印されてきた。 ●委員会で候補者に質問する機会もなく、ただちに本会議での採決に  掛けられた。これらの国家的なVIPを所掌する役所は、与党に充分  根回しをするだけで事足りた。あとは、本会議での採決に掛けられるだけ。  反対討論も認められず、賛否だけの投票は一人30秒もかからない。  自民党の長期政権では、当たり前の光景だった。 ●かつて、衆参の議運理事をつとめた時、余りにも国会の人事についての  同意制度が形骸化していることを、本当に情けなく思った。そして、  ときおり流れるアメリカ議会のFRB議長(アメリカの中央銀行のトップ)  に対する上院の委員会の活発な議論風景をみては、本当に日本は  情けないと思った。官僚たちの水面下の根回しですべてが終わってしまう。  それが今までのこの国の実態だ。 ●同意人事制度は、このように長年にわたって形骸化されてきた。  それは、この国の運営の主役が、国民の代表である国会ではなく、  霞が関の官僚たちであることの、見事な証明であると思う。 ●それが、先週から変わった。衆参の議院運営委員会で、  政府が提示した候補者に対する質疑が行われるようになったのである。  これこそ、官僚政治から脱却する歴史的な第一歩である。武藤氏の  同意不同意の前に、先ず評価しなければならないのは、この新たな  人事制度を与野党合意の上で作ったと言うことである。 ●もちろん、この様な結果を生み出したのは、参議院で民主党が  第一党になったことが最大の要因である。しかし、それと同時に、  与党の皆さんも、私たちの指摘に同感する部分が多々あったことも  指摘しなければならない。 ●具体的な質問バッターは、議運メンバーと、専門部会の代表の  混合チームで編成された。参議院では、議運メンバーである、  直嶋政調会長、そして財政金融委員会のメンバー3名(辻、大久保、  大塚)との差し替えで行われた。 ●そしてその後に、金融部門会議での議論、人事検討小委員会、  そして、代表が入っての国会連絡会で採取結論を出した。 ●官権政治から、民権政治へ。その大きな一歩として、今回の  日銀総裁の人事についての経緯を認識すべきであろう。 【2】武藤氏を不同意にした理由。 ●今回の民主党の出した結論は、武藤氏は不同意。白川氏は同意。  伊藤氏は不同意。ということだった。参議院では社民党の結論は  民主と同じ。共産党は、3名とも不同意。結果、大差で武藤氏は  不同意となった。 ●私は、武藤氏の個人的な人格や能力は、あまり問題にしていない。  それよりも、やはり大蔵省の主計畑を一貫して歩いてきたという経歴に  最も深い関心を持ってきた。そして、大蔵省主導の護送船団方式、  あるいは大蔵省主導の官僚政治、これらのこの国の病弊を改めるためにも  不同意にするべきだと考えてきた。このことについては、これ以上  語る気持ちはない。 ●ここでは、私に寄せられた、一通のメールをご紹介したい。  このメールに書かれた内容については、全く同感である。  わかりやすくポイントを突いているので、そのまま、引用すること  する。 ************************************** ●2007年3月7日 日銀総裁人事について  3月7日、政府は3月19日に任期満了となる日銀総裁、副総裁の後任候補者を国会に提 示した。総裁候補には武藤敏郎現日銀総裁、副総裁候補に白川方明京大教授、伊藤隆敏 東大教授が示された。  今回の人事での焦点は財務省事務次官経験者である武藤敏郎氏の総裁昇格が国会で同 意されるかどうかである。政府、財務省はあらゆる手段を用いて武藤氏の総裁昇格実現 に向けて行動している。また、大多数のマスメディアが財務省の世論誘導活動に協力し ている。  野党は参議院で、中長期の視点から武藤氏の総裁昇格に不同意するべきである。重要 な理由が三点ある。  第一は日本銀行の財政当局からの独立性を重視すべきことだ。日本は第2次大戦に際 して巨額の戦費を日銀による国債引受けで調達し、戦後には悲惨なインフレを招来した 。政府債務は帳消しとなり、預金者は甚大な損失を蒙った。  戦後の主要国では中央銀行の財政当局からの独立性が最重要視された。しかし、日本 では日本銀行を政府の支配下に位置付ける旧日本銀行法が残存し、1998年に改正法が施 行されたものの、独立性の規定には強い曖昧さが残されている。  日本政府の債務残高は主要国と比較しても突出して巨額であり、財政当局にインフレ 誘発による政府の実質債務残高解消の強い誘引が存在している蓋然性が極めて高い。  ドイツ、米国、欧州中央銀行などで財政部門幹部を経験した人材が中央銀行総裁に就 任している例が存在しているが、日本とは事情がまったく異なる点に留意しなければな らない。これらの国では法律、慣例、政策決定メカニズム等のなかで中央銀行の独立性 が完全に確保されている。そのため、財政部門の幹部を経験した者が中央銀行総裁に就 任しても中央銀行の独立性が脅かされるリクスが存在しない。  しかし、日本の場合には政策決定の最高機関である日本銀行政策委員会の委員選任方 法を含めて、日本銀行の独立性を完全に担保する制度および慣行が確立されていない。  今回、副総裁候補とされた伊藤隆敏氏も財務省との距離が近いことに留意が必要であ る。伊藤氏が提唱するインフレ・ターゲティング政策はインフレ誘導策に転化するリス クをはらむものであり、中長期的な通貨価値維持が脅威にさらされるリスクは大幅に高 まると判断せざるを得ない。  また、日本では財務省出身者が財務省を離れても「財務一家」、「大蔵一家」の一員 として財務省と連携して行動していることは周知の事実である。財務省出身の日銀総裁 は財務省と連携して政策運営にあたる蓋然性が極めて高い。  中長期の視点で通貨価値の維持を図る視点から、財務省出身者を日銀総裁候補者から 排除することが、日本の通貨価値維持を担保するセーフティーネットと考えるべきであ る。  第二は日本の構造改革の最大テーマが「財務省を中核とする官僚主権構造の根絶」で あることを踏まえるべきことだ。構造改革が叫ばれて長い時間が経過しているが、財務 省は日本政策投資銀行、国際協力銀行、国民生活金融公庫、あるいは大手地方銀行頭取 などへの天下り利権の象徴的最高ポストである。  官僚利権の中核に位置する「天下り利権根絶」を推進するにあたって財務省から日銀 総裁への天下りを遮断することは、極めて重要な意味を持つ。  財務省は財務省の天下り利権温存の視点から、日銀総裁ポスト獲得に省をあげてエネ ルギーを注いできた。武藤氏の総裁昇格案の野党への根回しにあたっても、財務省次官 経験者が水面下で活発に行動したことが伝えられている。構造改革を前進させる意思が 存在するなら、財務省次官経験者の日銀総裁就任を排除すべきである。  第三は日銀総裁に高度の専門能力が求められる点だ。日本経済および金融政策の大き な困難を伴わない時代においては、日銀総裁に必ずしも高度の専門能力は求められなか った。また、旧日銀法下においては日銀プロパーから構成される日銀理事会が実質的な 政策決定期間として機能しており、日銀総裁の直接的な政策能力が求められる局面は限 られていた。  しかし、現在の日銀総裁には複雑かつ激動する世界の経済金融情勢に対する高度の専 門能力が強く求められている。欧米政策当局トップと直接、密接に連絡競技するコミュ ニケーション能力も非常に高いレベルで求められている。  武藤氏は法律、行政の専門家ではあるが、経済学、金融論、経済政策のプロフェッシ ョナルとしての蓄積は必ずしも十分とは言えないと判断される。日銀総裁に就任するた めの第一の条件は、専門領域における高度な専門能力である。諸外国で財政当局幹部を 経験して中央銀行総裁に就任した人物が存在する場合でも、この条件は確実にクリアさ れている。  日本における財務省の保持している権力は突出している。巨大な財政資金の配分を決 定する予算編成権、国税調査権、租税政策に関する政策立案権、国有財産の管理および 運用の権利、金融庁を通じての金融業界に対する支配権、為替市場への介入権、証券取 引の監視権限、経済政策の実質的な決定権限など、国家権力の主要部分を財務省が集中 して保持し、財務省はその権力の維持増大に務めている、 マスメディアに対しては、 財務省が政府決定のニュースにおける最大のニュースソースであることを活用してマス メディアを従属させると同時に、公正取引委員会トップポストを握っていることを活用 して新聞等の再販価格維持決定権を材料に新聞メディアをも支配している。  政府と財務省は支配下にあるマスメディアを総動員して、日銀総裁人事が不同意とな れば、「金融市場が混乱する」、「国際社会からの信用を失う」、「民主党が日銀総裁 人事を政争の具にしている」のプロパガンダを流布し、露骨な世論操作を実行している 。 *************************************** ●イタリアのメディチ家を挙げるまでもなく、近代国家が誕生する前から、銀行は存  在した。これが、欧米の歴史である。日本の銀行はどうだろう。明治維新後に政府が勧  進元になって、国立の第1銀行から第116?銀行まで作ったのでしかない。歴史の浅  いこの国の金融機関はその生い立ちからして、政府に従属してきた。国民の経済の側に  立って、政府あるいは財政当局と対決する、そんな力も意思も最初から弱いと思ってか  からなければならない。これが、もっとも重要な視点だと考える。 【3】 先週の定例記者会見 (民主党公式hpから再掲) ■2008/03/12 参本会議の結果は同意人事制度における新しい歴史的な第一歩 簗瀬参議院国対委員長 ☆簗瀬進参議院国会対策委員長は12日午後、国会内で定例の会見を行い、日銀総裁人 事における民主党の対応ならびに参議院予算委員会の審議再開にあたっての考え方につ いて、記者団に語った。  はじめに簗瀬参議院国対委員長は、同日午前に行われた参議院本会議で日銀総裁・副 総裁人事の採決が行われ、武藤総裁候補と伊藤副総裁候補が不同意となったことを受け て、「これまで国会に同意人事制度がありながら形骸化されていた。重く反省しなけれ ばならない」との認識を述べる一方、民主党が参議院第一党になったことで同日の結果 となったことについて、「日本の同意人事制度についての新しい歴史的な第一歩となっ たと受け止める」と所信を聴取して質疑、判断した上で採決に至った形を作れたことを 評した。  また今後の重要な同意人事案件についても、「霞が関の官僚の掌の中で動かされず、 国会が民主的な決定にしっかりと関与している状況を作ることが、官僚主権から国民主 権の国家へと変わっていくことになる」との考えを示した。  さらに日銀総裁空白論について簗瀬参議院国対委員長は、「空白はない。日銀の規定 で総裁不在の場合、副総裁が代理となる」と明確に否定。「我々は単なる政局の具にし ないとメッセージを発信しているにも拘らず、政府・与党は政局に絡めて提示を遅らせ 、さらにその案が不同意と予測される中で、敢えて民主党の内部的な混乱を引き起こそ うと画策した非常に姑息な対応に怒りを覚える」と厳しい口調で政府・与党を非難した 。  次に簗瀬参議院国対委員長は、参議院予算委員会の立ち上がりについて、明日、明後 日総括質疑を行うこととなったことを報告。その上で、「これ以上予算を空転させてい く時間的余裕はない。明日から濃密な審議を行っていきたい」とし、隙間なく予算委員 会を開き集中的に審議を行う方針を示した。  最後に予算関連法案の年度内成立が厳しい現状との質問に対して、「与党が衆議院本 会議で野党欠席の中で予算案を強行採決した訳で、時間のリスクを負うのは与党である 」と切り捨てた。その上で、3月末を大きな政治決戦の場面と位置づけ、今後の国会運 営での対応を決めていくことを明らかにした。 ■2008/03/14 年金記録問題、厚労相の責任を徹底的に追及する 簗瀬参院国対委員長 ☆簗瀬進参議院国会対策委員長は14日午後、国会内で定例の会見を行い、日銀総裁人 事の再提示における民主党の対応ならびに参議院予算委員会の審議再開にあたっての考 え方や消えた年金記録問題などについて、記者団に語った。  はじめに簗瀬参議院国対委員長は、参議院の主戦場である予算委員会でようやく予算 案の審議が始まったことについて「与党の暴挙に次ぐ暴挙で審議入りが遅れた分を取り 戻すために、法案の自然成立を避ける29日までの間、単に時間を費やすのではなく、 しっかりとした質問戦を展開していく」と述べ、内容のある議論を行って参議院の態度 をしっかりと示す考えを表した。  次に、政府が日銀人事を17日に再提示することを受けて、人事検討小委員会を開催 して今後の対応を協議したと報告。現総裁の任期が切れる前に総裁の任期を延長する趣 旨の法案を作って日銀法を泥縄式で改正すればよいという動きが与党側にあることに言 及、「そうだとしたら、大変な禁じ手法案である。自らの都合が悪くなると、数の力で 既存の法律を変えていく与党の姿勢は理解できない」と批判すると同時に半ば呆れた口 調で語った。  政府が同じ人事の提案を行った場合の対応については「一時不再議であり、民主党の 考え方としては、議論する必要はない」との見解を示すとともに、あくまでも17日の 政府の提示をもって、改めて我が党の対応を決めていくとの見通しを語った。  消えた年金記録問題で「名寄せ」でも2025万件が特定困難という政府の発表につ いて、簗瀬参議院国対委員長は「政府の言っている数字と、我々の考えている本当に本 人確認ができた数字に乖離(かいり)がありすぎる。政府は、数字のマジックの中でご まかしている感じがする」と述べ、舛添厚生労働大臣の責任ならびに年金問題の真相を 解明するために、今後国会の場で厳しく追及するとした。  最後に暫定税率を維持する租税特別措置法案を巡る与党側との修正協議の見通しにつ いては「輿石会長と同様、修正の呼びかけを我々が行うことはない。また報道などで囁 かれている修正の内容では修正とは言えず、全く問題にならない」と一蹴。  「今国会の最大の争点として考えている暫定税率の廃止、道路特定財源の一般財源化 が実現可能な状況になるまでは厳しい国会運営をしていくことには変わりはない」と、 厳しい姿勢で与党と対峙していく考えを示した。 【3】先週の主な活動。 ■3月10日(月) 08:00 第780回マンデーレポート   ■3月11日(火) 12:00 会派常任役員会 13:00 野党国対委員長会談 16:30 同意人事検討小委員会 17:00 国会役員打合せ 17:30 党役員会 ■3月12日(水) 09:10 国対役員会 09:30 議員総会 10:00 本会議 12:00 国対理事合同会議 14:00 定例記者会見 17:00 参議院民主党・総選挙対策本部全体会議 18:30 阪南大学水野准教授取材 ■3月13日(木) 09:20 国対役員会 12:00 国対・委員長・会長・NC大臣会議 17:00 参議院民主党・総選挙対策本部全体会議 18:00 小沢代表との懇親会 ■3月14日(金) 08:40 国対役員会 12:30 同意人事検討小委員会 14:00 定例記者会見 14:30 民主・自民国対委員長会談 14:50 森林労連河田委員長来訪 15:00 NHK影山解説委員取材 ■3月15日(土) 16:00 行政相談 17:30 故飯島通弘さんを偲ぶ会 ★連合会長の青木さん、前会長の伍井さん、はじめ  50名余りの方がご出席いただきました。発起人の一人として  心から感謝申し上げます。  それぞれの思い出話も、とても暖かくまたユニークで  天国の飯島さんも、さぞ大笑いしていることでしょう。  本当に、ご協力ありがとうございました。  飯島さんのご冥福を心からお祈りしております。 ■3月16日(日) 08:00 宇都宮西部学童野球「第13回高島杯」開会式 10:00 あつみ幼稚園卒業式 11:00 故飯島通弘様お墓参り