国会通信 No.799

 【貧困の基礎データ 他】

2008/7/28 (マンデーレポート799回の要旨)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】この国の「貧困」の基礎データ。 【2】「貧困」を示す4つの基礎データ。 【3】生活保護の補足率を40年以上調べていないわが国。 【4】小泉構造改革スタート以来の社会保障費削減。 【5】GDPと社会保障費 【6】先週の主な活動。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】この国の「貧困」の基礎データ。 ●このごろ21世紀の新しい「貧困」こそ、民主党が取り組むべき  政治テーマの一つになるとの認識が深くなってきた。そんななかで、  文芸春秋8月号の「貧困大国ニッポン」を読んだ。 ●NPO法人自立生活サポートセンター・もやいの事務局長である  湯浅誠さんが著者であって、現在深く広く進行しているわが国の「貧困」の  実態が端的に整理されており、きわめて参考になった。ぜひご一読を  お勧めしたい。 ●以下は、湯浅さんの上記著作で紹介されている、わが国の「貧困」の  データを整理したものである。私自身の政策データとして、今後繰り返し  参照していきたいとも考え、あえて今週号のマンデーレポートのテーマと  させていただいた。 【2】「貧困」を示す4つの基礎データ。 1 生活保護受給者 現在155万人。   (95年は、88万人。倍増ちかい急激な伸び) 2 貯蓄ゼロ世帯  全世帯の22.9% (06年)。           (00年は12.4%) 3 非正規雇用者  勤労者の33.5% (過去最高) 4 自殺者     10年連続3万人超。           (経済・生活問題 が7000人。しかし、   仕事に疲れたなどの「仕事理由」や、うつ病等の精神   要因による「病気」などを含める、広い意味での   困窮が要因となった自殺は半分以上。) 【3】生活保護の補足率を40年以上調べていないわが国。 ●日本には明確な「貧困」の定義がない。一般的には、憲法25条の  生存権規定を受けて、生活保護の基準である「最低生活費」を下回ることを  言う場合が多い。 ●問題は、生活保護基準を下回る人たちがどのくらい存在し、そのうち  現実に生活保護の給付を受けている人たちがどれくらいいるか、すなわち  生活保護の補足率を40年間、厚生省は調べていないことである。   ●厚生労働省が、小泉政権以来、必死で社会保障費の抑制に努めさせられていること  、そして、その一環として、福祉事務所が「水際作戦」を展開し、  申請を押さえ込みにかかっていること、その結果として生活保護の申請率は  全国平均で45%となっていること等については先週報告した。 ●こんな状況であるから、わが国の生活保護の補足率の正確なところは  掴みづらくなっている。 ●最低生活費の算定は地域ごとにばらつきがあり、最低生活費を下回る  貧困層の実態数の把握は困難な状況であるが、全国で1000万人程度ではないかと推  計されている。してみると、補足率は15%程度でしかない。   【4】小泉構造改革スタート以来の社会保障費削減。 ●まず数字から見ると   2002年度 3000億円                03年度 2200億円                04年度 2200億円                05年度 2200億円    06年骨太方針  5年間で 1兆1000億円                   以後毎年2200億円削減 福田政権でもこの方針を継承 ●この方針を実現するために厚労省は四苦八苦。  結果として、法律事項ではない、政令・省令・通達のレベルでの  削減策を、次々と実施している。法律事項ではないから、国会議員を  素通りして、つぎつぎと社会保障費への切込みがすすんでいく。    その具体的な例は、以下の通り。  1 生活保護の「老齢加算」の見直し。  167億円。(06年)   2 生活保護の「母子加算」の大幅削減。 470億円。(07年、08年合計)  3 失業手当の給付日数削減。(勤続10年程度で210日が、原則90日に)    (失業保険受給率は、82年に59.5%だった。これが06年には21.6%に)  4 患者数が5万人を超えたことを理由に「難病助成」打ち切りに。  5 医療機関のリハビリ日数を90日に限定。 【5】GDPと社会保障費 ●小泉改革以来、社会保障費に対する、徹底した切り込みが続いている。  しかし、それほど、わが国の社会保障給付が手厚いかと言えば、実は  まったくそうではない。 ●文芸春秋の湯浅レポートによると、GDPに占める社会保障費の割合は以下の通りで  ある。        フランス 28.7%        ドイツ  27.3%        イギリス 20.1%        EU平均  26%        日本   17.7%        アメリカ 16.2% ●この数字を見ても分かるとおり、日本の社会保障給費のウエートは、欧米先進国の中  でも、アメリカについで低レベルであることが分かる。にもかかわらず、長期的な削減  目標を掲げ、それを骨太方針の中核に位置づける。それは  「めざせ、アメリカ」と言わんばかりではないか。まさに、小泉改革の正体は、アメリ  カの市場原理主義政策、その盲目的な追従といわざるを得ないのである。 【6】先週の主な活動。 ■7月22日(火) 08:00 第798回マンデーレポート ■7月23日(水) 17:30 連合栃木「STOP THE 格差社会」街宣活動 ★連合の青木会長、板橋事務局長、そして石森さんと宇都宮駅前で  街頭から訴え。気がついたら40分間の大演説になっていた。 ■7月24日(木) 終日 簗瀬進後援会総連合会    「やなせ進と旅する会」 ★第5回目となる「旅する会」。国会、NHK、浅草、そして  お楽しみの明治座観劇。ご参加の皆さんに心から感謝申し上げます。 ■7月27日(日) 10:30 JP労組栃木中部支部 第1回定期支部大会 13:00 民主党栃木第3区総支部街宣活動 ★那須塩市を中心に街頭演説。  午後4時前から雷雨に。多少濡れても涼しいほうが良い。しかし  落雷は怖いものがある。西那須野、大田原、黒磯各地で2回ずつ、  各20分程度の街頭演説を行った。