国会通信 No.811

 【なし崩し的閣議変更は卑怯】

2008/12/8 (マンデーレポート811回の要旨)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】なしくずし的な閣議変更は卑怯千万なり。  【2】先週の定例記者会見から。(民主党hpから再掲。加筆訂正は私。) 【3】本会議 議了 案件。 【4】先週の主な活動。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】なしくずし的閣議変更は卑怯千万。   ●日本の政治は、なかなか進化しない。その理由の一つに「なし崩し的な  政策転換」があると長い間考えてきた。 ● なぜそう考えるかだが、あらゆる政策は、その背景の社会環境に適応した  ときに効果を発揮する。それが「良い法律」であり「良い制度」なのである。  しかし、国際環境が劇的に変わったり、あるいは皮肉にも政策の成功によって、  社会自体が新しい状況に変化したり、時間の経過で、法律や制度と社会環境が  不適合となることは、おおいにありうることである。そんなときは、かつての成功した  法律や制度も、徐々に効果を失ったり、ときには有害とさえなっていく。  私は、それが生きた政策の宿命であると考えている。 ●だから、政策変更をするときには、政策の効果の検証が極めて重要となる。  厳密な検証や総括が行われ、その結果としていままでの法制度が、すでに  有効性を失っていること(現状分析)や、なぜそうなったかの原因の分析が  行われる。そして、その結果を踏まえて政策転換が行われれば、新たな  法制度は、おおむねその前の法制度よりも多少のレベルアップが期待できる。  まさに政治の進展は、厳密な結果評価に基づくと言えよう。 ●しかし、厳密な総括や検証なしで政策転換を行ってしまえば、いつまでたっても  効果の低い政策を立案し続けることを許し、国民の税金を無駄遣いし続けることに  なる。このような愚かしい事態はなんとしても避けなければならない。 ●ただ、政治の世界では、厳しい自己検証はなかなか行ないづらい。  どうもそれが実情のようである。なぜか。それは率直かつ厳密な自己検証を行えば、い  きおい自分に対する有権者の評価を失うことになるからである。自分に都合の  悪いことはあまり言いたくない。政党も個人も似たような側面を持っている。 ●まして、政権交代の機能してこなかった日本の政治では、まことに法制度の  評価が甘い。知らぬ間に、理由も明らかにせずに、閣議決定したかつての  重要な方針を転換する。その政策が、成功したか失敗したかの、現状分析も  不明、なぜそうなったかの原因分析も不明、まさに政策の評価システムが  欠落したままで、平気な顔で政策を転換する。国民に対しての釈明も  謝罪も行われない。反省なきところに前進はない。この繰り返しが、  いままで長期にわたって続いている。これは、わが国の政治の本質的な欠陥  と言ってよい。 ●さて、小泉内閣の最終年の2006年7月7日に閣議決定されたのが  「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」、いわゆる「骨太方針06年」  であった。その中味は、2011年に国・地方の基礎的財政収支を黒字化する  ことを目標に掲げ、07年から11年度にかけての歳出・歳入の一体的改革を  おもな内容とした。そして歳出改革の主なものは、5年間で  社会保障費削減1.6兆円、公共事業費削減5.6兆円、ODA防衛費4.5兆円、  公務員人件費2.6兆円であった。 ●しかし、来年度予算の編成に当たっては、この骨太06年の柱である、  社会保障費抑制や公共事業費抑制が有名無実化されようとしているのである。  このような麻生内閣の予算編成の方針が先週決定されたが、まさに06年骨太の  閣議決定についての厳しい総括が行われぬままの、なし崩し的な政策転換で  あることは明らかである。表現はちょっと古いが、「なし崩し的政策転換」は  卑怯千万也、と言いたい。 ●私自身は、小泉政権の最大の犯罪は、社会保障費の長期間にわたる削減だったと思う  。政権発足の初年度から3000億円の医療費削減を行ったのが小泉内閣であり、彼は5年  間の在任中、毎年のように社会保障費削減を行っていった。まさに  「医療費亡国論」の忠実な信者が小泉だった言える。そして06年骨太は、後継者に  対する遺言状だった。だから安倍、福田はそれを守り、麻生ですら真っ向からこれを  否定できずにいる。 ● この縛りに対して、理由を堂々と明らかにし、真っ向から否定するのであるなら、  評価しても良いが、こそこそと裏口からなし崩しにするのは、まったくいただけない。  国民に理由を明らかにせずに、06年骨太の閣議決定を維持したかのような  くちぶりで、こそこそと政策転換するのは、国民に対して卑怯であると思わないのだろ  うか。 ● 06年骨太についてのどこ悪かったのか、失敗の原因はどこにあったのかなど、  政策の評価が明らかにされぬまま、政策転換を行ったのでは、未来への教訓は  ありえない。政策的な前進もありえないのである。 ●そしてそこに失敗に対する真摯な反省や責任の見地は、まったく欠落している。  これでは、日本の政治の進化はありえない。おなじ失敗を、性懲りもなく  何度も繰り返す。日本政治の致命的な欠陥は、厳しい結果評価なしで、  安易な政策転換を行ってきたことにあると指摘したい。 ●しょせん、おなじ政党が、自らの失政を厳しく糾弾することは困難なのである。  だからこそ、政権交代のメカニズムがこの国に必要なのである。与党の  政策の失敗は、政権交代によってこそ贖(あが)なわれるべきなのである。  政党の自己検証が困難だからこそ、政権交代を行い、新たな政権党によって、  情け容赦ない前政権への政策検証を行うべきなのである。 【2】 先週の定例記者会見から。 (民主党hpから再掲。加筆訂正は私。) ■2008/12/05 「10日の参院予算委では自民党長期政権の失政をえぐりだす」 簗瀬進国会対策委員長は5日午後、国会内で定例の記者会見を行い、10日の予算委員 会集中審議をはじめ、今後の国会日程について語った。  簗瀬委員長ははじめに、10日に経済・社会保障をテーマとする予算委員会の集中質 疑を行うことを改めて報告。質問には円より子副代表、中村哲治、那谷屋正義両議員が 立つとし、本日の衆議院予算委員会での審議状況を踏まえ、しっかりと論戦に挑んでい くとした。  集中質疑では、厳しい経済情勢のもと、雇い止めに象徴される拡大する雇用不安、生 活不安など、足元の社会保障制度が揺らいでいる現状に対して、「自民党長期政権の失 政のツケが積み重なった状況を厳しくえぐりながら麻生首相をはじめ関係大臣に追及し ていきたい」と述べた。  これに関連し、簗瀬委員長は与党の国対サイドと官邸サイドの意思疎通が極めて不十 分であることが露呈されていると指摘。もはや政権担当の体をなしていないと批判した 。  集中審議は、経済・社会保障のテーマで行われることになっている。したがって、 このテーマに関連する5大臣(総理・財務・経済・産業・厚労)は、当然出席しなけれ ばならない。事前に関係5大臣の出席について、予算委員会の筆頭理事間の協議および 与野党国対委員長会談においても合意していたのである。 それにもかかわらず、合意後の本日夕刻になって、、4日の夕刻近くに二階経済産業大 臣、石破農水大臣の両大臣がWTO出席のため欠席となることが判明した。 官邸と自民党国対の連絡不足は連携不足は目を覆うばかりと指摘した。  とはいえ、集中質疑のためにWTOへの出席を阻止するわけにいかないとして、職務 担当の代理大臣ではなく、麻生首相が全責任をもって答弁することを官邸サイドとも確 認したうえで、最終的に10日の予算委員会開催を決定したことも明かした。  また本日、山岡賢次衆院国会対策委員、国民新党の糸川国対委員長と自民党国対委員 長との会談で、郵政株式売却凍結法案に関して衆議院で9日の総務委員会、10日の本 会議で採決することが決まったことに言及。これを受けて、8日の午前中に幹部で協議 し法案の取扱いの方向性を固めたうえ、与党との国対委員長会談を午後に開催、(1) 財務金融、(2)外交防衛(3)農林水産――それぞれ議員立法の今後の運びについて 協議するとの方針を述べた。 【3】 本会議 議了 案件 ■「国籍法の一部を改正する法律案」 骨子:母が外国人であって、出生後日本国民である父に認知された子は、 父母が婚姻した場合のみ届出によって日本の国籍を取得することができるとする 現行の規定を改正し、父母が婚姻していない子にも届出による日本の国籍取得を 可能とする。 採決結果:賛成多数で可決。(220:9) ■「労働基準法の一部を改正する法律案」 骨子:就業形態の多様化、長時間労働者の割合の高止まり等に対応し、 生活時間を確保しつつ、能力を発揮しながら働くことができるようにするため、 労働時間制度の見直しを行う等所要の改正を行う。 採決結果:賛成多数で可決。(217:13) 【4】 先週の主な活動。 ■12月1日(月) 08:00 第810回マンデーレポート 11:00 事務所打合せ 13:00 国籍法全議員勉強会 15:00 与野党国対委員長会談 17:15 大畠章宏先生シンポジウム 17:30 円より子先生国政報告会 ■12月2日(火) 09:20 国対役員会 10:00 民主党役員会 12:00 会派常任役員会 12:30 宇都宮高校2年生の国会見学者の昼食会で挨拶。 ■12月3日(水) 11:30 国対役員会 11:45 民主・自民国対委員長会談 12:00 国対・理事合同会議 12:15 弾劾裁判所裁判員合議 13:00 弾劾裁判所法廷 ■12月4日(木) 09:20 国対役員会 11:30 政権交代を実現する会 ■12月5日(金) 09:10 国対役員会 09:30 議員総会 10:00 本会議 14:00 定例会見 ■12月6日(土) 11:00 故鈴木清作様告別式 15:00 風間家・吉田家 挙式・披露宴 17:00 民主党栃木県連 幹事会 ■12月7日(日) 09:30 宇都宮市柔道連盟 第60回宇都宮市民柔道大会で挨拶。 18:00 宇都宮柔道連盟 懇親会