国会通信 No.783
【杞憂】
2008/3/31 (マンデーレポート783回の要旨)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【1】杞憂。
【2】先週の定例記者会見。
【3】先週の主な活動
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【1】杞憂。
★3月28日金曜日。平成20年度予算 否決。9年ぶりのこと。
これにより 憲法の定める両院議員協議会の設定となった。
★この日、表舞台では予算の審議をしつつ、昨日の首相提案と与党幹事長提案への対
応で再三、幹部会議がもたれた。相当の変化技を与党は繰り出してきた。特に、税制関
連の日切れ10項目(国税7件、地方税3件)を処理するための与党提案は要注意。
★暫定税率の廃止・ガソリンリッター25円の値下げの道連れになりかねないのが、こ
の10項目。
たとえば、オフショア取引、レポ取引についての利子の非課税措置、
不動産取引の際に課される登録免許税の減免措置、海外旅行者が持ち込む
タバコ、アルコールなどの減免措置、中古自動車の取得税の減免措置などが、
暫定税率の廃止の道連れになって、廃止され国民に迷惑がかかってしまう。
暫定税率の引き下げ、ガソリンの値下げに全力集中しながらも、道連れに
なりかねないこれらの特例措置の廃止は、ずっと頭の痛い問題だった。
★これに対処するために、民主党は3つの議員立法を提出した。
これが言うならば「民主党日切れ法案」である。しかし、実は提出時点から
大きな懸念があった。それが、憲法59条2項の解釈問題である。
実は、私はそのことを提出を決める国会連絡会の議論のときから、指摘して
いた。
★「道連れ増税」を避け、ガソリン値下げができればそれに越したことはない。しか
し、そんな野党に都合の良い、ワンサイドゲームを与党は許してくれるだろうか。そん
なことをぼんやりと考えているうちに、ふと浮かんだのが
59条2項の「ひっかけ解釈の危険性」であった。
★憲法59条2項を普通に読めば、衆議院で可決した法律を、参議院で
「修正」か「否決」をしたときに、衆議院で「3分の2」で再議決できる
と読むのが素直である。権威ある注釈書でも、そのことしか触れていない。
いわば、ひとつの法律案を手続きのレールの上に乗せて、衆議院から発送し、修正か否
決という変更を加えて、参議院から衆議院に送り返す。それが
通常のパターンである。
★しかし、衆議院送付の法律と、同じ内容で、その一部を分割した法案
(いわゆる民主党日切れ法案)を、衆議院から送られた法案と相打ちさせるように採決
したとしたら、その採決をもって、衆議院送付の法案に対する、修正ないし否決とみな
すことは可能かもしれない。与党は当然この乱暴な解釈で、
民主党を返り討ちにしてくるかもしれない。これが、この間、私たちが最大限の注意を
払い続けてきた、59条の変則解釈、すなわち「みなし否決」の問題であった。
★きわどい解釈である。しかし、この国には憲法裁判所はない。残念ながら、
自衛隊の違憲論争を見ても、憲法解釈が政治権力の考え方によって、大きく
ゆがめられてきたのがこの国の歴史である。しかも、憲法59条2項の規定は
参議院が「異なる議決」をした場合にと書いてあるのみ。対案の可決をもって、
送った法律と「異なる議決」があったと解釈してはならないと書いてはいないのである
。最後は、3分の2を持っている衆議院の議運と議長がどう判断するかにかかっている
のである。
★衆参でもこの59条2項の解釈問題を取り上げた。しかし松野頼久、
浅尾慶一郎両議員の鋭い質問に対しても、衆参の法制局長官は、最後は
衆議院の議運が判断することと答えるのみであった。すなわちこの件の解釈は、
3分の2を握る与党の判断次第なのである。
★ガソリンの暫定税率の撤廃以外で、国民に余計な迷惑をかけたくない。
そんな願いをこめて提出された民主党日切れ法案であった。しかし、そのことを逆手に
とって、参議院でそれを採決した瞬間、衆議院で暫定税率の存続を含む法律の再議決が
待っている。このことこそ、私の最大の懸念であり、
またこの懸念は、先週の金曜日の与野党合意についても変わらないと思っている。
★先週金曜日、両院議長の斡旋を受け、与野党で合意したのは、
1 国税地方税関係の、暫定税率以外の特例措置10件について、
まず衆議院で委員長提案で採決し、引き続き参議院でこれを採決する。
(延長は5月末まで)
2 参議院での採決を「異なる議決」と解釈し憲法59条2項を適用して、
衆議院で再議決をすることはない。
とのことであった。
★しかし、現場の責任者としては、この合意で警戒警報を解除するわけにはいかない
。31日の月曜日。まだ年度内である。この日、仮に、参議院で与野党一致で、この日切
れ法案を採決した直後、あるいは、4月になってからでも、この合意事項を与党が一方
的に破棄したらどうなるであろうか。「異なる議決」の判断対象となる対案の議決は、
すでに完結してしまっている。しかも、
民主党も他の野党も手を貸す形で59条2項の適用可能な状況を作ってしまった。もはや
法律上や、国会手続法上の対抗措置は消滅してしまうのである。
★これが、私の最後の懸念である。不気味な兆候もある。福田首相は、
30日、31日まで暫定税率廃止の努力を続けると言明している。与野党の合意が
でき、報道上もガソリン値下げ必至の報道が続いているにもかかわらず、
31日まで廃止の努力の言葉は、ますます強調している感がある。
さらに、参議院自民党は、ここに来て意図的に江田議長への不信任をちらつかせ始まっ
た。そして、執拗に求めてきた道路関連法案の本会議の趣旨説明は、
金曜日から一切なりを潜めている。
★私の懸念が杞憂であってほしいと願いながら、国対委員長としての万全の
対応をしなければならない。明日31日は、本当に重要な24時間となろう。
【2】先週の国対委員長 定例記者会見(民主党hpから)
( )内は私の補足。
■ 2008/03/26
暫定税率を放置した税制への怒り、研ぎ澄まされ政府へ向かう 簗瀬参院国対委員長
簗瀬進参院国対委員長は26日午後、江田参院議長と野党国対委員長との会談終了後に
会見し、国会対応などについて語った。
冒頭、簗瀬国対委員長は、同日、開催が現場で合意されていた予算委員会の集中審議
が与党の審議拒否によって開かれなかったことについて、「たいへん常軌を逸した、与
党とは思えない支離滅裂の国会対応」とコメント。(道路関係法案の趣旨説明の)本会
議の日程設定を求めるあまりに予算案を通すという仕事を忘れたかのような参院自民党
の対応には、あきれてものが言えないとした。
簗瀬参院国対委員長はまた、28日の予算案の採決に関する日程などを報告した上で
、江田参院議長と野党国対委員長との会談内容について、各会派が現状認識と今後の対
応、取り組み方向を説明したと報告した。
簗瀬参院国対委員長は、1リットルあたり25円ガソリン代が値下がりする事実をし
っかりと国民の皆さんに見ていただき、道路をめぐる議論を関連する委員会で4月に徹
底して行う対応で臨む考えを示した。
いわゆる「ねじれ」は政治がひとつの発展をする過程で通り過ぎなければいけないプ
ロセスであり、安易に再議決を持ち出して簡単に多数が仕切るようでは、様々な取り組
みをして新しいルールを出せなくなるという懸念と、衆議院から送られてきた閣法が、
返付(否決して返す)も回付(修正して返す)もされずに参議院に置かれた状況で再議
決されることは国会法に規定がなく、相当無理があるとの考えとが、会談で議長から示
されたと語った。
これに対し簗瀬参院国対委員長は、現実政治の中では最終的には与党が判断すればそ
の憲法解釈が通るものだという考えを示した。その上で、暫定税率を再び引き上げるこ
とが国民の皆さんの理解を得られるかと疑問を述べ、「暫定税率を何十年間も放置して
平然としている。そのいい加減な税制に対する国民の怒りは、より鮮明に、研ぎ澄まさ
れた形で与党に向かっていくのではないか」と語った。
【3】先週の主な活動
■3月24日(月)
08:00 第782回マンデーレポート (スタッフ 代読)
09:20 国対役員会
PM 与野党国対委員長会談
19:00 東京翔進会拡大役員会
■3月25日(火)
08:15 UIゼンセン同盟政策懇話会幹事会
09:20 国対役員会
10:20 民主党役員会
11:00 音楽議員連盟役員とベネズエラ青少年児童交響楽団代表
との意見交換会
12:00 会派常任役員会
17:00 国対報告会
■3月26日(水)
11:30 国対役員会
12:00 国対理事合同会議
14:00 定例記者会見
18:00 小沢代表との期別懇談会
■3月27日(木)
08:00 朝食懇談会
09:20 国対役員会
10:00 財政金融委員会
10:00 同意人事検討小委員会
11:30 同意人事検討委員会
12:00 国対・委員長・会長・NC大臣会議
12:45 財政金融委員会 委員打合せ
■3月28日(金)
09:20 国対役員会
14:00 定例記者会見
16:00 議員総会
16:30 本会議
★平成20年度予算 否決。9年ぶりのこと。
これにより 憲法の定める両院議員協議会の設定となった。
(上記【1】参照)
19:00 本会議
21:00 本会議
■3月29日(土)
14:00 富岡よしただ総決起集会
16:00 福田あきお後援会総連合会時局後援会
★岡田副代表 来県。衆議院立候補予定の両氏への激励を
こめながら講演。
■3月30日(日)
12:00 佐藤貞夫弁護士を偲ぶ会