国会通信 No.832

 【語るべき「ヴィジョン」とは】

2009/8/3 (マンデーレポート832回の要旨)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】語るべき「ヴィジョン」とは。 【2】先週の主な活動 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】語るべきヴィジョンとは。 ●先週、まずは民主党、そしてそれを後追いして自民党とマニフェストが発表された。 ●まず指摘したいのは、有権者に対して、選挙の前に、「政権交代」および  政権奪取後の「実現すべき法律・政策」を明示して、総選挙が行われるのは  初めてのことである。ある意味で、明治以来の擬似的な民主主義に、  はじめて本当の魂が入ることになる日でもある。したがって、8月30日は、  日本の民主主義にとっての歴史的なあるいは革命的な一日となることは  間違いないと思う。 ●憲法改正論議の際に必ず持ち出されるのが、「憲法制定権」という概念。  国家の本質は法規範である。そして法体系の頂点に位置されるのは、  もちろん憲法であり、その憲法を制定する権力を持つ者が、この国の  真実の主権者であるはずだ。国民主権とは、そういった意味でもある。 ●さらに、国民主権の当然の結果として、政権を担当すべき政党の選択も、  その政党が選挙後に行なう政治の中味(=法律・制度・行政)も、国民の  選択の結果であるべきである。 ●しかし、まずこの国の二つの憲法の制定過程を見ると、後付の理屈は  さておき、国民の側に憲法を自分で作ったと言う実感は、限りなくゼロに  近い。明治憲法は、欽定憲法であって、国民が制定したものでは、  もちろんなかったし、現行憲法も敗戦の結果であることは否定できない。  このように、明治以来のわが国の民主主義の過程で、実は、この国の  究極の決定権が自分にあるという、民主主義の原点を実感できずに、  今日に至っているというのが、この国の民主主義の最大の弱点である。 ●今回、ある意味で有史以来のわが国の歴史ではじめて、政権および  政権が実施すべき政策の選択が、国民によっておこなわれることになる。  だからこそ8月30日は、この国の民主主義の歴史にとって革命的な  一日になるであろうと実感が高まっている。 ●そんななかで、先週、民主、自民ほか、各党のマニフェストが出揃ってきた。  マスコミも、もちろん今度の選挙の重要な意義を理解している。と同時に、  前回の総選挙で、小泉劇場に踊らされたことへの反省の意図あるのであろうか、  この歴史的意義をことさらに強調することは自制しつつ、マニフェストの比較対象  を主眼に紙面構成や番組作りをしていくようだ。 ●冷静に各党のマニフェストを比較して論じようとしている姿勢は、いちおう  理解できる。しかし、すでに民主党を与党扱いし、その結果として、自民党の過去の  失政の結果についての、批判の矛先を、巧妙かつ意図的に、鈍らせている  ような感もある。単なる疑心暗鬼だろうか。 ●選挙の最大の争点は、まずは小泉、安倍、福田、麻生の4人の総理大臣に  よる自公政権の実績評価であるべきである。国政選挙、とくに衆議院総選挙の本来的な  意義は、前選挙の時から始まり、今回の選挙にいたるまでの期間内に行われた、政権政  党の行った政治行政への総括的な評価である。この選挙の第一義的な意義は、政権交代  の是非につながる最大の論点であるはず。 ●それにもかかわらず、今朝の、フジ、NHK、テレ朝、の日曜日の定番政治番組に  共通しているのは、郵政改革選挙以来の4年間の評価、分析、総括については、  もう当たり前であるかのように、無視ないし軽視し、あまり深入りしてこない。  そのかわり、民主党政権になったらどうなると言った、過去を度外視するための、  意図的な飛躍をしているかのように感ずる。この報道姿勢は、おかしい。 ●まだ、結果が出ていないにもかかわらず、民主党および鳩山総理を被告席に  立たせている。まず被告席に座らせるのは、4年間の政権を担当した  自公政権でなければならない。にもかかわらず、政権奪取を当然視して、自公政権の民  主批判を野放しにしているのは、自公の失政に対する免責に手助けしているようなもの  だ。 ●そのうえで、多くのマスコミがもっと「ヴィジョン」を語るべきだと論調をそろえだ  した。  この傾向も要注意だと思う。まず、「ヴィジョン」提示を、自公と民主に「平等」に、  求める姿勢は、自公への免責への逃げ道を作ってやることになるではないか。さらに  「小さな政府」、「大きな政府」、「普通の国」、「小さくともきらりと光る国」など  の、  かつての議論がどう収束させられた思い出すべきである。それは、「大義名分よりも  具体的な政策・法案のほうが重要」であるとの結論だった。不毛とまでは言わぬが、  「ヴィジョン」論争が、現実政治においては、不毛な結果につながる危険性を、  わきまえるべきである。 ●私自身は、「国民の生活が第一」という、小沢前代表以来のメッセージに、かなり  多くのメッセージが含まれていると考えてきた。この言葉の中に、「官僚政治打破」、  「アンチ市場原理主義」、「社会保障重視」、「業界団体による中間搾取排除」、  「国民への直接給付原則」等々の様々な、メッセージが入っている。これらの  総体こそ、この国の未来の姿であり、アメリカと不即不離の関係の中で実現すべき  困難な課題であり、実に深々としたヴィジョンである。 ●さらに、成長力云々のヴィジョンについては、すでに2000年の、総選挙の公約として  知財などの創造力こそ、この国の国家戦略にすべきであると、最初に選挙公約と  して掲げたことを触れておきたい。   ●いずれにしても、大局を忘れ、過去の失政の厳しい総括を忘れた、  マニフェストの表面的な比較分析は、画竜点睛を欠くと言いたい。 【2】 先週の主な活動 ■7月27日(月) 08:00 第831回マンデーレポート 10:30 企業訪問 ■7月31日(金) 17:00 全電線栃木地協「地協結成20周年記念式典ならびにレセプション」 19:00 富岡よしただ総決起集会 ★佐野市民会館、二階まで人が。4年間の、富岡君の必死の取り組みが 確実に姿を現してきた。がんばってほしい。 ■8月1日(土) 10:30 第一電子労働組合第35回定期大会 18:15 第27回高砂荘納涼盆踊り大会 19:00 「ふるさと宮まつり」宇都宮中央卸売市場神輿 ■8月2日(日) 10:30 JP労組栃木中部支部第2回定期支部大会 13:00 郵政退職者芳賀支部第22回定期総会 18:00 塚原たけしげ市議主催の「民主党演説会」