国会通信 No.833

 【自民党のマニュフェストは】

2009/8/10 (マンデーレポート833回の要旨)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】自民党マニフェストは、マニフェストとはいえない。比較対象は論外。 【2】地方分権についての知事会の評価に、客観性があるか。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【1】自民党マニフェストは、マニフェストとはいえない。 ●先週、新聞マスコミが精力的に行っている、マニフェストの比較検討は、  要注意と書いた。そしてマニフェスト比較の前に、前選挙以後に行われてきた政治の総  括が先行すべきであると主張した。 ●総括そっちのけで、ただちに新たなマニフェストの比較に入ってしまうと、  自公政権の失政隠しに手を隠すことになるのは、言うまでもない。 ●そう書いたら、大学同窓の畏友Y氏から、以下のようなメールを頂いた。  私としても、まったく同感であるので、参考までに全文掲載させていただいた。 《Y氏からのメール》 題名 : 自民党マニフェスト ********************************* 「簗瀬様 何が馬鹿馬鹿しいかというと、 今回の総選挙で選ばれた議員=政党=の任期は最大4年であるにもかかわらず、 「次の次の」選挙からの世襲禁止 とか 10年後の議員数1割減 といった具合に、 『4年間の達成度合いを、原理的に検証できない事項をマニフェストに入れる』 ことほど選挙民を愚弄したやり方はありません。 以上 ********************************* ●まったくもって、同感である。  金額、達成年限、作業工程の概要を明示してこそ、初めてマニフェストと呼びことがで  きる。マニフェストは、国民との契約であるべきだから、当然そうでなければならい。  さらに、次の選挙で国民の審判を受ける判断材料が、マニフェストの達成度合いである  べきだから、この達成年限は、当然任期内(=最大4年)であることが当然とされる。 ●民主党のマニフェストも決して完璧とは言えないが、このことにはかなり注意を  はらっている。しかし、自民党のマニフェストは、このことを無視し、選挙が終われば  忘却のかなたに置かれる従来の「公約」に戻ってしまっているようだ。   ●「10年で家庭の手取りを100万円増やし」などの、任期4年を2・5倍も上回る約束など、  そもそも、あまりに長すぎて検証の対象にはなるはずがない。 ●税制の抜本的な改革について触れているが、消費税については、「平成23年度までに  必要な法制上の措置を講じ、経済状況の好転後遅滞なく実施」と記載しているのみであ  って、内容も不明、また実施の前提条件が「経済状況の好転」といった余りにも漠然と  している。消費税上げを「責任与党」の存在証明と思い込み、やたらこれにこだわった  麻生さんと、それをぼかしたい与党議員の、不純な玉虫色の妥協の文章以外の何者でも  なく、とてもマニフェストと言える代物ではない。 ●マニフェストの名にまったく値しない自民党の政策集を「マニフェスト」と平気で位  置づけて、双方を比較検証するマスコミの対応は、とてもおかしい。 【2】地方分権についての知事会の評価に、客観性があるか。 ●もう一つ、気がつくのは、地方分権についての知事会の評価を一面にかかげた大新聞  の紙面づくりである。知事会は、県民の審判で選ばれた知事によって構成されている。  知事たちは、国会議員と同様の政治家集団であり、その判断は、きわめて政治的である  ことは言うまでもない。これを権威ある公平中立な第三者機関であるかのように扱って  良いのかと言いたい。 ●知事会の評価は「公明、自民、民主の順番」だったそうだが、この順番に何らかの意  味があるのだろうか。無意味とは言わないが、投票に参加した知事の数は、全国46人の  うち過半数をかろうじて超えただけ。さらに、どの知事が、どう評価したかは一切明ら  かにされない。匿名性に逃げ込んだ投票に重きを置く必要があるのか。 ●知事という重責を背負いながら、匿名のままで行われた投票結果に、重要な意味を持  たせるのは不見識であると、私は考える。投票が公正に行われたかどうか、選挙のとき  にお世話になった政党に「えこひいき」していないかどうかも判断しようがない。新聞  の一面で取り上げるほどの重要性を感じるなら、知事選における政党推薦の状況と投票  結果については、読者の判断材料とするために、当然明らかにされるべきだし、それが  確保されていなければ、逆に投票結果を終始する必要もない。 ●また、マスコミの得意な与野党バランス論が息を吹き返してきたようだ。そして、そ  れは当然民主党と自公両党の支持率を、じわじわと接近させていくことになるだろう。  やはり、日本のマスコミも、本音ベースでは、政権交代の本能的な恐怖感を感じている  のだろうか。   ●解散から選挙までが、あまりに長すぎる。政権交代は、本当に一筋縄ではいかない。  そんな実感を持つ。 この瞬間に、マックスヴェーバー著「職業としての政治」の決め  言葉、「Denn Noch」(=それでも なお!)を想起した。   【3】 先週の主な活動( 今週は省略します)