国会通信 No.828

 【警告決議は、政府への失格宣告】

2009/7/6 (マンデーレポート828回の要旨)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】決算の警告決議は、自民党政権の失格宣告。 【2】「否認したら警告なし」という与党のおかしな言い分。 【3】先週の定例記者会見 【4】先週の上がり法案 【5】先週の主な活動 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】決算の警告決議は、自民党政権の失格宣告。  ●7月1日の参議院本会議で、民主党ほか全野党の一致した反対により、  政府が提出した平成19年度決算が同意を得られず、不承認=否決となった。 ●また、長年野党の求めてきた、決算否決の場合でも、政府に対する  警告決議が、与党の強い反対を押し切って、可決された。 ●まずは、こまかな手続き上の解説は後に回し、以下に掲載する、可決された  5項目の「警告決議」を熟読玩味していただきたい。 ●読めば読むほど、長期政権自民党が、国民の血税を食いつぶしてきたかが、  理解できると思う。言うならば、先週の水曜日の本会議で可決された  5項目の警告決議は、自民党政権への失格宣告だと言えよう。 ● 平成19年度通常予算等に対する参議院の警告決議。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 内閣に対し、次のとおり警告する。 内閣は、適切な措置を講じ、その結果を本院に報告すべきである。 1、(総額1253億円余の過去最悪の不当事項)   平成十九年度決算検査報告において、依然として会計法令等に違反した不当事項等 が   数多く見られ、指摘件数九百六十七件、指摘金額千二百五十三億六千万円と件数、金額   ともに過去最悪となっていることに加え、過去に指摘を受けた不当事項のうち是正措置   が未済となっているものが四百六十五件、百三十一億八千万円に上っていることは、遺   憾である。    政府は、こうした事態を重く受け止め、会計規律の厳正な保持や検査結果を踏まえた   事務事業の徹底した見直しによって不当事案の再発防止に努めるとともに、適切な債権   管理を行うなど過去に指摘を受けた不当事案の是正に向けて、より厳正に対処すべきで   ある。 2(利用されていないテレビ会議)   地域イントラネット基盤施設整備事業等により整備したテレビ会議装置について、平   成十三年度決算検査報告において低調な利用状況を改善するよう指摘されたにもかかわ   らず、その後も全般的に利用状況が極めて低調で事業目的が達成されていなかったこと   は、遺憾である。    政府は、今後、テレビ会議装置の整備費を原則補助の対象としないこととしているが   、運用中の装置について引き続き利用が低調なものについては、補助金の返還も含めて   厳しく指導改善を図るべきである。また、この種補助金の交付に当たっては、利用見込   みの調査を厳格に行うとともに、交付後の利用実績を随時把握するなどして、補助金の   効果の発現、有効活用が図られるよう努めるべきである。   3(ずさんな海外基金の管理)   国際機関の信託基金について、国際連合からその閉鎖の照会文書等を受けていたにも   かかわらず、これを長期にわたり回答することもなく放置していたり、また、信託基金   が閉鎖状態にあることを把握できたにもかかわらずその事実の把握を怠っていたりした   ため、我が国が拠出した十基金、計七百二十六万米ドルの拠出残余金が有効に活用され   ない事態となっていたことは、遺憾である。    政府は、このようなずさんな事務処理が行われた原因を踏まえ、関連情報の的確な把   握と緊密な事務連携、事務実施体制上の不備の改善など確実な再発防止策を徹底すべき   である。 4、(厚労省の不正支出)   厚生労働省及び同省所管の独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構の委託事業に係る   四件の不当事項に関して、委託先である公益法人を始めとする団体226のうち   149もの多くの団体で、委託費から、不正な支出による別途経理や懇親会に係る飲食   費等への流用など、不適正な会計経理によって目的外の用途への支出を行っていた事態   が多数明らかになったことは、遺憾である。    政府は、このような委託事業に係る不適正経理事案に対して徹底的な再発防止策   を講ずることはもとより、委託費の不正な使用等に対する関係職員の処分や加算金の引   上げによる懲罰的措置の厳格化を行い、委託費の適正な執行の確保に万全を期すべきで   ある。 5(厚生年金の不適切な遡及処理)   厚生年金の標準報酬月額等について、不適正な遡及訂正処理による記録の改ざんが組織   的に行われていた疑いのある事例が約6万9千件もあることが明らかになったことは、   極めて遺憾である。    政府は、年金記録をめぐる問題が次々と明らかになる現状を重く受け止め、標準   報酬月額等の記録の改ざんが行われた被害者の救済に全力を尽くすとともに、社会保険   事務所職員による関与の実態の全容解明に努め、関与が明らかになった職員に対しては   刑事告発を含む厳正な処分を行うことにより、公的年金制度に対する国民の信頼回復に   万全を期すべきである。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 【2】「否認したら警告なし」という与党のおかしな言い分。 ●上記の警告決議をおこなうことに自民党は猛烈に反発した。ここ、40年間の先例は  、警告が出来るのは、決算を承認したときに限られる、不承認の場合は、警告決議  の余地はない、これが与党の理屈のようだ。 ●決算重視の参議院、与野党間で積み重ねてきた先例の重み、こんな理屈を立てに  とって、警告決議は政府の決算を「承認」したときにのみ認められるとの言い分を  最後まで変えようとしなかった。 ●しかし、決算を承認したときに限り、警告決議ができるなどと言った明文の根拠  規定は、どこにも存在していないのである。まず与党の主張には法的根拠がない。 ●それどころか、かつて、与野党逆転状況の1986年から90年までの5年間、  決算が是認されず、警告決議が行われなかった時期があった。否認という事実のみが残  り、警告決議による具体的な指摘なしで、決算の手続きが終わってしまうことが続き、  参議院の決算機能が低下するといった大きな危機感が生まれた。 ●その結果として、96年12月、当時の全会派で構成される参議院制度改革検討会は  、決算審査の充実についての答申を当時の斎藤十朗議長に行い、その中で警告決議につ  いては、政府の責任を明確にするため決算の是認否認にかかわらず警告決議を行うこと  ができるものとすると明記したのである。 ●このような過去の経緯があるにもかかわらず、本当に政権交代しそうになった瞬間、  与党は過去の議論をすっかり忘れてしまったのである。このような経緯がある以上、整  斉として対応せざるを得ない。委員会そして本会議と多数決による決着をもって対処さ  せていただいた。 【3】先週の記者会見から。 (民主党公式サイトから加筆) ■2009/07/01 参院本会議での決算否決と警告決議の意義強調 [決算についての懸案を解決] 簗瀬進参院国会対策委員長は1日午後、国会内で定例記者会見し、同日午前の参院本会 議で、19年度決算が否決されたうえで、警告決議が採択されたことについて、決算重 視の参院のあり方として画期的なことと評価した。  また、与党が警告決議の内容については、賛成としながらも決議に反対したのは、「  おかしなことをなさる」と、理解しがたい行為だと批判した。  従来、決算に関する警告決議は、同意した場合にのみできるとされていた。 (参考 上記【1】【2】) [臓器移植法案改正案についての審議の見通し]   また、臓器移植法案に関して、厚生労働委員会で6日から9日までの審議日程が決定  したこと、また、すべての参院議員に、委員会で提出された法案提出者からの資料、参  考人の提出した資料が配布されるようになったことも明らかにした。   さらに、この法案が党議拘束をかけない法案であることに触れ、あくまで委員会での  議論は、本会議で議員一人ひとりが判断する際の事前議論であり、委員会での採決はふ  さわしくないのではないかとの認識を示した。 [東国原知事に関する自民党の動きについて]   自民党内の東国原知事関係の動きについて感想を求められて、「政党が政策を背負い  、それを訴え、政権担当能力はいずれにあるかを問うのが政権交代(をかけた選挙)。  選挙の目玉として、今までの政党の流れとは違う人を持ってくるのがいいのか。便宜的  に政権交代を争っていいのか」と批判した。 ■2009/07/03 「臓器移植法案を政局に絡めるべきではない。」   簗瀬進参院国会対策委員長は3日午前、国会内で定例記者会見し、臓器移植法案をめぐ る参議院の対応について記者団に語った。  はじめに簗瀬参院国対委員長は、臓器移植法案の対案が提出された場合の対応につい て、本会議で趣旨説明の機会を与えるべきだとの見解を示し、7日に提出された場合は 8日の本会議で行なわれると述べた。  党議拘束をかけていない法案のため、細かな議事の先例があるわけではないと前置き をした上で、人の生死にかかわる大変重要な問題であることを重く受け止めながら、各 議員の自由な判断を尊重して進めていくと語った。  臓器移植法案の新たな対案が8日以降に提出された場合の対応については、党議拘束 がないため委員会での修正協議が整わず、本会議の採決段階で修正動議が出される可能 性などいろいろ考えられ、まだ整理されていないと述べた上で、「早く提出してほしい が、出されたら平等の機会を保障した上で(審議を)進めていく。特に与党はこの法案 に解散を絡めてくるが、非常に心外だ。参議院に来た以上は、皆さんの思いを受け止め て、良識の府参議院らしい審議をすべき」として、臓器移植法案は政局とは別の次元で 議論すべきだと強調した。 【4】先週の上がり法案 ■ 7月1日(水)本会議議了案件 ●件名:[青少年総合対策推進法案]  骨子:内閣府に子ども・若者育成支援推進本部を設置するとともに、     自立した社会生活を営む上での困難を有する子ども・若者に対する     支援のための措置等について定める。  賛否:賛成多数(219:5) (反対 社民) ●件名:[保健師助産師看護師法及び看護師等の人材確保の促進に関する法律     の一部を改正する法律案」  骨子:保健師、助産師及び看護師の国家試験受験資格を改めるとともに、     新たに業務に従事する保健師、助産師及び准看護師の臨床研修その他の研修      等について定める。  賛否:全会一致(226:0) ●件名:[エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギ      ー原料の有効な利用の促進に関する法律案]  骨子:エネルギー供給事業者における非化石エネルギーの利用及び     化石エネルギー原料の有効な利用を促進するための措置を講ずる。  件名:[石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律等の一部を改正する     法律案]  骨子:石油代替政策を見直し、石油代替エネルギーのうち非化石エネルギーについ      て、その開発及び導入を促進するための所要の措置を講ずる。  両法案一括の賛否:賛成多数(213:14) 反対 社共 ●件名:[特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、     特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件]  骨子:北朝鮮船籍のすべての船舶の入港の禁止を平成二十二年四月十三日まで実施    (禁止の期間を一年間延長する)することにつき、国会の事後承認を求める。  賛否:全会一致(227:0) ●件名:[平成十九年度一般会計歳入歳出決算、      平成十九年度特別会計歳入歳出決算、      平成十九年度国税収納金整理資金受払計算書、      平成十九年度政府関係機関決算書」についての同意を求める件  賛否:反対多数 (97:131) 反対 民共社  ■ 7月3日(金)本会議議了案件 ●件名:[日本と香港の刑事共助条約]  骨子:日本と香港との間で、捜査、訴追その他の刑事手続きに関する共助に係る      要件、手続き等について定める。  賛否:全会一致(217:0) ●件名:[日本と中華人民共和国との領事関係についての条約]  骨子:領事通報の全件義務化、領事機関の不可侵権の強化等について定める。  賛否:全会一致(217:0) ●件名:国際通貨基金協定の改正等  骨子:国際通貨基金の機能を強化することを目的として、基本票の追加、理事代理      の増員、基金の投資権限の拡大を行うための改正について定める。  件名:[「国際復興開発銀行協定の改正の受諾について承認を求めるの件」  骨子:国際復興開発銀行の機能を強化することを目的として、基本票の増加を行う      ための改正。  両案一括の賛否:賛成多数(209:8) 反対共産 ●件名:[商品取引所法及び商品投資に係る事業の規制に関する法律の一部を改正する     法律案]  骨子:商品先物市場の透明性及び取引の公正を確保するための措置を強化するとと      もに、わが国商品取引所の国際競争力の強化を図るため業務制限の緩和等所       要の制度整備を行う。  賛否:賛成多数(210:8) 反対 共産 ●件名:[沖縄科学技術大学院大学学園法案]  骨子:沖縄を拠点とする国際的に卓越した科学技術に関する教育研究等の推進を図     り、もって沖縄の自立的発展及び世界の科学技術の発展に寄与するため、     沖縄科学技術大学院大学の設置及び運営に関し必要な事項を定める。  件名:[北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律の一部を改正す     る法律案]  骨子:北方領土問題等の解決の一層の促進を図るため、法律の目的に北方領土が我      が国固有の領土であることを明記し、北方領土問題等の解決の促進に関する       国の責務を明らかにし、特別の措置を講ずべき施策として交流等事業の推進        を追加するとともに、北方領土返還運動の後継者の育成、北方領土隣接地域         の振興に係る特定事業に対する国の特別の助成措置の拡充、北方地域の領海    に     おける漁業者の操業の円滑な実施の確保等について定める。   両案一括:全会一致(217:0) ●件名:[国立国会図書館法の一部を改正する法律案]  骨子:国、地方公共団体、独立行政法人等の提供するインターネット資料につい       て、これらを収集する規定を整備する。  賛否:全会一致(217:0) 【5】 先週の主な活動 ■6月29日(月) 08:00 第827回マンデーレポート 12:40 国対役員会 13:00 決算委員会応援傍聴 ■6月30日(火) 09:20 国対役員会 10:00 法務委員会 10:00 党役員会 12:00 会派常任役員会 ■7月1日(水) 09:10 国対役員会 09:30 議員総会 10:00 本会議 11:00 HSSTリニアモーターカー勉強会 12:00 国対・理事合同会議 12:30 弁理士制度110周年記念祝賀会 14:00 定例記者会見 ■7月2日(木) 09:20 国対役員会 10:00 法務委員会 11:30 政権交代を実現する会 12:00 北関東ブロック国会議員団会議 18:30 東京栃木県人会第17回総会・懇親会 ■7月3日(金) 09:10 国対役員会 09:30 議員総会 10:00 本会議 11:00 定例記者会見