国会通信 No.797
【蟹工船】
2008/7/14 (マンデーレポート797回の要旨)
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【1】蟹工船がベストセラーになったことの意味。
【2】市場経済に「タガ」をはめろ。
【3】テーマから葬られた「カジノ経済」論議。
【4】先週の主な活動。
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【1】 蟹工船がベストセラーになったことの意味。
●小林多喜二の「蟹工船」がベストセラーになっているそうだ。
私は、印象的な書き出し、「これから、地獄さ行ぐんだ。」を知っている程度でまだ読
んではいないが、若者を中心にして売れているらしい。
●久しぶりに出演しビデオ取りをした昨日(13日土)のテレビタックル
(オンエアは21日の午後8時から)。私の出番は、後半部分だったが、
その出だしは共産党本部の内部映像と「蟹工船」。若者を中心にして
この著書がベストセラーになっているのは、何を意味しているのだろうか。
●私は、まさにこの国の重大な政治テーマとして、21世紀の「貧困」問題が
浮上していることを意味していると考える。
●先週も触れたが、冷戦の終焉とは、かつて、資本主義の勝利と共産主義の
敗北を意味したと捉えられた。しかし、今、逆に資本主義の限界あるいは
共産主義の復活が論じられようとしている。
●ただ、資本主義から共産主義への急展開というシナリオは、いかにも
テレビ好みのストーリー展開。日本共産党の言う、自由主義と市場経済を
通してやがて遠い将来に共産主義へ、といった展開も理論的根拠が理解不能の現状追認
の大衆迎合にしか受け止められない。
●共産主義は、計画経済を基本とするから、膨大な官僚機構が前提となる。
官僚化した巨大な政党、行政機構、そして軍組織。これらが不可分となってくる。自由
主義経済のトンネルをくぐった後に、巨大な計画経済の運営組織が
待っているなどと構想するのは、荒唐無稽ではないか。
●結局のところ、市場経済を前提にしつつ、そこにどの程度の「たが」を
はめていくかを考えるしかないと私は考える。
【2】市場経済に「タガ」をはめろ。
●問題は、市場経済にはめるべき「たが(箍)」の内容である。
●「箍」という漢字が、竹冠で手偏に矩形そして市を有していることから
なんとなく想像できるように、広辞苑によると「たが」とは、竹を割って
たがねた輪のこと。オケや樽の外側を堅くしめ固めるために用いられた。
これが緩むと当然 その形はゆがみ、最後には全体がバラけてしまう。
●冷戦と言うタガで、東西ブロックがそれなりにしばられ、それなりの秩序が保ててい
た時代が終わり、いまや、世界全体が混沌として放埓な、利益追求
至上主義に陥ろうとしている。そんなときこそ、「冷戦」に変わる、あらたな
世界経済のタガをどうはめていくかが、きわめて重要になってきている。
●それでは、どんなタガが考えられるだろうか。
まず、第1に、市場経済全体を否定しまえばよいとする考え方があろう。
共産党の考えの基本はおそらそこにあるだろう。いわば、タガを、国家から
はじまって企業そして個人生活へと、全面展開する考え方である。しかし、
これは、間違いなく時代錯誤の考え方である。行き着く果ては官僚主義を世界全体には
びこらせるだけでしかない。
●第2に、「タガ」を、できるだけはめないようにすべきだとの考え方が
あろう。これが、いわゆる市場原理主義である。小泉竹中路線の背景をなす
考え方であり、アメリカが、IMFを通して世界に展開してきた考え方である。
市場開放の徹底、規制撤廃の完全化、危機に当たっての高金利政策、この
3点セットを金科玉条のごとく考える。
●今度のサミットも、基本はここから抜け出てはいない。しかし、結果として、いま
そこにある原油・食糧などの商品相場を中心にした投機マネーの跳梁跋扈には、なんの
回答も持たないサミットに終わっってしまった。世界全体は市場原理主義の暴走に本能
的な危機感を持つにいたっていることに、サミットはあえて目をつぶってしまった。地
球温暖化の危機は長期的である。しかし
市場原理主義の暴走は、いま、ここにある危機である。このことをあえて
看過したサミットについて私はなんの評価をする気にもならない。
●さて、私の考える、市場経済を前提にしたタガを大雑把に考えてみると
以下の通りの4つのポイントが挙げられると思う。
まずは、(1)市場経済のなかに、公正にして公平なルールを確立すること、
次に(2)情報の非対称による不平等を生み出さないように徹底した情報公開を行うこ
と、そして(3)普段に発生する不平等を是正し、市場参加の機会を均等にするするた
めのセーフティーネット
(医療、福祉、教育を中心に)については、公費を使ってしかりと拡充すること、
最後に(4)世界レベルでの格差拡大につながる投機についての適
正な規制方法を整備すること、
などがポイントになるのではないかと考える。
【3】 「カジノ経済」をテーマから葬ったことで、すでに結果は見えていた。
●洞爺湖サミットについて各紙はさまざまな評価をしているが、私にとっては、
7月10日付けの日経新聞1面の記事(「複合危機とサミット」上)が、
もっとも興味深かった。
●特に後半の「葬られた討議案」の部分が、今回のサミットの本質的な問題点であり、
サミットの限界を示すエピソードとして、面白かった。
●記事を要約すると、
1 財務省は、今回のサミットの討議テーマの案として「カジノ資本主義の
あり方について」をひそかに準備していた。
2 カジノ資本主義とは、世界で大きく膨らんだマネーが実体経済を振り回す
状況を、カジノ型のグローバル危機ととらえる問題意識にたった見方であること。そ
して、その実例として、サブプライム危機、や投機マネーの流入による原油・穀物市場
の高騰などを考えていること。
3 結果として、この議題のテーマ化については、投機資金の規制に慎重な
米国側の反対にあり、討議案として葬り去られたこと。
4 そのうえで、首脳宣言としては
「原油高の実需・金融両面の要因を共同で分析」
「金融安定化フォーラム報告書の勧告を実施することが重要」等の
準備会合の声明をなぞったものにとどまったこと。
●この記事が、仮に事実だとすると、サミットの限界性の実態や、
米国主導のカジノ経済に縛られている世界の現況が、きわめて明瞭に
浮かびあがってくるではないか。
●投機マネーに、適正なタガをどうはめていくのか。このことこそ、
サミットの中心テーマであるべきだった。財務省は、そのことに、しっかりと気づきな
がら、唯々諾々としてアメリカに押さえ込まれてしまう。このことが
実に残念である。だからこそ、とても洞爺湖サミットを評価する気にはなれないのであ
る。
【4】先週の主な活動。
■7月7日(月)
08:00 第796回マンデーレポート
10:00 足銀問題3者懇談会・懇親会
★過去の失敗をこれからの教訓にすべきであると指摘。
背伸びせず、地元企業の育成に努めるべし等と指摘。
11:00 県政要望
★「キャンプ・ナス」構想について一言。
自然あふれる広大な那須高原を大切にする考え方は大賛成。
ただ「キャンプ」は、軍事的ニュアンスの強い英語であることに
注意を喚起。辞書によれば、駐留地などの軍事施設をさす場合が
第1義、「山荘」は第2義、あるいは米語。変な誤解を受けないような
ネーミングをすべきであるとして、命名に反対論を述べた。
また、政府高官の静養用の別荘地という2番目の使途は、国民の理解は
到底得られないから、削除すべしと指摘しておいた。
19:00 職員旅行
★2年間近く、スタッフの旅行をしていなかったので、久しぶりに実施。
場所は福島県の白河市内。
■7月8日(火)
18:00 民主党栃木県連幹事会
■7月9日(水)
09:00 健康診断(胃カメラ)
■7月11日(金)
09:00 健康診断(腸透視)
■7月12日(土)
16:30 テレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」収録
★放送の予定は、21日月曜日。
(午後8時からの2時間特番。私の映像はおそらく後半部分)
■7月13日(日)
09:30 宇都宮市柔道連盟 第28回小学生大会
13:00 民主党県連 街宣活動
(石森さんと、宇都宮各所で街頭演説。)